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2011年09月25日

混乱の構図

先週末の相場は、一気に国際金融のバランスが大きく変化しているような現象が至る所で見られています。「リーマンショック第二幕の開演」と言うイメージのようです。一次的な安全性への逃避は、二次に波及したようにも感じますね。何と言っても一番怖いのが基軸通貨ドルへの波及ですね。ギリシャ危機はドンドン飛び火します。今日の日経新聞にはブラジルレアルの買い支えが載っていましたね。0.62から0.54と…かなり急激に動いているようです。新興国からの資金の引き上げが始まっているようです。これでは唯一の望みの「デカップリング現象」も望めなくなりますね。先進国は「流動性の罠」に陥り、新興国は資金の引き上げにあい、経済が縮小するパターンになりますね。

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ただギリシャ危機の発展形の根源であるパリバの株価は週末に大きく上がりました。通常は一日だけの戻り相場と思われますが…。ニュースを総合するとIMFへの期待が膨らんでいるようです。要するに米国がIMFへ問題の解決を振ったのは、基軸通貨の崩壊と言う問題も孕みはじめていますね。この行動は最悪の事態を迎える示唆かも知れません。私の読みはよく外れますから…単なる空想で、これからの最悪論を語っておきます。

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今日の市況に掲げた21日の輸出入の依存度とGDPに対する債務比率の表を、ここでもう一度見てください。ギリシャは基本的に輸出比率が低く産業基盤が希薄な国ですから、外貨が流出しやすい体質ですね。よって為替の安全装置がありませんから、実質的な借り入れは増えていき、節約では乗り切れないことが明白です。だから債務のカットしか正常化への道はないですね。ユーロからの離脱も選択の一つです。おそらくこの可能性が最も高い。オランダやドイツなどは混乱が自国の利益になるから、ギリシャ危機は「他人の不幸は蜜の味」の状態です。そこで国際金融はフランスのパリバから、ドイツの銀行も叩き始めています。40ユーロだった株価は23ユーロへこの1か月で大きく下がっています。下はドイツ銀行の株価推移です。

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でもドイツはなかなか動きませんね。業を煮やした米国は、自国への波及を恐れ欧州に働きかけたが失敗し、今度はIMFへ圧力をかけ始めたようです。つまりグローバル化の進展が始まっていますね。FRB、ECB、日銀などの中央銀行の世界から、IMFへの時代へ流れが動いているようにも感じますね。当然、ドルと言う基軸通貨の地位は下落します。そうなると長引く空洞化で輸出依存度の減っている日本の銀行は、先ずはドル債の減損を迫られ、体力のないところに日本国債の減損処理が一気に広がる可能性が出てきましたね。日本国債は、間違いなく世界から見向きもされません。安全弁の産業は長引く空洞化で崩壊しており輸出依存度は低いから、世界第一位の債権大国は、富を一気に吐き出す構図が見えてきますね。

考えてみれば当事者能力のない人間が、権力の座に就き、混乱を止めることが出来ないのでしょう。ロシア、プーチンの復帰も嫌なイメージです。いくら優秀でも権力に長くとどまれば腐敗は免れません。日本人の資質を問う日本化現象の広がりは、世界経済の仕組みを問うパラダイムショックの意味合いが強くなってきましたね。新しい芽吹きは世界のあらしの中で確実に育って行くと良いですね。小さな行動は、やがてうねりに変化し潮流を興す。この変化があたらしい流れを世界に示す日が楽しみです。

投稿者 kataru : 10:27

2011年09月23日

雑感

身銭を切っての株式投資の失敗は色んなことを学びますね。かなり、うまくなったと自負しているのですが、どうしても空売りの罪悪感は消えません。31年植え付けられた株屋根性が抜けませんね。末端の金融マンはお金を集めるのが信条の筈。銀行なら預金を…証券マンなら株や投信などを始め債券を…如何に有利か説得しお金を出してもらいますが…一般的な金融マンは、使い込みやなどの犯罪を防ぐ目的もあり転勤します。しかしそれでは顧客との信頼関係が築けず、転勤のない歩合セールスを選択したのですが…在職庁は失敗ばかりで…相場が良いときに辞めればよかった…と嘆くのが証券マンの性でしょう。ブツブツが退職したのが2008年、隣の浜ちゃんが辞めたのが2009年、僕は2010年に去りましたが…この仲良し3人組はブツブツは多少、空売りをしますが…みんな売りをしないでやられました。普通の相場なら良いのですが…せめて横ばいであって欲しい。

