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2014年06月28日
株高の背景
本題に入る前に幾つかのニュースからの話題を提示しておきます。一つは国際連合貿易開発会議が発表した2013年の世界の海外直接投資(FDI)の順位です。2013年は世界全体では1兆4500億ドルの海外直接投資が実行されたと言います。そのグラフを掲げておきます。ご覧のように…、本来なら日本の経済規模からしても上位に顔を出さなくてはなりませんが、投資額では上位なのに…海外からの投資は、非常に少ないのです。米国は、この分野でもトップです。中国は開発途上で人口が多い市場なので当然ですが…、上位20位にも顔を出さない日本は、やはり閉鎖的な社会だと言う事なのでしょう。税制が優遇されている所にも、多く海外から投資されています。法人税問題と合わせて考えると良いのでしょう。しかし投資額では…日本は2番目なのですね。海外からの資本投下がないのです。村論理が表れている資料です。英文なのでカタルの解釈が間違っていたらゴメン、報告書の原文は、此方のサイトです

もう一つ…、謎だった日本株の急激な好転ですが…。やはり作為的な動きが背景にあったようです。ロイターの記事によれば…(記事は此方のサイトです)GPIFが動く前に、共済年金に、圧力がかかったようです。5月に入り信託銀行系列で6373億円の買い越しの原動力の背景は、この記事でしょう。カタルは高値更新リスト(2か月間の高値更新株のグラフを提示しました。)を掲げ、キャノンから三菱UFJに移り、トヨタが登場した背景がある訳です。セオリーでは成長戦略発表で、一旦は売りに動くはずですが…。安倍政権は歴代総理の中で、もっとも株価に配慮する政権でしょう。故に…心配は要らないのでしょう。


もう一つ、日経新聞が、さかんに騰落レシオを掲げ、過熱感を演出していましたが…、あの解釈は間違っています。指数も仕組みを知らないと、あのような眉唾の記事に、心が揺れるでしょう。確かに騰落レシオの数値だけで判断するなら、あの解釈は、一概に間違いとも言えず、150を超えれば高水準なのです。しかし騰落レシオの仕組みは、減数の仕組みがあります。普通は過去25日間の値上がり数の合計と、値下がり数の合計をもとに指数が計算されていますが、急激な環境変化になると…25日前の値下がり銘柄数が多いため、順番に値下がり数が多い日が、順次、カウントされなくなりますから、現状の値上がり数が多くなくても…指数は急上昇します。つまり騰落レシオの欠陥は、急激な変化に対応できないのです。
共済などの公的年金の前倒しでの資産配分の組み換え要請で…5月から急激に環境が変化したのですね。ロイターの記事で、指数変化の背景が見えてきます。カタルは良く述べていますね。いくら業績が良くても、株は上がらないと…述べています。株を上げるには、切っ掛けが必要で、何より大切なのは「仕掛け人」の存在が必要なのです。今回の場合は、消費増税から、心理的な景気マインドの過度な低下を恐れた、政策当局の株価操作ですね。要するにメディアを通じた演出が行われています。しかし仕掛け人が存在しても…その素地がなければ、仕掛けは成功しません。つまり景気回復の素地は、整っているのです。そこに仕掛け人による演出が加わるので、騰落レシオの過熱?と言う現象が生まれました。
おそらく最近の相場の中身は、こんな所の解釈が正しいのでしょう。金融庁は悪戯に株価操作などを…乱用しない方が良いのですね。「水清ければ、魚棲まず」の例えばあるように…物事には、なんでも限度があります。村論理には大岡裁きが存在したら…何とか秩序が保たれていました。しかし最近の厳格な仕組みには反吐が出ます。サラ金規制などは明らかにやり過ぎですね。だから自民党内部に存在する規制緩和論が生まれるのです。修正すべきですね。やくざ絡みの闇金融は、やはり存在するのでしょう。
ヤクザも、組織そのものを否定するのではなく、任侠の世界は素晴らしいですよ。最近のやくざはレベルが落ちているようですが…。友達の「よちゃん」の話ですが…、これがまた面白いのです。彼の友達が、よちゃんからの情報をもとに、やくざ資金を投資して失敗したらしいのですが…、そのよちゃんは、当のやくざの親分のところへ連れて行かれ、散々脅されますが…、最後は向こうの親分も実情を理解され、よちゃんに詫びを入れる実話は、実に面白いですね。返答次第では海の底だったかもしれませんが、最後はステーキ店に連れて行かれ…丁重に接待され、お土産付きで詫びを入れられます。本来のやくざは、堅気に絶対に無理を言いません。此方に非があれば、当然、叩かれますが…。非がなければ、道理を理解するものです。歩合の世界は大変ですね。やくざが絡む場面もあります。意識して警戒していても…時々、嵌ることがありますからね。
