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2014年10月26日

日経平均株価を考える

人間と言うのは不思議なものです。日本で活躍していた時代のロイヤルズの青木など、まったく興味もなく、知らなかったのですが…MLBを見るようになり、日本人選手が居るだけで、何故か、ロイヤルズを応援しています。昨日も熱戦でした。一方、日本ですが…どちらかと言えばカタルは巨人ファンなのですが…、今年は見事に連敗ですからね。昨日は阪神にやられました。カタルは孫さんの支持派なのでソフトバンクを応援しています。昨日はドミニカ出身のゴメスにやられ、メッセンジャーも好投していましたね。此方は一方的な展開でした。普段はヤンキースの試合を見るぐらいで、ほとんど野球など観ませんが…本田の活躍などをみると、サッカーも見たくなるから不思議ですね。先日は、錦織君が大活躍をして、スカパーは二人の日本人の活躍で、企業業績は上向きでしょうね。

株も同じですね。誰もが参加できる人気株が出てこないと駄目です。エボラ出血熱のような一時的な人気や、小型現物株などでは…所詮、限られた種族の参加に留まります。バブル相場の引き金を引いたとされるNTT株の上場、基本的に、次は日本郵政の出番でしょうが…邦銀株の低迷は何やら壮大な構想が裏にあると言う発想は考え過ぎでしょうか…。近年の安倍政権の政策運営を見ていると…アクセルの踏み方に不満はあるものの…比較的、良くやっています。失われた時代に於いての政策運営は不満が残りました。その為にカタルブログは、いつも官僚批判や政策非難ばかりでした。

まぁ、そろそろ日銀は次の手を打つべきですね。そうしないと…いくらカタル君は気が長いと言っても、そろそろ堪忍袋の緒が切れますからね。基本的に異次元緩和を実施しているだけで充分だとは思っています。しかし…そんなに時間があるのでしょうか? 日本は過去、安い労働力と物真似が優れていたので、加工貿易で外貨を稼いできましたが、長い構造改革により現地生産が増え、今では海外からの配当収入などが増えて、貿易赤字を補っています。でも基本的に経営者は、今でもシェア争いを重要視していますね。薄利多売なのです。ルネサスエレクを見ていると良く分かります。インテルなどのブランド力を重視した戦略と大きく違いますね。銀行もそうです。だからシティーバンクが個人部門から撤退したのでしょう。その為にデフレ後半は自己資本比率を引き上げる増資により需給バランスが崩れました。

本来は三菱UFJの株価は4ケタ水準が妥当株価でしょう。しかし内容面は4桁のですが実際の株価は600円をウロウロしています。この辺りが歪んでいますね。一方、日本株はそんなに割安感はないのですね。PER30倍を超える株も…日経平均株価採用銘柄のような大型資本でも多く散見されます。世界展開しているユニクロが、いくら将来性を買うからと言っても、現状の株価は高過ぎるように感じます。武田製薬や地所なども既に高評価されていますね。高いと感じる銘柄を見ると値嵩株も多く指数買いの影響でしょうか。一方、カタルはGPIFが狙う銘柄として…配当利回りなどを勘案した邦銀や商社は安く感じますね。優先株を発行している銘柄もある為に表面的な数字だけで、一概に判断は出来ませんが…。

なかなかカタルが新規銘柄を発掘できないのは…既に高評価の銘柄が多い為でしょうね。小野薬品も良い銘柄だけれど…既に、かなりの評価ですからね。今日は…今、テレビを覗いて来ました。ロイヤルズが4-1でリードしていますね。これはまたこんな事を書いている場合ではありません。今日はカタルが付けている独自のデータを掲載して自分でカタルが何を感じているか…察して下さいね。3つとも日経平均採用銘柄の平均株価です。「好転率」と言うのは25日乖離と26週乖離の差です。「陽線率」と言うのは寄り付きと引け値の幅を株価で割ったもの。「サイコロジカル」は説明が不要ですね。一定の期間の「高い、安い」の比率です。株価は採用銘柄の平均株価…日経平均株価はこれを元に除数や修正倍率で増えているのですね。まぁ、何処かに計算方法がネット上に載っています。

