« 2014年07月 | メイン | 2014年09月 »

2014年08月30日

希望と見える手

今日は経済の基礎知識を解説しようと考えています。カタルは「信用創造の復活」と言う相場のテーマが、日本経済の再生には、不可欠だと述べています。その論理的な解説です。最近はアダム・スミスが登場したり、名目GDPと実質GDPの話が出たり、日本化現象、流動性の罠など、様々な経済用語が「今日の市況」に並んでいますが…基本的な知識が確立されてないと、何故、カタルが、ケネディクスを薦めているか? 理解できないのですね。どうもメールを見ていると、おそらく…経済的な知識が必要と思われるから、今日の原稿になりました。カタルも経済学者ではありませんし、証券マンを続ける傍ら、新聞などを読んで、齧った程度の知識で、正しいかどうか分かりませんが、分かりやすく解説するつもりです。

最近、話題になっているのが、アダム・スミスの「見えざる手」の話しです。1790年に彼は亡くなっていますから、かなり古いスコットランド(イギリス)の経済学者ですね。彼の名前ぐらいは、聞いたことがあるでしょう。「国富論」を書いた人です。彼は、この中で、「市場経済において、各個人が、自己の利益を追求すれば、結果として社会全体において適切な資源配分が達成される」と述べています。つまり社会全体の利益となる望ましい状況が「『見えざる手』により達成される」と考えた訳です。先日、黒田日銀総裁は、米ワイオミング州のジャクソンホールで開かれた年次経済シンポジウムで講演をされ、その中で「見えざる手に代わる『見える手』が必要だ」と述べたと言います。

この事は「日本化現象」が広がる欧米にも当て嵌まりますが、企業が豊富なキャッシュポジションがあるにもかかわらず、積極的な投資活動がなかなか起きないことへの対処を示します。通常は、低金利になれば必要経費のハードルが低くなり、収益が得やすくなりますから、投資活動が活発化するのですが、なかなか銀行融資額が増えません。所謂、「流動性の罠」と言う、金融緩和を実施しても、貸し出しが伸びない状態が生まれています。だから、自然に任せるアダム・スミスの「見えざる手」だけでは、なかなか積極的な活動が生まれないので、強制的に「見える手」の政策が、必要だと言うのです。異次元緩和は、その第一弾ですね。実は、黒田さんの前の総裁時代に、白川さんの時代に始まった2010年10月からの包括的金融政策も「見える手」の代表的な金融政策です。ただ規模が小さく、市場にインパクトを与えていません。危険資産のETFやリートを買う日銀の行動は、他国にない積極的な「見える手」政策ですね。

失われた時代を分析すると…、様々な原因が複合的に重なっているのですが、一番の原因は新興国の市場経済への参加ですね。ベルリンの壁が崩壊し、金融デリバティブが発達してリスクが取れるようになったので、中国を代表とする低所得の労働力が、一気に市場経済に流れ…物価の水準訂正が起りました。日本はそれまで独自基準を設けており、一気に市場経済化へ突き落されたので、対応が後手に回り「失われた時代」が長引いたのですね。この現象は何も、日本だけでなく欧米でも起っています。日本は中国の影響を、欧州は東欧の影響を…米国はメキシコをはじめとする中南米の影響を受けています。ただ米国は早くから経済開放し、更にシェールガスの効果もあるので、一番、打撃が少ないのです。日本は、独自の村基準を掲げていたので、一番、打撃が大きいですね。これが「日本化現象」です。所謂、失われた時代の現象(空洞化)ですね。

世界のディスインフレと言うか…、デフレモードの根本原因は、新興国の所得上昇まで消えませんね。ようやく中国の労働者所得も、日本と大差がなくなり始めています。不動産価格などは、既に、東京より上海の方が、高い程です。最近はベトナム、そうして間もなくミャンマーなどにも生産基地移転は、広がるのでしょう。だから当面は、いくら金融緩和を実施しても…なかなかインフレになりません。人口の多いインドの影響が、これからどうなるか…注目点ですね。

さて、ここまでは前座です。いよいよ信用創造の復活に関わる名目GDPと実質GDPの話に移ります。人間と言うのは、未来の夢に向かって生きる動物です。それでは、人間の希望は、何から生まれるのでしょう。「アメリカン・ドリーム」は良い響きですね。頑張れば、やがて、僕らも豊かになれる。この幻想をと言うか、希望を国民に植え付けないとなりません。「今を我慢すれば、だんだん僕らの暮らしは、良くなるんだ」と言う希望です。失われた時代から抜け出すのは、この希望を、国民に植え付けることが肝要です。そこで登場するのが、名目GDPと実質GDPの差です。僕らは名目の世界で生きているのですね。毎月もらう給料が20万円から19万円に減ったら、物価を勘案して…実質で得していると言われても、ピンときませんね。やはり物価は上がっても、20万円の給料が21万円になった方が、生きる張り合いがあります。

