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2014年09月27日
炭鉱のカナリア
多くの読者の人はカタルのページを、儲かる株を探す手段としているかもしれませんが、カタルの真意は、市場経済を、株式の取引を通じて知ることで、日本の仕組みを変えて欲しいと願ったページです。カタルが上京して25年間、日本の株式市場は、失われた時代と言うデフレ環境下の為に、沈む世界でした。株屋にとって、時には激流の川を、流れに逆らって泳ぐようなものでした。故に、多くの株が沈みましたね。カタル銘柄もベンチャーリンクは、非常に良い仕組みでした。ただ資本取引の罠を陥り、システムが崩壊したのです。
フランチャイズ(FC)の活用は、素晴らしい仕組みです。ある街の小さなお店の美味しいパンが、その製造方法から販売方法までのノウハウを伝授し、全国展開し優れた仕組みを広げるビジネスを展開したのですね。しかし儲かり始めると…、パン屋のオーナーなどがベンチャリに払う手数料を払わなくなりました。もしベンチャリがその企業の株主になっていれば…あるいは、確りした契約を交わしていれば、折角、努力して儲かる大きな企業を作った報酬は、永続的に入ってくるはずだったのですね。でも此処に甘さがありました。離脱する参加企業が相次ぐ中、再建に踏み切り、今度はカーブスなどの安い健康システムを自らがオーナーになり全国展開し、成功し始めましたが…資金繰りの悪化から、このビジネスも売る羽目になりました。もし、この時に銀行支援があれば…きっと乗り切れたのでしょうが、あいにくの金融環境で、支援先が現れず消えました。今ではベンチャリ―リンクが考えた保険窓口サービスなどの多くは、成功していますね。
確かにカタルは失敗しましたが、FCの仕組みや組織力は大きな価値があったと思っています。この事例の様に、5年程度の支援を続ければ、伸びる企業があっただろうに…、厳格な金融規制を引いた為に、日本全体が沈んでいきました。一方、この矛盾を逆手に不幸な事件もありました。日本振興銀行の存在は、木村剛さんが中小企業の資金繰りを助ける目的で設立しましたが、おそらく着眼は悪くなったかと思います。しかし経済環境などがマッチせず失敗し、最後は、詐欺まがいの手段を用い破たんしました。彼に詐欺行為の認識が、最初からあったかどうかわかりませんが…、きっと当初は、日本にもハイリスクの融資をする銀行システムが必要だと思ったのでしょう。
1997年から1998年の段階で、カタルは日本の政策路線を大きく変化させるべきだと考えていました。丁度、その頃に、IT相場が生まれます。今では落ちぶれたソニーが年末年始に急騰し、ソフトバンクが198000円と言う馬鹿高値を付けるのです。でもこの後に小泉・竹中改革の厳格運用が始まり、さらに混乱します。三菱グループは日本の中核企業グループですが…、そこも青色吐息の綱渡りを強いるような政策運営が、果たして正しいのか、疑問に思ったのです。その頃に、このIRNETの前身である「株式市場 日本を考える」というホームページがスタートします。もう株屋では限界だ…ネットの世界に身を投じる為に、カタルなりに、この世界の知識を仕入れる為に始めたホームページですね。
その頃はプログラムを解説した本も少なく…何の知識もないカタルは、試行錯誤の毎日でした。まったく謎の世界でしたね。でもITバブルで株屋として食えるようになり…転職は諦めたのですが…。此処が、人生の分かれ目だったかもしれません。その当時だと思いますが…ソフトバンクなどと、一緒に事業をしようと孫さんに面会を申し込んだことがあります。アリババが生まれる前の話ですね。
今日は何故、こんな昔話を書いたかと言えば…、金融力の大切さを、みんなは誤解しているのではないかと思っているのです。宇沢弘文先生も、市場原理主義者を金儲け主義者と…誤解しているようにも、感じています。あのオバマ大統領も、そう感じますね。確かに僕らの世界には、金儲け主義者も大勢います。僕自身も、歩合の世界に入ったように…より豊かな生活をする為に、高額納税者になる目的で歩合セールスになりました。真剣に仕事に燃えれば、自然に勉強もします。証券アナリストの試験を受けたもの、より高いレベルを目指したためです。その結果、どうしようのない壁が「失われた時代」ですね。構造改革の為の時代です。ようやく日立も変わるそうですが…。日本は…まだまだ、末端の人は現実変化に気付いてないのでしょう。