僕なんか…どちらかと言えば、高倉健の世界に憧れさえ抱きます。でも最近のヤクザは任侠心の欠片もないかも知れませんが…。あまり追い込まないことです。価値観の違う人間は、どの世界にも必ず居ます。別にやくざを肯定するわけじゃありませんが…。この辺の微妙な空気は、察して欲しいのです。カタルは消えつつある…任侠の世界を残したいと思っているだけの話です。余談が過ぎましたが…最近の相場のイメージを理解されれば充分です。
さて…昨年末は、カタルがやり過ぎ批判した新興御三家から、指数の煽りで年末相場の演出が決まりました。この残存玉が、多少残っています。来週からは年が明けた玉に整理が多少ありますが…、カタルは大発会から、少しイメージの違いを感じており、1週間もするとおかしいと思い始めていました。2月には一発目の叩きが入りましたね。たしか…2月4日です。1月24日には、窓を開けての下げですから…ね。故に多少のモタツキは仕方ありませんが…現状の相場観は、やはり2週間程度の調整があるかどうかの動きでしょう。週末の金曜日に200円以上下げたのは、年末の玉整理が集中したためでしょうね。来週からの動きは、落ち着くと考えています。

2014年06月21日
トヨタ登場
日本の社会は、何故、こんなにも度量がなくなったのでしょう。
都議会で塩村議員の晩婚対策の発言中に「自分が早く結婚すれば良い」とかのヤジが飛び、セクハラ発言で犯人探しが始まったとか…。確かに品位を欠く失礼なヤジだけれど…、こんな事を問題にするのかな?…と考えています。カタルの世代は、女性が家庭を持って、子供を産むのが、一つの義務のように考えています。結婚は一つの信用力でもあります。最近は、色んな権利が認められており、先日の文科省の調査でセクシャル・マイノリティの割合が、5%を超えるとの報告があったそうで、この結果に驚きましたが…。人生の生き方は、人それぞれで自由ですからね。でも僕は、この程度のヤジをとやかく…と、大きく報道するのは、どうかと考えています。おそらく塩村さんも悔しい思いで、憤慨はしたでしょうが…。彼女も当初は、こんなに大ごとになるとは、思ってなかったと思います。ところが、メディアが関わることで事態が大きく変わります。人間心理の推移は、きっと成田闘争のようなものなのでしょう。メディアの拘りが、どんどん影響されて行くわけです。
同じような発言問題で、少し環境は違いますが、石原環境大臣が「最後は金目でしょ」と発言した問題が、問われています。おそらくメディアの扱いで、野党は問責決議案云々の話になったのでしょうが、これもメディアが絡んでいます。くだらない。誠意を尽くして問題解決に望んでも、最後はお金で解決しなくてはならないのは、社会の常識です。それを、とやかくと…悪戯に、事を荒げる報道の仕方の方が問題だと、メディアの品位を疑います。もっと野党の集団的自衛権の考え方とか…を報道すべきでしょう。この話は大きな問題ですね。日本村からの脱出をも意味しています。自立の本質を問うものですからね。世の中には、いろんな意見があり、批判するのは自由ですが、メディアの基本的な報道姿勢は中立であるべきで、悪戯に大衆受けする報道に傾くべきではないと思っています。視聴率の関係があるのでしょうが…。僕は、みのもん太、久米宏、古舘伊知郎などは…嫌いです。彼らが日本人から、自立する心を奪ったとさえ思っています。
調子のいいことばかり並べ、そりゃ、弱者救済は美談ですが、現実問題として、救済にはお金がかかりますね。一体、どこまで甘える国民を製造すればいいんだ!…と、画一化教育を実践している、ロボット教育の日本村社会の「歪さ」を嘆いています。カタルの娘は米国の大学に進学しましたが、バーバラ教授から彼女は「誰が学費を出しているの?」と問われ、彼女は卒業せずに、中途で大学を辞めて就職しました。米国では、自分で学費を払うのが一般的だとか…。日本の大学も、だんだん変化しています。秋田の国際教養大学でしたかね…。変わった制度で運営されていて注目されたのは…。実社会に出ると、真の実力が、問題になりますからね。カタルの読者には、他人に流されない自分自身の意見を持った投資家に、育ってほしいと願っています。故に、カタルへの反論メールなどは大歓迎です。カタルは自分の意見が正しいと信じていますが、必ず、未来はその通りの現実になると思っても居ません。自分自身の考えも、いつも修正しています。冒頭の塩村問題の考え方も、いろんな意見があるでしょう。でもあの程度のヤジを、許容できない社会のほうが歪んでいると考えています。
さて相場は、かなりエンジンが暖まってきました。しかし三菱UFJなどの株価は、理論価格とのかい離は、依然、大きいですね。週末に友達の証券マンから電話を貰いました。その会話の中で、カタルは、「今日の市況」の冒頭で、人気株リストの上位のトヨタの事を取り上げた意味を、解説しました。読者の中でお気づきになった方は、居られましたか?カタルにしては…珍しいでしょう。トヨタを採り上げ話題にしたのです。実はこの行動には深い意味が隠されています。さて皆さんは、カタルの真意を分かりましたか?