現在、日本は消費者物価2%の上昇をめざし、経済成長は3%を目指しています。これを物価の上昇と賃金に置き換えたグラフが下のものです。年収300万円の人が、生活費が200万円かかり、給料が毎年3%ずつ伸び、物価の上昇は2%としたシミュレーションです。1年や2年では大差は生まれませんが、5年、10年、20年、退職する30年後の姿をみれば、このような経済環境なら希望が生まれますね。頑張れば豊かな生活が生まれる実例です。使える可処分所得は、どんどん増えていきます。10年経つと、100万円の可処分所得が、僅か1%の違いで、10年後は100万から152万と…5割も増えるのです。30年後には、生活費に必要な額と肩を並べますね。これが、名目成長率が実質成長率を上回っている実例です。我々は努力で、物価上昇を上回る成長を遂げることが出来るのですね。余談ですが、売上ではなくROEの考え方の重要性が分かります。

r20140830a.gif

ところが、実際の名目成長率と実質成長率の差を下のグラフで感じてください。(1995年からは新基準が採用されています。)どうでしょう。1990年代後半から、名目と実質の逆転現象が生まれています。完全なデフレモードですね。今日より明日が悪くなる希望が失われた時代です。だから三菱銀行に勤めていた池井戸君が、作家に転向し「倍返しだ!」の本が、生まれる訳です。後ろ向きの不良債権処理に嫌気がさし、優秀な若者はぞくぞくと日本企業を離れ、名目成長率が高い中国に向かいました。このGDPデフレーターが生まれた背景が資産価格の下落ですね。

r20140830b.gif

不動産投資会社のダヴィンチが誕生した1997年、山一や長銀が消えた時代ですが…、この時期に日本の割高な資産価格は、収益還元法価格、所謂、借金を前提に不動産投資をしても、都会では、採算利回りが得られる状態まで、不動産市況は改善されました。金利が5%でも、不動産からの収入が8%程度に回るのです。2003年のみずほが、10万円を割れる株価の時は、不動産への投資利回りは10%を大きく超え、20%、30%に回る物件も、かなりありました。小泉・竹中改革の実像ですね。強引な不良債権処理を進め、UFJ銀行が消えました。利回りに合おうが、どうしようが…、赤字企業には融資を認めない金融庁の検査方針が長く続きます。カタルが批判している部分です。しかし現状は改善され始めているようです。

最近の大型M&Aや、森ビルが目黒の雅叙園を落札したのをみれば、日本の金融界の現状が見えますね。おそらく金融庁は、かなり態度を変えたのでしょう。ようやく…日本も夜明けを迎えていますね。1000億円以上の資産投資が認められるように、我が国の金融界も、ようやく体力がついてきたのです。此処が非常に重要なポイントです。森ビルが買うのではないのです。背景は、メインのみずほ銀行が買うのと同じ意味を持ちます。ケネディクスのノンリコース(担保物件を渡せば返済義務はない)が増えたのも、銀行の体力が回復した状態を示しています。名目と実質GDPの逆転現象も、間もなく改善されますね。(名目と実質の違いは、物価を加味したかどうかの違いです。)

分かりますかね…。もう既に日本経済は立ち上がっているのですが、なかなか実感が生まれないのは、長いデフレ経済下に我々が慣れている為に…マインドコントロールが遅れているのです。失われた時代の後遺症が残っているのでしょう。しかしソフトバンクの孫氏は、個人の資金で銀座のティファニービルを買ったように…、間違いなく資産価格は上昇を続け、一気に、この動きは広がりますね。それが先日、報道された東京駅脇のPCPビルの売却や、目白の雅叙園の売却などの現象となって、一気に広がり始めているのです。国債金利利回りが0.5%を割れたのは、一層、資金移動が加速的に促されているのですね。

物価上昇率を上回る経済成長(賃金の上昇)が、人間に希望を与えるのです。そうすると人間は積極的になり、行動が活発化します。やがて…スマート・コミュニティーへの投資が大きく増え始めますね。分かりますかね。何故、カタルが、何度も、先ずは信用創造機能の復活であり、次は投資のスマート・コミュニティー関連の株式に注目しているか?

先ずは「1300兆円の逆襲」であり、それからユビキタス時代への対応やクラウド環境への投資が進むのですね。確かに現状は、消費増税の反動減が長引き、デフレマインドが復活しそうな雲行きですが…。黒田総裁は、講演で「見える手」政策を話しているのです。日銀は、何だってできるのですよ。だからラスト・リゾートと呼ばれているのですね。楽園なんて…素敵に響きですね。

正常な株式相場は、悪化する指標をみると…政策期待が先行し政策発動がなくても、株価を押し上げるものです。実際の政策発動がなされなくても、株価が政策期待で上がることにより、景気マインドがコントロールされるのですね。米国はそうです。間もなく日本も正常な形に、変化するのでしょう。ほら、やっぱり…ね。今、日銀のホームページに飛び、ETFの買い入れ状況をみれば、「見える手」政策は、確実に実行されていますね。8/28、8/29日に156億円ずつ、日銀によりETFが買入れされています。このような行動が、積み重なることで、市場と日銀との心理ギャプの差が消えて、徐々に相互の信頼関係が築かれて行くのです。

投稿者 kataru : 12:29 | コメント (0)

2014年08月23日

成長を支える文化

今日は幸せについて考えようかと思います。株式教室の原点ですね。多くの人は豊かな希望にあふれた生活を送りたいと願っています。生活に満足感を抱きたいのですね。この幸福感は、人により様々です。そうして人生の歩むステップにより、抱く願望は変わります。青春時代の「恋」は、重要なキーワードになります。年を取り、老人になれば「健康」が重要な願望に変化します。人の願いは様々で…病気の人は先ずは健康ですね。これら人々の願いを、叶える事が出来る最良の仕組みを作るのが、政策です。この最良の仕組みを支えるものは、「文化」なのですね。

