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2015年01月31日
気になるNY市場と日本株
昨晩のNY市場の動きは、やはり気になります。この辺りの考え方を少し解説して置かないとならないと思います。NY市場は金融危機後、量的緩和を中心とする金融政策により、リーマンショックを緩和して経済活動を活発化させてきました。しかし米国金融株の動向をみると分かるのですが、実際はこの回復は砂上の楼閣なのですね。力強い経済回復とは違い、人工的に作られた現象のようなものです。その証拠にNYダウ平均やSP500は新高値を付けましたが、ナスダックはITバブル期の高値を抜いていません。此処にカタルが拘るのは、次の先進国の飛躍期が、スマートコミュニティーへの新時代との確信があるからですね。つまりSF(電脳社会)の世界への移行なのです。
更に、金融危機後、一度も大きな調整をせずに、米国株は上昇しています。長期的な乖離はかなり広がっており、何処で調整波動が入っても…不思議ではありません。そんな時にFRBが量的緩和を停止し、利上げを視野に入れていると言います。確かに最悪期から見れば、随分と経済は回復したのですが…、内部は盤石ではありませんからね。カタルの宿題である1937年問題が、懸念される所以です。大恐慌から世界景気は、一旦立ち上がりますが…人々は勘違いをして、マネーを絞ったのですね。その為に世界戦争に突入しました。今のイスラム国の台頭を考えると分かりやすいですね。
米国の出口戦略が、今は当然と見られていますが…、実際、金融機能は脆弱なままで、金融機関にはユトリの貯蓄がありませんね。金融危機で蓄積を吐き出した後なのです。日本のバブルの整理をみると、一度バブルを作り、潰した後の弊害は、嫌と言うほど時間が掛かるのが良く分かります。未だに日経平均株価は1989年に付けた高値38915円を抜いていませんね。日本人はこの25年の間、日本村の弊害から脱皮し、グローバル展開に向け、時間をかけて移行してきたのです。その閉塞感が「流動性の罠」に集約されていると言っても良いと思います。
オバマ大統領は、2000年代、前半の日本の金融庁と同じです。清貧思想の塊のような存在です。確かに…行き過ぎた金融デリバティブは破たんをしました。しかし、このおかげで新興国が台頭し、グローバル化は進みましたね。これまでは恐くて投資できなかった共産圏の中国などにも、リスクが限定されるCDSの開発のおかげで投資が進み、世界のグローバル化が一気に加速しました。しかし、その為に安い労働力を武器にした製品のおかげで、先進国の空洞化が進みました。米国は比較的に早くから中南米に門戸〈市場〉を開放していましたから、日本化現象と言う空洞化の弊害を受けにくくなっていました。しかし欧州は、東欧諸国の参入が日本の場合の中国と同じで、やはり日本化が深刻ですね。
でも一番の弊害は日本ですね。長いデフレ環境が続いたのも…このようなパラダイムショック(枠組みの変更)なのですね。全てはベルリンの壁崩壊からスタートしたのです。しかし本当は、その前段階の1985年のプラザ合意が切っ掛けなのです。この辺りの仕組みを何度も解説していますが…、これが理解されてないと、今、起こっている現象も、なかなか理解が進まないのです。故に、この話をしつこく、何度も繰り返しています。今日もパナソニックのテレビ事業の縮小が話題になっていますが、EMS(受託生産)の流れは、基本的に1987年にISTMの創設が、時代の分岐点になっています。ISTMはモリス・チャンがテキサス・インスツルメンツから独立して、台湾政府と共同で設立した会社ですが、ファンドリーとして躍進と遂げました。この流れに乗ったのがアップルです。しかしNECや富士通などは垂直型経営に拘ったのですね。リカードの比較優位と言う経済理論に逆らった結果、エルピーダなどの消耗戦を、日本は選んだわけです。メディアの「ものづくり」への拘りが、日本人の概念を、間違った方向性に誘導したのです。
今は、何が起こっているか? 切っ掛けは2009年から2010年に起きた100円を大きく割れる円高の政策を堅持したために、行き過ぎた生産移転が起ったのですね。その為に日本企業は、必要もない範囲まで、海外へ生産移転を進めました。空洞化が行き過ぎたのでしょう。だって常識的に考えてみてください。マーチなどの大衆車は、1台当たりの利益は5万円程度でしょう。それを、輸送費を掛けタイから運ぶと、いくら儲かるのでしょう。人件費の差は、年々、縮まっています。家電業界の最近の回帰現象は行き過ぎた空洞化の揺り戻しでしょうね。
しかし…人間の嗜好は、ものより、時間の有意義さに、お金をかけるようになっていますね。ゲームの利益率の高さは、その事を示しています。文化なのですね。幸せと感じる時間に対価を払うのです。物質的な物ではありませんね。パズドラやモンストは、単なる時間つぶしと言えば、それまでですが…、敵をやっつけて、ステップアップできる「達成感」を売り物にしています。