まぁ、証券マンでも、分からない人が多いでしょう。これが分かれば、一流域だと思いますね。今日は、その話題です。そのリストを集計しグラフ化したものを提示しておきますね。トヨタが、直近の2か月間で高値を更新した銘柄リストの登場したのは、6月19日の相場です。三菱UFJは6月6日に登場しました。6月19日にトヨタに変わりましたね。その首位の座を6月3日にNTTからドコモが奪ったのです。長らくキャノンが君臨していたのですが…、6月に入り、次々に大型資本の株も上がってきたことを、このデータは、物語っていますね。4月11日の高値リストには、僅か21銘柄しか…リストアップされていなかったのです。トヨタ登場の意味を噛みしめてくださいね。何れ、カタルの真意を明らかにします。
此処まで原稿を書いて、今、テレビをみたら…5回までノーヒットで好投していた黒田君、6回2点を取られ降板しましたね。なんとか勝ち星を付けて欲しかったのですが…。勝利の女神に見放され可哀そうに…。実力があっても世に出るためには、やはり運気は大切ですね。黒田君は、一度、帰国して伊勢神宮にでも行ってお祓いをしないとなりませんね。実はカタル君、あまりのツキの無さに、一度、お伊勢さん参りをしたことがあります。残念ながら、願う人は多く神様に取り上げてもらう事は、叶いませんでしたが…彼の場合も現状は深刻です。いつも好投しているのに…、一体、何が、マー君と違うのか。不思議なものですね。
そんな訳で一度、原稿を書くのを中断すると、気持ちは変化しますからね。今日は簡単ですがこの辺にしましょう。それでは、また明日。
2014年06月14日
大口ファンドの参入
無敵のスペイン艦隊がイギリスに敗れたのは、はるか昔の話で、この時期に世界の覇権大国は、大英帝国に移ったのでしょう。そのスペインは優勝候補とも言われていましたが、オランダに5-1で大敗を喫しました。現実の世界も何が起こるか分からず、面白いものです。最近は、この小国オランダが、ハイテク農業などで世界トップになっています。三井不動などが出資する「みらい」と言う農業VBの会社は、大きく育つのでしょうか? オランダは、結構、優秀な国民なんですね。江戸時代の交易相手国でしたね。むかし幕府はオランダを選択していたわけです。
ワールドカップが行われているブラジルの公用語はポルトガル語で、大英帝国の植民地主義が話題になる前の覇権大国の一角でした。当時、海軍力が強かったのは、スペインとポルトガルですね。故に南米は、スペイン語とポルトガル語が、入り混じり多く使われています。日本も台湾を支配下に置いた時期があり、台湾には日本語を話せる人も多く存在しています。どちらかと言えば…日本に友好的ですね。その台湾の半導体受託生産メーカーのTSMCや鴻海精密工業(ホンハイ)は、世界に欠かせない会社になっています。法人税や設備投資の償却方法など…日本より、ずっと有利な条件なのですね。その環境と経営選択に負けたシャープは、ホンハイの支援を受けています。
NECが敗れたのは、日本村論理が強く影響をしています。エルピーダは、結局、なくなりました。このエルピーダの歴史も、村論理に揺れました。JAや日本医師会など…難関を突破した司法試験グループも既得特権集団の一員なのでしょう。この村論理の壁の突破は難しく、この秋に上場するリクルートを創設した江副さんも、近年ではライブドアの堀江さんも、暗黙の壁に潰されました。市場には楽観論が広がり始めましたが…まだまだ紆余曲折でしょう。法人税率20%台、明記となっていますが、決まったわけではありません。北朝鮮との交渉と、同じような背景がありますね。
先日、製油所の再編問題が、話題になりましたが、あの構図は村論理の象徴的な現象です。僅かなシェア争いにしのぎを削り、我慢比べをしていました。日本村構造を壊さずに仲良しクラブのなかで、僅かな利益を分配する構図ですね。長引くデフレ構造は、日本の良さでもあったわけです。官官接待を始め、談合などは…良い仕組みですが、小さな社会での構図に過ぎません。グローバル化への道の抵抗は、日本人、それぞれの心の中に住みついています。