今回の下げは、かなり強烈でしたね。春と同様か…それ以上です。それではまた明日。

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投稿者 kataru : 10:41

2014年10月19日

行き先は…決まってる

疑心暗鬼ながら…株価は反発の兆しが見え始めています。もともとNY市場の株価推移も割高圏と言われていました。現状はPER14.5倍とか…の記事を見ました。過去平均は14倍だとか…つまり割高面が修正された株価位置なのでしょう。売る方も馬鹿ではありませんから、まだ在庫があったとしても…戻りを売りますね。でも基本的にメディアがワイワイ言うようになれば…峠です。これは当たり前の現象です。

今回は日本発ではなく…NY発のイメージですね。世界同時株安の現象です。今日の新聞には、この度の株価解説で、世界景気後退より…初めて?「リスク回避」の文字が掲載されていたように感じます。この「リスク回避」の文字には、様々な解釈が生まれますからね。これまでの流れからすれば、ドイツのロシア制裁の影響の表面化…から、最近は中国の停滞も含め、世界景気の後退面が強調されていましたね。しかしおかしいでしょう。好調な筈の米国景気が震源地になるなんて…。いくらグローバル化が進んでいても…です。だからカタルは清貧思想である「G20で表面化した金融規制」を疑っているのです。

中国では人民銀行が、先月、国営大手行に5000億元の資本を投下し、為替を17.4円とすると8兆7000億円規模ですね。そうして、今度は地方銀行に2000億元の供給だとか…。一方、米国は伸び悩む住宅投資の新基準が水面下で動いており、ファニーメイやフレディマックの信用補完姿勢が変わると…言われているようです。頭金が3%ですって…すごいですね。米国では特例ですよ。おかしいのは日本だけですよ。日本はマイナス金利になっても…札割れが生じているほどの「流動性の罠」が顕在化しています。なかなか…投資活動に火が付きませんね。日本経済の実質から名目への転換は、容易でないことを示しています。この為か…ケネディクスの株価も冴えません。まぁ、アイフルなどと比較すれば充分に強いとも言えますが…、全体の株安を跳ね返すような勢いは、今の所、感じられませんね。

先日、発表されたAUM残高推移をみれば分かるように…、社長が表明していた1兆4000億円レベルの達成が出来るのかどうか…怪しいものです。しかし反面、来期販売を見込むブリッジ投資と思われる大型の商業施設への投資も実施されていましたね。子会社保有のホテルも、阪急阪神ホテルズとの合意に至ったようです。まぁ、順調というか…程々のイメージかな。でも株価は正直です。きっと日銀の札割れなどの現象を、敏感に感じ取っているのでしょう。

日本の明暗を分けるのは、明らかに実質から名目の世界への転換です。
何故、ユーロ圏が、いつも、もたつくのか…。イギリスのEU離脱も言われるような状況は、資産価格の考え方にも起因しているのでしょう。トマ・ピクテ教授の講義は盛況だったようで…立ち見が出たとか…。基本的に彼の考え方は、資本・所得倍数の上昇、富のものさしである資本と所得が資本家に集中する格差拡大、つまり格差大国になった米国の歪みを指摘していますが、同時に…これは資産効果の役割を認めていますね。

GDP大国を維持できているのは、資産効果が健在な米国や中国などです。名目の世界への移行するためには…、現状は清貧思想が蔓延し、流動性の罠に陥っているので…、資産効果が生まれる政策実行が正しい戦略です。好調なロンドンは資産価格の上昇が鮮明でしたが、欧州全体では金融機関の弱体化で、資産効果が生まれてないのですね。米国と欧州の違いは、この辺りにも…起因しているのでしょう。板ガラスの100円割れは象徴的です。カタルは欧州の立ち上がりから、一時は、期待していた程だったのです。

異次元緩和により…と言うより、実際は…実施より政策転換を述べた期待感だけの理想買いに…現状の日本株は終始しています。なかなか二段上げがスタートしないので、米国の様にQE2(量的緩和政策第二段「実際は三段目」)のスタートが望まれます。日本株の明暗は、この辺りの政策実行にあるのでしょう。ルビコン川を渡っているから、既に行先は決まっているのですが…。問題は、アクセルの踏み方なのですね。今はチャンスですね。円が再び買われ106円水準です。次の金融政策決定会合は10月31日か、11月18日、19日の両日ですね。