どうせなら…、株式投資の面白さに、時間を費やして実利益を上げながら、時間を潰して欲しいものです。カタルのレポートを、毎日読んでいれば…その内、その辺に居る証券マンより、ずっと高度の知識が付くと考えています。だからカタルは有料でも良いと思っていますが…まだまだ日本人は、情報に対する対価を払う事を嫌がりますね。ビスタニュースは、そんな失敗でした。カタルの狙いは、今でも良いと思っています。メディアが押しつけるニュースではなく、読者が書き手の順位を決めるのですね。対価を決めるのです。丁度、AKB48の株式版のようなものです。でも時代が早すぎたのでしょう。かたるの株の選択と同じですね。
話しが外れたので元に戻しますが、要するに、先進国における新時代であるスマートコミュニティーの時代進化が、いつ始まるのか? ここが焦点です。その事前準備が進行しているとも考えられますね。しかし流石グーグルです。スペースXに投資を決めましたね。時代は確実にステップアップしています。宇宙だけでなく、医療もそうです。再生医療のトップ企業のJ・TECの株価が、こんな水準で評価されている現実が、おかしいのです。国は地方創生も結構ですが、新時代の社会資本整備である衛星の打ち上げや、スパコンの利用促進などに、もっと力を注ぐべきですね。最近、民間企業のスパコンの利用率は上がっていると言います。信号機の運営など、そろそろ自動で運営されても良いですね。スマフォにはGPS機能が盛り込まれており、キャッシュを引き出した人間の追跡捜査も出来る時代になって来ています。監視カメラと併合すれば、振り込め詐欺など、一掃できますね。その前にキャッシュレス社会を早く創設すべきです。
民間企業は、ROE経営をもっと加速させましょう。社会的責任を果たすかどうか…トヨタの対応は、注目されます。何もラリーを再開したり、下請け企業の値下げ強制を凍結したりすることが、使命などと勘違いしないで欲しいものです。やはりROEの流れを、より鮮明にさせるべきですね。早い話、借金を増やして、自社株買いをしても、論理的には…充分な投資活動になります。
確かにNY市場の動向は気になるので…、週末の今日に市況にも、NY市場のチャートを掲載しました。GDPが予想より悪かったようですが、現状は乱高下を繰り返しており、強弱感が対立し始めています。日本株は世界で、一番、外部環境に恵まれています。日本企業は無駄が多いので、ROE経営に目覚めると、捨てる経営を出来るのですね。そうすると…利益率が上がり、ROEの伸びが大きくなります。だから論理的にも、株価2万円台に向けスタートを切れるのです。現状のPER18倍、ROE8%は妥当水準ですが、潜在的な伸び率が大きいのですね。ようやく自社株買いが、定着し始めています。日銀だけでなく、GPIFだけでなく、企業も株を買っていますね。その為に陽線率は上がり始めています。今日は、その様子を感じてください。「陽線率」とは…引け値と寄り値の差を数値化したものです。カタル独自の指標の一つですね。NY離れが鮮明になるかどうか…2月は、その行方が試されます。その為に、この時期の人気株には、注意を払わねばなりません。

2015年01月24日
国際収支からみた日本の立ち位置
今日は昨日の「今日の市況」からの発展課題です。その理解を進める為に国際収支の動向を調べていました。資料元は日銀からですが、グラフは2014年は12月の数字が、為替は年末値が入っていますが、経常収支などの統計は1月から11月までの合計で12月は未発表なので含まれていません。それではこのレポートには影響がないので、このグラフを採用しました。

この統計を調べることは、相場観に重要な影響を与えます。これまで述べたように、プラザ合意(1985年)以降、日本の官僚組織を中心とする司令塔は、間違った判断の下で日本の政策を運営してきました。農業政策は筆頭ですが、一番大きいのは、グローバル化への対処の欠落ですね。その為にプラザ合意を、切っ掛けとして躓く訳です。当時、竹下大蔵大臣の下で、NYのプラザホテルで結ばれた円高に向けた為替の協調介入の政策です。しかしこのグラフによると、所得収支が貿易収支を上回るのは、2005年から2006年にかけての話です。(所得収支とは、海外で営業している企業などからの配当収入などの金額です。)
ようやく、東西冷戦の構造改革に追い付いたところで、米国の金融危機が起こります。その為に、折角、構造調整が済んだのに、イレギュラ―的な二段下げ?二段上げの為替相場に入り、100円割れから80円割れまで追い込まれ、本来は国内生産をすべき生産財まで、中国を始めタイなどへ生産移転が進みました。これが余分だったんじゃないか…と考えていますね。最近はインバウンド消費が注目され、サービス収支も改善しており、グローバル化の定着が見られますが、同時に、雑誌「アエラ」の此方の報道ぶりは、清貧思想を貫いた日本の異常な様相を感じられると思います。ずいぶん、日本は貧乏をしたものです。資源大国、オーストラリアの42万4千円の初任給って本当なのでしょうか?
