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2013年08月25日
相場の起承転結
カタル銘柄が選出される多くのヒントは、新聞や雑誌、テレビなどの情報から相場観が形成されています。これまでのレポートを検証すると、やはり証券マン根性が抜けていませんね。相場が調整局面に入っても、あまりその話題を重視せずに、何かある筈と…買いの銘柄を探しています。空売りと思っても実施しませんからね。困った壁です。この相場全体が上昇傾向か、下降傾向かと言う環境は非常に重要です。僕の現在の実力では、大きく資産を増やしたのは、相場全体が上昇した時に限られています。常にチャレンジするからですね。しかし現実は…どんな株も上がれば必ず休みます。疲れますからね。所詮、人気が持続することは難しいのでしょう。芸能人がスキャンダルを作り話題にするのは、事務所としては一つのチャンスなのかもしれません。テレビなどでレギュラー番組を持つのは大変なことです。人気の持続は難しいのでしょう。
8月17日土曜日のソニーの番組配信のチャレンジは注目できます。今までソニーが日本で唯一、ネット・テレビの世界構築ができる企業だと考えてきました。理由はゲームや映画のソフト資産を有し、足がかりがあるからですね。テレビの生産技術も当たり前ですが…カタルは1995年のウインドウズの誕生直後から、いずれテレビはネットと融合すると考えてきました。おそらくアップルのスマフォの仕組みを見て、ソニーはこの仕組みの構築に動き出したのでしょう。しかしソニーが主体となってやるのが理想ですが…単独ではやはり無理でしょう。ソフト資産の価値はどんどん高まります。NHKの放送は、現在は有料ですが、版権の利用を加速させ、アジア中心に仕組みを構築すれば、僕らが払っている受信料はおそらく無料に出来ます。BBCも優れた番組を創っています。ただ時間が掛かりますが、ソニーの変貌に繋がるこの記事が、今年の8月に生まれたと言う事実を覚えておいてくださいね。順調に行けば、あと3年程で株価は面白い相場になるのでしょう。まだ当面は駄目ですが…。この記事によれば、ディズニーやバイアコム、タイムワーナーと組んで番組を提供するそうです。最初からこのサービスで利益を上げようとしても駄目ですね。LINE型の成長を目指せばいいのですが、どうやって運営をするのか…。さらに体力が残っているか…どうかが焦点になります。
もう一つのお気に入りは、8月23日の「水道、クラウドで管理」という記事ですね。ガイシと富士電機が始める水道事業の管理サービスの記事ですが…。小さな政府を目指すカタル君の発想は、基本的な住民サービスは民間に委託すべきと考えています。水道事業は地方自治体がその運営を行っていますが、水道管は老朽化し、その内、米国で事件になっているように…水道管が破裂して溺れて人が死ぬと言う、信じられない事が日本でも起るかもしれません。この更新需要は膨大な金額なので、現在でもギリギリの地方財政が投資を賄える訳がありません。その権利を今から入札で売却し、民間に運営を任せればいいのです。効率的な水管理をすれば、この分野は成長産業にも成りえます。例えば近い将来、家族の健康状況によりカルシウム入りの水が出て来たり、ミネラルを配合した健康水が水道の蛇口から、自動的に選ばれる時代が来るのでしょう。クラウドの概念は、そういう事ですね。
必ず、日々の健康状態が個別管理され、健康管理されるようになります。毎日、運動する人は保険料を安くするとか…、癌化しやすい人には、この食品を食べなさいだとか…人間がクラウド・コンピュータに管理されるような時代になります。保険料の負担が国から地元管理になると、多くの地方では医療費を削減するために、健康運動の増進や、助け合いの仕組みなど…独自の工夫が生まれるはずです。成功した先進的な地方自治体の仕組みを遅れている地方が学び、その仕組みが全国的に広がるので日本全体が浮上しますね。だから道州制なのです。中央政権体制が機能してないから、地域にあった予算と対策を、地元でさせるべきです。これからの時代は会社で利益を争うより、地元民の活用と言う仕事は面白そうですね。地方役人の仕事は面白い時代になるかもしれません。学校教育も定年退職した人の知恵を借り、特別授業を増やせば、日本人の教育水準も豊かになるでしょう。様々なアイディアがありますね。規制や規則で人間を縛る発想から、みんなで斬新的な仕組みづくりを考えた方が有益でしょう。道州制はその第一歩だとカタルは考えていますが…なかなか実現しません。