失われた時代は1900円の単純平均が、200円に下がる相場で…現在は200円台前半を行ったり来たりし始めています。一般的にはリーマンショック後の2008年10月の203円が安値と思われましたが、今年の震災の時に200円まで下がりましたね。昨日が214円なので間もなく割れる可能性が高いですね。ここ数年が底値で、中華鍋底のような形をみせるのでしょう。だいたい底だと思いますが…変化は時間をかけながら認識されるのでしょう。既に至ることころで日本のチャレンジは始まっています。市民ファンドのような草の根運動が、ネットを通じて起こり始めています。震災復興が切っ掛けになり社会的貢献の精神が息づいているようです。株価が上昇に向かわないので分かりませんが、ようやく日本も「どぶ板回復」に向かい始めたように感じます。

「どぶ板回復」と名付けたのは、多くの小さな庶民の力が結集し始め、小さな流れになっている現実ですね。ネットを通じて人の輪が広がり、共有する概念が人々を動かし始めたように思います。政治や官僚に期待しなくなったのはいつからかな?僕の心情に世の中の流れがようやく追い付いてきたように感じます。僕はネット第一世代。たまに来る応援メールや質問は嬉しいものです。反応がないのが一番哀しいのですね。昔は読んでくれる人が増えていくのが実感でき、読者が増えるのは嬉しかったですね。でも今は…僕に騙されたと思っている読者も多いでしょう。僕は買いしかしないし、一本気の根性がありますから、倒産するまで企業と付き合いますからね。皆が見捨てても、僕は一度信じたから、その気持ちを持ち続けようと考えて行動してきました、一度、約束したことは最後まで守るのが信条です。

でも結果的をみると証券投資と人生観の信条と言うのは馴染めないものがあるのでしょう。多くの人に迷惑をかけ、現在の境遇は因果応報なのでしょう。どぶ板を歩くのは嫌ではないが…たまには花の咲く小道を散策してみたいものです。せめてアスファルトの道路でも良い。いつも匂いの立ち込めるどぶの周りにいると、頭がおかしくなります。せめて僅かな時間でも良いから…と考えるのが贅沢な悩みでしょうか? 一流企業のサラリーマンがリストラされ、モヤモヤする精神状態を、今、味わっていますね。数年前、東芝の知人がリストラされ最初の2年間だったかな?…は小さな会社に通えましたが、後は放り投げられ…今は定年の年齢に達したかな? 彼の心中が、今、実感としてよく分かります。

野田さんにはゆとりがないのでしょうが…、今は震災と同じで…国際金融の舞台で存在感を示すことが出来る絶好のチャンスですね。イニシアティブを取れるチャンスは、そうあるものではありません。ガンガン為替介入を実施して1ドル80円を死守すればいいのです。だって輸出依存度は11.4%ですよ。しかも米国はドル安政策を実行し基軸通貨の役割を果たしていませんね。ドイツは日本を批判する立場にありません。彼らは33.6%も輸出に依存しているのです。因みに中国は24.5%です。ユーロ安はドイツにとって嬉しい混乱です。

僕が首相ならガンガン為替介入を実施して90円~100円まで持って行きます。そこで得た外貨をIMFまたはECBを通じて、ギリシャ支援やイタリヤ、スペインなどの財政赤字国に投資して使ってもらいますね。きっと、ただしい選択はギリシャ国債をユーロ共通債で償還することでしょうね。でも…世界の金融マンは、既に最悪の展開を予期しているからヘッジしているのでしょう。この最悪の展開とは…ドル安、米国のデフォルト懸念です。米国は既に100%を超えていますね。しかも海外依存度が高いのです。欧州の混乱が自国の混乱に火をつける可能性があります。政争と言う権力闘争は、日本と同じ構図になってきましたね。今の所、日本は自前資金だけれど…間もなく急速に悪化しますよ。日本は非常に速いペースで混乱が広がります。

何故かと言えば、一つは集団的に行動するイワシ民族だと言うことです。もう一つは日本の銀行は、まぁ、銀行だけでなく全ての金融機関が、日本国債に、首、いや全身たっぷり使っている状態ですね。預貸比率が低く国債投資をしているのが現状ですから、一度、導火線に火が付くと止められませんね。この時期はもうすぐですね。僕が、時間がない…と何度も訴えているのは、そういう事態が来ると覚悟しているからです。おそらく野田政権が最後の砦じゃないかな? はやく消費税を引き上げ、社会保障費を減らす努力をしないとなりませんね。自己負担比率を基本的に高め、所得の低い年金生活だけの弱者は別の方法で救えばいい。詳しく計算してないが、為替相場を見ていると、間もなく逆転の構図の火ぶたが着火するようにも感じます。