もともと東西冷戦の崩壊から加速したEMSと言う受託生産の流れを読み違ったのですね。これはメディアの責任も大きいと思っています。悪戯に、日本の「ものづくり」を強調する余り、グローバル展開が遅れたのですね。その為に運命のいたずらと言うか…米国の金融危機と重なり、行き過ぎた生産移転が起ったのではないかと推察している訳です。国内消費分まで、海外で生産したのですね。日産マーチの逆輸入は象徴的な事例でしょう。シャープの二段下げと言うか…二番底の確認相場は、その様な現象が、市場の株価となって現れている現象ですね。
基本は2003年からの復活が、正しい方向性だったのですが…その後の政策の選択ミスや米国の金融危機の影響を受け、日本は二段下げの構造調整を迫られた印象を抱いています。ただグラフらからも分かるように…海外からの第一次所得収支が大幅に増えているのを見ても明らかですが、日本は完全にグローバル化に脱皮しました。伊藤忠の1兆円投資を観ても分かるように、商社を中心に、我が国は海外からの配当収入などが大きく膨らんでいます。ただ残念ながらまだ門戸が開かれてなく、外資系企業の活躍は鈍いままです。最近のサービス収支の改善などを見ると、この辺りも変化の兆しが感じられます。
この雑誌「アエラ」の報道は、たぶん大げさなのでしょうが…それでも嘘ではないのでしょう。つまり日本がデフレ環境で沈む間に、国際社会から大きな水を開けられたわけです。実質評価ばかり前面に打ち出す政策は、人間心理を考えないものですね。だからこんな結果になったのでしょう。日経新聞を読むと輸出企業の利益は膨らみますが、株式市場は変化率を常に問題にします。今年は大きくこの変化率が沈み、グローバル銘柄は、既にかなりの高評価になっています。PER18倍で、ROE8%弱の評価は、既に比較感から見て「のびしろ」は大きくありませんね。だからカタルはROE経営を目指せと述べています。日本企業は総資産経営だったため、全体としての利益を重視するあまり、個別の利益率を無視してきました。その為に総花的な経営になりましたね。日立など、どの分野が得意分野なのか…? 利益率の低いと産業まで手掛けている為に、従業員ばかりが膨らみ、利益率が下がっていたのですね。その方向性を現在、改善し始めています。でもまだまだ…なのですね。
資本に関する考え方も、同じです。人と同じで資本も高い利益を求めますね。人も質を問題にし、利益率の低い産業は、ドンドン門戸を開放しなくてはなりませんね。だからスマートコミュニティーの推進なのです。IVIが準天頂衛星から電波を受け、自働で走るトラック運行システムの構築などが急がれます。様々な効率社会を促進させないとなりませんね。最近は物流リートが生まれ、基幹産業の拠点づくりの資本調達も容易になっています。何故、ケネディクスに拘っているか? 現在は、確かに信用買い残が重く、大きな資金が入らないと株価は動きませんが、ケネディクスが栄えると、日本の為になります。特養の待機老人の解消も介護リートが受け皿になります。基本の政策は、お金は出す事ではありませんね。お金がスムーズに流れる、流れを作ることです。
ところが…現状の邦銀株の動向は、横這いのまま…デフレの流動性の罠から抜け出せていません。黒田さんは原油安のCPI見通しを責められています。黒田さんは怯むことはありません。先ずは、現状を素直に認めることですね。問題点を否定するのではなく、素直に見通しの甘さを認め、対策の手を打つ事ですね。先物価格が現物価格と同じような状態が長く続くことは…黒田さんの敗北を示しています。日銀には様々な手段があります。邦銀株を、利回り裁定で買い上げても良いですね。いくらでも方法論は存在します。期待インフレ率を市場関係者に植え付けないと、なかなか新しい時代は拓かれません。今の相場はこの辺りが焦点だというのが、データからも理解されると思っています。
2015年01月17日
空売り比率
今日は阪神大震災から20年と言う月日が経つと言います。1995年は忘れることが出来ない年です。年初に阪神大震災が起こり、不動建設が仕手化した年ですね。そうして3月に地下鉄サリン事件が起こりました。この震災を受け、復興需要が生まれるので不動建設が人気株に選ばれ、品川自動車の早川さんが相場を仕掛けました。当時、カタルは和光証券に在籍しており、新宿支店が機関店となり相場を作って行ったのです。だから仕手株って…、こうやって人気株を作るのか…と、記憶が鮮明に残っています。推測ですが…鮫島だったかな?…にある品川自動車は膨大な借金を抱え、カタルが世話になった興銀の杉下常務がこの不良債権を救い、たぶん早川さんは、その恩義に報いる為に、和光証券に手数料を落としたと推測しています。一度だけ、カタルも早川さんを顧客化しようと思い、面会したことがあります。でも所詮、大口は紹介がないと駄目ですが…。
まだバブルが崩壊したばかりの年でしたね。だから不動建設も1000円台の動きで…仕手化していました。連続して20万株単位での買いを、何回か入れ、下値に買いが集まるとその玉を外す回転売買と言うやり方です。今なら、継続してこのような売買をすると、おそらく株価操作…と疑われる案件かと思われます。でもカタルは金融庁のこのような態度は、行き過ぎの様に感じています。本来は、市場は自由であるべきで…高いと思えば、大株主も持ち株を売ればいいのですね。理屈上、高い株価は証券会社が担保として採用しなくなるし…誰もその価値を認めませんからね。兼松日産などの事例は…親会社の兼松が、馬鹿なのですね。たとえ経営権を手に入れても…宮地鉄工の様に失敗するわけです。やはり投資家保護の目的で、官が権力を行使して、指導するというのは驕りでしょう。