話しが例の如く飛んで…、分かり辛い「まくら」ですが…、先頃のG20で自己資本比率規制を更に高めるとされていましたね。カタルには、オバマ政権下のボルガー・ルールから始まる金融悪者論が、気になって仕方がありません。日本の間違いも…そもそも此処にあります。FRBは量的緩和で溢れているドルを回収しようと思っているのかどうか…。非常に気になりますね。カタルは市場原理主義者なので…インフレも起こってないのに、昔のマネタリーベースの残高に戻すことが、正常化という認識は間違っていると思っています。金利を引き上げることも含め…多くの識者が、過去の正常化ラインを、正しいレベルと勘違いしているんじゃないか…と、心配でなりませんね。
市場原理は、均衡点を探るものですね。物価は需給と供給バランスで決まるように、お金の量や金利も、需給バランスで決まっているのです。それを過去の正常化だった位置が、適正だと、思っているんじゃないか…と、心配になるのです。あれは…、福井さんの日銀総裁の時代かな…。マネタリーベースを前年度比で大きく落としましたね。カタルは大恐慌の頃を生きてないので知らないのですが、あの時は、一度は景気は立ち上がったのですが…確か、再び経済は沈み、世界大戦に発展して行ったんのじゃないかな…。
今は丁度、同じ環境下ですね。米国のおかれた環境は、日本の2005年~2006年に似ていますね。自然に、中央銀行が供給したマネタリーベースが、民間資本に置き換わるのは待つべきですね。ところがオバマは、未だにデリバティブ商品の不当売買に対し、制裁金を科していますね。つまり米国金融は、表面上は立ち直っている様に見えますが、実態は、非常に希薄だと思っています。砂上の楼閣です。故にカタルは、NY市場が急落するたびに、ヒヤヒヤしています。今回は、既に高値を奪回した後の下げなので…別に気にしていませんが、実は内心、今回は高値を更新できずに、二番天井を形成するんじゃないか…と、密かに思っていたのです。故にイエレン議長の言動から目が離せないのです。米国の中央銀行総裁だから、日本のような眉唾人事とは違い、本当に実力があるのでしょうが…一抹の不安も感じている次第です。FRBのマネタリーベースのさじ加減は、非常に需要だと考えている次第です。
現状は、既に石油などの資源価格は下がっています。この政策は、おそらくアラブへの戦略的な政策かな…とも思っています。ドバイの発展はあきらかに異常ですからね。UAEでは、同じ民族の国民同士が結婚すると、国から御祝い金がもらえ、国民は医療も教育も無料で、しかも高級がもらえる公務員への登用も優先されます。実質的に働く公務員は僅かで、多くの公務員は、遊んで暮らしていると言います。明らかに、おかしいですものね。この歪みは…市場経済下において、どこ程度、修正されるのか…。
市場経済は、基本的に歪みを正すのですね。異常な乖離が生まれると、それを修正するのです。マネタリーベースの残高は、本当は行き過ぎており、積み上がったのかもしれません。だから「炭鉱のカナリア」の原稿を書いた三反園哲治さんの見方は、ある意味で当たっているかもしれません。でも、逆に、このような原稿を書くほど、日本経済は明らかに戻っていませんね。米国は兎も角、日本の現状は、明らかに…長い構造改革からの脱出場面に見えます。今日の新聞広告には、医者がタワーマンションを相続対策の為に探していると言います。この手の需要が生まれているのですね。相続対策の為の資産投資が始まっています。借金も相続が出来ますからね。
このような与太話を通じて、カタルは、皆さんも一緒になって考えて貰いたいのですね。カタルの意見が正しいとは思いませんが…一緒に考えながら投資をする事で、賢い投資家が日本に多く誕生すれば、やがて市場が洗練され、より良い日本が生まれると…市場経済の力を信じているのですね。もっともポピュラーな日経新聞を題材にするのは、皆さんも記事を読んで、時代を感じて欲しいのですね。新聞記事の背後に隠された時代的な現象を通じて未来を共に読み、時代を変えることに参加しようとしています。まぁ、所詮は6000人程度の読者ですから、市場では大きな力にはなりませんが…、それなりに皆さんも、一緒に考えることで、仕事に活かしてくれれば幸いです。
今日のレポートは及第点スレスレかな…。いや落第かな…。出来は今ひとつでした。
2014年09月20日
調整の形を考える
中国のアリババがNY市場に上場され、なんと、この時価総額が25兆円だと言います。信用創造による、付加価値の増加と言うのは、こうやって生まれるのですね。信用創造こそが、時代を大きく進める推進力なのです。一方、トヨタは22兆円です。この現実が市場経済での評価なのです。トヨタは僕らが生まれる前の時代から、糸を織物にする自動織機で、財を成した豊田佐吉の資金力をバックにして、喜一郎が作った会社です。喜一郎が生まれたのは1894年ですからね。120年も掛けて、ようやく世界トップ水準の自動車会社を作ったのに…。この歴史あるトヨタと言う会社をアリババは、僅かな期間に、上回る評価を世界から勝ち得たのです。カタルが「村論理」でライブドアを追い込んだ、社会体制を批判し続けている理由の一端が窺える現象だと思います。