イワシ民族だから、円安方面に流れると一気に資金流出が膨らみ、資本規制が発動され円安がさらに進むのでしょう。そうして食物自給率の低い我が国は、食べ物がなくなり、農業改革を余儀なくされバランスが変化する。やがてグローバル企業は、再び日本に生産基地を移動させる構図が見えなくもありません。

だから不退転の決意で、直ぐにやらなくちゃならないのです。はやく消費税を引き上げ正当な方法論を模索すべきですね。でも日本は奇妙ですね。震災復興は所得税…?たばこ税?もともと税制の体系は、シンプルが一番です。一番、公平な形は消費税で、所得税も、法人税も、その他の税はなくても良いですね。消費税を20%程度まで上げて、他は軽減すればいい。能力のない国会議員を半数にして、官僚も半数にして民間機構に移行させます。キャッシュレス社会を実現させれば、統計を集める各省庁の人員は相当削減させることが出来ますね。国家統計も瞬時に分かります。生きている経済を時間差なく観察でき的確な政策を実行できますよ。

未来都市のキーワードは、キャッシュレス社会の構築で、循環型のエネルギー消費や農業などの地産地消のシステム構築ですね。今ならまだ間に合う筈。国民の理解も得られます。まだ大丈夫と…ズルズル続けると最後はギリシャより悲惨ですよ。公務員は半数以上減らされ市民サービスは低下し犯罪は増え大変なことになります。野田さんに実行力があるかどうか…余りに調和を考えているから、小泉・竹中改革のような期待感はありませんね。ある意味で駄々をこねた菅総理は孤軍奮闘し共感を覚えました。まぁ、能力がない人間が地位に就く不幸を見ましたが…。欲望だけじゃ、総理は務まりませんね。

上手く行っているなら、こんな希望的な観測はマスターベーションですから止めますが…今はチャンスなのですね。国際的な舞台に立てる絶好のチャンスで、中国ではなく日本がやることに意味があります。中国は依存度が24.5%だから為替介入は出来ません。論理的な裏付けがあり説明責任が付けられ、尚且つ、国際舞台での地位を上げ、日本経済の役にも立ち、バラ色の選択ですが…問題はスピードです。時間差を置かずに、混乱していいる時が大切な希望ですね。日本は米国債を既に大量に持っているから、次のステップ〈米国崩壊〉の時は出来ませんね。今なら米国債を買わない理由が付けられます。

財務官僚さん、先日の「円高対応緊急ファシリティ 基金」の創設は世間の評判は今一ですが良かったのですね。あの発想を大切にすべきです。規模を拡大させ国際貢献しましょうね。資源などを中国のように買うのも、ある意味で効果はありますが、これは下策でしょう。日本は世界で今、最も恵まれている国なのですね。だから日本株は為替同様にもっと評価されていいと思うが…イワシ根性が身についている国民はしょうがないなぁ~。

投稿者 kataru : 10:44

2011年09月19日

感動

先ほど、NHKで画家「堀文子」さんの特集番組を見ました。昨日は「宇宙の渚」を…何れも素晴らしい出来ですね。1秒を8キロで飛ぶ宇宙ステーションからの生映像も良かったですね。雷などの映像はワクワクしますね。93歳の堀さんの人生観もなかなか見所がありました。カタルが現在悩んでいるテーマである物欲を否定し、ひたすら美の世界を追い求めると言うか…感動を常に求めて生きている姿勢は共感できるものです。

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昨日の単純平均株価はカタル君の年収のグラフのようです。恥ずかしいのですが…株屋人生の年収も下に掲載します。比べてください。90年代のカタルは一般の株屋で食えない時代が続きます。東京で子供を育てるには、家があれば別でしょうが…賃貸生活だと、やはり年収800万円程度の収入がないと暮らしは苦しいですね。子供の小学校時代は温泉に泊まりに行ったことはなく、いつもキャンプ旅行でした。夏の恒例行事ですね。でも年収のグラフと単純平均の形は一緒でも、確実に技量が上がったことは間違いない事実だと思います。