空売り残が増えると…直ぐに規制されるのも、どうかと考えています。人気が過熱していると思ったら、どの銘柄も注意喚起程度の処置で良いのでしょう。増し担保規制や売り禁などは、出来るだけ避けるべきだと考えています。その反面、規則一辺倒で、基準から外れないと人気が失われ低迷していても…ケネディクスの様に、信用買い残が減らないからと言う理由で、なかなか注意喚起から外れないのも、どうかと思いますね。基本的に市場は自由であるべきです。ルールを統一させ、実質的に倒産している東電などの…例外事例を設けるべきではありませんね。今度、日経新聞は自社株買いによる自社株を、減らして一株利益表示すると言いますが…、世界基準は一体、どうなのでしょう。確かに自社株買いのあと、償却するケースは多いようですが…M&Aなどにも利用するケースもある訳で、作為的にBPSを増やす作業は、眉唾との批判を免れませんね。この辺りは大きな問題を孕むので、カタルももう少し考慮する必要があるように感じています。株高を望むカタルですが…、何故か、「勘では」この処置が引っ掛かるのです。昔の村論理に戻る持ち合い制度のような印象が、ダブるのですね。世界はどうなのか…続報はありませんね。

さて今日は、「空売り比率」の話題の続きですね。カタルが苦労して、データを手入力してグラフを作成しました。その様子が此方です。確かに近年、この空売り比率は上昇しています。この現象はやはり一昨年の5月を起点に上昇し始めています。つまりバーナンキが突然に量的緩和からの縮小を示唆した時期に一致しています。この比率が30%を超えたのが昨年の1月なのですね。そうして日々の数字では1月6日の37.8%が最高になっています。ただ空売り残高では、ありませんからね。たぶん、この数字統計は、日々の売り金額から、空売りの玉を集計したものです。だから日々30%を超え続けることは、残高は溜まるのでしょう。ただ買戻しは…どの程度か分かりません。

カタルがこのニュースに興味を持ったのは昨日も少し触れましたが…日銀ETFやGPIFが実弾(現物買い)で株式を購入しており、どんどん浮動株が吸い上がっている筈なのです。勿論、過去、外人投資家は相当量の日本株を買っていますから…そのつなぎ売りの意味もあるかもしれません。しかしNY市場が下がったのに…、15日の日本株相場は世界の下落の動きに逆行して上がったわけです。この現象を説明するために、最近は空売り残が多く、その買い戻しだとされていました。
外人投資家は最近、アベノミクスに失望感を持っており、その為に日本株を売っていると解説されていますが…企業業績推移は改善されており、日立の様に無駄は省き始め、ROE経営に切り替えている会社が多く存在します。カタルは233兆円もある企業の現預金は過大であり、株主還元されるべきだと思っています。今日も日経新聞に銀行貸し出しの動向が載っていましたが、日本はようやく、長い「失われた時代」、デフレから脱出しようとしている時です。地価も上昇を始め、今年は更に北陸新幹線の開業もあり地方の地価動向も動意が見られるでしょう。北海道もそうですね。地方創生の予算が組まれ…景気が拡大する可能性は高いですね。
ましてインドネシアの積極政策を始め、インドが新政権に変わりアジアの成長は有望です。ギリシャなどの部分問題で大きく日本株が下がるのでしょうか? 欧州でも失業率が高いイタリア国債は2%を割れており1.7%台で推移しています。ギリシャ問題が波及する様相は全くありませんね。だから空売り比率が高ければ…この売り残が起爆剤になり、日本株はステージを一気に2万円台に上げるのではないかと…考えた訳ですね。だって日銀は無限の資金があるのですが…株式の発行済みか株数は限定されています。更にROE経営が広がるなら…企業の現預金残は自社株買いに変化する可能性が高いですね。空売りを仕掛けているヘッジファンドは買戻しを強いられます。
だって原油安で消費量が大きな先進国の経済がおかしくなるという論法は明らかに間違っています。確かに無理をしたシェールガス会社がデフォルトを起こすでしょうが…比較すれば、圧倒的に消費国の先進国が有利ですね。ドバイなどに融資している欧州の銀行は大変でしょうが…相対論で見て、世界の株式は上昇に向かう筈です。ただ最も心配なのが…やはり1937年問題です。米国の消費者物価は予想以上に低迷しています。この状態で利上げ?本当かいな…と、6月利上げ説を流すメディアの見識を疑います。おそらく空売りを仕掛けているヘッジファンドは、この利上げを念頭に行動しているのでしょう。でもイエレン女史はそんなに馬鹿には見えませんね。利上げなどしなくても量的緩和で買った国債は償還を迎え、自然にマネタリーベースは減る方向にあります。問題はこの減少分を民間の金融機関が補えるかどうか…だから金融規制に走るオバマ政権の清貧思想が唯一の懸念材料なのですね。今まで現政権に楯を付かずに時間優先で制裁金などを粛々と払ってきた米国金融界でしたが…共和党が主導権を握り、初めてメットライフが提訴するのですね。政策を争う姿勢に変化しています。この背景は前回の中間選挙で共和党が圧勝したことにあるのでしょう。