最近、目立つのが富士通の存在です。この記事もクラウド・システムの構築は、富士通が担うとなっています。富士通は農業分野においても事業展開を図っているようです。問題はクラウド環境整備の構築だけに留まるかどうか…。ソフトの活用を利益に結びつけられるか?…なのですね。現在の富士通が、どのようなポリシーを持って事業展開を図っているのか分かりませんが、仕組みの販売だけでは、何れ中国などに負けます。そうではなく農業なら農業で、水やりや温度管理、肥料のやる時期などマニュアル化し、作物を育てる効率的なノウハウを付加価値として添付し、その生産から加工、販売まで、一貫した仕組みづくりを効率的に出来るかどうかなのです。美味しい作物を作るのは当たり前ですが…その販売まで効率的なシステムを作るのは大変です。この仕組みを日本全国は当たり前ですが、人口の多いアジア地域に広げる事です。此処まで仕組みづくりが出来るなら、その会社は世界的に伸びます。おそらく富士通はクラウド開発に熱心ですが、経営者がそのバック・グラウンドづくりの発想を、おそらく持ってないのでしょう。此処が問題なのです。
ソニーもそうでしたね。良い物を作れば、売れると信じている馬鹿な経営者が多いのですね。だから日本が敗退したのです。エルピーダの坂本さんは意欲的な経営者でしたが…DRAMの需要予測や付加価値の重要性を軽視していました。設備投資の償却費などの税制が整備されている韓国が、日本より優位になるのは当たり前です。税金だけでなく電力も補助されているのです。日本の逆風環境の中で世界競争のものづくりを出来る道理がありません。しかし東芝は早くからフラッシュに的を絞り、利益を上げていますね。最近の東芝は原子力で失敗し、医療に力を入れ始めていますね。スマートコミュニティーに医療は欠かせない分野ですが、この仕組みづくりを効率に実施しないと、日本は成長軌道に乗れずに失速し墜落しますね。
今、日本政府がやることは、情報管理の一元化とその開放ですね。どうしても個人情報の法律改正が必要になるでしょう。過度の情報管理が、様々なクラウド環境整備の邪魔になります。今は個別で争っている医療情報などの一元化の仕組みを、早く構築しないと他国に競争で負けます。バラバラになっている開発エネルギーを、分散から集中させる為に、役所がリードしなくてはならないのです。この音頭取りの人間が役所に残っているかどうか…。だから道州制なのですね。権力を、予算を含め移転させれば、何処かの地方が、このクラウド環境整備の重要性に気付き、先進的に企業と組んで事業展開をする筈です。役所が自ら予算を掛けて実施するのではなく、そのサービスから得られる未来の利益を担保にして民間の活力を利用すればいいのです。役所はその補助的な補完機能に留めねばなりません。PFIやPPPと言う考え方ですね。その中で優れたものを…全国に広げればいいのですね。
さて、株式市場で3Dプリンターが話題になっていますが…、日本の技術開発は米国や中国に比べ大きく遅れています。結局、スタートラインで大きく遅れているので、やはり負け組でしょう。ものづくりや金型に拘りを持っていたから、新しい技術開発で遅れたのでしょう。群栄やMUTOHは話題性だけで利益が生まれないから、相場を批判している訳ですね。人気は必ず冷めます。ガンホーのように…。今日はその話だったですね。かなり脱線しました。

人間の習性として、値惚れ買いをします。赤字が計上さている007のような相場の出発時期の株は買えないのですが、人気になった利益が出ている企業の株は、参加が容易です。ガンホーのaの時期はなかなか買えないものですが、市場で話題になるbの時期になると強弱感が対立して相場になります。もっとも一般的に引っかかるタイミングがcのゾーンですね。高値から押したので買うのですね。しかし相場はもう終わっているのです。ゲームの一過性率と言うか…利益の賞味期限は非常に短いのです。カタルが相場のスタート当初から、ガンホーに興味がなかったのは利益の質が悪いからです。dの時点で好決算が分かり、空売りになります。カタルは数字を良く見ていませんが、おそらく伸び率が悪くなるのでしょうね。多くの人はeのタンミングで、値惚れによる買いを実行します。しかし多くの場合は、失敗し再び投げさせられますね。おそらくテクニカル面でみると、このf(b)のゾーンでは株価は止まり、一旦は反発したあとに、企業業績の推移をみる様子見になるのでしょう。そうして海外売り上げがスムーズに膨らむようなら、もう一度cのゾーンを目指すのでしょうが…おそらく駄目でしょう。せいぜい、見えるのはeの反発程度でしょう。
