« 2011年09月 | メイン | 2011年11月 »
2011年10月30日
岐路
昨日のNHKの脳の錯覚は途中からだったけれど…面白かったですね。聴覚によって味覚が変わるとか…脳と言うのはいい加減な修正をしているものですね。あの番組を見て株式市場にも同じ錯覚を感じている場面が多いのではないかと考えていました。ただ具体的な事例を思い浮かばなかったのですが、我々は錯覚をしながら生きているのでしょう。
でも「時の流れ」はどうなのでしょう。一昨日、米国のワールドシリーズの結果は第6戦で奇跡の逆転劇を演じたカージナルスが優勝しました。これなどは、やはり前日からの勝敗の神様が導いた勝利と言うことで、世の中によくおこる現象です。劇的な逆転勝利はおそらく目に見えないエネルギーを選手に与え、そのエネルギーが持続し、流れが生まれるのでしょう。
昨日の深夜番組でNHKの「家族に乾杯」と言う鶴米さんの釜石市の暖めかえしを観ていましたが、人間と言うのは強いな~と感じましたね。あの砲丸投げの工場長の娘さんの家は昆布の栽培をしているのですが、1昨年のチリ地震で被害を受け、今回の震災でも被害を受けたが再び立ち上がっていると言います。
今朝の日経新聞に日本電産の永守さんの談話が載っていました。松下幸之助は好かんようですが、要するに信念を持って頑張れば、必ず実現すると言うのです。だからギブアップをしたらダメだと言っているのですね。同じことをアップルのスティーブジョブズも述べています。諦めちゃダメだと言うのです。
しかし挫折を経験しているカタル君にとって、なかなか踏ん切りがつかないのが事実ですね。詳しく述べるのはやめておきますが、ある構想を実現させようと、何度か軽いアタックをしていますが、なかなか道が開けません。だからこれも運命かな?と思い諦めようかとも考えていますが…。僕は20年以上も夢を持って証券マンを続けてきましたが、基本構想が違うのでしょう。下げ続けるデフレ社会が継続し証券マンの人生に幕を閉じました。
多くの成功者は自分の努力で道を切り開きますが、カタル君の場合は運に見放され続けましたね。ここで踏ん張り最後の勝負で成功すれば美談になりますが、世の中はそんなに甘くはありません。およそ20年前、30代の頃、和光証券の小川さんにお会いし、「残念だったね。カタル君、証券市場は非常に厳しく、昭和40年不況なんてもんじゃないから、諦めて田舎に帰りなさい」と諭されました。その時は、心の中で「このくそ爺、俺が食えないようでは証券会社がつぶれるわ。」とつぶやいたのです。そうして諭されたアドバイスを無視して突っ走ってきました。
でも、今回はある証券界の重鎮に、昼食をご一緒し「カタル君、理想は良いがそれは無理。駄目だよ。やっても無駄だよ。」と言われました。若い時分の僕なら、小川さんの時と同じように「このくそ爺、…」と思ったのでしょうが、まぁ、手掛けてみて駄目ならやめれば良いのですが…その第一歩の決断がなかなかつきませんね。優柔不断なのですね。既に2か月ほど悩んでいます。人生の流れからすれば、株屋を辞めたのは、ひょっとすれば、この事業をするための布石かも知れないとも考えますが…なんで僕が、ボランティア精神を発揮して困難な道を歩まねばならないとか…とも考えますね。
昨年、株屋を辞めた時は生活費位なんとかなると思っていたのですが…。今年の6月だったと思いますが、日立から銀行と考えた流れと、それに次ぐDENAの流れが実現しなかったのはショックでした。敗因の一つは、時代が動きませんでしたね。東電の処理と同じです。僕の考える政策が実現せず、選択の違いが生んだ相場の流れが失敗の要因でしょう。まぁ、その背景には欧州危機を利用した仕掛けが始まっていたのでしょうが…。だから伸びなかったのでしょうがね。相場の流れも、人生の流れも似たようなもので…自分の選んだ道とその結果ですね。残された時間は僅かで…新しい道を歩むべきかどうか。