このような読みが働き、相場は意外に早く戻るかもしれないとの考えもあり、空売り比率の数字を自分で調べてみたのです。カタルの考え方のプロセスを分かりやすく書いたつもりです。このレポートを読んだら…証券マンは、本当は…カタルと同じ作業をした方が良いのですね。面倒だから…省いても買いまいませんが、せめて自分で実際にイタリア国債の相場を観てみると良いですね。スペインも含めてね。2011年のギリシャ危機の時は7%を大きく超えていたのですよ。市場で言われているギリシャの離脱やデフォルトがそんなに波及するとは考えていません。でも皆、怠け者だからイタリア国債の利回りのグラフもネットから引っ張って貼り付けておきます。此方はブルームバーグのものです。上記の空売り比率は、東証の資料からデータを持ってきています。

2015年01月10日
乱高下する市場を考える
本日は昨日、「今日の市況」で述べた、最近の株価の乱高下について考えてみたいと思っています。一昨年、5月にバーナンキ議長が、突然の出口政策に対する言及で、株価が大きく下げました。それまではQE1、QE2、QE3と…立て続けに、中央銀行が大量のマネーを市場に供給するという強硬策を取ってきたのですね。世界の基軸通貨はドルですから、この流動性は極めて重要です。このバーナンキ発言に対し、新興国の中国などを中心に世界経済に対する配慮を求められましたが、米国は米国経済を優先して政策を実行する…と、このような批判を、一蹴しました。イエレン女史に変わり、最近は多少、他国へも配慮する発言がありますが…基本は米国経済の動向で、米国の金融政策は決まります。

オバマ政権は金融危機を受け、その張本人である金融界に対し、依然、非常に厳しい態度を継続させています。その為に、様々な金融行動を縛る規制を連発させています。制裁金も、兆円近い金額が連発しています。一例を掲げると、大きく政治問題になったパリバへの89億7000万ドルの制裁金ですね。今の為替水準では1兆円を超える金額です。2014年7月当時は9100億円ですが…。この制裁金は、金融危機時のサブプライムローンに絡む住宅ローンの返済請求で、15兆円規模と言う報道が2011年秋にありましたね。如何に巨額か、分かるかと思います。これと同時に、金融の行動に手足を縛った規制を設けています。先頃カタルが、何度も話題にしたG20の自己資本比率規制問題も、その一例です。この動向を受け、最近、スペインのサンタルデール銀行は、約1兆円の増資報道が、昨日ありました。
カタルが注目している「デフレ脱却」銘柄の邦銀株の下落は、この増資懸念もあるのでしょう。でも三菱UFJは、G20の話し合いの過程で、新基準にも十分対応できるとして自己資本比率に影響はないとして、先ごろ、自社株買いに踏み切りました。だから世界で一番、日本は健全なのです。カタルは、金融庁批判を繰り返してきましたが、ある意味で金融庁の清貧思想の恩恵とも言えます。でも総合的評価では間違っています…がね。弱体しているドイツ銀行は、どうするのでしょうね。パリバもそうです。欧州の銀行は非常に脆弱なのです。日本はバブル崩壊の影響もあり、金融デリバティブに対し、距離を置いた為に、今回の金融危機の影響は、一番、軽いのです。事実、2011年の住宅ローンの返済金も、邦銀は…ほとんど、なかったと思います。リーマンを買収した野村が20億ドル程度でしたね。他は軒並み100億ドルを大きく超えるのです。メリルが248億ドル、JPモルガンは330億ドル、RBSは304億ドル、ドイツ銀行は142億ドルなど…挙げると…キリがありませんが訴訟の対象になっており、それぞれ和解が成立していましたね。この収束が…昨年なのです。バンカメは、昨年8月に1兆7000億円で和解すると報じられていました。
何故、株価に関係ないと思われる、これらの材料を、カタルがいちいち挙げているか? 理由があるのです。カタルは今の世界経済は、民間銀行が金融デリバティブを中心に行ってきた信用供与が金融危機で縮小したために…、この信用収縮分を中央銀行が量的緩和と言う形で補ってきたと思っています。その為に経済が大きく落ち込まず、立ち上がってきたのです。カタルの以前のレポートを読めば分かりますが…米国の自動車販売が大きく落ち込んだ背景は、信用供与を民間銀行が大きく絞ったのですね。貸し出し基準を厳格化し、ローンを受けにくくしていました。その為に米国の自動車販売は、リーンマン・ショック前は1700万台代で推移していたのに…、2009年には1060万台に落ち込むのですね。(グラフは日本自動車工業会よりの資料)