つまりこれから訪れるfのゾーンでの買いは、e程度の戻りは期待できます。しかしもしこのまま現状維持なら、何れまたaへ逆戻りもあるのですよ。一過性の利益と言うのは、恐いのですね。特にゲームと言う瞬間湯沸かし器的な業績推移は、この推移の期間が圧縮されます。通常のどの銘柄も、同じような業績推移と株価の動きの経過をたどるのですが、この期間がもっと間延びします。何故、カタル銘柄は、赤字からの出発なのか? 007もケネディクスもそうです。ケネディクスは既に黒字化しましたが…。この相場の起承転結をみると、分かるかと思います。赤字で上がる株は恐くありませんが、黒字で下がる株ほど怖いものはありません。それも大幅増益ですからね。しかしガンホーはそろそろ反発ゾーンになるので…全体市況も、そろそろボックス相場を感じさせる展開になる筈と言うのが、昨日のレポートの内容でした。今日はその補足でした。
投稿者 kataru : 11:19
2013年08月18日
潮流
最近の新聞のニュースを見ると…僕が以前から主張している政策や経営方針が実行に移され始めています。更にその世界が、いろんな点で現実化しているようなのです。例えば、日経新聞の金曜日の夕刊です。米国で人気番組配信の為に、バイアコムと交渉していると報道されています。そうしてこの記事の重要性を考えたのか、日経は土曜日の朝刊にも同様の記事を追加掲載しています。この記事の内容はカタルが以前から主張している経営方針が描かれていますね。
カタルは以前からソニーがネットテレビの開発に方向性を向け、ソフト資産を提供する会社に変貌すれば、ソニーの株価は高くなると言う希望を、これまで何度も書いてきました。しかし日本企業はハード重視の姿勢を崩さず、3Dテレビから4K、8Kと流れる技術開発の時間を費やしてきました。最初は簡単なものでも良いのです。ゲームや映画部門に足がかりがあるソニーが、ソフトを提供する経営スタイルに変化すればグーグルやアップルに負けない凄い成長企業に変化します。
おそらく日本では可能性があるのは、それらの技術や足がかりがあるソニーが一番、そのネットテレビの世界に近い存在だからです。このソフトを提供する世界の覇権を握ることが出来るなら、ソニーの株価は10倍以上になるでしょう。この動きは注目されますよ。しかし日本では馬鹿な慣習があります。パナソニックが、このネットテレビの宣伝をしようとしたら、テレビ局はCMを拒否したのです。自分達の牙城が崩されると言う狭い自己利益を優先し、進化を認めない事例がありますからね。なかなかハードルは高いのです。
カタルのこの考えが正しいと思うのは、東急系のCATVの営業利益が過去最高を更新したと言う業績の記事や今朝の日経朝刊では、アジアで「日本チャンネル」と言うスカパーの記事を連動して組み合わせると時代の方向性が見えてきますね。日経新聞は良いセンスを持っていますが、料金設定が高過ぎます。ビジネス英語のアイディアなども12チャンネルの番組提供などもなかなか良いセンスを持っていますが、「損をして得を取れ」と言う考え方がないようです。その点、LINEは知らず知らずの内にお金を集めている戦略ですね。このスタイルが正しいのでしょう。この点は経営戦略の話ですから…難しい選択ですね。
カタルはDENAの決算資料しか見ていませんが…この会社を長くウォッチしています。カタルが現役の頃馬鹿になったのがSNSと言う会話手段の世界ですね。ミクシィーなどと同じですが、青少年の犯罪への温床だと指摘され、世間から叩かれました。その為に監視要員を200人体制だったかな…南場さんの地元の新潟に拠点を構え批判に対応しましたね。そうしてグリーの成長を見て真似をし…今ではそのグリーを抜き世界一です。この決算資料の中でこんなページが挟んでありましたね。