日本は限られた資源を中央に集め、トップダウン式の見せかけの成長を遂げてきました。東西冷戦の間隙を縫った、見せかけの仕組みが、高度成長を支えました。未だに過去の成長を懐かしむノスタルジーがあります。「3丁目の夕日」現象です。所謂、昭和30年代の世界への郷愁ですね。この当時は、社会基盤が確立されなかったために、限られた資金を官僚統制で縛り、公的資本形成で効率的な生産体制を築いたのです。安い労働力を支えたのが…村論理から発展した会社至上主義、会社の為に…自己を犠牲にして高度成長期の生産体制を支えました。その結果、家庭を顧みないサラリーマン戦士が増え、熟年離婚なども生まれた歪な世界です。自民党政権は「コメ」に代表されるように…身勝手な論理を主張してきました。この結果に振り回された農家の人は…食えない仕組みに苦しみます。正常な市場原理を歪めてきたのです。

ある意味で、日本の農業のあり方を考えると…日本の矛盾は、垣間、観れます。バブル崩壊は、偽物社会の崩壊ですね。終身雇用や年功序列など…の仕組みは、家畜扱いした幻想だったのでしょう。(最近まで…カタル自身もこの仕組みを美化していました。)だって、おかしいですものね。世界基準は、頑張った人が、正当な報酬を得られる仕組みですね。青色発光ダイオードを開発した中村修二さんは、裁判を通じて日本の労働環境の矛盾と闘いました。その彼は、結局、今は米国に移住し、カルフォニア大サンタバーバラ校の教授で、学生達に教えていると言います。組織の論理を守ってきた人間にとって、彼は異端児で、身勝手で我儘だ…とも映ります。カタルもどちらかと言えば…最初はこの立場でした。しかし今は…正当な評価を、日本社会は、認めて来なかったと思っています。

日本の一流選手が、みんな、大リーグを目指すのは、何故でしょう。アメリカが正当な評価をする国だからです。松井はワールドシリーズと言う大舞台で、MVPに輝きましたが…ヤンキースの契約更新が出来ませんでした。驚きましたね。日本なら間違いなく、契約は更新されていたでしょう。たとえ怪我があったとしても…。これは如何にも、米国らしい選択です。チャンスを与え、生かせなければ…過去の名声に関係なく市場原理が適用され、新陳代謝が行われます。

米国の成長を支えるのは、世界の若者が憧れる文化ですね。日本のような排他的な独自文化とは違います。移民国家らしい市場原理です。日本はどうでしょう。リクルートの江副さんとライブドアの堀江さんを、何故か、被ります。社会の仕組みを大きく変えようとすると、地検が動き葬り去られました。「国策捜査」という見方が、真実かどうかわかりませんが、ある一面を捉えています。日本の方向性を決める強権発動ですね。最高裁の判決も同じでしょう。

このような作為的な政策実行により、豊かな希望が溢れる社会形成が出来ているなら、文句は言いませんが…失われた時代を作った張本人達は、誤った方向性にあります。過去の成功体験の呪縛から、抜け出せない官僚たちのノスタルジーですね。勿論、政策官僚たちにも内部対立はありますが…。何れ、GDP世界一の座を米国から奪う中国ですが、このように考えると…全く怖くないですね。中国の成り立ちは、人間の本質を理解しておらず、作られた社会構成だからですね。日本がバブル崩壊から体制転換を迫られている様な過程を、何時か、味わうことになるでしょう。

成長を支えるのは、人々から湧き上がる知恵が源泉になっており、その知恵を生む原動力が文化なのでしょう。無限の成長を生む原動力である創造力や智恵は、豊かな文化が育むのです。

今、日本はようやく過去の呪縛から解放されつつあります。3丁目の夕日現象のノスタルジーからの脱皮ですね。TPP交渉は、ある意味で、重要なキーワードの一つですね。偽物社会への未練を捨てて、堂々と世界基準で戦えばいいのです。イールドスプレッドの概念は、裁定取引の事を示します。利回り裁定が…市場原理だからですね。割安の銘柄を買い、割高の銘柄を売る。このような裁定取引が活発化することにより、市場ルールが確立され、日本がグローバル論理に向かって歩む手助けをする事になります。日本空港ビルディングのような歪な論理を、市場が認めてはならないのです。ブルドックソースのような村論理を認めてはならないのです。

2006年1月に堀江さんは逮捕され、村論理を強要されました。百歩譲って、この行動を認めたとしましょう。それならIHI(石川島)やオリンパスも同様に、市場から追い出すべきですね。東電はどうなのですか? 債務超過に陥っている会社を、いつまでも特例で上場維持させておく矛盾が、未だに日本にはあります。だからカタルは、あの時に言ったのです。1兆円ほどの有限責任にして…あとは国家責任だと…。そうすれば電力料金は此処まで上がらずに…済んだはずですね。あの選択が、日本国の国力を弱めたのです。少し関係が定かではないですが…、ライブドアを買収したNHNは、LINEを成長させるわけです。2006年の国策捜査の選択は、正しかったのでしょうか?

