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2014年04月26日
復元力
豪州EPAからの合わせ技の米国TPP交渉は空振り、もともと米国中間選挙の影響で妥結は年末から来年と見られていたので、市場への期待値が低かったから影響はないだろうが…日本の本気度を海外投資家に感じさせるのは、日銀総裁の金融政策と共に不十分で、海外投資家の時間軸と日本人の成田闘争の時間軸と雲泥の差がありますね。四方を海に囲まれた日本は蒙古襲来の神風文化を持つ国なのです。ただ「アラブの春」は確実に浸透していますが、海外留学低調が話題になるように若者も内向き志向です。これはデフレの影響ですが…。カタルが最初に時間軸の違いを意識したのは上京した1989年です。予定していた証券会社がキャンセルになり、急遽、就職する証券会社を探す作業です。いくらバブル期とは言え、営業基盤も持たない証券マンを、歩合セールスに採用するのは大変ですからね。
知り合いを通じ、興銀の常務の紹介を得て、和光証券の常務に面会する事になりました。朝、ホテルから知り合いに電話すると、直ぐに大阪に行けと言うのです。興銀の杉下常務の知り合いの和光の常務が大阪駐在だったためです。新幹線に飛び乗り、面会時間ギリギリのセーフで、和光の常務と面談すると、「正社員で働いてはどうか…。そうして営業基盤を築いてから、歩合セールスになった方が良いよ。」と親切にも言ってくれたのですが、当時のカタル君、田舎の証券マンでしたが、仕事は出来ると自負していたので、その誘いを断り、どうしても歩合セールスで入社したいと言ったのです。
面談している場で、直ぐに、今度は担当の東京の常務を紹介してくれて、しかも面談時間の予約を入れてくれました。会った瞬間に、次の段取りを設定して、その処理を終えるスピード感に驚いたものです。通常は、後で処理するのが普通ですが…。面談時に電話を入れ相手の確約を取るスピードです。こうして僕は、和光証券の八重洲勤務の歩合セールスになりました。まぁ、興銀常務の紹介だから、直ぐに決まったと言えますが…。でもこのスピード感には恐れ入りました。東京に来て、いろんな経験をすると仕事の出来る人はスピード感が違いますね。どうしてもその場で処理が出来ないものは仕方ありませんが、仕事の出来る人は、直ぐに次の段取りを決めていきます。大概は即決です。グズグズ調べて後で決断するような人は、所詮、仕事が出来ない人です。
日本の抱える条件闘争の原理は、日本村社会が小さな集団なので、常に満場一致を求めるのです。しかし利害は対立するものです。原発の是非を巡り、利権に絡む現実派と理想を追い求める理想主義者の争いに似ていますね。日本村社会は清貧思想を振り回し、拘りを追求します。良い面もありますが、当然、弊害もあります。この感覚に時間軸のスピードをどうやって加味するか? 黒田さんの主張の通りかもしれませんが、時間軸はずれています。我々の人生は限りがあります。回転率を上げれば、車は速く走りますし、回転率を下げれば遅くなります。成田の条件闘争をみているように、イライラした証券マン。やがて現場に人が居なくなりました。25年の時間軸はそんな感覚です。
だからこそ、デフレ脱却、失われた時代の逆襲が始まったのです。カタルが述べている1300兆円の逆襲である信用創造の復活のスケールは、相当、大きな相場です。カタルは最近、確信を持っていますね。歩合セールスとして…悔しい思いをした24年に及ぶ歳月を一気に解消する相場がやってくるのでしょう。バブル期に100円だった第一中央汽船の株が4ケタ以上になりました。株価が10倍になるケースは多くはありませんが、時々目にします。問題はそのチャンスを生かせるかどうかなのです。長い証券マンの経験でも、このチャンスを生かせる人を目にするチャンスは、殆どありません。カタルは一人か、二人ぐらいしか見たことがありませんね。そりゃ、そうですね。このようなチャンスは訪れないのですね。条件の設定が必要ですが、このような設定は滅多に起りませんもの…。人生の中で一度あるか、ないか…でしょう。