関電の内藤元副社長が、盆・暮れに1千万ずつ、歴代の総理7人に送るお金は、この村論理から生まれています。確かに…イスラム国が誕生するように、アメリカのシステムが全面的に正しいとは言えませんが、市場原理の意味を、多くの人に理解してほしいものです。ようやく日経新聞も「ROE」関連の報道が増えていますが…与えられた経営資源をどうやって活用するか? ソニーの凋落をみれば、分かると思います。経営者の考え方の違いで、僅かな期間に大きな差が生まれるのですね。アリババの創業は、1999年ですよ。僅か15年ですからね。さて今日は、与太話より…チャート論でしたね。
今日は、お約束の新興御三家と富士通の調整を比べて見てください。それぞれのチャートを同じ、時間軸で並べました。昨年末のスター株は、なんと言っても「アドウェイズ」2489でしょう。

四季報では2013年4集の四季報での大株主名簿を観ると…浮動株比率は17.2%です。最近のものは36.1%です。つまり筋は逃げたのですね。当時の2014年3月の売り上げ予測は285億円で、利益は2億4千万円です。当時の一株利益予想は3292円です。この時期は、ほぼ、横ばい予想の業績予想でした。2013年8月の高値は523000円ですから、新興御三家の年末相場が生まれる前の、8月時点のアドウェイズのPERは158倍ですね。現在の株価に直すと…1046円ですね。カタルにとって、何故、この株が上がるのか? サッパリ理解できなかったのです。確かにインターネット広告は伸びていましたが、あまりに割高で…どう考えても、理屈に合わないものでした。この株価が、なんと…その後、3345円まで買われるのですね。1046円でも、既にかなり高いのに…これが「イナゴタワー」の実力ですね。PER100倍超えは、どんな理屈を述べても、状況を観る場面でしょう。ただアリババのような事例も、中にはありますからね。株に絶対はありません。

「エナリス」6079は、新規上場株で電力の効率配分の夢がありましたが、此方も2014年12月予想でも、売上170億円に対し利益はわずかに8億円予想で、当時の一株利益予想は18円です。しかし株価は昨年10月に2578円を付け、今年1月に再び2585円の二番天井を付けるのです。どう評価しても、PERが100倍を超えるような理屈はあり得ませんね。ただ…かなりの成長が見込めることは事実でしょう。

新興御三家の中で、唯一、昨年末に付けた高値を超えたのが「コロプラ」3668です。昨年末から今年初めに4475円の高値を付け、この高値を、今年8月に塗り替えましたね。「白猫プロジェクト」が累計1000万ダウンロードを突破したと言います。この理由は業績の推移と、位置情報を利用したゲーム開発のようですね。「ステーションメモリーズ」など行動参加型のゲームのようですが…面白そうです。ただ、もともと位置情報のゲームは、あまり収益が上がらないでしょうね。
最近、パズドラを始めたカタル君にとって、全てを理解するのは、なかなか難しいので、コメントは避けます。でも基本的にゲームは一過性の利益の面が強く、あまり好きになれません。しかしソニーが開発しているゴーグル型のゲームは、異次元感覚で、爆発的なヒットに繋がる可能性はありますね。ソニーが娯楽産業の新しい分野を開発するかもしれませんね。基本的に目先、カタルはソニーを批判していますが、本来は…、元来は好きな会社なのです。だから良くなって欲しいのです。ソニーの株価については、また語る場面があるのでしょう。

今日のテーマは調整の形なので…。好業績のコロプラ型から富士通などの未来のかたちを感じ取ってください。富士通の株価を観て貰うと分かりますが…、基本的に調整期間が足りませんね。200日線を割れる場面が、必ず、あると思っています。本来、カタルは2月に付けた600円台での高値揉み合いを想定しており、あの時点で手を抜くべきだと考えていました。高値保ち合いが正しいと思っていたのです。でも現実は違ったので…おそらく調整は長引くと考えています。それとも一気に、収益変化が訪れるのでしょうか?クラウド環境は、多額の投資が見込まれ…NECと共に注目されます。
株価の調整は、基本的に200日平均ラインなのでしょう。つまり、ほぼ1年の平均値を、維持できるかどうか…と言う事です。期待感が先行し、株価が現実の利益より大きく評価され、上げ続けることは良くありますが、大きく上がった株は、必ず現実の利益確認を求めます。これが理想買い(これから起る007とJ・TECの相場)と…現実買いの時間推移(ケネディクスは此方のパターン)ですね。