最後に…、カタルはいつも、日本の最善策を前提に銘柄を選別しているつもりです。だからもし安倍政権の選択が違うものであるなら…当然、カタルの選択した銘柄も沈みますね。過去、全て、そうでした。いつも可能性のある中の選択から、最も大きなリターンが期待できる銘柄を選択しています。だから2倍、3倍は当たり前、5倍、10倍に成長できる可能性がある銘柄を、カタル銘柄に選定しています。その可能性が消えない限り…カタルは推奨を続けますね。2年や3年は当たり前、5年でも10年でも、推奨を続けるでしょう。三菱UFJなど、もう何年になるか…。でも考えてくださいね。7%の利回りで運用しても、10年で2倍未満(1.967)なのです。

先日は「我慢」の話をしました。今日は幸せから「文化」の話を取り上げました。

投稿者 kataru : 07:28 | コメント (0)

2014年08月16日

007の決算背景

金曜日の007(ユビキタス)の株価上昇は、決算を受けた上昇のようですね。カタルは決算発表が14日かな?…と思っていたのですが、一度、ホームページを覗いたのですが…トップページには案内がなく見落としていました。IR情報の所に決算短信が載っていたのですね。昨日は、友達の証券マンから連絡を貰い、カタルの間違いに気づきました。読者からも連絡を頂き、ありがとうございました。

事前に述べているように、1Qは基本的にサプライズが生まれません。故にあまり気にしてなかったのです。ゴメンね。むしろ7月10日に公開されている会社説明会の模様の方が、007の現状を良く示していると思います。35分程度なので…聴いておくと良いのでしょう。ビデオは此方です。

もともと007は、前期に陳腐化したソフト資産を減損会計しています。通常、研究開発は費用計上ですが…、製品開発の可能性が高いと資産計上する事が出来ます。日本の会計法では多くは費用計上しますが、国際会計では資産計上しますね。先日の日経新聞には自動車事業を事例に、解説記事が載っていました。ソニーもそうですね。不採算事業を縮小するのに…思い切ったリストラ損失を計上する事があります。ただソニーは価格管理が甘いのか…いつまで経っても目標追随能力が低く、信頼性が低いのです。売れる資産があるうちにリストラを完了させ、収益基盤を確立させねばなりませんが…今の所、見えませんね。今日の日経新聞には、車のカメラセンサーの話が載っていましたが…ソニーの規模から考えると、この程度では浮上しません。カタルは、ソニーが好きです。でも…折角の経営資源を活かせない経営能力の欠如に、些か、うんざりしています。

決算短信をみると…こんなものでしょう。一応、ソフトの減損会計を実施し、確実に収益化が芽生えているように感じられます。ロームに電力線を利用した「HD-PLC」技術にも関与していることは、大きな芽の一つになりますね。スマート家電の活用に欠かせません。近未来の技術です。更に京セラのプリンター(複合機)に採用されたSQLは、QBにも拡大採用される可能性も秘めています。カタル自身も良く技術内容を知っているか…怪しいのですが、車から様々な情報が吸い上げられ、全てをクラウドにアップするわけではないと思います。一度、末端端末であるIVI(車載情報機器)などに情報を蓄積し、その情報から取捨選択するのだろうと考えています。その際にユビキタスのSQLが活用されると考えています。実際にデジタルカメラでは既に、この情報を引っ張り出す技術が応用されていますね。更に会社説明会ビデオの社長解説にも、同様の説明がありました。

ARM社と提携しているアットマークテクノ社と共同している商売など…幾つかの種まきは、確実に成果を挙げつつあるようです。売り上げに貢献するだろうと思われるHEMS関連の売り上げは、これからなのでしょう。基本的に会社説明会の解説を聴くとスマート・コミュニティーに大切なクラウドの通信に、的を絞って製品開発しているので、必ず、活きてきますね。もっとも、この部分が核になるからですね。スマート・シティーの創設は情報の活用に尽きます。車の事例を示せば分かり良いでしょう。リアルで上がってくる渋滞情報をクラウド上で通信を利用して拾い、そのデータを活用するわけです。カーナビと言うより、IVIが目的地までの最短時間を計算し提示するようになる訳です。

果たして007の企業業績の底打ちが確認されたかどうか…。残念ながら、この決算短信だけでは判断が付きませんね。可能性は非常に高いのでしょうが…。前期に計上できず減額したQBの売り上げ計上もある訳で、本当に収益化が見えているのか…カタルには確信が持てませんでした。ただ冒頭に発表されている数字だけをみれば、1Qの売り上げが126百万円で、中間期は322百万円となっており、通期の目標が800百万になっているので、この数字の推移だけを信じれば…業績は底打ちし、改善に向かっていると考えられます。ハッキリ言って、この程度の数字では、割高な株価を更に大きく、高値に放り上げることは出来ませんね。

でも確実に、種はまかれているので…何処かで一斉に開花する可能性もあるのです。今、世の中は急速にクラウド化が進展し、007の狙い通りの社会に近づいているからです。相変わらず、夢はピカ一評価ですね。カタルを惹きつける魅力は充分なのです。問題は日本と言う国が、この手のソフト資産に対する評価が低い日本人の気質にあるのです。太平洋戦争に負けたのは、ある意味で情報戦に負けたのですね。グローバル評価では、このようなアイディアと言うか…。究極の付加価値を有するソフト資産を、日本人はもっと評価せねばなりません。だから、みんな文化や芸術は海外からの逆輸入式になるのです。藤田嗣治を始め、村上隆など…多くの芸術家は日本で評価されず、海外で評価され、逆輸入されています。哀しい事ですね。株の世界も、日本発の独自指標が生まれても良いのに…。

本日の日経新聞には米国、ドイツ、日本の国債金利推移が載っており、欧州を初めとする先進国の日本化現象が載っていました。この記事の解説が少し必要でしょう。この日本化現象は…、日本には村社会のなかで育んだ独自価格が存在していました。洋服などは良い事例でしょう。昔、Tシャツでも2000円、3000円は、当たり前でしたね。此処に挑戦したのがユニクロです。鎖国制度の日本独自価格を打ち破ったのです。先進国のデフレ化現象は、日本のグローバル化が遅かったために、先進国の中で一番、体制転換に時間が掛かり、最初に洗礼を受けたのです。この動きは台湾のTSWCが誕生した1987年に始まるのです。プラザ合意から2年後の動きです。ファブレス化ですね。何も日本だけでなく、東欧を抱える欧州も同じなのです。日本の場合、中国の躍進で一番打撃を受けました。故に円安になっても貿易赤字は、なかなか改善されないのです。