このページはDENAの成長過程を示すものですが…。新ビジネスの中で、LINEに続きカカクトークが二番手だったのですが、DENAはCOMMのサービスを開始しましたね。しかしカタルは当初からこの動きに対し3番手では開発費を吸収できないと述べていました。最近の報道では、やはりDENAはこのサービスCOMMの提供を止めるようです。今ではLINEを提供する韓国のNHNと言う会社の勝利ですね。おそらくこの成長の背景にはライブドアの部隊が生きているのでしょう。でも株屋はこの1ページにDENAの株価の未来に再び興味が沸いて来ました。非常のこの種は注目されますよ。

さてカタルの頭の中が現実化していると言う話の中で…土曜日の朝刊の金融庁の検査体制の変更の記事はカタルが前から批判していますね。日本経済を立ち上げるのは簡単なのです。不動産担保融資を復活させればいいのです。国が路線価の80%を保証し、銀行に使用目的を問わずにガンガン融資をさせろと述べています。当然、不良債権も生まれます。しかしその損失は僅かで政府が保証するなら、いくらでも産業の芽が育ちますね。ネット時代になり様々なビジネスアイテムは無限に存在します。何しろ販売網や在庫、生産設備などみんな必要がないのです。必要なのはアイディアだけです。その第一歩の金融庁の検査体制が変化する現実は大きいのです。しかし…鐘紡や双日の不良債権企業認定の時に、政策転換を諮っているなら、いざ知らず…10年も遅いのですね。この時間が現場に火種は残ってないのでしょうね。完全に火種が消えてから、火をおこすのは大変な作業です。今では経営者も洗脳されています。正しい方針転換ですが…遅すぎますね。
でもカタルが以前から主張している政策や経営方針がようやく報道を見ると動き出しているようです。1980年代のジャパンアズNO1の時代から中国に馬鹿にされる落ちこぼれの日本が上昇確度は鈍いのでしょうが…徐々に立ち上がり、最初はゆるい株価の上昇ですが…やはりバブル時代に描いた日本株10万円論が実現するのじゃ…ないかな?と漠然と考えています。この「失われた時代」と言う停滞期を作ろうとしても、なかなか作れるものではないからです。相場論から言えば…失われた時代と言う、長い低迷は羨望の材料なのです。必ず、大きな相場の前には準備期間が必要なのです。その準備を20年もかけて作ってきた日本株の成長はすごい波動になりますね。日本株の10万円なんか単なる通過点に過ぎないかもしれません。金融庁の方針転換と言う現実はやがて冷酒のようにジワジワを効いてくるのでしょう。保守的な運用を望む方は、三菱UFJの株価が2006年の高値1950円を抜く姿を見ることになります。しかしそんな株価は単なる通過点に過ぎず、1987年に付けた4350円も抜くのでしょう。
馬鹿な戯言を言っていると思われるでしょうが、間違いなく現実化する筈です。何故なら、カタルの考えているスマートコミュニティーなどの構想が次々に現実化してくるからです。カタルは現在2銘柄の提供に留めていますが…ようやく現実がカタルの空想の後追いを始めて来たようにも感じています。ソニーのネットテレビのソフト資産構成や金融庁の方針転換などは、何度も過去にカタルの空想を述べてきました。この空想に現実が重なって来ていますね。株式投資は、最初は単なるアイディアに過ぎません。その夢に賭けるのですね。その夢がだんだん一つ一つ現実化して行くと、会社の企業業績も伸びてきます。当然、株価も反応してきますね。先ずは想像力を持って新聞や雑誌を読むのです。そうするとだんだん時代の潮流が見えてきます。その流れに果敢に挑戦する企業があれば、是非、教えてほしいのです。今のカタルはDENAと同じく、次の種を探しています。ヒントは「クラウド」ですね。誰か、僕より先に感じて人は教えてくださいね。この間連銘柄を発見された方が居たらメールをください。間もなくカタル銘柄は旅立つのでしょう。だから次の種を探さねばなりません。
投稿者 kataru : 10:36
2013年08月11日
ケネディクスの決算を踏まえ…