富士重工やマツダなどの株価の躍進は、このような布石があったのです。だからカタルは2010年において、米国は、必ず元に戻るから…と述べ、当時、輸出比率が高く、赤字になっていたマツダを、買い推奨していたのです。勿論、中国の躍進が念頭にあったので、スバルではなく、マツダだったのです。実は、この推奨も2年ほど早かったのですが…。話が、逸れますね。経済が活発になるためには、金融機能が正常に働かないと実体経済は落ち込むという事例を、示したわけです。当時の米銀は大量の不良債権を抱え、信用許与が厳格だったのですね。この落ち込み分をFRBが量的緩和で補ってきたので、米国景気が改善してきたのですね。昨日、発表された雇用統計値や失業率もそうです。最近は今まで話題にされなかった「雇用の質」である賃金の時給水準が問題になって来ましたね。完全雇用状態は、見せかけの弱い経済回復なのが…この「雇用の質」で分かります。イエレン女史は、この事を公聴会などで指摘していたのです。

ここで日銀の戦略とFRBを比較すると、政策指導者の資質の違いが分かりますね。見せかけの景気回復にもかかわらず、日銀は2006年にマネタリーベースを前年比で20%も削減し始めたのですね。此処に米国の金融危機が重なったので、日本経済はバブルパンチを浴びたのです。さてカタルの宿題として、1937年問題があります。当時も世界大恐慌から経済が立ち上がり、出口戦略を模索したために、景気後退が激しくなり、結局、世界大戦に突入して、破壊を繰り返し需要を喚起しました。おそらく、この当時も末端の世界の人間は、生活が苦しかった筈です。人々の不満が潜在的にあるから、爆発しやすいのですね。イエレン女史は雇用の質を問題にしている理由が、推察できるかと思います。だからクルーグマン教授は、世間一般的な予測の6月利上げ説を否定し、今年、米国の利上げはないと述べているのです。
今日も…少し難しいですかね。かなり、分かりやすく解説しているつもりなのですが…要するに、金融機関が弱いと実体経済は強くないのです。今の米国の軽善は、ようやくICUから抜け出したイメージで、一般病棟に移ったとの判断が正しいのでしょう。それをメディアは健康体の様に錯覚し、報道しているので市場が警告を発しているのです。だっておかしいでしょう。例えば…こちらのニュースです。ブルームバーグでは「ヘッジファンド運営会社のブレバン・ハワード・アセット・マネジメントでは、運用資産が3カ月間で4分の1減少。」と報じていますね。昨年の年間リターンはマイナスだったそうです。好調な経済なのに…金融取引はマイナス?
全て、オバマの清貧思想のおかげです。世界には投資マネーが不足し始め、悲鳴を上げているのですね。それが原油相場にも現れているのです。ギリシャ問題や原油問題の大元は…G20の金融規制強化なのですね。本当は、原油安は経済活動にとって、プラスの材料なのに…懸念を優先して、市場に警告を発しているのです。実体経済の政策運営が誤った判断を下すと…、日本の様に世界の株式市場は、二番底に突入するのでしょう。つまりイエレン女史の判断は、非常に重要ですね。昨年、日本株投資が低調に終わったのは、このような背景があるのでしょう。ケネディクスが折角、ハローウィン緩和で649円まで伸びたのに…、おそらく外人投資家の利食い売りを浴び、低迷しているのも…この影響でしょうね。
でも世界で一番、日本株は諸条件が優れており、株高になる要素が満載です。日銀はFRBとは違い、ガンガン応援しています。GPIFも、共済年金も、政府も、みんな経済活動を応援していますね。だから目先のブレに、そんなに神経質になる必要はないと考えています。1月25日にギリシャの総選挙とか…でも既に緊縮体制で規模が縮小し、たとえ離脱を選んでも、イタリアやスペインに波及はしないでしょう。逆にECBは量的緩和方向に歩んでいますね。メディアに登場しているアナリストが、盛んに言っている米国利上げは…今の所は、「ない」と考えています。明日は、この「雇用の質」問題を考える時間があるかどうか…。今日は少し色んな資料を引っ張り、力を入れすぎました。
皆さんに、カタルの頭の中の理解を促進させようと…苦労している訳です。短絡的に株価が下がると、直ぐにケネディクスは、駄目なんじゃないか?との問い合わせも頂きますが…全ては、これから行われる政策により、株価水準は決まるのですね。未来の事は確定されておらず、誰にも分からないのです。しかし政策が正しい方向性を維持するなら、間違いなくケネディクスは、スター株の座を射止めると考えています。
何故、2年近くも信用取引残が減らずに、維持されるのでしょう。先日、ハローウィン緩和を受け4000万から6000万株に、信用残が増える過程で株価が飛びましたね。だから…おそらく浮動株は、既に、かなり吸い上がっており、あと2000万株ほどなのでしょう。もう少し応援するヘッジファンドなどが参加すれば…スターの座を射止めることが出来るのだろうと考えています。間もなく復配が確定され、今まで配当制限などで株を持てない共済年金なども、株式を買えるようになります。事実、週刊朝日には、岡三証券の小川氏がケネディクスを推奨しているとか…。フィスコのレポートにも登場し、ようやく、一般の人間が取り上げる段階になって来ましたね。
2月には昨年の数字が固まり、いよいよ急角度の業績の上昇が、確認される年になりました。楽しみにしていて下さいね。下がれば、お金のある人は、買えば良いのです。ドル平均法で買い下がるのですね。かたるような貧乏人は、逆に無理をせずに、信用分は追証など入れずに、建玉を外せばいいのです。カタルも、貧乏人だから、事実、ピーク時から手持ち玉は減りました。仕方がありませんね。貧乏人は、なかなか泥沼から這い上がれません。