いつもそうですね。カタルが政策批判を展開する時は相場が悪い時です。消費増税反動が長引く結果を受け、9月に実施するかと期待しましたが…株屋的な発想でしたね。どっちにしても、もう一本道なのです。政策議論をする余裕は、既にないでしょう。それだけ大量に日銀は国債を抱えています。この償還までの限られた時間しか残ってないのですね。だから政策官僚は、次々に政策を立ち上げていますね。法人減税と引き換えに賃上げだとか…相続税だとか…。何れも実質の世界から、名目の世界への転換を示すものですね。

まぁ市場が何処で、この現象を織り込みに行くのか…。既に決まった道と時間の戦いですね。今回の急激な下げで、カウラ売り比率が示すように…、完全に市場マインドは転換しています。今日の日経新聞の表現の仕方もそうです。カタルには二段上げの準備は整ったように見えますが…、果たして、現実はどう動くのか。この辺りの時間概念が理解できるようになれば、既にカタル君は億万長者なのです。それではまた明日。

投稿者 kataru : 13:38

2014年10月13日

三尊天井を考える

今日は皆さんが好む、テクニカル面からの株価検討です。基本的に見えなくなったら、時間軸を変えることが…鉄則ですね。その為に3つのチャートを用意しました。一つは2年程度の日足推移、そうして5年程度の週足推移とバブル崩壊後の日経平均株価の月足です。

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如何でしょうか? 

カタルは10月3日の「今日の市況」に於いて…、本文の中で「日経平均株価は三尊天井のかたちを形成し、今週は大幅な陰線ですから…、まだ株価が多少は下がり、下値はあるのでしょう。」と述べています。実際に、その通りの展開に先週はなりました。チャートの基本の一つである「三尊天井」を形成しましたね。この16000円前後にある壁は、かなり強いものなのでしょう。日足より週足の方が、綺麗にこの形を示していますね。

ただ週足、月足を見ると…、また違った形に見えます。週足の移動平均線は26週線と52週線を示していますが、丁度、先週の安値は心地よい株価位置に見えます。一方、月足に目を移すと…2007年の2月の18300円の壁を前にして、16000円前後のラインで株価がもたつくのは当然の帰結ですね。ここで重要なのは、この揉み合いが「右肩上がり」の揉み合いと言う事が、月足を見ると…感じられると思います。日本経済は1997年~1998年辺りで、バブルの清算が完了したのです。丁度、山一證券や日債銀などが…倒産した辺りです。面白いでしょう。日債銀や長銀は、興銀と並んで日本の産業基盤を創る為に設けられた、銀行システムですね。役割を終えた銀行が倒産したのですね。

ところが…ITバブルを切っ掛けに、日本経済は立ち上がらず、政策の選択ミスを連発し…株価は1万円を割れる未曽有の構造改革まで…落とし込まれました。小泉・竹中改革ですね。過剰な不良債権処理が実施された清貧思想の蔓延です。ワイワイ騒ぐメディアがそもそも悪いのです。

その後、外資系金融機関の参入もあり、外国資本の力で立ち上がったのが2003年から2006年の相場です。しかしCDSなどの金融デリバティブに依存する足の早い資本だったため、膨張した金融を支えきれずに崩壊、この陰で日銀もグローバル化の意味を取り違え、金融を引き締めたのでダブルパンチで…日本経済は痛めつけられました。しかし2009年、日産のマーチ移転が切っ掛けになり、過剰な空洞化が進み、今はその揺り戻しの過程にあります。その動きが、為替相場の推移からも感じられると思います。月足の青のラインは、円ドル相場の推移を示しています。

今回は円安の進行がマイナスと言われていますが…2009年から始まった過剰な生産移転が生んだ弊害なのでしょう。2007年6月の為替は124円、その前は135円、147円なのですね。カタルの行き過ぎた生産移転と言う認識が正しいとすれば、おそらく、今回はこの124円を抜くのでしょう。為替も株式相場も2007年の水準を上回ると考えるのが、一般的な認識です。現在実行されている日銀の異次元緩和は、確実に日本を構造的に変化させるものです。