今日は注目しているケネディクスの決算が、正式に増額修正が発表されましたから、その分析を含め考え方を整理しておこうと思います。どうも表面上だけでは、なかなか複雑な権利関係は分からないものですね。ケネディクスは今回の浮上期において組織改革を実施しています。これから述べる考え方は、限られた情報の中で立てたカタルの推測で、この考え方が正しいかどうか分かりませんが、ようやくスッキリするようにも感じています。
通常は過去の清算を実施するときは、大幅な赤字を計上しリストラ費用などを特損として計上した後に、新体制に移行します。ソニーやパナソニックなどの事例を見ると良いですね。しかしケネディクスの場合は、おそらく融資の関係でしょうが、特損などの費用計上の会計上の処理は、先に済ませたのでしょうが、上場維持の為に一時疎開させた物件を正常化させる作業が必要だったようです。
ケネディクスのケースは、配当するために「平成25 年12 月期決算終了後の当社株主総会における承認決議その他の手続きを経て、資本準備金の額の減少及び欠損の補填のためのその他資本剰余金のその他利益剰余金への振替がされること等により、分配可能額が確保されることが必要となります。」と解説されています。
連結子会社だったKDAMは、どうも上場維持のために緊急避難先の受け皿として設けられた会社だったようですね。その子会社を本体に組み込み正常化させる一環として、今回は組織改革を行ったようです。基本的な概念が変わるものではありませんが、この後処理を完済するために129億円の資本増強が必要なようですね。更にこの増強により受託資産の規模を同時に加速させる腹づもりのようです。時期は明確にされていませんが、その為に、この1年間の何処かで150億円の公募増資を実行するようですね。増資に関してはシャープのケースを想定すれば良いのでしょう。シャープも増資が必要です。まぁ、シャープにように切羽詰まったものではありませんが、受託資産拡大を急ぎたいのでしょう。何しろ宝の山ですからね。
なるほど…あの600円を綺麗にクリアできなかった意味は、このような背景が存在していたのですね。内部では既に話が進んでいたのでしょう。これでここ数日の…株価の動きの意外さも理解できました。株価が騰がる筈のタイミングで何度か仕掛けたのに…失敗した理由が判明したわけです。メールで相談を頂きましたが、基本概念は買い場です。ようやくスッキリして材料出尽くしで、新しい体制がスタートします。しかも環境は抜群ですね。儲けの種が増えた訳ですが…ここでこの株の注目点を整理しておきましょう。
カタルの注目は2003年からの2007年に掛け進行した経済環境に似ていることです。この時期、小泉・竹中改革の成功を背景に、外人ファンドが大挙して日本に資金投入しています。その為に都心の不動産は急騰し始めました。此処ではカタルが用いている不動産産業向け融資残の推移(資料は日銀より)を見れば、その動向が理解されます。カタルはケネディクスが、本当に上場来高値を付けると思っています。株価が4000円台の話ですね。この考え方の背景は、不動産融資の残高推移にあります。わが国の不動産は、株価で話すと1989年に大天井を付け整理に入りました。このバブルの後処理が、様々な影響を与え、日本国は構造改革を余儀なくされたのですね。この説明は省きます。不動産融資の残高推移をみると、日本のおかれた実態が良く分かると思います。失われた時代は基本的に資本財の価格調整だったのです。この融資残で、ようやく整理が終わったのは2003年なのですが、論理的な価格整理はその動きに先駆け、1998年に完了していました。金融危機の為に、ここ数年、再び揺り戻しがあったのですね。この揺り戻しでダヴィンチが上場廃止になり、ケネディクスも同じ運命にありましたが、バックがあったために、銀行の判断は救済に動いたのでしょう。その時に設立された疎開先が、KDAMと言う子会社の存在なのでしょう。この会社が設立された2009年12月と言えば、減損会計を迫られ、かなり苦しい時期です。この金融危機の後、ケネディクスは500億円以上も、不動産価格下落により減損処理を行っています。論理的な価格より下振れした会計処理を500億円ですからね。この金額は未来の利益に繋がるものです。パナソニックやソニーのような人員削減の為のリストラ経費と違い、不動産市況は流動的で株式の含み損失のようなもので、将来は戻るのです。何故なら、収益還元法価格以下に異常に市況が下げたからです。