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最近は経済評論家より僕の方が一所懸命に考えているから、現状を上手く解説できると思います。現状認識と同時に、時代が進み、少し希望が見え始めているようにも感じます。新しい動きを感じ、その方向性が頭の中の構想と一致し始めています。ようやく、時代が動き始めるかもしれないとも考えています。歴史的にみると、やはり世代交代が必要なのでしょう。でもずっと株屋として効率化や物欲を追い求めてきたのに…この年になって、その虚しさを実感し疑問視している自分が同時に存在するのですね。株屋の技量を磨こうとしてきて、すべての人生を捧げてきたのに…金融資本の奢りと言うか、在り方をリーマンショック以降、世間は否定し続け価値観がひどく傷ついて失墜していますね。歴史を見ると、この繰り返しです。

でも金融バブルが文化を育み、金融マンの多くはお金の無力さと言うか…同時にその価値観を悟っているから、心の中で対峙している美や芸術などの文化への憧れが強いのでしょう。きっと人間の心は、その「はざま」を行ったり来たりしているのでしょう。堀さんの「ミジンコ」の顕微鏡映像を観た時の輝いた顔は綺麗だな。…と感じました。93歳の婆さんが輝いて生きている。素晴らしいなぁ~感動は…。昨夜のNHKのスプライトも驚きだったですね。雷が宇宙に向かってエネルギーを放出しているなんて…あのエネルギーを電気に転換することが出来れば…なんて、ワクワクする映像でしたね。

株屋人生に失敗して挫折し、もがいているカタル君の人生は、これからどんな形になるやら…2006年の失望感は尾を引きずっていますね。まさか時代が戻るとは考えていなかったのです。その後、2007年の金融デリバティブの「あがき」は無知なカタル君の相場観を大きくグローバルに変えました。それまで真剣に景気循環などの流れを世界規模で捉えていませんからね。サブプライム問題が、まさかGDSまで発展し、そのCDSの規模を聞いた時に、耳を疑った規模でしたね。レバレッジがあそこまで拡大したのですね。
その後始末が、この程度で済むのかどうか…未知数ですが、米国の住宅問題のGSE問題はそのバロメーターの一つでしょう。米国の本質は汚いようにも感じていますね。黒人大統領のオバマ誕生は、グローバル化の一面を示していますが、同時に誰がやっても時間が必要で壊れた積み木のがれき処理は、嫌な汚れ役です。理想論を貫き、正義を翳すオバマ大統領の姿勢を、カタルはいつも清貧思想と批判はしていますが、反面、必要悪のような気もしています。

輝かしい一面をメディアはいつも捉えますが、そのはざまで、うごめいている地固めは、なかなか表面に現れませんが、しかしこの地固めが確りしていれば、次のステップに歩き出せるかもしれません。追い込まれたことは事実ですが、株屋を辞めて見えるものがあるかもしれないと…期待していましたが、まだ見えませんね。

もう一度、単純平均株価が上がり始めた時に、かたるはどんな相場観を持って相場に臨んでいるのでしょうか? やはり日本独自の動きに反応するのが、真の姿でしょう。大震災は試練でもありますが、これが切っ掛けになり新しい時代に向かえば、日本人から奪われた希望の光が、再び心の中で灯されると考えています。些細なことで良いのですね。希望さえあれば困難な生活も耐え忍ぶことが出来ます。

投稿者 kataru : 10:36

2011年09月18日

小さなことから…

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1989年歩合外務員になる為に上京し証券営業を続けてきましたが、この22年間の株は一貫して下がり続け、失われた時代を形成してきました。戦後の復興から見事な立ち上がりは大蔵省の計画経済の政策手腕による実績が大きく、必要な箇所に的確に資金をつぎ込み生産力を上げ、一人あたりのGDPを押し上げました。

ハーバード大学の社会学の教授で東アジア研究所長でもあったエズラ.F.ヴォーゲルが著した『ジャパン・アズ・ナンバーワン(Japan as №1)』がベストセラーになったのが1979年です。教授は、日本の企業が業績を上げている原因として、終身雇用、年功序列賃金、企業と協調的な労働組合作り、企業内福利厚生の充実、目先の利益でなく長期的な利益を上げることの重視、比較的小さい賃金格差等を詳細に説明していました。企業と一体化して「その働きぶりと自尊心」のある「会社人間」からなる日本企業は、効果的な近代組織であると評価していました。高い教育水準、治安の良さなども紹介しています。