カタルは、何度も経済的な背景を述べています。日銀が国債をドンドン買い入れているので、地銀を筆頭に、どの金融機関も資金の運用先がないのです。だからリートの購入が盛んになります。こんな事は前から述べていますね。実際の数字も掲げています。地銀のデータを金融庁や日銀から持ってきて解説しています。自分で調べれば分かりますよ。日銀は絶対に負けないのです。黒田さんが批判に怯まずに、堂々と緩和政策を維持すればいいのですね。さらに当座預金に対し、マイナス金利にすれば…170兆円の資金は、どっと市場に溢れますね。その為に年初に資金循環表を添付し解説したのです。
自分自身で様々なデータを調べれば…自ずと、未来が見えてきます。自分で調べないから、不安になるのですね。今日は、こんなところで…お終いです。証券マンはまず、自分自身が世界の背景を理解しないと…お客様に説明のしようがありません。確りとニュースを集め、そのニュースは何を示唆しているのか? イスラム国の誕生などは基本的に喰えないからテロが起きるのです。投げやりになるのですね。フランスの問題もそうですね。G20の代表者は、良く考えないとなりません。今はデフレ状態で日本化現象を畏れているのです。中国もディス・インフレのようですね。FRBは大丈夫でしょう。何しろ米国は市場主義の国なのですね。メディアの6月利上げ説などが…背景にあり、ヘッジファンドの資金が不足しているのですね。だから市場が乱高下を繰り返すわけです。この過程では、水面下で玉が移動し、安定ラインを模索している訳です。市場と政策は、表裏一体で鏡なのです。
自分を中心に物事を考えるから、間違うのですね。自分は、経済活動の中のほんの小さなゴミのような…いやチリのような存在ですね。もっと大勢を観て欲しいと願っています。今日は、長くなったなぁ~。それでは、また明日。
2015年01月04日
先行するサイコロジカル
カタルが有料のレポートを書くとしたら、どんなテーマを採用するのでしょう。まず、有料なので価値のあるレポートでないと意味はありません。でも本当に儲かるなら、自分で有料のレポートなどを書かずに、自ら投資をして儲けるわけですね。こんな事は常識です。だから、世間一般で出回っているレポートなどは、みんな「ザル」だという事です。価値のあるレポートとは、ヒントを多く含んでいるモノを言うのでしょう。
カタルは、いつも思っています。ニュースを集める為に1~3時間ほど時間をかけ、更にテレビも情報源だとすれば、毎日5時間程度を、この情報集めだけの為に、データを蓄積している訳です。しかし当然ですが、その過程で、つまらない意味のない時間を費やすのですね。このフィルターが欲しい訳です。
一例を掲げると…、カタルは良いテクニカル・データを探そうとしており、日々の株価データの蓄積をしています。リストには、必ず、人気株がヒットするようになっています。例えばTICK指数と言うものがあります。売買代金や売買高、勿論、値上がり率や値下がり率にはない、実際の人気度が分かる指標ですね。これを毎日蓄積しており、どんな株が人気株に育つのか探っているのです。
例えば、大納会は「OTS」(4564)が27376回で、TICK回数では人気が第一位ですが、売買代金では「日経レバレッジファンド」(1570)です。これは個別銘柄より遙かに多く、「トヨタ」(7203)のおよそ2倍の売買代金を、このところ、コンスタントにこなしています。他に、ETFなどの影響も受け売買代金上位には、いつも値嵩株が並びます。ソフトバンクに、ファーストリテイリングなどは常連組ですね。どうしてかと言えば…値嵩株は、日経平均株価に寄与する割合が高く、連動性が強いので、指数関連ファンドのコア株に選ばれ運用されているからです。
逆に値上がり率でみると…、時価総額が小さい銘柄が多く、毎日、メンバーがコロコロ変化します。これは当たり前の理屈ですね。でもこんな指標は、あてになりませんが、みんなが売買を活発化させている様子が分かる指標が、「TICK」回数と呼ばれるものです。これは1日の立会時間中に、何回、値付けが行われたかを示す指標です。新聞には一般的に取り上げられませんから、普通の知識レベルの人は馴染みがないでしょうが…、証券マンにとっては非常に重要な人気のバロメーターですね。
大昔…の話です。株価を知る手段がない頃、株価通報テレビ(=クイックも含め、今ではパソコン画面に変化)で株価が分かるようになったのは、実は、最近の事なのですね。昔は立会場から短波で株価をラジオ放送していたのです。その頃は、その短波放送を聞きながら、黒板に、短波を聴きながら株価を書く仕事が、株式部員の新米がやる仕事でした。アナウンサーが、建設業からサービス業まで順番に株価を読み上げるのですが…、途中で何度も、人気株の株価の気配を伝えるわけです。そうなると…、人気株の株価欄は大変な混雑になり、株価を書くスペースがなくなります。時計の針がチクタクと進むように、株価を刻むわけですね。TICK回数の由来は、そこから来ています。つまり市場の人気株を探るのには、このTICK回数を観ることが、非常に、大切だという事です。