では…どうしたら、先進国は、再び潜在成長率を高められるか?
スマート・コミュニティー化に尽きるのです。情報の活用です。日本はこの分野で遅れており一般認知化が低いので…、逆に、高成長が期待できるのです。カタルは物流速度の変化で、よくこのスマート化を解説しています。渋滞情報を活用すれば運搬速度がどんどん縮まりますね。最近のネットショッピングの製品配送は、早くなりましたね。物流リートが活用され情報投資が進んでいるのです。だからダイフクの株価が上がったのですね。工場の生産効率でもそうなのですね。仕事が出来る人のやり方を、一般化すればいいのです。ソフトバンクの孫社長が基調講演で述べられています。スマフォ、タブレット、クラウドの活用を訴えていますね。この導入により生産効率が2倍に上がったと述べていました。

この生産効率が、どの程度か記憶が定かでなかったために、今、ソフトバンクのホームページに飛んで生産効率を調べていたら、なかなか見つからず…7月15日の孫社長の講演を1時間近く聴いていました。カタルの発想と、全く同じことを思っているようですね。一度、時間があれば聴いて下さい。1時間と4分だそうです。時間がない人は、最後の4分間のソフトバンクが作った、コマーシャル・フィイルムを見てください。僅か4分です。この時間の中で情報革命の素晴らしさが、ご理解頂けると思います。だから007なのですね。何故、カタルが、ユビキタス(007)に惹かれるか? この技術進化の為に経営資源を投入し、社会革新に貢献しているからです。クラウドを利用するためには、通信機能が必要になります。ソフトバンクの孫氏の基調講演は此方から(最後の4分だけでも聞いて下さい)

残念ながら今回の決算数字だけで、007が確実に底打ちを完了し、進化が感じられるとは断言はできません。しかしその可能性は、かなり現実化していますね。何より、種を蒔いた技術が開花しそうなのです。カタルは何度も述べています。日本には国民を力づける希望を、先ず与えねばなりません。その為には名目成長率が、実質成長率を上回る社会構成にすることです。やる気のある人が、報いられる社会の構成を確立せねばなりません。過去の負の遺産の為に、時間を割く時代は終わったのです。これからは未来の遺産を前向きに築くのです。その為にまず必要なのは、行動に繋がるお金の流れを正常化させねばなりません。故に、必要なのが信用創造の復活なのですね。つまり株や土地の価格を右肩上がりにする事なのです。株の世界はROEの活用ですね。土地はインテリジェントビルや人間工学に基づいた街づくりにより、生産効率をあげる付加価値の創造です。最近の事例では丸の内や日本橋周辺(室町かな?)などの開発ですね。信用創造が確立されると…お金が生きてきます。

埋もれる企業のキャッシュ・ポジションが、一気に活用されるのです。そうすると…イワシ民族の日本人は、怒涛の如くスマート・コミュニティーの確立に突っ走ります。此処で登場するのが、情報革命ですね。クラウドの活用が始まります。もともとチェジニアで起こった「アラブの春」は、情報革命の走りなのです。もっと前のスタートラインは「ベルリンの壁の崩壊」ですね。グローバル・ゼーションは、情報に解放により起ったのです。今度は、この情報の活用が始まるのです。クラウドが伸びると言うのは、そういう事なのですね。

ロームが電線での通信を活用するために、007の技術を応用したのはそういう事を示しているのです。村田が007のような小さな会社に資本参加したのは、そういう事なのですね。何故、007に惹かれ、カタルが、ピカ一評価を与えているか? 確かに今の実績は実力が伴っていません。おせいじにも…株価が安いとは言えませんね。企業業績からみれば、明らかに割高でしょう。しかし情報革命の時代が、これから一気に進化すると…どうなるか? 日本が成長するためには、「信用創造機能の復活」と「スマート・コミュニティー」の進展に、掛かっているのですね。だからカタルは、「ケネディクス」と「007」や「J・TEC」をカタル銘柄に指定しているのです。今日は、007の業績について触れ、その背景を説明した次第です。リンクした会社説明会、ソフトバンクの基調演説を聴くと、かなり長くなりますが…時代背景を御理解されることが、株式投資で成功できる秘訣なのでしょう。それでは、また明日。

投稿者 kataru : 12:34 | コメント (0)

2014年08月09日

下準備

先ずは…イラクへの空爆を切っ掛けに、日経平均株価が昨日、あんなに下がるなんて…おかしな話ですね。今朝の日経新聞によれば、マクロ・ファンドの仕掛け売りとの事ですが、この観測記事も、何処まで信じられるものかどうか…。確かに400円を超える下げなので、先物から崩れたのでしょうが、狙いは分かりませんね。仕掛け人を特定し、その仕掛け人に狙いを直接、聞かなくては分かりませんし、当事者が正確な情報を漏らす保証もなく…株の上げ下げの原因など、分かる筈がありません。