しかしアベノミクスにより、ようやく我が国の経済は本格活動を再開するのでしょう。構造調整は必要以上に進んでいます。ケネディクスの減損処理だけでなく、日産自動車の生産移転を見れば明らかです。富士通ゼネラルは日本で販売する製品も海外生産し、逆輸入しているから為替差損が発生するのですね。おそらく日本の不動産市場は、規模や成長力から見ても世界で有数の投資先でしょう。まだその走りなのですね。2003年の時は、ここから4年の成長が続きましたが、この時期より日本の金融界は力を付けており、故に、かなりの高成長がこれから予想されます。カタルが考えているシナリオは1970年から1990年までの20年の上昇波動が、これから20年間程度は続くと考えています。ケネディクスの利益は、膨大な規模に膨らむのではないかと思っています。何故なら、2003年からの…あの上昇角度で、利益は17倍に膨らんだのです。あの時の当初の受託資産残高は数千億だったのですが、現在は1兆円を大きく超えていますね。スタートする規模が違います。その為に仮に年率10%ずつ5年程度の高成長が続くとすると…概算で6000億円近い含み利益が生まれ、その組成ファンドの見直しだけで、いくらでも利益が生まれますね。この考え方の基礎は、間違ってないと思います。

ケネディクスは、どうもカタルのように積極的な会社ですね。川島さんをはじめとするスタッフは三菱商事を中心とする人脈で築かれており、宮島さんは三菱信託の出身ですね。彼らも金子さん同様に1998年にケネディクスを設立しています。やはり1998年には日本の不動産は、収益還元法価格に落ち着き、論理的なビジネスが成り立っているのです。2003年からの僅かな環境変化だけで、ケネディクスの利益は17倍に膨らむのです。今回はその時より、2倍から3倍程度…バックを抱えていますから、爆発的な株価上昇に繋がるのでしょう。まぁ、利益の成長をどの程度、出すかは1兆円を超える保有資産を抱える会社ですから、いくらでも会計操作が出来るでしょう。おそらく、この増資の大半は既に引き受け手が決まっている「出来レース」なのでしょうね。この玉を種に10倍程度の資金を作る計画なのでしょう。

この考え方は間違いないと思っていますが、若干の時間のズレはカタルには分かりません。2003年の秋は11月に681円の高値を付けた後に4か月の調整を入れ、3月に急騰しこの高値を抜き4月に1066円まで付けた後に、また6か月調整を入れ、ほぼ休みなく4090円に急騰しています。今回は4月に調整入りしています。まもなく4か月ですね。どちらにしてもこの増資話しの下げは、買い場になるように感じます。しかし注意喚起に指定されたまま、増資など出来るのでしょうか? だから予定はされていてもシャープのように遅れるかもしれませんね。まぁ、どっちにしてもワクワクする銘柄ですね。しかも安く買えるのだから、チャンスでもありますね。まぁ、細かいことはカタルにも判断は尽きません。相場環境はどちらかと言えば調整波動です。読者から心配なのでしょうね。ご相談のメールを頂きましたが…基本はアベノミクスの成果次第なのです。
明日発表予定のGDPの成長率の伸びは実質で3.6%増と予想されています。消費税の引き上げを控え、住宅投資が大きく伸びているためだと解説されていますが、0.7%の長期金利の水準ですから、充分な利鞘が存在します。信用創造の成長過程の裏付けは充分に取れている訳です。材料出尽くしでケネディクスの株価の動向は、依然、注目されるのでしょう。ここから3年程度は、長期保有で資産10倍化を目指し、取り組めばいいのでしょう。銘柄などは1銘柄で充分です。確りした自分の相場観を持ち、信念を持つことが利益を獲得することに繋がるのでしょう。一番駄目なのは、フラフラふらつく自分の心との戦いで敗れる事なのですね。後は皆さんの判断次第です。カタルの相場観が変わることはありません。
投稿者 kataru : 14:03
2013年08月04日
データの捉え方
既に15年程度になるのか…ほぼ毎日原稿を書いていると様々なことに気付きます。メディアの発信する情報と言うのは、恣意的な都合で構成されていると感じます。例えば同じデータの時間軸だけを変えるだけで、受け取る側の印象は大きく変わります。下のグラフに「米国の雇用統計も失業率も大幅に改善しており、金融緩和効果は充分に発揮され、順調に米国経済は改善している」とメディアが述べれば、読者はその主張を簡単に受け入れます。