日本通信も、そうですね。カタルは前期の数字を元に、2015年3月予想は、571円(1/100分割なので、5円の一株利益水準ですね。)だったので、株価が500円を超えた段階で、売り推奨をしました。しかし株価は1200円台まで上がりましたが、これは期が変わり、最新の2016年3月期の一株利益予想12円を基礎に弾いたのでしょう。大概はPER100倍以上に評価されれば、実態評価を求めるものです。つまり本当に利益が上がるのか…確認作業が必要になります。
株価が、一番面白いのはアドウェイズの相場です。企業業績の伸びが見込まれ、ドンドン増額修正をしていき、未来評価が高い時に馬鹿高値が生まれます。この理想買いの段階が、現実的な利益を買う相場より、見えないから…面白いのですね。カタル銘柄の多くは、この段階で注目しています。007もJ・TECも未だに赤字ですね。でもこの利益カーブが、一度、利益が誕生すると、急激に増大すると…思っています。007やJ・TECは時代が開花すると、一気に利益が生まれるパターンですね。
だからアリババ型と、言えるかもしれません。現在、力を入れているケネディクスは、違いますね。来年の2月になれば、カタルの述べている収益が見えてきます。春から夏にかけ増額修正のラッシュになるでしょう。この時に、市場は、株価の再評価をしますね。ただ株価が上がるのは、複数のヘッジファンドが参入する時で、現時点ではアドウェイズ型の可能性も否定できないので、高値でも買い増しを続けている訳です。
株は、収益の先取りをする事が良くありますが、絶対に割安銘柄を、大きく評価することはありません。小野薬などのケースをみれば、分かると思います。割高に見えるから、信用のバランスが売り過多なのですね。株価が上がると段々そうなります。でもまだ利益は見えませんね。もともとメラノーマは市場規模が小さく、利益は見えませんからね。

日経平均株価を観ると分かりますが、今回は3回目の挑戦です。この水準は簡単に抜けませんからね。現状は期待先行の指数による株の上昇です。だからカタル同様に、あまり儲かっている感覚が多くの人にないと思います。マツダなど、確かに新高値更新ですが…普通の株になった上昇は限られますね。むしろ、カタルはシャープに関心を持っていますね。ただ増資の懸念が、なかなか消えませんね。やる以上、それを覚悟して臨まなくてはなりません。ソニーにシャープの覚悟があれば、面白いのですが、ソニーは、まだまだ豊富な資産がある為に、心理的に追い込まれていませんからね。社員に気概が生まれません。倒産の危機を覚え、株価が1000円を割れ、急落すれば…面白いですね。

あの時のオリックスのようなものです。1万円を割れ急落するオリックスは、絶好の買い場でした。流石、天才の小手川君です。カタルなんか…1万円を割れた段階で、買い推奨をしていましたからね。今の株価で言うと、1000円割れの話をしています。2008年の10月でしたね。それから2月まで急落して…倒産が囁かれ、株価は、なんと1700円(170円)まで下がります。ここで小手川君は、大量に買い始め参加するのですね。彼はその後、直ぐに売ったようですが…。今でもオリックスは、カタル好みの会社です。今は、まだ早いでしょうが…だから、アークに関心があるのです。
さて今日は、チャートをみながら…非常に簡単な解説をしました。皆さんには、調整は時間が掛かると言う事を、認識して欲しかったのです。通常は、1年半から2年程度の感覚ですね。ケネディクスの弁解に聞こえるかな…トホホ。カタルの意見は絶対ではなく、今日のNHKの「朝ドラ」の様に…心の窓は開かれてなければなりません。他人の意見は苦言でも必要なのでしょう。メールでも質問も受けています。あまり程度の低い質問は、控えてくださいね。株価の未来は、誰にも分かりませんから…ね。
2014年09月13日
レポートの方向性
IRNETは、株屋の見方を述べているつもりです。そりゃ、銘柄紹介もたまにしますが、基本的に銘柄など…何でも同じですね。人間は常に、「あたらしもの」好きで、隣の芝生が良く見えますが、バフェットや森泰吉郎の姿をみれば…目先でお金は残せません。分かるかな? 仕手筋が、栄えた例はないのです。いつも、ひと時の華にすぎないのです。景気循環は、基本的に決まっているのですね。何故なら、人間の欲の推移なのです。カタルは日経新聞を題材に、原稿を良く書きますが、記事の見方が大切なのですね。何気ない記事をどう感じるか…その記事から、時代背景を読むわけです。世の中の動きを知る方法は、たくさんありますが、自分で色んな工場に行ったり、世界中の国を、回るのは限界があります。