話しは変わりますが…最近、暇になり、よくテレビを観ます。「ディスカバリーチャンネル」の「名車再来」と言う番組などは、面白いですね。営業マン時代のお客様でMさんと言う廃品業者のお金持ちのお客様が居ました。買うのはいつもボロばかり…。倒産しそうな三井松島とか…北炭とか、数十万株から数百万株を買います。彼の商売がそうですね。車検のとれない廃車を、スクラップ価格で買い取り、その車の部品を整備工場に売るのです。ランプやキャブレター、マフラー、シート、ガラス…と、何でも売ります。いつも敷地内には廃車が溢れていました。その「名車再来」と言う番組は、ボロのクラッシクカーを買ってきて、整備をして走れるように改良を加え、儲けると言う番組です。この番組がパーツを探す場面があるのですが…思わず30年以上前のお客様のMさんを想い出したのです。だってスクラップ価格の車から、使えそうな部品を回収し、1000円、2000円で売るのです。勿論、新品の部品もあるのでしょうが…中古もので代用が出来るなら、価格は1/10か、1/20ですからね。Mさんが儲かる訳ですね。きっと税務署は悔しい思いをしたでしょう。
今はこのグローバル版の商売が大儲けですね。日本の中古車や工作機械を買い取り、海外で販売するのです。東京に来てからのお客様で、倒産する工場に出向き、現金で工作機械を買い漁り、海外に輸出している人が居ましたね。大儲けでしょう。夜逃げをするような工場主にとって工作機械を売り現金を手にすれば、なんとか生活が出来ますからね。本来は担保設定などがしてあり、銀行の管理下なのでしょうが…善意の第三者に渡れば合法的な商売とも言えます。彼は世の中が不況になるのを喜んでいましたね。面白い商売です。
株式相場のシナリオと言うのは、実はこの発想が大切なのです。眠ったシナリオを呼び起こすのですね。時代の変遷に合わせ銘柄を発掘します。だから一人前の証券マンになるためには、真剣に商売をして、多くのお客様から商売の成り立ちを勉強し、世の中を知る必要があります。基本的に世の中は一定のラインに落ち着くものです。復元力は、何も船だけの話ではありません。行き過ぎた世論は、必ず修正されます。その大きく落ち込んだ際を…駄目だと思い、他人が捨て去る際を、黙って買い、そうして待つのです。007もそうですよ。時代は必ず復元されます。行き過ぎた規制や規則からは閉塞感は生まれ、社会が修正するのですね。国家権力に沈んだサラ金規制は、行き過ぎだったのです。だからJトラストと言う「化け物」が誕生したわけです。なにしろ強引な規制で、業界が1/20になったのです。当然、残存者利益は20倍になりますね。これを10年間と見れば、PERの評価はどうなりますか? 理屈上、Jトラストが残ったので、当然の結果の相場が誕生したのですね。際は常に倒産を争うものですね。武富士は負け、倒産し消えました。同じことが、ケネディクスとダヴィンチにも言えます。
バブル崩壊から25年、1300兆円を失った政策は間違っています。中国はどうですか?金融バブルを起こした米国も、日本のような選択をしていませんね。故に、ここに歪が生まれ、修正波動を待っているのが、今の相場でしょうね。この感覚が分からない人は良いのです。「1300兆円の逆襲」、この意味を理解すれば、どんなに高値になっても買いたくなりますね。故に、何度も買って投げを繰り返すカタル君なのですね。今日も黒田君は不調のようです。2ストライクを取れるのですが…決め手がないのですね。あと一つ、決定的な決め球があるなら、彼は一流の領域なのでしょう。…がしかし、「あすなろ」止まりの選手かも知れません。まるでカタルのように…。
2014年04月19日
利益の質
今日は「利益の質」と言う話を、展開しようと考えています。
皆さんの多くは一株利益に対し、何倍まで株式が買われているか?と言うPERの指標が一般化され、それを目途に考えておられると思います。つまり企業の利益が変化せずに30年続けばPER30倍です。通常は10倍、10年がだいたいグローバル論理ですね。
例えば話題の日本通信は、今や花形銘柄に育ってきました。所謂、人気株でありスター株と言う評価になっています。カタルは1月27日の日経新聞報道から見て、1月29日に本文で取り上げています。そうして3月の相場状況を観て、あの環境下でミクシィと共に強かったので、株式教室に於いて、相場状況の弱い局面で、強い銘柄は、人気株に育つ可能性が高いと…レポートを書き、注目していました。カタルの経験則では、どの株も最大評価がPER100倍です。最近は、米国でもPER200倍水準まで買うケースがありますから…何とも言えませんが、既に人気化しており、あまり近づかない事です。カタルが取り上げていた1万円台(100円台)の株価の段階では…参加も良かったのですが、既に人気化していますからね。でも不思議ですね。通常は株式分割するのに、カタルはてっきり1000円台(1/10)と考えていました。1/20と言う選択肢もあったはずです。それが1/100ですからね。結局、今から思うと…何らかの思惑が働いていたのでしょう。こんな推測より、今日の話題は「利益の質」の観点ですね。