こんなにグジュグジュしているのだから、本当は、きっとやりたくないのでしょう。本来は怠け者ですからね。自ら、いばらの道をこの年になって歩まなくても…何も嫌なボランティアの仕事をしなくても…とも思いますが、誰もしないから市場は低迷しているし、誰かが行動を起こさなくてはならない。…とも思っているし、僕にその構想を実現できる能力があるかどうかも疑わしいし…。能力があればこれまでに成功している筈ですからね。それを空売りなんか嫌いだと…現実逃避している自分が居るから、現在がある訳で、本当に永守さんやスティーブジョブズのような人生観が正しいのかどうか。
まぁ、皆さんには僕の構想を語ってないから意味が分からないと思いますが、要するに人生の選択って大変だなぁ~と考えています。怠け者の能力の乏しいカタル君は、所詮、人生の末端を彷徨うだけかもしれません。
投稿者 kataru : 12:12
2011年10月23日
狩猟民族と農耕民族
ヨーロッパの金融問題は峠を越えそうに見えます。
しかし今回の危機を救えたとしても、金融機能が痛み、貸し渋りからの景気悪化が心配され、前途多難な解決策のようです。もともと9%の自己資本比率規制と言うのは、妥当な水準なのかどうか…。我が国の金融機関の利ザヤは、どの程度なのでしょう?

日銀統計によれば、現在の基準金利が0.3%で、貸出金利の総合では1.082%となっており0.7%の利ザヤしか稼げない世界です。仮に定期預金の0.119%の平均金利を導入しても、利ザヤは1%も確保できないありさまです。故に国内金融機関は与信経費などを考えれば、運用に合理的な国債購入を進め、経済が停滞しているのでしょう。地方金融では預貸率が50%を割れる県が11もあり、40%以下の預貸率しか維持できない地方金融の実態が浮かび上がります。日本では完全にレバレッジが効かない実体経済の世界になっています。
お金は過去の遺産である、失った公共事業投資に向かい、未来への市場経済の株価は低迷したままですね。見方を変えれば、日本のお金が、過去の清算に使われているからデフレになっているのです。未来の投資にお金が向かえばインフレになるとも言えます。自己資本比率規制を高めるとは、こういう結果を生むケースもあります。金融危機の弊害が保守的な概念を生み、先進国は成長力を失う訳です。日本がデフレ先進国と言う実態を貸出金利から見ても分かりますね。さて「過去かたる」を実践しても仕方ありません。僕のペンネームは「未来かたる」です。
NY市場の株価を見てみると、心配した峠を抜けそうに見えます。
日本人は農耕民族なので敗戦もジッと受け入れました。今、僕は花村萬月の「ワルツ」という小説を読んでいます。内務省は占領軍兵士相手の女郎屋である特殊慰安施設協会を発足させ、銀座7丁目で売春婦集めをしたのだそうです。その予算を組んだのが池田隼人だったとのくだりがあります。その募集の仕方が卑劣で「ダンサー及び事務員募集、年齢18歳以上25歳まで、宿舎、被服、食料全部支給」となっており1000人以上の素人娘が参加したと言います。その後も増え続け7万人の人間が終戦後、米軍の慰安に充てられたとか…。まぁ、治安と言う目的を考えれば、国策として已む得ず、予算を組んだのかもしれません。