この構造的変化とは…実質成長率を主体に置くデフレ環境から、名目成長率重視のインフレへの世界への転換を意味します。ひょっとすれば…為替は過剰の反応し、バブル時の159円90銭の壁も突破し、行き過ぎる事も最終的には考えられると思います。如何に…孫さんの米国資産のスプリント買収が、理に叶った行動か…お分かり頂けると思います。さて、もう少し目先にスタンスを移しましょう。

このような観点から見て行くと…月足で見た、この中段揉み合いは、単なる通過点の一コマだとの認識が、出来ることでしょう。昨日は気掛かりなG20の動向を問題にしましたが…日本は兎も角、欧州はとても自己資本比率の引き上げなど…の更なる金融規制に応じる体力はなく、時間が掛かります。オバマは、既に賞味期限が切れた政権ですから…次期政権になると過剰な金融規制の弊害が、指摘されると考えています。基本的に金融デリバティブの発展により、グローバル化が進み、世界中にまき散らされたマネーが、リーマンの破たんで、システム崩壊したのです。

それを補ったのが、各国の中央銀行です。しかし実際に新興国は活動しており、拡大したマネーが縮む道理がありません。中央銀行は悪戯に資金を引き揚げられないのです。民間金融が中央銀行の穴埋めをしたマネーの不足分を再び肩代わりするまで、相当の期間が必要と思われます。現状の欧州は既に日本化現象で苦しんでいます。つまりデフレが深刻なのです。

10年程度のスパンでしょう。G20の自己資本比率規制など…常識的に考え、おかしな水準です。16%もの自己資本で…融資をして儲かるのでしょうか? それとも金融デリバティブの活用と言うのは、カタルが考えている以上に、もっとレバレッジが高いのでしょうか? なかなか中央銀行の依存から、世界経済は抜け出せないと思いますね。慌てて中央銀行が資金を引き上げると…途端に、世界経済に歪が生まれます。此処をカタルは指摘しているのです。日本は2006年に日銀が、一旦は供給したマネーを絞ったのですね。だからリーマンショックの金融危機とダブルで、日本経済は打撃を受け二番底に株価は沈んだのです。

カタルは述べています。日銀の異次元緩和が現状以上のペースで進む以上、株価は上がり続け、地価も上がり、やがて正常な名目成長率が期待されるような希望の溢れる経済に変化します。オバマは金融マンを、他人の金で博打をして、多額の報酬をせしめていると…負の面ばかりに焦点を充てて金融の世界を見ていますが、これは間違った認識ですね。確かに金融マンの行き過ぎはありましたが…その事と世界経済のグローバル化とは、別の視点の筈です。この辺りの認識が、世界の政策指導者にあるかどうか…。経済活動の活発化には、お金が欠かせないのです。FRBのイエレン女史が、これからどんな判断を示すか…非常に重要なのです。おそらくNY市場の下げは、このG20の動向を懸念したものと思われます。株価が下がると、人間は何故か? その事を考えますからね。頭のいい人が、世界をリードしているのです。大丈夫でしょう。

さてカタルの考えるデッサンが共有できたでしょうか…問題は目先ですが…、指数で上下する環境ですから…8月の下げと同じように一過性の下げだと考えています。日本株は確実にステップ・アップしています。ROE重視の経営スタイルに変化し始めていますね。過剰な内部留保は自社株買いに変化するでしょう。先進国のROE経営は自然な現象です。悪戯に利益率の低い産業にしがみ付くのは間違いですね。日本はこれまで雇用の確保の為に無駄な公共事業投資など実施してきました。そうして死に体の産業にも資本を流したのですね。だから非効率になったのです。円安進行で原材料高を価格転換できない企業など…本来は日本に必要ないのです。

すき家のように…人手不足が報じられている環境だから、ようやく効率的な産業の育成が出来るのですね。だから労働の流動化は必要なのです。古い考え方を持ち出し、正社員が善で契約社員が悪だとか…の認識は、非常に非効率な考え方です。メディアの人はこの点を良く考えて欲しいのです。成功報酬型の仕事が一般化するのが当たり前、カタルは現役時代、自分のノルマを消化し、更に支店のノルマを消化するために奔走しました。それでも時間が余ったのです。だから仲間を誘い麻雀をしていました。基本的に証券マンのノルマなど…立会時間+α程度で消化できますね。付き合い残業などと言う…無駄な時間を使う必要なないのです。だから嫌になって歩合の世界に入ったのですね。成功報酬型の労働体系が広がるのが当然の帰結ですよ。