次に時間軸をもう少し伸ばしたグラフを掲げ、「FRBの金融緩和成果は確実に景気回復に恩恵を与えていますが、まだ米国の実体は過去の安全な巡航速度まで戻っていません。」とメディアが解説するとなるほど、まだ米国は金融緩和の継続が必要なんだな。…と考えますね。これまでは2006年6月の失業率がピークでこの6.3%を天井で低下していたからですね。つまり過去の悪い数字が見えるから、今はまだかなり改善されても、その当時よりまだまだ失業率は高いと認識するからです。

このようなデータを一つとって時間軸を変えコメント変えるだけで、FRBの金融緩和が9月か12月かという論争も、自ずと結論が見えてきます。だからデータの時間軸は長いほどよく、恣意的に採用するメディアのマジックには、充分に注意が必要ですね。更に雇用統計は、経済統計の遅行指数です。経済活動の影響が遅れて表面化します。先行指数の景気の実感を問う消費者信頼感指数とは、時間軸が大きく違う事も認識せねばなりません。
今回の2013年の4―6月期において、初めて米国金融は利益を計上しています。間もなくカタルが、何度も述べたGSE(フレーディマックやファニーメイなどの住宅金融会社)が立ち直ります。大恐慌の後、現在のように指標が続々と改善してきましたが、あの時に、早めに引き締めに転換して再び景気を失速させました。日本も同様のミスをしています。基本は銀行なのですね。金融機関に溢れんばかりの利益を与えて、初めて景気が巡航速度に戻るのです。つまり金融機関がリスクを取れないようでは、貸し出しは伸びません。日本は明治以来、蓄えた利益の蓄積を、先のバブル清算で飛ばしてしまいました。だから「失われた時代」が長引くのですね。米国の今回の金融危機は、日本ほど酷くはありませんが、かなり痛手を受けていますね。だから緩和姿勢からの転換は遅いぐらいが丁度いいのですね。おそらくバーナンキ議長が、途中から失業率を目標に変えたことは…彼は大恐慌の失敗を、よく研究しているのでしょう。日本とは大違いです。
さてデータの考え方から、今日はスタートしましたが、今では簡単に自分で色んなデータを集められますから、自分で研究するには、便利な世の中になりました。米国のデータは歴史的な検証が出来るようになっており、日本と違い良いですね。日銀のデータなどは途中で新基準に変更され、しかも昔のものがなく…日本と言う国は軽い国だとも感じますね。まぁ与太はこの位にして昨日の続きですね。
実は今回の決算に二つの点にカタルは注目しています。一つは空洞化の弊害ですね。富士通ゼネラルがタイや中国で生産した製品を日本に逆輸入して、販売し為替損失を掲げている点です。生産性の向上などを上回る為替推移だったのです。もう一つがホンダの決算ですね。昨日も少し触れましたが、記事を読むとホンダは、為替予約がアダになり339億円もの減益幅を広げたとあります。この記事は重要で、本日の日経新聞には42%を超える経常増益との文字が躍っていますが、実はもし為替予約などのヘッジをしなければ、もっと利益が伸びていた可能性があります。だから7-9月期の方が高い水準の為替予約も入れてないでしょうから、より増益幅が大きくなる筈です。この決算数字が反映されるのは11月頃ですから、本格的な株価上昇が、秋になると言う相場のシナリオを、当初は支持をしており、日経平均株価はその前の8月9月は休むと考えていたために、株価が下がると言うシナリオを採用していたのです。
ところが…金曜日の上げは、少し違和感を覚えた訳で、昨日の株式教室に記事になったわけです。現状ではどちらか判断が付きません。…ですが当初から全体相場は大きく上がらなくとも、個別株が賑わう展開はあるんではないかと考えてもいました。相場のエネルギーは以前ほど落ち込まないとする考え方ですね。昔はそうだったのです。右肩上がりの時代は、全体相場が休む時は個別の仕手株が賑わっていました。その展開を予想している為に、この時期には小型の銘柄に注目している訳ですね。果たして相場観を修正する必要があるのかどうか…もう少し展開を見ないと分かりませんね。まだ貧乏人は慎重に構えねばならないのでしょう。
投稿者 kataru : 12:13