ジョージ・ソロス・ファンドの相棒だったジム・ロジャーズは、日本好きで、何度か日本に来日しています。彼は世界中を、自分の目で確かめ、バイクで回りましたね。その中で新興国の発展を的確に捉え、オルタナティブ投資と言う、「もの」への投資の道の先駆者でした。金価格が上昇する前から、金への投資を薦め、自身も金鉱株投資などを含め、資源株に投資しました。金融デリバティブは、基本的に金利裁定取引です。低い金利を借りて、リスクを取って、高い投資に賭けるわけですね。まぁ、株式の信用取引も、この仕組みです。30%の担保を元に、3倍以上に投資できるわけですね。
不動産投資も、同じです。ケネディクスのレバレッジの現状は…どの程度でしょう。早い話、皆さんが利用する住宅ローンも、同じ仕組みです。日本はすこし異常ですが、通常は頭金が30%程度、後は借り入れで…住宅を買いますね。これも金融デリバティブの一環と言えます。金融商品の組み合わせは、無限大に膨らみます。保険も確率論ですね。今は世界中で、時代変遷期の過渡期なのですね。大きく時代が変わろうとしています。SFの世界に向け、急速に変化するわけですね。
昔、産業革命の頃、蒸気機関が発明され、一気に時代が変化しました。馬車から汽車に…凸版印刷の発明により、聖書が一般化され、宗教改革が起ったと言われます。時代は人間の考え方を、倫理観も含め、大きく変えるのですね。昨日はIPS細胞の話題がニュースになっていましたが…一つの細胞から、あらゆる臓器が出来ると…脳があれば、後はサイボーグは違うか…基本的に体は、ロボットでも良い訳ですね。生きるとは…何か? なにか…基本的な倫理も大きく変化しそうです。
この金融レバレッジ機能を、利用すれば良いと思うのです。ソフトバンクは、この金融の仕組みを最大限に利用しています。彼はある意味で恵まれていますね。丁度、飛躍期の…資金がもっとも必要な時に、野村から優秀な人材を招き入れ、金融レバレッジを最大限に活用しました。ボーダーフォン(日本)を、通常は買収できませんね。あの時、米国金融は金融デリバティブの最盛期でした。彼らのリスク対応力が一番高い時に、野村からの人材を活用して、外資からの借り入れで買収できたのですね。運と言う得体のしれないものの、巡り合わせは、不思議ですね。野村は、丁度、氏家体制に変化し、仕事の出来る人間は、みんなヘキヘキしていたので飛び出たのですね。その人材を活用しました。彼の長所は人の使い方が、非常にうまい事です。なかなか真似が出来るものではありませんね。
新興国もそうなのですね。鄧小平は、ある意味で時代を良く捉えていました。周恩来が毛沢東政権の中で、彼を庇護した背景がある訳です。中国の躍進の原動力は、周恩来と鄧小平でしょう。今の日本は、丁度、毛沢東が権力闘争の為に躍起になっていた文化大革命期〈失われた時代〉を抜けた位置に、いると考えています。この後、政策の選択にもよりますが、基本的に、長い上昇期に突入します。その為の調整期だったのですね。失われた時代は…。この25年の低迷期は、次のステップアップの為に必要な作業だったのです。
農業改革を含め、日本は今、これから飛躍期に突入します。農業就業者平均年齢をみれば待ったなしの改革が迫っていますね。この事から見て、クボタや井関農機を含めた…農業ロボット関連、農業産業などの分野は、成長産業ですね。ハイテク農業管理は、世界でオランダが先頭を走っています。日本の農機具メーカーは、正しい変身できるのか…。あるいは別の業種が参入するか分かりませんが…未来は、非常に明るいことは事実です。
先ずは信用創造なのですね。だから三菱UFJは、時代観から見て、成長できる環境下にあります。短期金利ですがマイナス圏なのですね。少し話題は外れますが、この現象の解説も必要です。週末に掛けて円安が進行していますが、これは安倍さんと黒田さんの会談が切っ掛けになり、追加緩和観測で生まれたのですが…。その前に、日銀はマイナス金利の実現と言う仕掛けを実施しているから、市場は反応したわけです。下準備があったからですね。政策と市場の信頼感と言うのは、日々の積み重ねで生まれます。突然、言葉だけでリップ・サービスしても駄目なのですね。
既に何度も述べていますが…、異次元緩和は、ルビコン川を渡った「賭け」なのです。もう引返す事が、出来ないのですね。片道切符なのですよ。あるのは、超インフレのガラガラポンのリスクです。戦後の混乱期のような預金封鎖も、最後にはありえます。だって国の借金は、民間の預金で埋まりますからね。強制的に預金封鎖のような処置を取っても良いのですね。でもその前に…正常化路線に向け勝負を始めたのです。だから行く道は、既に決まっているのですよ。プライマリー・バランスが、容易に実現できるほど、税収を上げる仕組みを、構築せねばなりません。デフレの環境下では、絶対にそんな事は不可能です。だからインフレの道を選択し、問題はアクセルの踏み方ですね。