この小説のくだりの中で、特攻崩れの城山は、天皇陛下が「新日本建設に関する詔書」を述べられ、「天皇は現人神にあらず」とある記述を見て動揺するが、一緒に生活していたパンパンの紘子が「なんで陛下は責任をとらないのよ? 陛下の赤子が鬼畜米英の兵隊に股ぐらを開かなければならなくなったんだよ。でも陛下は宮城でぬくぬくしてらっしゃる。いい気なもんだよ。どうせ、これだってGHQかどこかに無理やり言わされたんだと思うな。お偉いさんは言いなりじゃない。無様だったらありゃしない。威張っていた人ほど、だらしがないんだからさ」と言うセリフを吐いています。
すこし論点を外れたけれど、敗戦にも従順な日本人と、狩猟民族の欧米人では同じ構造の金融危機でも対処が違うのでしょう。果たして日本のように失われた時代を続けるのか…それとも脱することが出来るのか、今はその試練の時ですね。そこでNY市場のチャートを金融危機の時と比べると…2008年末からは、一度、この低迷から立ち上がるかに見えましたが、再び翌年の2月まで沈み駄目押しを入れています。しかし今回は金曜日のNY市場の上げで、下値のボックスを抜けましたね。抜けた直後に、一気に再び割れるケースもありますが…2008年とは違い、一旦は綺麗にクリアしています。ただボックスを離れる時は、時々だましを形成することもありますから…もう少し観察は必要ですが、意外に一気に抜けるかもしれないことを市場は示唆しています。


投稿者 kataru : 13:48
2011年10月16日
いよいよ正念場
今の市場は、欧州危機に揺れる世界市場全体のシステマチック・リスクの影響を強く受けます。理由は外人投資家が日本株市場の占有権を握っているからですね。日本の資本市場は既に外国人の手に陥落しているのです。日本の年金基金も日本株の保有割合が低く、本来は日本人の個人金融資産は1439兆円もあるので、日本株の保有が多くていいのですが…金融指導により歪められた構図になっています。今では、どの証券会社に行っても株の話を、まともにできる営業員は居ないと思っても良いでしょうね。その現状は下の通りです。

故に株の話をする場合は、どうしてもグローバルな話を抜きにできません。我が国には基本的に内向き志向の人間と、グローバル的な考え方に走っている人と二分されています。楽天の三木谷さんは完全に後者ですね。経団連を蹴るのです。まぁ、一例を掲げると現在行われているTPP交渉の行方などは良い事例でしょう。反対と賛成の意見が二分されています。
韓国は米国とFTAを結んだように貿易立国の様相を呈しています。ただ中国の勢いを止める為に、最近ではこの輸出依存度を20%とする世界経済の流れが背景にあります。日本は貿易依存度が高い加工貿易の国だと教えられてきましたが、既にその認識は誤りです。日本の依存度は11.4%で、最近の円高で更に下がっているかもしれません。一方、韓国は43%と完全に経済は、自立してなく海外に依存しています。ドイツもそうですね。2009年は33.6%ですが、現在は40%近いのでしょう。中国は2009年の段階で24.5%でした。リカードの比較生産費説は健在ですね。
日本経済は輸出依存度が減り、相対的に内需の割合が増えたと言うか、横ばいなのでしょうね。グローバル企業が、円高により海外移転する過程で自然発生的に堅調な内需が注目され、最近、スーパーや百貨店の売り上げが注目されるのも、その動きの一環でしょう。しかし基本的に消費人口が減っていますから、拡大志向を抱くのは間違いでしょう。小売りの分野も海外移転が急速に進んでいます。何もユニクロだけでなく吉野家もそうですね。JTが先駆者ですがキリンも最近は頑張っています。