この人気株の切っ掛けは、総務省の裁量です。所詮、利益配分などは権力のさじ加減で、どうにでも転ぶのです。カタルがベンチャリの松本さんに面会した時に、彼は「政策の動向で利益が生まれる」と述べていました。おそらくは小林さんの受け売りでしょうが…。この話は重要で事実です。消えてなくなる前、上手くいっているカーブスから来店型の保険チェーンを手掛けていましたね。今では、この形態は大きく伸びており、時代性の先見性を感じさせる現象になっています。確かにベンチャリの投資では、大きな損失を受けましたが、彼との面会はカタルの知識となって生きていますね。日本通信の発想は、彼からの受け売りです。
みなさんも覚えておいてくださいね。政策支援は絶対の流れになるのです。カタルが現在007(ユビキタス)に熱を入れ推奨しているのも、経産省が組立ソフトの分野を伸ばそうと産業育成を謀っているからです。皆さんはあまり評価されないかもしれませんが…省庁が力を傾けている産業は間違いなく伸びます。007はHEMS関連で補助金を受けた実績もありますね。残念ながら、この大元の予算が、震災復興予算から計上されていた為に拡大解釈だと言う事で、途中で補助金が打ち切りになりました。しかし我が国の形態を考えると…この流れで経済発展してきたのです。
数年前、エコカー減税がピークを付けました。今でも補助金があるのかな? このおかげでわが国の原油高の影響が、軽減されています。本日の日経新聞のトップ記事は、中国政府がPM2.5対策に力を注ぎ、日本の形態を真似して時代を進めようとしていますね。流石、共産党幹部は優れています。昔はリッター10キロも走らなかったでしょう。しかし今では3倍の効率です。駆動するモーターは、おそらく日立製かな? 調べたことはありませんが…。この政策を観て、中国側の最近の態度軟化が窺えます。先日、米国が仲立ちし韓国との首脳会談が開かれました。そうして米国大統領が来日します。先日、ケリー国務長官が、来日していましたね。彼は中国にも行っており、釘を刺しています。安倍外交の成果でもあります。
中国は国内資本投資だけで、高成長を続けるのは無理があります。外需による成長も同じです。爆食する人口を支える成長を支えるユトリが、世界にないのは明らかです。だから当然7%台の成長率を維持するのも、やがて難しくなりますね。自由金利になれば資本論理が生まれ、世界競争が生まれますからね。東西冷戦下に於いて、漁夫の利を掠めた日本の鎖国制度のような状態を、続けることが出来ません。だから最近は中国発の自動車メーカーは廃れ、外資系だけが伸びていますね。プラザ合意からベルリンの壁崩壊は、自然の流れだったのですね。あらら…。利益の質の話を書いていたら…また話がドンドン飛んでしまいましたね。カタルの欠点でもありますし、見方を変えれば、評価と感じる人はいるでしょう。
もう少し脱線をすれば、カタルが大リーグを好むのは…、一流の戦いの緊迫感があるのですね。投手が投げる1球の価値を、彼らは良く知っています。その為に、たった一球に精魂を込めて投げます。ダルビッシュなど見ると…良く分かりますね。得点圏にランナーが出ると、彼の中のモードが変わるのです。まるっきり別人が投げているように思えることがあります。あの緊迫感が、良い刺激になります。今日は黒田君の登板です。前回は落第点でした。しかし勝ち星を貰いましたね。ヤンキースは戦力を大幅に補強しました。そのあおり…で、イチローはトレード要員になっていると言います。ヤンキースは2009年、MVPを獲得した松井と契約を更新しませんでした。日本では絶対にあり得ない現象です。市場原理と日本村論理を感じる点です。市場原理とは、厳しいものなのですね。