まだ早いけれど、オリックスは、良い買い物をしたのです。中小企業の親分を傘下に収めたのですね。カタルが、何故、マーチの生産移転の時期を、何度も書いているか?2009年1月の発表です。設備投資の回収が…間もなく終わりますね。通常は10年と言いたいですが、やはり7年でしょう。来年辺りから、新しい変化も、生まれるでしょう。日経新聞から沢山の貴重なヒントが得られます。ジム・ロジャーズの様に、自分の足で回り確かめるのが一番ですが…、僕らは新聞やテレビ、雑誌などを通じて、世の中の進化度合いを観て置けばいいのですね。ファナックは、世界でも指折りの時価総額まで行くのでしょう。小型モーターの日本電産は…マブチは、きっと順調な成長を辿るのでしょうね。大型は日立ですが、やはり永守氏は優秀ですね。
企業は人なり…、今日は金融デリバティブの考え方、時代の変遷を見極める大切さを語りました。皆さんには難しいかな? 証券マンはプロですから、新聞や雑誌に目を通し、出来れば、自分で感じた感想とチャートを添えて…、日記を付けることを薦めます。カタルが、何故、無料でホームページを公開しているか? 既に10年以上、あれは98年だったかな…、だから15年以上になりますね。毎日続けているか…。一つの検証作業の過程を公開しています。JVCケンウッドだって、一度は注目したのです。007は良い会社ですね。東芝が参入し、シャープが新しいタイプのディスプレーを開発しましたね。
先日、世界の天才、イーロン・マスク氏のテスラの高級車を観ましたか? あの大型画面のIVIは、必ず世界の主流になりますね。その時に、007は村田と組んで参加しており、もう参加が決まっているのでしょう。QBは実用化されていますからね。軽いSQLの活用も広がりそうです。何れ大人気になるでしょう。車は情報を集める機能もありますね。同時に、その膨大な情報を、ふるいにかけなくてはなりません。全部のデータをクラウド上に、あげる訳ではないのです。
彼は面白いですね。スペースXって…、上場されているのでしょうか? お金持ちは買って置く必要がありますね。未来のマイクロソフトやアップルに見えます。もう国が主導して開発をする時代では、ないですね。どうも…日本は、官の力が強すぎます。何でも自分達でコントロールしようとしますね。だから活性化が失われるのです。小泉・竹中改革で役割を終えたはずの産業再生機構などが…どんどん形を変えて存続しますね。米国は、役割が終ったら解散され、人員は民間で活躍しますね。そうして必要になると…また民間から召集されます。やはり労働改革が、日本でも必要なのですね。さて今日は「与太」を集めましたが…、要望があれば、皆さんの希望に沿った書き方もしますよ。
おそらく皆さんは、チャート論などの市場動向の方が、人気は高いのでしょうが…、そんなものは、次元は低く、カタルの好みではありません。皆さんは仕手筋やヘッジファンドのやり方を知らないから、興味を覚えるのでしょう。でも彼らも相場を綺麗に造ることは出来ないのです。綺麗な相場になるのは、時代背景と恵まれた時間推移が必要なのですね。それに市場環境が、マッチしないとなりません。大型株の相場の時に小型仕手株を仕掛けても、無駄ですね。分かるかな? 時代が銘柄を選別するのですね。でも明日は、皆さんが興味を持つ方向で、原稿を書きますか…。それでは、また明日。
2014年09月06日
株価を支える利益
米国市場は、これだから面白いでしょう。雇用統計値は悪いのに…利上げ観測が後退したので株価が上げたと言います。今度は、逆に雇用統計が良い時は、好調な経済回復とか…言って株は上げるのでしょうね。需給バランスが悪い時は、逆にその材料をネタに下げの原因だと述べます。基本的に、いい加減なんですね。大切なことは市場と政策当局の信頼関係が保たれているかどうか…。雇用統計の悪化で利上げが遅れ、株価が上がるのは、市場と政策との信頼関係があるからです。此処が非常に重要なのです。
日本は、長い、「失われ時代」のデフレ下で、政策への信認が全くなくなりました。これはある意味で、仕方がなかったのです。農業政策をみれば分かります。八郎潟への対応をみればよく分かりますね。しかし今では大規模化のおかげで、日本でも有数の高額所得農家だそうですね。TPP交渉が纏まり、真の意味でのグローバル競争がこれから開始され、果たして生き残れるかどうか…。一つの基準値になるでしょう。
日本化現象と言うか…。労働力の安い新興国の躍進で、生産基地移転により先進国が空洞化し、日本は、日本村基準からグローバル基準への構造改革(パラダイムショック)を経験してきました。この過程で、株式持ち合いが解消されてきたのですね。だから政策の失敗も大きいですが、株が下がる背景があったのです。