例えば…こんなケースもあるかもしれませんね。米国のゴールドマンサックスなどの証券会社が、株安への万が一の保険を、機関投資家に売りつけます。その取引中にこのような大幅安の演出をすれば、巨額のオプション取引なら、かなりの儲けが考えられますね。先物の売り付けで、仮に損失を出しても、オプションで儲けを得られます。このような表面化しない水面下の取引では、様々な相対売買が行われています。個別のファンドに、有利な条件で、ヘッジ商品を売りつけるわけです。

例えば株式投資を強要されている年金ファンド代表のGPIFに対し、数千億円単位のヘッジ商品を売りつけている最中なら…保身が働くサラリーマンのファンドマネージャーなら大幅安の演出を見て、このような話に直ぐに乗りますね。逆に、彼らはコールオプションを、この株安を切っ掛けに、大量に仕入れます。演出により、2重、3重の利益の仕組みが構築できます。今回は前向きに考えましたが…色んなケースがあり、理由なんか、所詮は分からないのです。そんな事は当事者しか分かりません。だから無駄な推測などに神経を向けないで…明らかになっている情報を元に、相場論を構築すればいいのです。

空爆開始ぐらいで…オバマ政権崩壊から政策の混乱を読むのは…いくらなんでも読み過ぎでしょう。簡単に政権が交代する日本と米国は違いますね。それに欧州との取引量も日本は多くないのです。中国とアジア中心に米国止まりなのですね。これが基軸です。日本株だけが大幅安する、材料がありますか? レバレッジが高いから動揺するのです。カタルのように、事前に夏枯れ相場を予想している人は、かなり居ます。だってアベマゲドン・リスクのスタグフレーション懸念は、完全に消えた訳ではありません。しかし常識的に考え、1―4月に、既にこのリスクを株価は織り込み、消化してから一度、反発しています。更に賃上げと言っても、基本給の引上げに企業は慎重だったのです。故に、一時金の夏のボーナスの伸びは、かなり大きく、7月から8月はエルニーニョ現象で、冷夏が心配された天候も猛暑が続き、消費に拍車がかかっていると思われます。事実、小さな記事ですが日経新聞の5面の下に、経済産業省調べで、昨年比8.7%増のカード取り扱い増となっています。ネット・ショッピングなどの多くは、カード決済ですね。

この夏の消費動向が分かるのは、9月に入ってからですね。10月になれば統計が出そろいますが…基本的に心配ないですね。カタルは米国の主張を抑え、ロシアへの制裁を控え、この機会に、北方領土の解決を優先させるべきだと思います。斜陽政権の米国に媚を売る必要はなく、北朝鮮も、ロシアも、日本固有の事情を抱えていますから…チャンス到来ですね。果たして安倍さんは…どうするのでしょう。さて、また余談ばかりしていると本題に入れなくなりますね。

「失われた時代」は、バブルの崩壊が切っ掛けですが…基本的に村社会論理の崩壊による整理ですね。もっとも大きな打撃は資産デフレです。皆さんには下準備のお勉強を経ないと…ケネディクスの良さを、なかなか体感できないでしょう。だから具体的な事例を掲げますね。カタルの友達のTさんの事例です。ただ購入したマンション価格などは推測です。彼は誰もが羨む日本IBMに在籍していました。そうしてバブル当時に、自分のマンションと両親のマンションを二つ購入し、ローンを組みます。当時のマンション価格はおそらく6000万から8000万でしょう。両方で1億2千万から1億6千万、頭金は10%~20%程度でしょうね。毎月の返済額は…毎月30万前後返済しているとしましょう。

ところが資産デフレの影響で、東京のマンション価格はバブル当時より半値以下になっています。今、マンションを売ると2000万から3000万以下でしょうね。つまりこの差額を、永遠と毎月の収入から補ってきたのです。既にデフレの失われた時代も24年ですから、30年ローンなら、まもなく終了します。しかしもし横這いなら…下がっても10%や20%程度の劣化分だけなら…彼はもっと優雅な生活が出来たでしょうね。彼の年収は1000万を大きく超える優秀な人なのですが…日本の政策失敗に影響を受けました。毎月30万の預金をしていたら…。まぁ、家賃が掛かりますから、基本的には大差はありませんが…、資産デフレの影響を受けた訳ですね。

企業も同じです。劣化する資産評価を、毎年、稼ぐ収入から補います。1億円の物件が1割ずつ下がると…1000万の収入の人は、資産の損失分を働いたわけです。このバブルの整理が終わったのが、実質的な日本の実力である1997年当時ではないかとカタルは推測しています。丁度、興銀や長期信用銀行、日債銀などの割引債マジックで、投資資本を集め、日本の産業創設に貢献し、その役目を終え倒産が重なった時期ですね。だから長期投資銀行は、消えたのですね。

この1997年以降の資産劣化は、駄賃です。単純平均株価では600円前後の筈ですね。今の単純平均株価は290円処です。1997年の日本の土地資産の総額は1793兆円です。2012年は1143兆円まで劣化が進んでいます。カタルは、何もバブル当時の土地資産価格、2477兆円まで戻せと述べているのではありません。収益還元法により採算ラインになった1997年当時まで、資産価格を戻す必要があります。そうすると…毎年、働いて得たお金が生きるのですね。Tさんのような資産劣化と言う、後ろ向きに使ったお金の方向が、前向きに変わります。そうすると日本人全体の心理が大きく変わりますね。田舎でも持っている土地が売れれば…そのお金を活用しようとします。