カタルの文章が飛ぶのは…ある意味で生きた経験をしているからでしょう。年収1億円は株式手数料1カ月平均で2000万円になります。1か月単独なら、何人かの証券マンは達成できるでしょう。野村証券なら組織の力がありますから、出来ますね。しかし組織のバックになく、自分の力だけで歩合セールスとなってやってみれば…このレベルに到達する人は、日本で数人、居るかどうか…。今は、皆無に近いでしょうね。相場が良い時でも10人も居ませんでした。でも所詮は…歩合セールスでは、その水準が物理的に限界なのです。やってみれば分かります。場が立っている最中に、電話をかけ注文を受けて伝票を書き約定する時間の限界点だからです。だから1日が終わると、非常に疲れます。ぐったりしますね。仕事の限界点が、物理的にその地点なのです。ましてや手数料が下がっています。昔と違いますね。
つまり更なる上に挑戦するためには、自分自身の力で、相場で稼ぐしかありません。辞めた理由の一つが、この選択肢しかなかったのです。今は失敗している人生ですが…絶対に成功させます。だから新しいテクニカル分析に挑戦しています。BT指数のデータを集めるのは、大変な作業です。しかも時間が掛かるのです。STAP細胞の研究が、どんなものか…部外者は分からないでしょうが、僕は彼女を信じますね。大リーグを好むのは、アラブの春により、本物しか残らないからですね。日本村が崩れているのは、論理が間違っているからです。だからカタルは、米国共和党のティーパーティーに近い考え方なのでしょう。民主党のような震災者保護にも、限界がある筈です。甘えるのもいい加減にしろ!と述べたいのです。3年は、充分な時間です。そんなカタル君も落伍者ですね。既に現役を離れ、3年が経過しました。トホホ…まだ完成されていませんからね。まぁ、完成すれば…黒田君の十数億円かな? それどころではなく…兆円単位ですからね。ハハハ…。
皆さんも大変だね。カタルのゴタクを、いちいち読むのは…今日の原稿は駄目ですね。こんな日もあるでしょう。今日のヒントは、補助金、政策の大切さ、日本通信は、まさに決められた路線の銘柄です。しかしカタルは、真の潜在成長力ではなく、日本通信の評価は今、一なのです。それは総務省の意向で、利益が左右されるからです。グーグルとは違いますね。だからPER100倍は、かなり良い評価の株価です。利益の質まで書けませんでしたが、あとは自分の力量で、カタルの話をヒントにして、文中に隠された意図を汲んでくださいね。それでは、また明日。さてテレビ観戦だね。
2014年04月12日
下げ要因を探る
本日は、先ほどまでダルビッシュの投球を観ていました。故に原稿を書く時間が遅れアップも遅れました。ごめんね。今の時間は11:48分です。好投でしたね。1安打、1四球、9奪三振だったですね。しかし味方の援護はなく、0対0のまま8回で彼は降板したのでテレビ観戦を切り上げ原稿に向かっています。今日は花粉症の症状が悪いようです。朝から鼻水がダラダラ…と、ゴミ箱は、ティッシュの山と化しています。本当は…ハックション。朝に原稿を少し書いたのです。気に入らず途中で止めました。太平洋戦争に負けた原因の話など…情報の大切さを訴えた内容でした。でも今の相場状況に合いませんね。皆さんの多くは、大幅に下がる相場に対する関心でしょう。故に変更したのです。
このような下げは、一番、警戒をしなくてはなりません。同時に、金曜日のケネディクスの動きは、完全にこれまでの内容と見違える変化をしていましたね。今までの相場なら、完全にアウトです。今までなら完全に300円割れに陥っていたことでしょう。明らかに需給バランスは変化しているようです。まだ上昇は確認できませんが…。実は他の銘柄は、みんな全滅なのです。J・TECもナノキャリアも…先の安値を割れているのです。そうして最安値を更新していますね。でもケネディクスと007は、どうにか、今のところは頑張っています。
最近の状態を説明するのに、朝に書いた太平洋戦争から情報の大切さ、そうして日本村社会の構造解説が、どうしても必要になるのです。例えば成田闘争は、日本を代表する日本村の象徴的な社会構造の恥部です。ヤンバダムに、諫早湾問題も、同じ構造下で成り立っています。日本は四方を海に囲まれ鎖国政策が長かった為に、独自に発展した文化なのでしょう。官製談合も日本村独自の形態でしょう。