後進資本主義国家として出発した日本は、官民一体となって欧米に追いつくことを目標に突き進んできました。その過程で、内外の多数の論者は、終身雇用、年功序列賃金、企業別組合という日本型雇用慣行や、それを基礎にした企業への強い意識は日本の大企業が資本主義の論理から逸脱し、遅れている現われだと見ていました。また企業の株主の発言権は弱く、会社の経営者の多くは株主の代理人というよりは従業員の代表という性格を持っており、これも本来の株式会社のあるべき姿を歪めているものと見られてきましたね。

1985年のプラザ合意辺りから…奢りと傲慢な政策運営が崩れ始め、その当時、疑問に思われた懸念がバブル崩壊により噴出します。株式市場では先物市場が生まれ既存体制の矛盾を崩す原動力になります。この戦後の復興からの成功体験が「鉄は国家なり」「モノづくり大国 日本」と言う認識に繋がっています。更に2006年のライブドアやブルドックソースなどの一連の現象も、既存概念と新興勢力の意見衝突です。
長い失われた時代でしたが2003年から2006年まで小泉・竹中改革により、ミルトン・フリードマンの小さな政府で、効率化社会を目指す動きがありました。郵政民営化です。この意味は資金の移動ですね。財政投融資に寝る資金を生かそうとするアイディアです。しかし亀井氏をはじめとする時代錯誤の人達が復活したのがライブドア事件なのでしょう。地検は国策を決める決断をします。

現在は失われた時代の延長線上にあり、金融危機に見舞われた欧米もデフレ社会に突入し始めたところでしょう。先進国と新興国の富の分配が変化していますね。過去の歴史を見ると様々な困難を乗り越えてきましたが、詳しく調べないと分かりませんが、現代は産業革命の時代に似ているのでしょう。アメリカ合衆国の独立からフランス革命が起こり、農業から工業への産業構造が大きく変化したのが産業革命ですね。ナポレオンの敗北であるワーテンローの戦いを利用し、財を成したロスチャイルド家がやがて世界金融の中心になってくる原点になりました。

産業革命と言っても非常に長い時間をかけて社会構造を変えています。聖職者や貴族が政治の主導だった農業の時代から、産業革命が工業化による都市化を進展させ社会構造を大きく変えました。要するに資金の投資先が問題なのでしょうね。失われた時代は、時代遅れの公共事業投資をしてきましたが、資金を効率配分すれば良いだけの問題なのです。スーパーコンピュータ「京」の誕生は、創薬に新しい道を示しているようですし、既に富士通は京のさらに上を行く光コンピュータの開発をしています。凡人には分かりませんが実験をコンピュータが補うようですね。予算は未来へ。

目先の震災復興をモデル都市として、国が主導するのではなく民間の採算ペースでそろばんを弾き、地方自治体に交付される時間も使い道も制限されない資金3兆円を元手にして、金融デリバティブ技術を駆使し、資金を拡大させ10兆、20兆単位の広大なスケールのモデル都市を構築してほしいものですね。福島は格好の場所です。あの周辺一帯を全て一旦は国で買い上げ、開発を進めればいいのです。新未来都市建設は日本人に希望を与えますね。キャッシュレス、GPS、ITS、共同溝から、道路なんか必要ないんじゃないかな? 公共的な乗り物だけで利便性を高め、個人の所有する車を排除すれば良いですね。未来都市に必要ないですね。何か未来都市のイメージを考えるだけでワクワクします。

独立宣言やフランス革命と同じようにジャスミン革命が起こり、情報化の進展が、世界中のグローバルの仕組みを変え始めています。今の金融危機、第二弾はステップアップの条件の一つなのでしょう。要するにお金なのですね。このお金が動くような新しいワクワクする資金の受け皿を提供すればいいのです。

鉄は国家なり?

半導体は日本が守るべき産業?

車は重要な産業なの?