企業は弱者救済の場ではありません。企業の金で人を留学させ人を育てたのに…恩も返さず楽天の三木谷さんの様に起業する人間が増えていますね。グローバル化の論理と日本村論理の境界線を何処に引くのか…この問題ですね。市場原理主義者のカタルは、現役時代、アメリカの属州になれば良いとさえ思っていました。しかし日本にも良いところが沢山あります。話が、また逸れましたね。

目先の株価でした。おそらく200日線を割り込む辺りが下値の目安と考えています。現在の200日線は15123円ですね。だから15000円を割れれば…だいたい調整は底値圏になると考えています。カタルの考える任天堂型の三尊天井からの上昇なら…この後に訪れる新高値は果敢に買い進まねばなりません。怯んでは駄目ですね。日銀は追加緩和をして名目の世界へのスピードを上げるかもしれません。アクセルを踏み込めば…一気に加速する時間概念に既になっています。

良いですか…昨年5月の高値は、異次元緩和の理想買いですね。年末の新興御三家と指数買いの偽物相場が、その高値を取ったのです。今回はどうでしょう。新興御三家の活躍はないですね。日本通信の相場も終わっており、単にヘッジファンドの指数買いの仕掛けにより高値を更新したのです。たとえ、わずかでも高値を更新しているのです。この現象は確実に玉が沈んでいるのです。異次元緩和は、確実に実社会に浸透しているのですね。今度は人気株も生まれ、一気にこのラインを放れ2007年の18300円台の高値を抜く動きになると考えています。だからこの下げは非常に美味しい下げなのでしょう。

カタルは貧乏人だから…反転してから、買い参加しようと考えています。僅かな読み違えで…今度は投げたくないですからね。買える状態なのですが…もう少し待ってから参戦するつもりです。勿論、銘柄はケネディクス一本です。何しろAUMを1473億円も…この半期で本当に増額できるものなのか…やはり楽しみですね。この増額は全体の1割を超えますね。つまり年率換算では、20%以上の成長と言う事ですね。それでは、また明日。カタルの予想など外れると思って…無理をする事はありませんからね。株なんか、遅れるくらいが丁度いいのです。慌てて上手に買おうとしないことです。

投稿者 kataru : 11:32

2014年10月12日

注意が怠れないG20の指針

長いデフレの影響で老人世代への優遇が目立ち、若者から搾取が続いている様子が今日の日経新聞にも現れています。働かない年金世代が優遇され、働く若者は「未来の夢」が感じられないほどの歪な構造になっています。昨日、フジテレビの「東京にオリンピックを呼んだ男」と言うテレビドラマの中で、荒廃から立ち上がる日本を見て、日本国民に「希望」を与える為にオリンピック誘致を…とのセリフがありました。日本に一番欠けているものは…この希望ですね。

ひまわり8号などの打ち上げ成功は、日本の技術力の高さを示すものです。青色発光ダイオードの開発のノーベル賞の受賞も、その一環で日本に希望をもたらしています。カタルは過去、何度も述べています。働く若者が20万円の給料の中から5万円を搾取され、働かない年金生活者が20万円も貰う仕組みは、何処か…おかしいのです。老人の医療費が、どうして現役世代より自己負担比率が低いのでしょう。統計資料を見ると…年寄りは弱者ではありませんね。社会的弱者は救わねばなりませんが…旅行に出歩く年寄りを社会負担で優遇すべきではありません。

このような…現状の多くの元凶が「デフレ政策」の為です。それなのに…円安不況で中小企業の保護を主張するような声が、最近は多くなって来ました。価格転嫁が出来ない企業なら、基本的に日本に必要がない企業なのですね。つまりROEの低い企業は必要がないのです。競争力の弱い企業から、強い企業へ優秀な人材が動くのは…当然の帰結です。名目GDPを伸ばす政策に主眼を置き、様々な雑音はしばらく無視して果敢に行動すれば、やがて正常な成長路線に復帰できます。株価が二段上げを前にもたついているのは…このシステム転換に移行する時間猶予なのです。名目重視の政策こそ、いまの日本に必要なのです。名目の世界が、若者に「希望」を与えるのですね。