皆が仲良く共存するために、様々な知恵が日本村で生まれました。良い面もたくさんあります。しかしグローバル化時代を迎え、この構造改革を強いられたので、失われた時代が続いているとも言えます。本日の2面にファーストリテイリングの柳内さんの反省の弁が述べられていました。「ブラック企業からの脱却」ですね。おそらく彼の行動を後押ししたのは、昨年末に起きたマルハニチロの冷凍食品の事件でしょう。あの事件の背景は、まだ説明されてないようですが…劣悪な労働環境にあるようです。年収200万とか…言っていましたからね。あの事件は一つのデフレ社会が、行きつくところまで来た象徴的な現象ですね。このような現象をみて、金融庁は猛省しなくてはなりません。清貧思想の行きつく先に、何が生まれるか? 金融庁幹部は自らの襟を但し自己改革しないとなりませんね。
流石、一流の領域の柳内さんです。時代の流れを良く読んでいると…、今日の2面の日経新聞の記事を読みました。良い記事ですね。ただこの記者の視点とカタルは少し違います。カタルは柳井さんの話を新聞で見て…ニチロマルハの冷凍農薬事件を直ぐに連想しました。そうしてトヨタの間違いを同時に感じています。カタルの考え過ぎかどうかわかりませんが…4000円の要求に対しトヨタは2700円にしました。その行動をカタルは批判しましたが…日経新聞は、その後2度か3度、トヨタ弁護の記事を掲載していましたね。日本村の周辺配慮から記事が生まれていました。更に偶然かどうか分かりませんが…私の履歴書には、豊田章一郎の登場です。背景は分かりませんよ。でもトヨタの広報部が、日経に圧力をかけた可能性は高いですね。日本村論理です。
実は邦銀も同じ構造下にあります。邦銀の収益構造の話ですが…。例えばサントリーは、米国のビーム社を1兆6500億円ほどで買収しました。この資金を提供したのは、三菱UFJです。どの程度の比率でサントリーがエクイティーを負担したのか分かりませんが…M&Aの買収資金に、1兆円を超える借金を充てるのは冒険であり、かなりハイリスクです。第一三共のランバグシ―の事例を語るまでもないでしょう。
おそらく単独の取引だけでは商売は、成り立たないでしょう。つまり低利融資をして三菱UFJにはメリットはありません。単独では…。リスクだけが突出しているからです。しかし米国ユニオンバンカルを、三菱UFJは持っており、米国内の取引が当然増えるでしょうね。更に失敗してもサントリーとビームを合わせて、買うところはあるでしょう。このような売買は、系列のモルガンがM&Aの仲介料を貪っていますね。つまり三菱UFJは、総合的な損得勘定を考え、融資だけでは採算に合わないが、総合的には合うので融資に踏み切ったのでしょう。
この考え方は、村論理での考えですね。最近は聞かなくなりましたが…、一時、NECや富士通は、1円での入札合戦を実施していました。どう考えても…数百億円ものを開発費が掛かるのに…タダ同然で売るのです。その取引自体は完全な赤字ですが、その後に生じる、継続的な取引を、一貫評価すると採算に合う仕組みなのです。日本村論理的な感覚の一つの事例ですね。三菱UFJに限りませんが…日本の金融界は、このような総合的な総資産経営をしてきたために、自己資本のレバレッジが高くなり、国際比較で過小な自己資本比率問題に苛まれています。その結果が、みずほなどの大型公募ですね。

何故、こんな解説をしているかと言うと…今の相場の背景に流れる時代背景を探っているのです。今日の日経新聞3面には現状の相場の流れが描かれていましたが…この事だけでは説明が付きませんね。よくテレビでは、中国のシャドーバンキング問題やウクライナ情勢なども話題にされていますが…、やはり違う背景があるように感じています。NYダウは金曜日に160ドル安、月曜日が続落で167ドル安、そうして火曜、水曜と戻り、木曜日に再び、戻りムードを一掃する267ドルの大幅安に、金曜日も続落で143ドル安でした。つまり先週末に何かが起こり、今週は一貫して安く、大幅安の特大陰線なのですね。大物ファンドのポジション変更が背景にあるのでしょう。
多くは悪材料が表面化して、一般化すれば問題はないのです。しかし原因が分からない下げは、少し恐いのですね。ただ売り圧力も弱まっているようにも感じており、そう悲観することはないかも知れません。…と言うのも、下げの切っ掛けは、株価が上昇しており高値圏での現象で、その引き金が雇用統計値を、切っ掛けとして起きているからです。つまり予想されたポジション変更で、単なる利食い売りの可能性が高いのです。パニック的な現象ではないからですね。でも背景に、何かあるのでしょう。