既存の概念を先ず捨てることが、あたらしい時代に向かってのステップなのかもしれませんね。松井証券が株屋の手数料概念を打ち破ったのが1999年の10月の手数料の自由化で、株屋の概念も大きく変えましたね。本当は同時に相談料などの情報化も進むべきだったのでしょうが…カタルの経験では情報にお金を払うと言う概念は日本人には希薄です。情報の意味を取り違えているのでしょう。儲かることが銘柄情報ではありませんね。このIRNETをやり始め、松井証券より長くやっていますが、多くの投資家は情報の価値観を間違って捉えていますね。

情報とはヒントの意味合いが強いと思います。僕は今でも多くの情報元にお金を払っていますが、ヒントを多く提供してくれるかどうかが基準になりますね。日経新聞の価値観は下がっていますが、テレビの「ワールドビジネスサテライト」の時代を感じさせるレポートは好きですね。地方で興っている村おこしのイベントの取材などは面白いですね。先日も大阪で自転車を修理し、浮浪者を活用するアイディアを実現させようとしている人が紹介されていました。あのような番組を見ると…日本も変わるな。と思いますね。ようやく…13年ぶりに変化を見せるかな?と漠然と考えています。

実際、かたるも行動を起こしましたが、現実は壁は高く空振りでした。でも皆が自分のできる範囲で、やれる事から先ずは行動を起こすことですね。社会貢献はお金以上に楽しいよ。お金も必要だが…やはり社会的な使命感とか、そんな行動がやがて日本を変えていくのでしょう。カタルのつまらないコメントを毎日読んでくれる人が、今は減ったけれど5000人程度は居ます。皆が自分の周りで自分が出来ることから、まず一歩踏み出せば、やがて社会は変革していくでしょう。小さなことでも良い。道端の捨てられているごみを拾ってごみ箱に捨てることでも…。その行動を小さな子供が見ていたら、「あぁ、そうすべきだ…」と気づき、やがて輪は広がるでしょう。出来ることからやればいい。無理して背伸びをする必要もないし、自分のできる些細な改革が、やがて社会を動かす原動力になるのでしょう。

投稿者 kataru : 10:39

2011年09月11日

楽しい復興プラン

今日は震災から半年、同時テロから10年の日になります。過去の犠牲を生かし未来への希望ある話を書きたいと思っています。

最近のニュースを見ていると、かなり良い線に来ましたね。日銀の姿勢が弱いので円高が進むのですが、非不胎化政策でガンガンとドルを買い、同時に強固なノルマのある窓口指導で融資を増やし、未来都市開発を優先させれば良いのです。昨年、10月の資産デフレ対策は正しい方向性ですが、市場に影響を与えていません。マスターベーションかノルマの達成できないセールスが、働いているふりをしているようですね。政策評価は自分が決めるのではなく他人が決めるのです。つまり市場が評価するのですね。

しかしこの度の3次補正は、地方自治体が自らの判断で3兆円ものお金を動かすことは非常に画期的なことですね。地方分権の第一歩の足跡です。フリードマンの小さな政府、規制撤廃の効率化の概念は、財政政策を強く否定しています。だから広義の意味では3次補正は無駄と映るかもしれませんが、現在の日本は冒険をする人たちが居ない、流動性の罠に嵌っていますから、この僅か3兆円をインパクトのある数字に変えないとなりません。

そこで地方自治体への提案ですが、この補助金を原資にファンドを創設しましょう。エクイティーの投機的な資金として1兆円(3県で分けた場合)を使い、メザニンローンを機関投資家に求めシニアローンを組みます。運用は民間企業の大手デベロッパーに委ね、地方税を免除し産業を誘致し、政府にも免税特権を働きかけます。金融機能を使い予算規模を5兆円に拡大させます。味噌は民間のデベロッパー2社か3社に競わせ、各社の提案のすり合わせ役として、統合性を保つ為に地方自治体は徹します。自ら事業主体として復興をしても、無駄金に終わる可能性がありますね。原資の1兆円は(全体では3兆円)国民の税金ですから返済しなくてはなりません。

街が活性化すれば、所得税や住民税、消費税が増えてお借りした復興予算は返済されます。勿論、広くファンドの出資を募れば、復興予算をメザニンに回しても構いませんね。地方銀行に眠っている国債の資金はシニアローンとして、ファンドを通じて民間に流れ始めます。豊かで安全性の高い、便利な未来都市が完成すれば、地価は上がり固定資産税の増収も見込めます。場合によればCDSを発行し、更に予算額を膨らませることも出来ます。

宮城なら…世界に向けた漁業の街を目指すプランもあるでしょう。最新のマグロの養殖とか…大手企業が挙って実験に乗り出すでしょう。そのマグロを日本だけでなく、中国に輸出すればいいのです。双日などのマグロの養殖に実績のある企業は参加しやすくなりますね。味噌は5年から10年程度の減税処置ですね。不動産所得税も企業が軌道に乗ったら返してもらうとか…。