日本株が大底を打ち既に長期トレンドが上昇しているのではないかと考えるのは、日本人の横並び意識と言うか…このような行動が目立つからです。だからこそ「円高対応の金融ファシリティー」の評価は低いですが、あの政策は、近年の中では最も素晴らしい政策の一つでしょう。もっとすればいいのですね。為替介入をして日本の存在感を高めればいいのです。簡単なんですね。景気を良くするのは…ただ政策担当者に、その度量がないだけです。しかし間もなく時間切れになりますよ。このチャンスを生かさないと自滅の道しか残っていません。ギリシャ問題が欧州の対岸の火災だと考えていたら大変な大馬鹿です。
世界で一番危ない国は日本ですね。既に外貨を稼ぐグローバル企業は海外に移転し、日本国債の依存度が最も高い金融機関ばかりなのですね。これからの預金は海外の銀行が最も安全な金融機関になる日も来るでしょう。財務官僚は政治家が消費税の引き上げに及び腰だから、コンプライアンス規制を強化し、金融機関に日本国債を買わせているんじゃないかと思われる節が沢山あります。日本国債は過去の借金のツケですから、お金が循環しない。故に経済がデフレになるのですね。このお金の循環を株式市場のROEの高い企業に流せば、お金は効率的に流れ、デフレからインフレに変わり、自殺者が減る前向きな経済環境になり、頑張る人が増えます。デフレの象徴の「下流の宴現象」は消えますね。
僕ほど、馬鹿の人間が諦めて株屋を辞めたくらいですから…既に転換点ですよね。誰が考えてもそうだと思いますが…残念ながら回復してもその角度が非常に低く、徐々にしか変化しません。おそらく三菱UFJは天与の買い場で10年後か…その辺りには株価は2000円程度になっていると思いますが…。政策が更にダメだと強制的にインフレ経済になります。超円安の1ドル200円程度の食糧難の時代になるかも知れませんね。だからこそ、百姓の友達が必要になります。我が国の食料の自給率は40%程度でしょう。つまり10人の内、6人が餓死するのです。だから田舎暮らしが良いから…誰か僕の持っている那須の土地を買ってくれないかな?1000坪あるから野菜も作れますね。
さて今週は3週連続で、NY市場が上げて正念場を迎えてきました。その様子が下のグラフですね。同時にデクシア後の焦点は、やはりパリバに向かうのではないかな? 一度、上値を払っているから大丈夫だと思うが、今週は揺り戻しが予想され、環境を確かる動きに入るでしょう。故にどの株も高値を追ってはダメだと思っています。注目はやはりパリバの株価でしょうね。果たして懸念をクリアしているかどうか…。既に大丈夫だと市場は評価しているようですが…。はてしてどうかな?


投稿者 kataru : 09:35
2011年10月10日
情報の価値観
ようやくバーゼル3への批判記事を目にし始めました。景気が低迷しているときに銀行への自己資本比率規制は正しいのかどうか…。本来は銀行を全て政府保証にして監視下に置くのが正しいのではないでしょうか? (規制で縛れと言う意味ではありません。)グリーンスパンは現役の時代に金融デリバティブの弊害を見逃したのですね。東電の原発処理と同じで民間企業の規模では対応ができないからです。だから原子力の免責に関する法律が存在したのですね。その解釈を別の次元で歪めた為に、復興が混乱する福島問題。同じことが今回の銀行問題でも述べられます。金融業の利益や損失は大きく、経営者の地位は名誉職にして報酬は抑えるべきでしょう。ここに人々の誤解が生まれる原点があります。
金融デリバティブは果たして悪なのでしょうか?