考えられるのが、ボルガールールの強化です。FRBは米国金融に7兆円もの資本追加を求めています。つまり総資産の拡大が期待できないのです。日本の失われた時代が長引いているのも、先ほど説明した総資産経営姿勢の為に、自己資本比率が低くかったのです。その為に、なかなか資産拡大に繋がる信用創造、つまり貸し出しが伸びなかったのです。むしろ貸出先を絞り、資産規模の拡大を避けてきました。
ようやく最近、ソフトバンクのスプリント買収資金融資など…大口に対応できるようになったのです。しかし世界は米国発の金融危機、リーマンショックの反省から、依然、金融デリバティブの縮小をテーマにしています。ボルガールールは、その強化策ですね。最近、金融界も体制が出来てきたので、極度の反対のロビー活動を避けていますね。しかし新興国の発展を支えたのは、リーマンなどの金融デリバティブ活用により、リスクヘッジができたので、信用力の乏しい新興国へも貸し出しが出来るようになり、中国などのBRICsの躍進に繋がりました。シャドーバンキング問題の表面化も、実はボルガールールなどの強化の影響なのです。
何故、カタルは日本が再生するためには、信用創造が必要だと…何度も説いて、その象徴的な銘柄としてケネディクスを採り上げているか? 信用創造が膨らむと地価が上がり、最初は一等地、Sグレードの丸の内周辺の地価が上昇します。…ですが、もともとSやAなどの物件は限られた土地であり、そう物件がないのですね。孫正義個人がティファニービルを高値と思われる価格で買った事実は、時代が変化している表れなのです。だから早くからカタルは、次の展開を睨み、Bグレードのオフィスビルを、日本一、支配下に置くケネディクスを、日本再生の目玉の銘柄として、推奨している訳です。
背景を説明すれば、カタルの考え方のシナリオが、ご理解頂けると思います。地所や三井不動では、株価が2倍になることはあっても、5倍、10倍には絶対になりません。しかしケネディクスは、「リートはPFI」と言う未来論まで…見えるようになれば、株価は10倍以上になりますね。日銀の政策…、政府の政策の選択次第なのです。おそらくFRBによる資本増強が、株価の警戒感を誘っているのだろうと…今は推察しています。当然、日本の銀行も、その対応をしなくてはなりません。その為に先日、みずほは劣後債を発行していたのですね。みんな水面下で既に行動している訳です。当然、資産である株式は調整を強いられますね。この動きと、日銀の異次元緩和継続の綱引きです。11日に三鬼商事から発表されている既存ビルの賃料アップは、カタルが述べているBグレードのオフィスビルの価値を上げている事を示しています。
ここでイメージ図を…。カタルは当初、日銀の異次元緩和を受けて、V字型の日本再生を頭にイメージしていました。しかし、その後の政策運営をみて、その改善する時間軸が右にズレ、しかも上昇角度が、鈍っているように感じています。この時間のスピードと上昇角度は、政策決定により変わります。つまり人為的に、いくらでも変えられるのですね。

2014年04月05日
本当の目標
メディアや経済評論家は、「勘違いをしている」と言うテーマで、今日は原稿を書こうと考えていますが、実は、慣れないサイトの再構築を実施し、大幅に時間が掛かり、いい加減に原稿を書く前にヘトヘトなのです。だから最後まで書けるかどうか…途中で嫌になるかもしれません。ご了承くださいね。ヤンキースに移籍したマー君は、NHKの総合テレビで活躍ぶりが放送されていました。これを観ましたからね。6回まで…。大リーグでは新人投手は6回まで3失点の内容で、デビューすれば合格点なのだそうです。それにしても黒田君と田中君の内容は運命を分ける展開でした。黒田君の方が、ピッチング内容は良かったのではないか…とも思うのです。しかし「運も実力の内」と言いますからね。負け投手と勝ち投手の明暗を分けています。昨年はヤンキースの打撃陣は悲惨でした。大幅に打撃陣を補強した今シーズンに、田中君は登場するのです。これも運命でしょう。