さて今日は、今、話題の日本化現象の蔓延ですね。ドイツは欧州の金融危機が遠のき、ユーロの為替の適正化が進み、更に新興国の成長率が鈍化し始めたので、輸出主体の経済が減速しているのです。サムソンの苦境も同じ構造下にあります。サムソンのギャラクシーから、シャオミ(小米)に流れていると言います。ファーウェイ(華為技術)などが躍進しているのは、日本製の電子部品技術の進化のおかげです。本当に…村田はたいしたものですね。たかが陶器を焼いていた町工場だった会社が…製品を納入していた島津や三菱電機を、凌駕しているのです。経営者の手腕ですね。技術進化を生む源は「希望」です。今日より、明日の世界が良くなる名目重視の成長なのです。

世界経済は、スマート・コミュニティーの世界に向かう狭間にあります。電脳の世界ですね。クラウドを重視すると、やがてSFの世界に向かいます。この技術進化が次の先進国の課題ですが…自動車生産などの過去の呪縛に、政策が縛られているのですね。カタルはレストアの番組が好きで、よく見ていました。自動車の性能をアップさせるための技術進化など、もう充分ですね。今は自動走行などのIVIの進化です。クラウド環境を利用した情報の活用を制するために、世界のトップは凌ぎを削っています。グーグル、テスラなど新規参入業者が、開発に名乗りを上げているのは、大きな社会変革期に位置しているためです。カタルが007に魅了されているのも、村田が資本参加したためですね。あの村田に認められた技術開花は、間もなく始まります。

今、全体株価が下げているのは…、おそらく株価上昇に時代変化が追い付いてない為の調整なのですね。株価って…面白いのです。基本的に高値に挑戦しますが…、企業業績の推移などの波が、株価に見合わないと…必ず、調整と言う過程を歩みます。一度、変化を確かめる行動ですね。今回の欧州や日本の成長鈍化、原油安の新興国経済の低迷など…。一度、リスクを株価に反映させるのです。市場参加者に悪材料を認知させるのですね。このリスク認識が一般化すると…調整が一巡します。そうすると再び、新しい時代にチャレンジします。過去のカタル銘柄を見ると…良く「時間」を間違えています。大きく株価が上がるタイミングが、なかなか把握できないのです。上がる銘柄は、時代の流れを読んでいるので、大概は当たっていますが…、上がるタイミングを外しているケースが殆どです。

たぶん「自己の欲」が、原因なのですね。現在市場で認識されているアベマゲドンリスク(スタグフレーション)は、昨年末に判明していました。もう直ぐ1年ですね。実体経済が、円安で…悲鳴を上げているからですね。今、新聞や国会質問に取り上げられている様に…。ようやく昨年末に指摘したアベマゲドンリスクが一般化しています。カタルは異次元緩和が続いている以上、実態経済は、確実に正しい方向に進展していると述べています。

理由は、国債に眠る0.5%の運用から、どんどん資金が解き放れ3%、4%のリートの世界に流れています。だから地価は上がり、株価も上がっています。これが名目重視の世界ですね。これまでは実質重視で、地価や株価が下がり、その損失を実体経済の利益の中から補ってきました。年金の積み立て不足などはその一例です。本業の儲けから補ってきたのですね。しかし、今度は逆になります。資産効果を無視しては駄目ですね。

若者の賃金が毎年上がる世界なら、低金利で借金をして家を買えば…借金は財産になります。毎月、返済するローンは、貯蓄と同じ効果をもたらしますね。過去の日本はそうでした。名目重視で…物価は毎年、上がったのです。懐かしいですね。トイレット・ペーパーが店頭から消えるほど、狂乱した時代があったのです。スピードが速いから、円安物価高に対する批判が生まれます。しかし少し批判が生まれる程度のインフレは、適正な成長過程なのでしょう。おそらく、世界経済の中で日本は、かなり恵まれた条件下にあります。シェールガスなどの恩恵はありませんが…溢れる中産階級を抱えるアジア圏に、一番近いですからね。ここにROEに、目覚める企業経営者を重ねると、ユニクロのような企業が多く誕生します。ニトリはじつに良い会社ですよ。本来は逆風なのに…米国や中国にようやく出店し、おそらく2年から3年遅れで、ユニクロを追っているイメージですね。村田もそうでしたが、何処も創業社長はたいしたものですね。