養殖設備や建物などの建設は、ファンドが主体で建設し使用料を毎年もらう。あるいは、直接、新会社に出資しても良いですね。ファンドのお金で利益の出る会社を作ってもらいます。地元の雇用も非常に増えますね。野菜工場も良いですね。ファンドの規模拡大が、未来都市に生きます。これらのプランに参加する企業はファンドと自己資本との出資割合を考えても良いですね。問題は個別に勝手に行うのではなく、街全体のイメージを上げないと人は集まりません。故にキャッシュレスの仕組みは絶対に欠かせません。未来都市のイメージは、ディスカバリーチャンネルが報道した「エコポリス」構想を実現させればいいのです。本当は福島が望ましいですね。何故なら、放射能汚染された土地は除染が必要で、しばらくは住めないから土地の一括買い上げが可能だからです。除染費用がかさみますが、政府と折衝し東電負担になるでしょう。故に開発が容易になります。

果たして地方自治体は実体経済だけでなく、金融経済を巻き込むことが出来るかどうか…金融の世界は、儲かればいくらでもお金が集まります。10兆でも100兆でも…要するに付加価値を生むプランが大切なのですね。竹下内閣の「ふるさと創生」のような死に金では意味がありません。是非、現場の政策担当者は、先ずは大手ファンドを創設できる器の野村は無理だったら、ゴールドマンサックスに声を掛け、ファンドを立ち上げ世界からお金を集めましょう。場合によればシニアローンは日銀保証、あるいは政府の元本保証を取り付ければいいでしょう。

問題は大手デベロッパーの未来構想ですね。大切なことはエネルギー・資源が大切になりますから、循環型のエコ都市構想も取り入れることですね。だから是非、一度、ディスカバリーチャンネルを見て構想を練ってください。米国人は好きですよ。みんながワクワクする未来都市づくりが実現し、稼働が始まれば日本全国の地方自治体は、金融経済を利用したプランを実体経済に生かし、金融デリバティブ技術が崩壊して、世界経済が落ち込んだけれど、再び金融デリバティブ技術が生きて、日本は失われた時代から脱出して、輝かしい先進国のトップブランドを確立できますね。

既にトヨタの時代ではありません。車なんて…ファナックのCNC(コンピュータ数値制御)と同じように、カーナビや電子コントロール技術だけ残し、生産は新興国に委ねるべきでしょう。むしろ自動車会社は、宇宙開発やロボット開発ですよ。家事ロボット・介護ロボットなどの開発は進んでいるのでしょうか?

先進国は、新興国と同じ生産現場で争ってはいけません。環境規制を厳しく設定し、新技術の開発や情報化都市づくりを目指し、先進国らしい新インフラ整備をするのです。今回の震災は新インフラ整備を実現させるために、天が、神様が与えてくれたチャンスですね。是非、実体経済だけで行動をおこすのではなく、金融経済の金融デリバティブ技術を使い予算規模を5倍に増やし、大胆な行動に踏み切って欲しいのです。復興予算は借金と同じで返済を前提に考えないとなりませんね。地方自治体は法律(条例〉なども作成できますから、民間と違いたいへん有利な立場にあります。その地位を生かし、金融、民間の知恵を生かした復興を実現させ、その輪を日本に広げ、ノウハウを世界に広げれば、楽しい時代が訪れます。頑張ってください。

投稿者 kataru : 10:37

2011年09月04日

感動

最近は、先日の世界柔道選手権に続き、なでしこ女子サッカーやワールドカップ予選、そうして世界陸上、さらにゴルフ、プロ野球と…生の真剣勝負の世界が非常に面白く感じられ価値が高いなぁ~と思うようになっている。そうして仕事についても考えることが多くなった。みんなは、何を目標に、日々、生きているのだろう?かと…。

かたるは株屋の世界で一番を目指し、ずっと答えを追い求めてきて、今も模索を続けているが、ここに来て30年以上続けてきた株屋根性が、抜けずに苦しんでいる。でも時間をかけての儲けなら、そんなに難しくないんじゃないか…とも思っている。景気変動の流れは決まっており、背景が分かれば簡単だからね。目先を追うのが難しいだけで…。