菅政権の原発判断は、最悪の選択でしたね。カタルは原発事故が起り、直ぐに東電の1兆から2兆円程度の有限責任にして、残りは、すべて国の責任負担にしろと…原発法の解釈を活かせと述べています。そうして汚染地域全体を、全て、国で買い上げろと述べましたね。その試算までしました。人口把握などを含め…そうして損害を計算しました。あの時、その選択をしておけば…、ここまで問題はこじれず、被災者も前向きな人生を歩めたでしょう。それを…最も悪い選択をしています。今度は中間貯蔵設備受け入れに、3100億円も投じるとは…。除染作業も無駄だし…、ずいぶんと無駄なお金を、どんどん使っていますね。すべては、あの選択が分岐点でした。国が責任を認め、最初の一歩を踏み出せば…みんながハッピーだったのです。

日銀は何でもできるのですよ。ETFの買い入れ額を増やしても良いのです。諸悪の根源の一つが資産の劣化ですね。この為に毎年、損失を収益の中から計上してきたのです。個人の事例では、値下がり分の為に、自分の働いたお金を投じてきたのですね。持ち合い株の損失を埋め、従業員の年金積み立ての損失分を、毎年、計上してきたのです。収益還元法価格になっても…、一時的に付けた実際の取引価格を元にして、金融庁は銀行の融資先を検査して、厳格な減損会計を求めてきました。通常は、売ったら初めて損失が出るのですが…時価が下がったと言って…実際に売らなくても、損失の計上を強制したのです。バブル期なら、いざ知らず…収益還元法で10%の利益が在っても…たまたま付いた取引価格で、減損会計を強要したのですよ。おかしいですね。常識的に考えてください。バブル期に、あなたが相続した3000万の土地が下がったから、毎年、その値下がりの減損分のお金を、税務署に払いますか?

人間だれも、売れると考えていた土地が売れなかったら…持っている価値などありませんね。希望が、如何に大切か…。先行き期待が、如何に大切か…。何故、アメリカン・ドリームとの幻想を持たせることが大切か…。良く分かると思います。ガンガンやればいいのです。最初は日銀が主体でも…やがて値上がりが続くと、みんなが洗脳され始めます。だって日本だけが、資産デフレを容認しているのです。おかしな仕組みですね。金融庁様の政策姿勢が、如何に大切か…。竹中平蔵は、確かに目先的には不良債権を処理するためにあの処置は必要だったかもしれません。しかしUFJの独自査定を認めなかったための弊害を彼は考えたのでしょうか?

あの事件を切っ掛けにして、金融庁が神格化されたのです。たかが、下っ端役人の癖に…横柄な態度で、事件をねつ造までするほど…驕ったのでしょう。ただ真実は分かりませんが、カタルの友達の歩合セールスは、在りもしない契約書を書かされ、罪を認めさせられたと…彼は、言っていました。そうしないと営業停止は解かれず、渋々、ねつ造に同意するしか、他に方法はなかったと言います。似たような話は、ゴマンとありましたね。

カタルは信じています。行き過ぎた行動は、必ず咎めを受け、揺り戻しが始まるのが自然界の現象です。だから証券株や金融株、不動産株などの金融相場の3点セットは、まだまだ株価が、上がるのでしょう。さて下準備に、長い時間を使いました。明日はケネディクスの数字を掲げ、ポイントだけを採り上げます。何しろ、すべてを書くのは大変です。今回のポイントだけを取り上げるつもりです。

ここで重要な点は、「レガシー・アセット」、「リートの上場」、「株主還元とROE」など…3つのポイントがあります。カタルが、明日、解説する前に、皆さんも事前に、30分程度の時間ですから、決算説明会の様子を見ておいてください。その方が、よりよく、カタルの主張の理解が進むとおもいます。会社説明会の様子は此方からです。それでは、また明日。

投稿者 kataru : 12:15 | コメント (0)

2014年08月02日

NYの株安を考える

今日は米国株の大幅安の背景を探る為に、時間を割いてみようと思っています。昨日は少し落ち着きを取り戻していましたが…続落でしたね。この下げのカタルの第一印象は、昨年5月のバーナンキ元FRB議長が、金融緩和からの出口戦略を口にして…株価が大きく下げる場面がありました。この二番煎じのイメージなのですね。昨年は、NY市場以上に日本株は上げの反動があり大きく下げましたが…、カタルはこの事を連想したのですね。故に、昨年一度、予行練習をしているので…、金融緩和の出口論は、前から発表されている事ですから、対処済みとの判断なのです。昨年のバーナンキ発言の意外感は市場にないですからね。だから心配は要らないと言う判断が、第一印象です。

ただ週間で大きく下げたのは、違う理由かもしれません。
一番、警戒が必要なのは…長い、長期上昇波動が終焉した…との見方が台頭する事です。つまり米国株は緩和縮小を切っ掛けにして、2年程かけて、本格的な調整局面を迎える可能性が、否めないのです。リズムからすると…この考え方は自然に見えます。なかなか株価チャートがないので、仕方なくヤフーアメリカに飛び、データを手に入れ自分で株価チャートを作ってみました。此処で一般化しているNYダウにしようか…、実態評価のSP500にしようか迷いました。本来ならSP500の方が妥当なのですが…。一応、両方作ったのです。奇妙ですね。カタルも自分で作成してみて…初めて知りました。何しろ米国の話で…イメージしか、残っていませんからね。

r20140802a.gif
r20140802b.gif

金融危機前に株価が上がっていたと思っていましたが…、SP500をみると、二番天井と言うか…、2007年の高値は2000年のITバブル時に、並んだだけなのですね。ナスダック市場が高値を、未だに抜いていないのを…示しているようです。基本的に、カタルは新興国からの成長移転により、先進国は此処からスマートコミュニティー化が、一気に進むと考えています。故に、ナスダックが新高値を、間もなく付けるとの推測から、昨年、ソフトバンクの上昇を見て、光通信を推奨したことがあります。覚えていますかね? 6000円台の推奨から9000円台まで上げたのですが…。この発想は、先進国のスマートコミュニティー化が、いよいよ本格化すると言うものです。富士通などの株価が上がっているクラウド絡みの発想の根拠ですね。