カタルは以前、新日鉄の三村さんを批判してきました。かれはフジテレビの日枝さんと同じように、村人間だったのです。その為に2005年頃かな…銀行との間で、一旦、解消した筈の株式持ち合いを再び始めましたね。その後、ライブドアの国策逮捕です。あの現象を見て、基本構想は空売りだった…のですね。3流セールスマンの嘆きです。ベンチャリの失敗は、ある意味で当然だったと言えば、当然でした。
一旦、終わったかに思われた、株式持ち合いなどの日本村論理が、前回の経済回復時には復活しましたが、今回は「スチュワードシップ・コード」ですからね。失敗に懲りて、今は完全にグローバル論理に変化しています。機関投資家も、まだ慣れていないようですが…だんだん市場経済の本当の意味での仕組みが、日本でも定着するのでしょう。日立は、先駆していますが…それでも7%だと言います。まだ呆れる水準です。世界の水準は12%程度ではないかと思われますが…早く日本の経営者は、目覚めるべきですね、ROE経営に向けて…少子高齢化の生活環境に見合う、高い利益率を求める経営が、生き残る最低条件です。
人口が減るから付加価値が増えない…と言う時代遅れの考え方は、早く、一掃されねばなりません。川で洗濯板を片手で、洗濯をしている様な考えです。だから、カタルはファナックの支持者なのです。労働力は知恵の活用で、いくらでも創造出来る、技術革新が既に備わっているのです。クラウド環境の発展は、その事を示しています。だから早くスマートコミュニティーの創設に着手せねばなりません。先ずは社会保障費の削減ですね。電子カルテなどは、一つのステップに過ぎません。
要するに市場と政策当局との間に、信頼感が保てるかどうか…安倍政権の課題の一つです。この事は非常に重要です。さて今日は、こんな事ではなく…カタルは「鉄建建設」を手掛けないが、建設株全般に、未来は明るいと述べています。残念ながら鉄建は株価が上がった時の業績が、株価上昇に付いて行けないと考えています。しかし需給で株価は決まりますから、背景は抜群なので、4ケタ程度の偽物相場と言うか…その程度の相場は可能だろうと考えています。
何故、日本通信は株価が10倍以上になったか? この株は業績向上の背景があるのですね。株価が4ケタに見合うためには、一株利益が最低30円程度は必要かと思われます。ただやはり公共株に近い存在ですから、安定的に4ケタを保つにはもう少し必要ですね。PER17倍程度の評価でしょう。つまり60円近くの利益を上げ続ければ…4ケタの株価を維持できますね。発行済み株式総数が1億3491万株ですから…、最終利益で80億円程度が必要になります。現状は17億で、しかも税金を払ってないかな? 損益分岐点は50億程度でしょうかね…、設備投資負担も増えるしお金が必要ですね。おそらく何処かで公募をするのでしょう。でも最終利益80億程度は…可能でしょう。ただし総務省の意向次第ですが…。格安スマフォは、まだまだ伸びます。しかし、最低、あと1年以上は様子を見る必要があるでしょうが…再び手掛けることが、出来る銘柄だと思います。
でも鉄建は、どんなに頑張っても…4ケタを維持できる数字は出て来ませんね。今は人気で4ケタに向かう可能性はありますが、上がって人気が冷めれば、空売り株の筆頭候補になりますね。つまり株価が大きく上がった後に、誰が、高くなった株を買ってくれるかの問題なのですね。みんなが認める条件は、業績と株価の関係ですね。PER10倍以下なら安いと思い、買う人も出てきます。仮に50%程度の配当性向を実現すれば、20年で元本が回収できますね。利回り採算は4%程度でしょうか…。国債金利が0.5%の世界ですから、TOBの有力候補になります。世界的な量的緩和で株価が上がるのは、当たり前です。PERは20倍、30倍となるでしょうね。それは調達金利が安いからです。良く単純にNY市場の株価PERは、割高だとかいう記事を見かけますが…あれは間違いですよ。
市場経済が確立されていれば、必ず裁定取引が生まれ、割高な株が売られ、割安株が買われます。金利裁定の概念が働くのが、当然なのです。ところが…日本は日本空港ビルディングやブルドックに観られるように…この動きを阻害する社会ですね。なにも中国を批判できませんよ。東京が真の国際金融都市になるためには、東京電力などは上場廃止にすべきなのですね。実質的に債務超過の会社を、何年も放って置くことが問題です。誰かが、国や取引所を相手に、裁判を起こせばいいのです。証券取引法は、投資家保護を謳っていますが、東電を上場させておくことは、明らかに、詐欺にあたります。このような事例が沢山ある為に、正しい裁定活動が生まれないのですね。イールドスプレッドの話は、そういう意味もあるのです。皆さんには難しいですか?