生きると言うことは、何かな?
お金はあった方が良いが…普通の生活をする分にはそんなに掛からないし…人間はお金を貯めることに生きているわけでもない。でもお金は一つのバロメーターかも知れない。多くの人はお金がもっとほしいと願って行動をするわけで…その人達にとっての価値観は年収とか資産とかかも知れない。でもたくさんのお金持ちと呼ばれる人を見てきても、みんな同じなんじゃないかな? やはり人間は心が揺さぶられる、楽しい時間を過ごすのが、一番のような気がする。できれば自分が楽しんで、社会に貢献できるような仕事を見つけられれば、こんな幸せなことはないだろう。

残念ながら、僕は株屋の世界では失格だったかな?
自分では、ずいぶん努力をしたつもりだが、結果は他人が評価するもので、自分の努力度合いと評価は違うからね。世間一般の評価は正しいわけで、自分が一所懸命にやっているつもりでも、他の人間との比較の中で、世間が評価するわけで…その結果は自己満足ではなく、他人からの評価が一般的な評価。お金はそのバロメーターなのかもしれない。

最近のCMで気に入っているのが、予備校の東進のCM、2010年のバンクーバーで金メダルに輝いた韓国の金妍児(キムヨナ)をみて、高校生が自分と心の中で比較するCMだ。同じ年なのに…テレビの金妍児選手と自分の姿を比較し、予備校のCM(16歳の転機)になるのだけれど…僕も良く同じような比較をするので共感する部分があるのだろう。オギャーと生れかたや世界で活躍する一流選手と自分を比較し自分を見つめ直す。1955年生まれのかたる君はビルゲイツと同じ年に生まれた。彼は10月生まれだそうだが僕は5月。相撲の千代の富士も、競輪の中野浩一も同じ年だね。

世界陸上のマラソンでは、市民ランナーの川内君は、結局、23位かな? 今日もゴールした後はフラフラの状態のようだった。世間の評価は過酷でヒーローになるためにはやはりいつも注目されないと駄目なのだろう。今年はイチローも200本安打が難しそうな成績状態。1試合に2本ぐらい打たないと記録は継続できそうにない。不倫騒動で一気に消えかかっているタイガーウッズは復活するのだろうか? 世間はやはりヒーローを求めるわけで、その素質がないと駄目だ。石川亮君は台風の最中頑張って好位置につけているが、彼の魅力は時々見せる超人的なバーディーかな? 入りそうもないバンカーからのチップインなど…あの思いがけない驚きが、人気の秘密かもしれない。

そう感動。一言で言えばそうだけれど、あのワクワク感は堪らない。
なでしこジャパンが人気になったのは、何もワールドカップに優勝したからではなく、期待感がなかったところにジワジワ盛り上がったあの驚きが背景にあるのだろう。決勝の試合はなにも結果ではなく、あの試合の過程にあると思っている。前半は雨のようなアメリカのゴールが決まらず、あれだけ力量差が離れているのに…。1-0でリードされていた後半34分、諦めていた時間帯での同点のゴールを宮間あやが決め延長戦へ、更に延長線も後半だった。アメリカに2-1でリードされていたが、今度は沢穂希が同点ゴールで、PKになって決まったけれど、あの展開がなくては、感動が生まれず人々の心はこんなに大きく動かなかっただろう。

笹本稜平の「時の渚」の最初はつまらない本だなぁ~と思って読みだした。結果は分かっているし…と思ったら最後の結末は違っていた。その後、最後の部分は少しやり過ぎかな?とも思うけれど…。彼の作品は「春を背負って」が良くて…太平洋の薔薇に続き、これで3作品目だが、マズマズ合格点。白石一文と共に最近の当たりの部類だな。自分の人生に影響を受ける感動は価値があり面白い。もうすぐ綱取りがかかる日馬富士の場所が始まる。立ち合いのあの緊張感の溢れる「しきり」が面白いと思うのだけれど…。世間の評価は相次ぐ不祥事で人気はないが…。

不倫騒動で落ちたタイガーの復活が見たいし、イチローの200本安打の連続記録の達成も、是非、見てみたい。駄目な困難な位置からの逆転劇があるからドラマが生まれ、人々は感動するのだろう。本でも音楽でも…戦後68年を経過するが、靖国の遊就館は日本のドラマを納めた貴重な場所なのかな? 決して美化するわけではないが、過ちの原点を谷村新司の「群青」を聴きならがら、ひっそりとした夜に聞いていると日本の原点を考えさせられる気がする。

投稿者 kataru : 12:51