まぁ、新米の証券マンが、このような経験則を、実感として自分で掴むまで、実際は何年も掛かるのですよ。カタルは先輩から、昔、クイック(株価通報テレビ)の見方を教えて貰い、同時刻の値付けが早くなると…先輩は、株価が上がるサインとして、注文を発注していました。昔は売買を整理するために、手作業でしていた訳で…売買が集中すると、一旦注文の受付を止め、売買を整理する「板寄せ」と言う作業がありました。
場内で笛を吹き、注文受付の中止を知らせるわけです。所謂「笛吹き」です。大概、先輩が注文を出すときは、この板寄せに引っかかります。あるいは…運よく板寄せ前に注文が入ると、その作業で買い注文が多いと、買い気配表示になり、売り注文を待つわけですが…、その間、どんどん気配値が上がるのですね。実に、活気のある場面だったのです。だから注文を出す市場部員を、体格のいいラグビー部員を採用していた証券会社もあったほどです。人垣が出来る中を、人込みをかき分け、他人より早く、才取会員に注文を提示するわけです。まるで戦争で、体力勝負ですね。今では過去の遺物ですが…。
さて…話を戻しましょうね。だから、価値のある話題だけを集めるサイトがあるなら、いくらかの情報料を費やしても欲しいのです。自分で情報を集めるのは実は大変な作業です。一定の経験がある証券マンの目で、掬った(すくった)情報が欲しい訳です。でもこの作業は大変なのですね。能力のある証券マンは少ないのです。大概は、ザルの情報ばかり集めます。たくさんの新聞報道や雑誌報道から、相場の裏を知る情報を得る為に、どれ程の能力が要求されるか…。カタルは、既に公開でレポートを書くようになり、17年程度が経過します。それでもこのレベルですよ。証券マンで30年以上経験し、歩合の世界で数々の経験をして、このレベル。情報を集めるのが、如何に大変か…という事が分かるかと思います。でもこのカタル情報を鵜呑みにして、表面しか見ていない読者も大勢います。多くの情報の中から、シナリオを選択して、銘柄を選定するわけです。一般の人は、まず無理でしょうね。
だから、このカタルレポートは、月に1万円程度から10万円まで…払っても良いようにカタル自身は思っています。しかし一般の人は、どの程度、この情報にお金を払うのでしょう。日経新聞は4500円程度ですから、これが最低限の水準でしょう。例えば、カタルは、この正月休みに、あるデータを収集しています。その前提条件を探る為、基礎データのグラフを提示しましょう。

このグラフは、昨年の日経平均株価と日経225採用銘柄のサイコロジカルの数字と14日平均値の動きを示したものです。サイコロジカルの説明は、此方です。個別株のサイコロジカルラインの平均です。日経平均株価の上下による直接の数字ではありません。あくまでも個別銘柄の平均値ですから、精度はさらに高いでしょう。何故、サイコロジカルかと言えば…、一般的であり、いろいろ試した結果、日経平均株価に先行して、明確に、連動している様に感じられるからです。この実感を得る為に、実は4年程度の歳月がかかっています。いろんなものを…試したのですね。
株価を動かすものは、人間心理が行方を決めます。その人間心理を動かすものは…株価の上下ですね。人間と言うものは人気が出てくると…だんだん、その気になるものです。だから株価が上がる回数が増えれば…、どんどん人気が過熱するのです。さて、このグラフを観ると…確かに大きくマイナス乖離した後に、株価は底入れしているようです。相場のイメージは掴めますが…これも今一です。

今度は上昇率と下降率の比率、つまりRSIと言う指標があるので、これを元に見てみると…日々のRSIより、週間のRSIは、より綺麗に、株価のイメージを表しているようです。相場が上昇するためには、何度も何度も、日々のRSIが、週間のRSIを上方乖離する動きが連動すると…、実際の相場は良くなって行くようですね。
確かに…昨年、儲かった時期は、日本通信が生まれた3月から6月にかけての相場ですね。最初は、何度も日々のRSIが、週間のRSIを上方乖離している様子が分かりますね。つまり…この変化を待てば…いいのでしょう。それでは…具体的に、どのようにして、この変化の中で銘柄を選別して行くか?
さて新春を飾るレポートは此処までです。この正月休みにカタルが勉強した成果の一端をレポートにまとめました。参考になりましたか? このデータを蓄積する作業も、実は大変なのです。このようにして試行錯誤して、実際に投資をしてみて、検証を繰り返すわけですね。まるで新薬開発をして臨床試験をしているような気分ですね。
カタルの本質は、テクニカル分析で銘柄を選別する事ではありませんが…、実際はテクニカル面のデータも、本文を書くにあたり、参考にしています。こんな感じで、今年もスタートするわけですが…、皆さんも、何度も述べていますが、カタルの意見は、市場に存在するたくさんの意見の中の、一つに過ぎません。だからカタルの意見を参考にするのは構いませんが、あくまでも最終的な投資の判断は、自分自身で決めているのですね。その点を良くわきまえねば、なりませんよ。カタルは、このように今年もがんばります。まぁ、いくら努力しても、成功できるとは限りませんが、たゆまぬ努力は続けるつもりです。互いに頑張ろうね。本年もよろしくお願いします。同時にコラムにも、本年の見通しを掲載しております。