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NY市場は8月の安値16368ドル、4月の安値16026ドルの二つを下回ってから、心配すれば…良いです。確かに…横ばい波動入りの可能性は濃厚です。ピムコのビル・グロス氏が、何故、規模の小さな所に移籍したか…。基本的に、大きな転機を米国は迎えているから、規模が大きいと運用が難しいからかもしれません。

G20で発表された金融機関に対する規制強化は、明らかに、的外れな規制に見えます。弱体化した金融に、鞭を打つような規制に見えますね。不慮の事態に備える為に、CDSなどの金融デリバティブが発展したのです。このような指針は、つまり自己資本比率にしても同じですが…金融機能の行動を縛りますね。この動きが、果たして…実際に採用されるか分かりませんが、その事を懸念している下げだとしたら…本格的な調整も免れないかもしれません。

そうすると…NY市場は、現在想定している16500割れ前後で止まらずに、15500前後もあり得ますね。場合によれば…2007年の高値14000ドル割れ辺りまで…株価は下げるかもしれません。ただ…いきなり下げるわけではないですよ。通常は、1年程度の高値揉み合いは常識です。今は、頭の片隅に入れる程度で良いのでしょう。

市場で言われている世界経済の停滞は、基本的に金融危機により民間で失われた信用機能が、中央銀行の信用補完で補われていましたが、それが外れることへの恐怖ですね。その中央銀行の信用機能が、再び民間金融で満たされるなら…問題ありません。しかしG20のような過剰な規制は、その信用補完の移転を妨げます。折角、苦労して中央銀行が立て直した行為を無駄にします。この辺りの展開がどうなるか…注意を要します。

ただ日本も欧州も、シェールガス効果はなく、ようやく金融危機の後遺症から立ち直り始めたところです。スマート・シティー化の波は、スマフォから始まり、やがてクラウドに変化します。日本は基本的に長いデフレの出口に来ていますから…世界で、一番恵まれています。一つは、先ほど述べた中産階級が大きく増えるアジア市場の地理的な優位性と日本への信頼感です。さらに、ここが肝心ですが…。長かった構造改革により株価水準などが底辺位置にあるのです。PBRの改善は、ROEなどへ経営者の意識変化で激変します。日立では既に始まり、東芝の様に、赤字ではないのにリストラを敢行していますね。基本的に平時でも構造改革をするようになっています。これは利益率の低い産業から撤退し、利益率の高い所に、資金を適正に配分する行動です。

先ほど、カタルは述べています。地銀などが、低い金利の国債に眠る資金を、異次元緩和により、強制的に高い所に移し始めていると…。だから資金が適正に配分され始めていますから…、企業業績は、さらに向上します。ようやく異次元緩和効果が、徐々に波及し始めています。円安批判が出ると言う事は…マイナス面もありますが…、プラス面もあるのです。焦点を、どちらに充てるかの問題ですね。良く、その辺りを考えて置くと良いのでしょう。まもなく上昇するための下げだと…カタルは、現在の株安を考えています。明日は、日本株の三尊天井の形を見て、相場をテクニカル面から、解説しようと考えています。

投稿者 kataru : 14:06

2014年10月05日

金利の二面性

今日は…金利の話を考えてみようと思います。日本の金利水準は、世界でも類をみないほど低く、しかも長い期間、低いままなのですね。この意味をどう考えるか? 日本は安全だと言う考え方もありますし…、逆に、「凍てつく経済」と言う意味もあります。

ベルリンの壁崩壊から始まった市場経済の拡大が、先進各国に日本化現象が広がっている様に…行き過ぎた為に調整入りしたのではないかと…考えているのです。この切っ掛けは米国金融システムの崩壊です。米国では相変わらず、厳しい自己資本比率規制に躍起になっています。しかし16%~20%と言う高い水準は、常識的に考えて…今回のようなシステム崩壊を、念頭に置いた過剰な規制水準に思えます。これでは金融機関は低い利鞘でもあり、利益がでませんね。故にカタルは、オバマは日本の金融庁と同じで体質で、清貧思想論者だと思っています。これを補うのが、世界の中央銀行です。FRBも、ECBも日銀も挙って量的緩和、ECBはこれからですが…。デフレに懸念を示し、日本化現象を避けようと躍起ですね。ようやく米国は立ち上がり始めています。