膠着する北朝鮮問題やクルミア半島問題を、日本が欧米の橋渡し役として解決できるかどうか…。ある意味で、安倍首相は幸運を手にした政権かも知れません。まるでマー君の存在のようにも感じます。彼の投球内容は、一流域なのですが…、最後の壁の「運」と言う天分を持っているのでしょう。スターと言うのは、この天分に左右されます。なんだか、安倍さんなら、ひょっとすると…との期待感が生まれると良いですね。
昔、仕手株集団、誠備の加藤あきらさんは、よく新規銘柄を仕掛ける前に、神社などにお参りに行きました。相場と言うものは色んな条件に影響を受けます。だから必ず仕掛けが成功するわけではありません。仕掛け人が居なくては相場になりませんが…仕掛け人が存在しても、相場になるとは限りません。世情、時代の流れが相場を選択するのですね。この辺りの感覚を、役人は理解していませんね。多くの場合、仕掛けている本人たちも、先行きが分からないのです。故に、せいぜい発行済み株式総数の5%程度を買うのが、適性な水準なのでしょう。株式相場が大きく上がる時は、大概は、外人ファンドの大量買いが入る時です。四季報が新しく発売されましたが、株価がピークを付けた前後の株主構成をみると面白いですね。
例えばケネディクスの株は、2004年に大幅な上昇をしています。この時期の外人投資家の保有率は65.8%にもなっています。当時の筆頭株主はゴールドマン・サックスです。現在の株主(2013.12月末)は、どちらかと言えば個人の信用取引の買いが多いようですね。日証金から楽天や大和証券に、マネックスなど…が大株主になっていますが、個人の信用取引の玉でしょう。特定株比率も25.4%と低く、特定の大株主が株を買っていると言う構図ではありません。昨年末に、ようやくステート・ストリート銀行の名義が登場した段階ですね。おそらく現在、日証金残が激減している現状を考えると…大口ファンドが参加し始めた段階なのでしょう。もう直ぐ、浮動株比率は減って行き、株価の動きが早まる段階を迎える筈ですね。
これは推測ですが…、来年2月かな? 本年末の大株主名簿が発表されるときは、大株主のメンバーは大幅に入れ替わっているのでしょう。事実、四季報第一集と、第二集の掲載をみると、外人の持ち株比率は11.6%から18.7%と変化しています。株価が大きく上がっていた時は65%台ですからね。現在、続々と新規参加者が増えている段階なのでしょう。このような仕掛け筋が参加するから、株価は上がり相場が形成されます。複数の参加筋が、様々な思惑を抱え参加するのですね。一番大きな相場になるケースはITバブル時のように…一度、参加し仕掛けた筋が、儲けを出し利食いしたのに…。更に大きく株価が上がるものだから…、こんなバカな事はない…と、空売りを仕掛ける相場の時ですね。
まさに2000年のITバブル相場は、異常な光景でした。あの時、カタルは早くからソフトバンクの信者で、1万円まで相場に参加していたのです。ところが…年末に掛け相場はドンドン上がり…いくらなんでも、カタルは高過ぎると思ったところから…動きが加速し、なんと、なんと最後は19万8千円ですよ。カタルが高いと感じたところから、20倍近くになるのです。相場は恐いですね。本当に、魔坂まさかの坂道を、転がるように転落する人生が、いくつも待ち構えています。
だから、カタルは何度も言っています。自分の力量を過信せずにコントロールできる水準に留めねばなりません。ケネディクスが300円を割れた時に、PER10倍の100円も政策次第であり得るし、倒産だってあると述べました。すべては政策の選択次第なのです。信用取引を、やっても構いません。でもまさかの事態に直面した時に、全ての建玉を現引きできるような姿勢で臨むのが、大切なことなのでしょう。だからカタルは、ケネディクスの300円前後も、007の800円台も建玉を投げています。上がると思っていても、まさかのアベマゲドン・リスクが存在していたからです。残念ながら、全ての建玉を現引きできなかったから、渋々、投げたのです。