僕はそう考えません。実際に組成したわけでもなく、仕組みを熟知しているとは言えませんが、アイディアは素晴らしいですね。リスク分散です。この仕組みにより本来は資金調達できない人が、資金を獲得できて行動を起こせるようになります。今回はこの金融デリバティブが新興国への投資を支え、人類の進歩を次のステップに早めました。逆にホームエクイティーローンの拡充で過剰消費と言う弊害も生みました。住宅価格の査定に「あそび」がなかったのです。競争激化の為でしょう。報酬に目がくらんだ輩が起こした現象を当局は抑えるべきだったのです。
効率的な資金運用を目指せば、リスクが高まるのは当たり前です。
今、世界中のアクティブなヘッジファンドは、ギリシャ国債やイタリア国債の保有率を増やし、パリバやドイツ銀行などの銀行株を買っていることでしょう。一つの賭けです。成功する確率と失敗する確率はどの程度なのでしょうか? でも指摘されている懸念が現実化する確率は低いのでしょう。逆に金融ショックのように、埋もれている現象は注意が必要です。その見極めは大衆の理解度でしょうね。要するに広がり具合です。
日本の失われた時代の停滞は、間違いなく金融行政の失敗にあります。不良債権に慄き、規制を強め、自らの首を絞めています。一方、お隣の中国はこの金融の仕組みを使い成長を続けています。土地本位制ですね。世の中の耐久消費財で一番、高価なのは住宅で、この魅力が経済の糧の一つになっています。時代が進み、現在は高度交通システムが発達し、GPS機能が使いやすくなり、複雑な計算を瞬時にこなすコンピュータ「京」も生まれています。循環型の廃棄物ゼロの資源再生可能型の未来都市の建設は、豊かな緑と野菜工場に囲まれ、効率的な生産システムを生むことでしょう。既に技術的な蓄積はたくさん存在しますから…あとは総合的なコーディネートする組織が必要です。本来は官僚が動く舞台ですね。
我が国の官僚機構は、いつからこんなに程度が悪化したのでしょう。未来計画も立案できないほど落ちた組織に、高い給料を払う必要があるのでしょうか…八ッ場ダムや諫早湾の干拓事業など…問題化する事業は、行政の混乱を示す事例ですね。意見対立は事前調査の段階で、論理的な正論が存在しないことを証明するものです。おそらく土木関係者が食うためにはじめた、意味のない工事なのでしょう。未来設計が出来上がっていれば、整合的な論破により反対意見を抑えることが可能なはずです。
未来都市の計画は、未だにスケールが大きすぎるのか…表面化していませんね。小手先論ばかりが先行し、司令塔が不在の様子です。予算がネックになっていると思いますが、政府保証債を発行し、日銀がメザニンローンを引き受ければ、信用力が増し世界中からお金が集まるでしょう。壮大な実験都市が生まれ、後世に残る文化資産になりますね。車の乗り入れを止めて循環型のエネルギー消費都市は、効率的な生産性を上げるでしょう。キャッシュレスにすれば犯罪は減り、税務署も必要なく、電子カルテをクラウドで整備すれば、重複する検査を省き、最低限必要な処方だけで健康が管理されます。運動量が足りなければスマートフォンで指摘し、運動を促し個人に合った健康管理がコンピュータの指示で行われる。
市場経済では、お金は生産性の高いところに流れます。そうして付加価値を多く生むところに集まるのです。要するにグローバル競争は付加価値を、どれだけ多く集められるかです。労働力の多くを必要とする組み立てなどの作業は、生産性が低いので低所得の国に流れますね。誰でも出来る仕事だからです。最も高い価値は感動を生む仕事ですね。芸術の分野です。ただこの世界は才能が必要です。残念ながら、折角、すばらしい作品を生んでも現世では評価されず、後世で見直されるケースもありますね。それほど…評価の基準は揺れる世界の話し。人間の一生を捧げても自分は自分自身を評価しているのに、世間に認められない不遇な生活を強いられることもあります。
おそらく失われた時代は、素晴らしい時間の流れで、この度の震災は日本にとって願ってもない絶好の機会なのかもしれません。
次のステップに欠かすことのできない時間的な空白は人々に考える時間を与え、行動に変化が生まれます。人々が持つ価値観の変化が多様化社会を生み、個性が出てきましたね。テレビ番組を見ていると、かなり色んなバリエーションが生まれています。今までの日本なら統一され画一的なものだったのですね。残念ながらニュースは、まだ画一化されていますね。視点が皆一緒です。情報に対する日本人の価値観が非常に希薄なのでしょう。芸術と同じで、情報の解釈は非常に大きな価値があります。最近、報道の裏側を紹介する池上彰さんの番組がありますね。一度ぐらい見たかな? なかなか面白いですね。
一つのニュースにも、その現象が、何故、生まれたのか? その背景は何か? これからその現象はどのような形に発展するのか? その対処方法は?