僕は黒田君の方が好きです。下積みから地道に這い上がってきたからですね。ダルビッシュや田中君のように、最初から大物評価ではなかったからです。でも本当は、政治家もみんなエリートの方が良いですよね。田中角栄の様な存在は異色です。でもこれはカタルの性格ですね。大蔵エリートの福田さんより土建屋上がりの角栄だし…、マー君より黒田です。だから…自分自身もこんな人生を歩んでいるのでしょう。株も同じですね。王道銘柄で投資を続ければ、こんな失敗の人生を歩む必要もないのです。だって経済循環などの基本的な経済学の勉強は、既に卒業しています。だから自分を制御できるなら問題はないのです。でも、やはり「血」なのでしょうね。博打を張りたい…と、幻想を抱く性格なのです。だから読者の人も割り引いてレポートを読むと良いのです。サイトを再構築し2005年から読めるようにしました。2006年当時のカタルの転落人生を読めますね。時間があれば、批判的な目で見ると、カタルの気持ちの推移が分かるかもしれませんね。あの当時は毎晩、銀座通いの毎日でした。
でも馬鹿は馬鹿なりに…歩みは遅いのですが、ステップ・アップしているように思います。いまは、2006年当時より成長していると思います。2000年のITバブル当時の年収は2000万ほどで、2006年は1億円台になりましたからね。一応、サラリーマン当時の500万か、600万か忘れましたが…、それから確実にステップ・アップしています。でも投資家になって…今の所は実績はゼロですね。でも、これだけ手掛けている株が下がっても追証を入れ…、今は何とか生きているのです。今まではカタルでは…おそらく既に死んでいます。でも今の実態は似たようなものですが…。さてゴタクは、この辺にして…。
日銀総裁も、大手メディアも…インフレターゲット論の物価目標、消費者物価の2%上昇が目標とされていますが…この報道は誤解を生みますね。物価は2%の上昇で良いのですが…それ以上に、GDPの成長が高くないと日本人の可処分所得は膨らみません。給料が上がらないとならないのですね。家庭の消費支出が月間で15万とすれば、2%は3000円ですね。でも貰う給料が20万円だったものが22万に上がるなら…17000円分の可処分所得が膨らみますね。これが豊かさに繋がります。でも持ち家の評価が毎年2%下がると…2000万円の家が1960万になりますね。1年で40万円の損失です。折角、可処分所得が、年間ですから12か月分とすると20万4千円上がるのですが…、実際は地価が下がり、196000円の損失になっているのです。カタルは、この資産評価が問題だと…と述べているのです。
失われた時代の実態は、1300兆円も地価だけで飛ばしています。25年の失われた時代ですから、1年辺り52兆円です。GDPが500兆円前後の国で…52兆円が消えれば…希望が生まれる訳がないのです。仮に物価が5%に上がっても資産評価が上がるなら…実質的な可処分所得は膨らみますね。これが高度成長時代です。何故、カタルが日本再生には、信用創造機能が正常に働かないと…日本経済の再生はあり得ないと言っているかの理屈が、お分かり頂けると思います。地方の土地や超一流は、あまり魅力ありません。今は地価上昇の始まりです。デフレ時代なら丸の内の再開発をして、一流の付加価値を上げる戦略は正しいでしょう。何しろ、一流には底堅い需要があります。一流を好む人種は、どんな時代でも存在するのです。ドン底の不景気には、一流が好まれます。米国の金融危機でバフェットはGSに投資し、三菱UFJはモルガンでした。
今は…長いデフレ環境でIT革命の真っ只中です。ブロードバンド時代を迎え、クラウドの技術革新が大きく進んでいます。スマフォの進化を見れば分かりますね。僅か5年程度の話しなのです。カタルがケネディクスに執着している理由は…資産価格の上昇、地価の上昇なくして日本の再生は、絶対にあり得ませんね。人間の一番の高い買い物は、普通は家ですね。二番目は車です。まぁ、例外としては、バブル期は絵画のようなものも物色はされますよ。金持ちの最後は文化に走りますね。だから若い芸術家のスポンサーになりますね。ほら中世のヨーロッパを見れば、モーツァルトのような芸術家の生活を、貴族が支えますね。時代はフランス革命などを経てイギリスで産業革命がおこり、中産階級の生活向上が起ります。同じことですね。IT革命と言うか…インターネットを含むスマートコミュニティーへの転換は、人類の進化の広がりを…広く支えるのです。だから先進国から新興国の躍進に繋がったのですね。