今日はバカ株と成長株の見分け方の違いを解説しています。日本通信の現在は、まだ非常に割高です。しかし2年後、3年後は分かりませんね。売り上げが2倍、3倍に増える可能性は高いですね。だから一旦は、未来の見えない利益を大きく評価しましたが、市場の先取りが正しいかどうか…確認する必要があるのです。故に株価は調整に入ったのですね。カタルは500円を超えた段階で、高いかな…と考えていました。しかし結果は1200円です。しばらくは…実際の数字待ちですね。業績の進捗度をみないと判断が付かないので株価は調整に入ったのですね。
昨日かな? ケネディクスの昨年4月の849円と、同じだ現象だと述べました。ケネディクスも。未来の見えない利益を株価が感じ、先取りしました。株価は100円割れから一気に849円まで急伸しましたね。カタルは、昨年8月からだと思いますが…500円を割れたところから、再推奨をしています。この株は、今の段階ではPER30倍から50倍の評価が妥当でしょう。手持ち在庫の評価損の手直しが終わると、このPER評価はだんだん下がっていきます。将来は、やはりPER10倍台でしょうね。つまり株価が4ケタを維持するために、標準PER17倍評価だとすると、一株利益が60円近く必要なのですね。発行済み株式総数が2億6565万株ですから、159億円ほどの利益を継続的に上げ続けないとなりません。
継続的な安定収益はAUMの0.5%とされていますから、現状は70億円ほどです。仮にAUMが2倍に増えても140億円でしかありません。税金など考慮すると、4ケタを維持し続けるためには、やはり資産価格の継続的な上昇が欠かせないようです。1兆4000億円から得られるマージンを1%にすると継続的に140億円上がりますね。2%なら280億円です。この辺りが読みです。カタルは常識的に考え、2%程度の鞘は継続的に抜けると考えています。どんな契約になっているか分かりませんが、10%を超えるマージン対する超過フィーは、常識的に30%~40%は、あってもおかしくありませんね。
しかし…カタルが此処で狙っているのは、金融庁の査定の間違いですね。ダヴィンチの投資が間違っていると判断された東京駅脇のPCPなどの大規模ビルは、既にダヴィンチの取得価格を上回っている可能性が高いのですね。先日、ケネディクスの特別損失の合計金額を並べました。854億円ですよ。必ず、この評価の間違いを是正する相場が生まれますね。よく、先週のコラム「失われた時代の出口」を見てください。証券マンの人はこのページをプリントアウトして、商売すればいいのです。ここから3年程度は、急速に失われた信用創造機能が復活します。
まだ序盤だから…株価の動きが鈍く見え、イライラ感が募っているのでしょう。5000万株近い信用買い残が、今は、重石になっています。しかし株価が上がると…この信用買い残が応援部隊に変化するのです。「逆上」するのですよ。分かるかな、人間心理が…、長年持っている株が、ようやく利食い圏になって売った途端に、株価が急騰する悔しさが、理性を惑わすのですね。こんなバカな…と言う心理が、コンチクショウに変わるのです。
丁度、カタルが500円で高いと評価した日本通信が、1200円まで、あっという間に撥ねた拡大番が、起こるでしょうね。今度は、現物株でなく貸借銘柄なのです。故に、上場来高値の4090円を超えるかな…とも考えているくらいです。だから見境なく、株数勝負だと言い、高値になればなるほど、買いたくなるのでしょう。困った性格です。ほら、決算報告書を観て御覧なさい、2004年の売り上げは60億ですが、2005年は139億、2006年は270億円、更に2007年は、なんと1380億円ですからね。資産マジックの怖さが…分かりますね。AUM1兆4000億円は、伊達ではありません。