一連の情報から推理推測し、今後の行動を決めることは必要な選択です。自分自身が決めるわけです。真剣に行動していれば、何歳になっても自分の行動に迷います。好きな女性が現れ、その女性と恋に落ちていく。しかし家庭があり、家庭生活を選択するか? 新しい女性との生活を重視するかとの選択とか…。転勤の辞令が出て、その辞令を受けるかどうか…あるいは蹴って転職するかどうかの選択とか…。銘柄の選択もそうですね。下がり続ける株を持っていて、その銘柄を損切りして他の銘柄に乗り換えるかどうか…とか、それぞれ色んな選択があります。自分の下した選択に、責任を持たねばなりません。真剣に生きれば生きるほど、人生にはいろんな岐路があります。順風満帆なんて人生なんか、ないでしょう。
その重要な決断をするために、常にアンテナを高くして情報を集めておけば、選択肢が増え自分の行動の糧になるでしょう。カタルの意見など単なる市場の一つの見方ですね。流れが傾くこともあれば、逆流に飲まれることもあります。それぞれが様々な意見を持って行動すればいいのです。その為に「情報」と言う武器をどう使うか…この武器にどれだけの対価を払うか? 日本人はあまりに無防備ですね。島国のせいか、テレビの隠れた意図など気にしてない人間が大勢います。情報力が命の明暗を握ることもあるのでしょう。
投稿者 kataru : 12:00
2011年10月09日
迷い
最近のテレビって…個性的になってきて面白くなってきましたね。
普段はあまり見なかったのですが、昨日はNHKの教育テレビかな? 今はEテレというそうですが…、坂本龍一のスコラと言う音楽番組を放送していました。思わず引き込まれていました。もともと彼の才能は素晴らしく、あの領域に達するためには、かなりの下積みの経験がないと、なかなか作品は生まれないと考えていましたが、あれだけ人に語れるのだから相当の領域なのでしょう。
なんでもそうですが、自分でやってみると分かりますね。経済も他人にものを伝えようとするには、先ず、自分で理解しないとなりません。まだ、次の波はきませんが、バブル期のカタル君はハッキリ言って素人の証券マン、あれだけ上がり続けた相場なのに資産バブルを否定し、Qレシオを否定し証券営業をしていました。何故、大型株が上がるのか? 背景が分からなかったのです。そのようなセールスが歩合の世界に入り、食える道理がありませんね。組織から外れ一人で食えると思った自分のアホさ加減を、長い時間をかけて知るわけです。
途中で勉強不足を認識し、証券アナリストの試験を受けましたが、資格を獲得しても何も変わりませんでした。しかし、この13年間IRNETを通じて毎日レポートを書いたので少しは技量が進歩したのでしょう。最近は経済の仕組みが、何となく理解できるように感じています。ただ残念ながら、まだ上昇の波はやってきません。1999年からのITバブルでの3年間は、食える時代でこの時の平均年収は1737万円でした。そうして次の波は2003年5月からでしたね。この5年間は年収平均7128万円でした。たった一度ですが1億を超えましたね。
でも相場が低迷しているなかでの2009年末から2010年春までの、ほんの半年の上昇で100万円を1000万円にした記録が、技量の自信に繋がりました。昨年、春の話です。あの時はアーレスティからユビキタスに向かって、作ったお金でしたね。わずか半年で10倍にしたのは、初めてスピード体験でした。しかし…
その後、再び沈んだので、またお金はなくなりました。今回の半年の上昇は駄目でした。完全に失敗しています。昨年の11月頃から実質は3月ごろまでかな? 下がることは覚悟していましたが…空売りが出来ない性格は、変わりありません。でも株をやり始め…学生時代から営業マン時代は、右肩上がりの成長でしたが、日本の曲がり角の1985年のプラザ合意からのバブル相場の後遺症は大きいですね。和光証券の副社長をされていた小川さんに「カタル君、今回は証券不況どころではなく銀行がダメだから、長い低迷に入るから田舎に帰りなさい」と言われたのが1992年の夏だったかな? あれから20年ですからね。