話しが逸れそうだから…基本をしっかり掴んでおかないとならないのです。日銀総裁も物価目標が経済政策の根幹ではなく、あくまでも目的は日本国民が豊かになる事なのです。豊かなになるとは、何か? 可処分所得が膨らむことですよ。生活以外に自由に使えるお金があり、時間があることですね。ところが…この失われた時代はどうでしょう。中東の遊園地で遊ぶと…5万円など、あっという間に消えると言います。日本人の金銭感覚は…いつの間にか、後進国の仲間入りになっていますね。宮澤喜一が、年収の5倍で家が買えるように…と地価を下げる政策を実行したためですね。通常は年収の5倍で家が買えないなら…池田隼人のように所得を倍増しようと考えるプロセスが正しいのです。人間は明日に希望を抱きながら生活をするのですね。だからアメリカンドリームを大切にするのです。
ところが…日本のメディアは、中国の不動産価格や固定資本投資の大きさなど…を見て「バブル」と表現していますね。日本は頭金無しで…毎年上がる地価の未来の上昇利益を前提に、バブル期に貸し付けを実施し、金融機能が崩壊しました。宮澤喜一などは、当時の主犯格の罪人です。彼に今のカタルの知識があったかどうか疑わしいのですね。結果論だから、カタルもこんな事が言えますが…習近平国家主席は、チャイナドリームを述べていましたね。日本の政治家のように、中国の政治家は馬鹿ではありませんね。地価に見合う所得に引き上げればいいのです。今はまだギャップが大きいから、地価は足ぶみでしょう。上海総合株価指数が低迷しているのは、日経新聞が叩くように…シャドーバンキング問題などの改善に時間を要するからでしょうね。しかし方向性が正しく、たとえ小さな歩みでも前に進んでいれば…何れギャップは埋まります。
日本の正しい再生の姿を考えると…、信用創造機能の復活とスマートコミュニティーの推進に尽きるのです。だからカタルはその候補銘柄として2つを提示しているのです。原点を突き詰めて考えると、良いのですね。その為には、どのような政策が必要なのか? カタルは正しい政策が実行されることを前提に、銘柄を選択し、投資行動を選んでいます。しかし現実社会は、いつも正しい選択をしているとは言えませんね。菅直人の行動は多くの人を悲劇に陥れました。原発反対でも良いのですが…直ぐに転換などはできません。メディアも貿易赤字をどうするのでしょう。国家の体系構築には50年、100年と掛かるのでしょう。よく欧州の聖堂建築など見ると…100年くらいかけるケースは多いですね。大概は財政難ですが…。
日銀総裁だけでは、信用乗数効果を引き上げるのは難しいのですね。金融庁が厳格な態度を維持しているのです。非常に保守的な権力維持を実行させています。カタルは現場に長く居ましたから、実態が分かります。異常ですよ。合理的な配慮は全くありません。だからトップダウンで、人事を入れ替えないとなりません。麻生大臣は…完全なロボットですね。知り合いに彼の後援会の人が居れば、是非、陳情させてください。今の金融庁の姿勢では、なかなか日本経済は浮上しませんね。このように時間軸が見えないから、500円だったケネディクスが300円台に落とされるのです。折角の異次元緩和を…打ち消す波を選択しているのです。でもようやく、この反動も静まりかけています。
今日は信用乗数効果などのグラフを提示しようと考えていました。ベースマネー(マネタリベース)に対するマネサプライ(マネーストック)の比率ですね。折角の異次元緩和ですが、通常は日銀がアナウンスをすれば…経済は、その方向に動くのですね。しかし長い失われた時代の経験では、動いたら負けだったのです。だからトヨタは4000円から2700円にしたのですね。4000円でも良かったのです。でも長いデフレ環境が…経営者の心も蝕んでいるのです。信用乗数が伸びれば問題はないのです。しかし企業もなかなか豊富なキャッシュを設備投資に充てませんね。
政府は補助金行政などをする必要はなく、方向性を不退転の決意で示し、民間投資を促せばいいのですね。しかし現実は自然エネルギーにしても…直ぐに買い取り価格を下げますね。進まない理由は、送電線の構築などの問題ですね。それならば送電リートを利用し、PFIを動かす努力をすればいいのです。金融レバレッジは、様々な発展を生みます。メザニンローンの仕組みを、よく理解しなくてはなりません。リートは原資なのですね。メザニンを付ければ、利率は上がるのです。水道リート、送電リート、介護リート、様々なプロジェクトが動きますね。時代背景を考えると、必ず、この方向性に動くのです。後はスピードをどう測るか…。