日本村論理は、決して甘い壁ではありません。村社会に浸った世代は、まだ権力を保持しています。フジテレビの日枝さんをみれば、分かりますね。彼はホリエモンが外資を利用して買収を謀った時に、保身的な行動を取りました。まぁ、日枝さんだけに限りません。みんな一緒ですが…、一度、手にした権力は、やはり手放したくないのでしょう。読売新聞や日経新聞も、同じような問題を抱えていますね。だから任期と言うものがあり、通常は最大で二期、8年程度が妥当なのでしょう。しかし一度、権力を手にした人は、会長職や相談役などに留まり、権力の保持を謀ります。でも本当は完全に去るべきなのでしょう。
まだまだ、日本の正念場は続きます。現状の株価は非常に安いのですね。三菱UFJをカタルはよく引き合いに出しますが…大都市に保有する都市銀行の支店網などの資産価格は一等地にあり、膨大な含み利益になります。それを基に算出した一株辺りの純資産額(BPS)は893円で、配当を支払い、残った50円程度が毎年、増え続けるのです。カタルが考える妥当株価は、このBPSに、一株利益(EPS)70円の10年分700円を合わせた1600円前後が、現状の妥当株価だと思います。三菱UFJの株価は、日本株の指標の一つです。黒田日銀総裁の政策成果を、評価する基準でもあります。安倍政権や日銀総裁が正しい選択をすれば、間違いなく三菱UFJ株は、2000円台の株価になるのです。現状が600円ソコソコと言う事は、誰が何と言っても、今の現状は落第点ですね。
しかし歴代に比べれば、よくやっています。様々な障害を乗り越えて頑張っていますね。だから必ず、邦銀株の水準訂正は、起るでしょう。商社も安いですね。先日、掲げたROE10%以上で、PERが10倍以下、配当利回りが3%以上の株は、年金ファンド向けの株ですから、政策選択が正しければ、これからまだまだ上がります。なにもカタル好みのハイリスク銘柄を、選択しなくても良いのですよ。このような保守的な運用も、結果的にみると、かなり効率的な投資になっているケースは、多く存在します。事実、昨年末にケネディクスは500円から300円に下がり400円台に回復しましたが、富士通なら500円が700円になっている訳です。ほら…株は分かりませんね。他人の責任ではなく、あくまでも自分が選択した結果なのですね。「自己責任」の意味を、よく噛みしめると良いのでしょう。
2014年06月07日
資本効率
最近、よく日経新聞や他の番組などで、カタル独自の主張と同じような論調を、多く見かけることがあります。GPIFから邦銀と商社株、あるいは三井不動の公募の話など…沢山ありますね。きっと時代の流れと言うのは、相互に影響を及ぼしながら進化するのでしょう。カタルが最近、興味を持っているのはフランスの経済学者トマ・ピケティが書いた話題の経済書「Capital in the Twenty-First Century」です。その内容が6月3日の日経夕刊の十字路で解説されていましたね。いずれ日本語訳も出るでしょうが…、まだ英語訳も日本では売り出されてないようです。この解説によれば、貧富の差は「労働による富」と「資本取引による富」の差が拡大していると言います。1800年代はこの差が5倍だったものが、1950年代には2倍に低下し、2000年に入り4倍まで上昇、そうして2100年に向けて、7倍になっていると言うのです。しかし世界で唯一、先進国の中で上昇してないのが、この日本だと述べているのですね。
労働者が生み出した富を、資本家が搾取する割合の話ですね。ソフトバンクの孫氏はシャープの佐々木氏の好意を受け、チャンスをものにしました。その資金を米国ヤフーに投資し膨大なキャピタルゲインを手にし、この資金を活かしボーダーフォンの買収資金を、米国金融の博打時期に上手く利用し、確保したわけですね。確か…そうでしたね。米国に新金融論が栄え、デリバティブ投資が盛んだった歴史的なチャンスに恵まれ、その僅かな期間のチャンスをものにしました。ヤンキースの田中君の「運」と同じような「運」を、彼も持っている訳です。話しはそれましたが、アリババの成功も資本投下による富です。つまり一所懸命に働いて稼ぐより、頭を使い稼いだ方が、遙かに効率が良い時代だと述べている訳ですね。