既に彼は亡くなられましたが…彼が存命の内に日本は立ち直ることが出来なかった。でも2004年に亡くなられたので、2003年からの銀行株の上昇を見ていますから、ひょっとすれば、彼は日本の将来を感じながら、次の世界へ旅だったかもしれません。
まさか、2006年から再び沈むとは…。
でも長いデフレ時代を経て、価値観はずいぶん変わりましたね。僕の考え方が間違っているんじゃないかと思うような…時間の空白が流れているわけで、成長論を唱えるのが、馬鹿みたいですね。僕の息子は自分のやりたいことが見つからないとか…上昇志向があまり見られません。基本的に「下流の宴」現象かな? 欲しいものがない…現状に満足する。ふつう、人間は、明日は良くなると信じ…明日は檜になろうと努力する「あすなろ」…との人生を送ってきましたが、最近は失敗続きで、気持ちが萎えています。
しかしアップルのスティーブ・ジョブズ氏の話を聞いても「決してあきらめるな」、昨日の放送されたジェニファー・ハドソンも同じように「諦めないで頑張れば…」と、成功者は口をそろえて言っていますね。でもこれだけ失敗続きだと…やはり気持ちが萎えます。最近は価値観が大きく変わっている自分も存在します。お金より、ずっと感動を与えられるものへ、関心が向かっています。先ほどは岸田劉生の話をテレビでしていました。知らなかったのです。麗子象は有名なので知っていましたが、道路と土手と塀(切通之写生)と言う作品を紹介していました。

昨日の日経夕刊にNHKのアナウンサーだった下重暁子さんに聞くとの、コラムを読みました。「持たない暮らし思考」と言う話です。この考え方もよく理解できます。携帯ゲームなどへの嫌悪感かな? 僕はDENAを薦めていますが…同時にこの考え方もよく理解できますね。先日のテレビ放送で、ものを持たない暮らしが放送されていました。極端な事例でしたが冷蔵庫の存在も否定するのです。下重さんは僕より19歳上の世代ですから、少し時代が違いますが…孤独を恐れず個性を磨くと言う考え方は面白いし、共感するものがあります。
一方、「怒り」を推奨する風潮も今の時代にありますね。
欧米のデモはジャスミン革命に影響を受けている流れなのでしょう。情報化の進展は様々な価値観を解き放っているようです。僕は長い間、官僚批判を繰り返してきました。きっと多くの人は共感を覚えたことでしょう。でも最近は少し違ってきました。自分自身で出来ることから、小さい事でも良いから、先ずは始めようと…と言う考え方になっています。世間に怒って、他人に責任を転嫁させても意味がありません。今のオバマを支持したが変わらない現状に抗議しているデモは、甘えでしかありません。ティーパーティなどのデモと次元が違います。僕はやはり株屋なのでしょう。茶会の小さな政府越構想を支持しています。ミルトン・フリードマンンのシカゴ派と呼ばれる考え方ですね。
だから今回の復興予算で、増税をする考え方は理解できません。予算など要りませんね。民間資金を流す方法を考えれば、世界中からお金はいくらでも集まります。予算を付けるのは自分たちの権力を行使する手段を手に入れるためですね。復興特区では法人税ゼロが5年続くそうですが、簡単な使いやすい形になると良いですね。最近は僕の主張が経済対策にも取り入れられていますが、スケールが小さいですね。音頭を取る人達の人格が小さいのでしょう。だから復興予算を計上し増税だとか騒いでいるのでしょうね。アイディア次第で世界中からお金は集まり、未来都市は実現できますが…既存の殻を破れないようです。