基本的に、ベルリンの壁崩壊から…東西冷戦体制が崩れ、鄧小平の「富める者から豊かに成れ」と言う市場原理導入が、世界に広がりました。此処に金融デリバティブの発展が寄与して、危ない東側への資金供与のリスクが減り、世界へお金が流れたのですね。この動きを見極めたのが、鄧小平です。現在、中国は米国との二大国体制を模索しています。ドルから元への基軸通貨化も、その一環です。チャイナドリームもそうですね。残念ながら、村意識から離脱できない日本など、中国は眼中にないですね。既に、中国の自動車販売は2014年1―6月期1168万台ですが、米国は816万台なのです。米国は中国の70%でしか過ぎません。自動車販売数は、国力を計る一つの目安です。経済の実態を良く表しています。余談ですが…マツダの株価が注目されるのは、中国の販売台数が1―6月期で98852台となり、前年比で37.2%伸びています。スズキも中国では頑張っていますね。

安倍さんは、司馬さんの考えを受け入れて…やはり謙虚になるべきでしょうね。メディアの中国批判も…どうかと思います。中国のバブル懸念(不動産やシャドーバンキングなど)を煽り、尖閣問題を報道する姿勢を改めるべきかと考えます。確かに、新疆ウイグル地区の漢族の略奪行為は、人権問題を孕んでいます。石油が利権の温床になり、今度は100トン級の金鉱脈が発見されたとか…。ロシアも中国も、未だに時代遅れの覇権主義を貫いているようです。相手にも非があるように見えますが、既に大きな経済的に結びつきがあるのです。貿易関係では米国を大きく上回るのです。

米国はこの点で、賢いですね。インドの新首相ナレンドラ・モンディ氏との関係修復に早速、動いていましたね。僕も知らなかったのですが、彼が州知事の頃、ヒンドゥー教徒がイスラム教徒への暴力で、2002年に千人以上の死者を出したのを…黙認したとみなされ、米国からビザ停止などの制裁を受けていたのですね。背景は良く分かりませんが…必要とあらば、態度を豹変させるのが、国際舞台での立ち回りなのかもしれません。米国など、信用に値する国なのかどうか…。ロシア大統領訪日の話しもあり、北朝鮮と同じように、日本人の念願である北方領土問題の解決に向け、チャンスかもしれませんね。米国に義理立てする必要があるかどうか…。ただ尖閣の安全保障も絡み、外交問題もなかなか難しいですね。

また…話が、飛んじゃった。基本的に今のところは、大きな懸念を抱いている訳ではありません。しかし金融緩和から金融引き締めへの動きは、お金の量を減らすので…基本的にモノ(資産)の値段は、上がりません。このさじ加減が問題になるのです。ここで、何故、カタルが度々、ピケティが書いた「21世紀の資本論」の話しを、度々レポートで登場させるか? 資本取引による利益は、労働対価を7倍も上回ると言う記述にあります。以前は5倍だったのが拡大しているとの話ですね。日本はこの資本マジックを否定しています。「ものづくり大国」とメディアは宣伝し、悪銭身に付かずと、株などの資本取引で得た所得に対し、不労所得と蔑む行為が、行き過ぎた清貧思想を生んで、流動性の罠に嵌っているのです。メディアは自分達の行動が大量の鬱患者を生み、自殺者を生んでいる自覚がありませんね。報道により日本人は誘導されるのです。よく考えないと駄目ですね。

さて、新興国から先進国への移転と言っても、生産が戻ると考えて良いものかどうか…。此処は難しいのです。オリックスがアークを買収に動いたのは、この時代背景の流れを好機と見ている訳です。まだ持っている人が居るかな? ひょっとすると、またチャンスかもしれませんよ。新興国から先進国へある程度の生産移転は起るのは間違いはありません。しかしこのスピードをどう判断するかなのですね。

でもカタルは、スマートコミュニティー化が進むと考えていますね。だから米国のSNS関連などの株は、説明できない評価を受けています。きっと秋に予定されているLINEなども高評価を受けることでしょう。サムソンはアップルの様にソフトを取り込むのに失敗していますね。カタルは何度も、インターネット・テレビ(スマート・TV)の覇権を握れと、ソニーに期待したのは、この事なのですが…もう直ぐ時間切れです。テレビもスマフォとの連携が始まり、グーグルが優位性を発揮しそうですね。

カタルはいつも新聞記事を疑えと、述べています。米国の金融緩和を考える辺り、日経新聞の2面に掲げられている米国雇用情勢のグラフは重要です。しかしこのグラフには、不備があります。自分でデータを拾って、グラフを作れと述べている理由が、自分でエクセルにデータを落とし、グラフを描いてみると分かりますね。最後に、同じデータなのですが、少し時間軸の長いグラフを提示して、今日は終わりにします。今日の狙いを、ある程度は消化しましたからね。自分でデータを作れば、見えない部分も見えてくるものです。それでは、また明日。

r20140802c.gif

投稿者 kataru : 11:55 | コメント (0)