カタルが、「日本株10万円」と述べているのは…歴史的な循環をみると道理でもあります。日本はこの世界的な流れに背を向け、清貧思想を貫き足場を固めてきたのですね。理由は様々あるのです。いちいち説明していたら、きりがありません。代表事例は日本の総資産経営ですね。三菱UFJをみると、よく分かります。取引単独では利益が生まれませんが、総合的な判断では、採算に合い利益が生まれる。だから不利な取引でも拡大経営をするのです。しかし日立もこのやり方で破れ、この経営方針を見直し、基本的に強い分野に集中投資し、効率を高め利益を上げ始めました。ROEと言う自己資本に対する利益を重視し始めた訳です。だから株価が上がってきました。日本が長くデフレ社会に陥っていたのは、村論理があったためです。
今日の日経新聞の石油精製能力過剰の話しも…この村論理が邪魔をしており、過剰生産設備の再編に動かなかったのですね。カタルは新規銘柄「M」の話をしています。だから更新需要を迎えても設備投資需要が起きなかったのです。老朽化した設備で事故が多発している訳ですね。ここにメスが入りますから、これで「M」も、時代的なチャンスが生まれますね。ただ、まだ仕掛けるには…時間が早いと思っています。
必ず、ROEと言う投下資本に対するリターンが問題になります。此処にスポットが当たりますから、よく背景を理解しておく必要があります。今日も三菱UFJが劣後債を、国内で発行すると発表されていますが、非効率な投資をしているから、自己資本が過小なのです。故に邦銀は資本力不足で増資を迫られたのですね。無駄が沢山あるので邦銀の改革余地は非常に高いのですが…金融庁の絡みもあり非効率です。法令で決められているのかどうか分かりませんが…、僕が住んでいる東陽町駅前の三菱UFJは広大な駐車場になっており、スペースが活用されていませんね。此処にオフィスビルを建て賃貸すれば…かなり有効に資産活用が出来ます。こんな事例は、山ほどあります。要らない資産なら売ればいいのです。
国も同じですよ。膨大な借金があり、その借方には、その額に見合う資産があります。だから資産を売却して借金を圧縮すればいいのです。小さな政府を目指すべきですね。政府自らが効率運営をしないと、国全体の効率化が上がりません。ROEの考え方は非常に大切なのです。官庁の宿舎、衆議院議員宿舎の家賃が、何故、相場より大幅に安いのでしょう。おかしいですね。二重価格制度です。まるで共産国家ですね。このような事例が、どの役所にもあります。だから時間の感覚が、ルーズになるのです。ヤンバダムは、一体、何年掛かる工事なのでしょう。諫早は、今も揉めています。誰が責任を取ったのでしょう。膨大な無駄な資金が使われており、そのお金には金利が掛かっています。成田闘争をみれば、如何に非効率な国か分かりますね。問題はスピードにあります。
カタルが日経新聞をはじめとするメディアに、ROEの考え方を経営者に訴えろ!と述べているのは、こういう事です。メディアの人達が、率先して世論を誘導しなくてはなりません。視聴率や購買者数を重視するのは、食わねばなりませんから仕方ありませんが、理念は理念、理想社会の構築の為に、筋は通さねばなりません。
東証さん、違うでしょうか?
東電などは、菅直人が東電に責任を押し付けたのをみて、直ぐに上場廃止にすべきなのです。それをいつまでも…。投資家は東証を相手に損失訴訟を起こせばいいのです。昨年、高値で買って損を確定させて、その損失を東証が適正管理を行ったから、私は損失を被ったと裁判を起こせば、勝てる可能性があり、世の中に一石を投じられますね。証券取引法は投資家保護を謳っているのに…実質的に倒産している債務超過の会社をいつまでも上場させておく東証の管理能力の無さは問題です。まさに村論理そのものですね。仮に上場を維持させるなら、東電の責任を有限にして、1兆円程度の過失負担として、あとの補償分は国家で持つべきですね。今からでも解釈の変更は遅くないでしょう。法の解釈を変えれば良いのです。そうして法令を見直せばいいのですね。これからも原発事故は起りえる話です。
今日は面白くなかったかな?
何故、こんな流れになったのでしょう。本当は「夏枯れ相場の可能性」を、テーマに原稿を書く予定だったのです。これは明日にしましょうか…。それでは、また明日。これからダルビッシュだからね。6月は忙しくなるね。サッカーも始まるし…。