とりとめない文章をつづっていますが…どんどん個性化している自分が居ますね。きっと自分の殻の状態は、傍(はた)から見ても理解されないと思います。先ずは自己確立しないと文章も実績がないと評価されません。何とか、この泥沼の現実からの道が見つかるのかどうか…本来の自分は怠け者だから…この性格じゃ、なかなか先駆者の域に達することが出来るかどうか…。悲哀の世界に埋没するか…残り少ない人生だが…精一杯に生きようと考えています。
投稿者 kataru : 11:57
2011年10月02日
振り返り
10月に入って今年を振り返ると…色んなことがありましたね。
もともと米国のQE2以降の日本の株は、騰落レシオが異常な高い値を示すぐらいに強いものでした。僕にとって日本の問題の巣は、資産デフレだと考えていましたから、日銀がリートとETFの買い入れをはじめたことは、やっと日銀は、ここまで来た。ようやく僕らの認識と似てきたかな?と考えていました。しかし如何せん、マスターベーションの規模で、金融政策と言う規模ではなく500兆円のGDPの規模なのに…1兆円にも満たない額では話になりませんが、それでも、ようやく資産デフレ対策に手を打ち始め、問題認識を共有できたのは嬉しかったのです。
でも既に日本株は外人の手に落ちていますから、やはり世界景気の後退から欧州問題は響きますね。2008年からの金融危機、あの時はサブプライムだけと考えており、真坂、第二幕のCDSが幕をあげるとは考えていませんでした。それも金融デリバティブの広がりは異常な数字で…昨今の金融規制もある程度は仕方ない事でしょう。しかし同時に金融デリバティブ技術は素晴らしい魔術のようで…画期的な発明のようにも感じています。日本も利用すれば良いのに…シニアローンやメザニンローンなど…危険度を分けた選択肢は今までなら、あり得ない発想です。
僕の場合はエクイティーでも、いつもハイリスクの銘柄を選択します。その代り、市場全体が上向けば、加速度的な資金の増え方をしますが…しかし今のように逆回転をすると、手痛い打撃を受けます。このさじ加減が難しい。先日、恥ずかしいことですが、僕の所得の推移と株価のグラフを掲げました。そうして僕が昨年株屋を辞めたのは、既に学ぶものがなくなったのです。ただひとつ、時間の壁が分かりませんでした。この壁を克服するには、きっと、もっと別な経験が必要なのでしょう。
今年を振り返ると、6月までは大きな成果もなく、儲けもなくトントンでした。しかし日立でヤラレ、DENAを諦めた辺りから相場が腐りましたね。7月末の上げは、あれ?と予想外だったので完全に引っかかりました。6月には一つの結論に達していましたが、惰性で流された3か月、なんども打診を打ちましたが、水浸し、とうとう環境に変化が生まれました。
僕が自信を持って送り出した「日立から銀行へ」の流れは、結局、ものにならず、環境に最もふさわしいと考えたDENAも、伸びませんでした。ここで市場の変化を感じるべきだったのですが、次のラインを無理して読みましたね。この無理読みは一つの流れなのですが…三つのラインを掲げることは、既にダッチロールですね。三菱UFJ、AOC、大阪チタンの流れはそれぞれ一致した流れではなく、可能性を考えた末の流れです。
如何にも株屋的な発想ですね。政策と同じで、たぶん最善と思う選択も結果は思うようにならないことも良くあります。ところが市場全体が右肩上がりなら、時間のずれは待てば必ず訪れます。しかし市場がこのような有様だと、時期が来る前に全体調整に引きずられます。でも10月ですからね。ようやくターニングポイントにやってきましたね。あとは秒読みの段階でしょう。果たして欧州問題は、新興国の第二のアジア危機に発展するのか、あるいは米国財政問題への火付けまで迎えるのか分かりませんが、1幕はもうすぐ終焉するのでしょう。願わくば、金融危機の時のようにサブプライムからCDSの第二幕に移行せず、新しい演題に変わって欲しいものです。
投稿者 kataru : 18:43