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日本の長期金利の推移をみると…、不動産開発のダヴィンチが創業した1997年頃、我が国の不動産バブルの清算は峠を越えたのです。しかし政策の失敗により、再び沈むわけですね。1997年までの下降トレンドは、バブルの清算の為で…必要な構造改革でした。しかしそれ以後は、政策運営のミスが重なり…更にBRICsの台頭が、金融デリバティブの発達で加速しました。その為に、日本はバブルの清算と構造改革と言う空洞化に悩まされます。90年代に入り行われた度重なる大型の財政出動が続き財政を圧迫します。しかし折角の大型投資も、的を少し外していました。でも中には、光通信網の拡充など…今日のクラウド環境整備のIT投資の基盤を作ったことも事実です。

2003年からの立ち直りもチャンスでしたね。しかしあと僅かでしたが、日銀のマネタリーベースの削減と米国の金融危機が重なり、再び奈落の底へ…。今回は3回目の正直です。今回は、日銀が量的緩和を用いている為に…金利は上昇しません。…ですが、この量的緩和を通じて経済を立て直し、生産活動が活発になるかどうか…。従来通りの財政政策では、駄目なのですね。スマートコミュニティーに対応した政策を実行しないと、新しい時代が開けません。ようやく…スパコンの実用化を始め、クラウド技術も進化し、新しい時代が幕開けします。車の自動走行技術の発展、007のIVIなどの開発はこの範疇に属します。増大する医療費に対するクラウド環境の整備、遺伝子データからオーダーメイド治療など…どんどん情報が蓄積され、人類は飛躍的な発展期をむかえます。丁度、産業革命の時期をイメージすると良いですね。凸版印刷の発明や蒸気機関を利用した鉄道開発など…と、イメージはダブります。

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一般的に金利が低いと言うのは「安全」と言う側面があります。良くメディアは円が買われると、「安全を求めるマネーの回避の動き」との解説が見られます。一方、ブラジルの様に…高金利の国は、物価が上昇し投資活動が盛んなのですね。ブラジルの実質GDP推移を見てください。基本的に金利水準は、安全性を示すとも言えますが…逆にリスクはありますが、経済成長が高くなると、金利は高くなるのですね。盛んに活動しているのです。このブラジルの実質成長率推移をみると、カタルのこれまでの解説が、理解できると思います。1989年のベルリンの壁崩壊時の実質GDPは、6360億ブラジルレアル(BL)だったものを1とすると…わが国の不動産市況が収益還元法価格に到達した1997年は7451億BL(2.143%/年UP)だったものが…、2003年前後を起点に、一気に角度を変えて成長します。2003年は8200BLでしたが、2009年には10338BL(4.345%/年UP)、そうして2014年は12017BL(4.231%/年UP)です。

つまり2003年前後を起点に、金融デリバティブが急速に発展し、これまで2.1%程度の上昇だったものが、一気に4.3%台に加速します。これが米国で起こった金融デリバティブの発展で…新興国の経済が加速した一例です。中国も同じ傾向です。しかし金価格、原油価格でも良いのですが…、金融危機を切っ掛けに、この所、お金の流れが変わり始めていますね。少し速度が落ち始めました。最近の銅などの下落も、この動きの一環です。銅の価格の方が、もっとドラスティックに金融デリバティブの活動を感じられますね。一応、グラフを付けておきましょうか…。ベルリンの壁崩壊から始まった、一連の新興国の市場経済化の動きを感じて貰えましたでしょうか…。

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大切なのは、これから何が起こるか?
カタルは、今度はこれまで空洞化で低迷していた先進国が、スマートコミュニティーを通じて成長が加速すると読んでいる訳です。ただ…新しい動きに入るためには、資金が活発に動かないとなりません。その為、信用創造機能の復権を掲げ、1300兆円の逆襲が、日本の場合、目玉になると考えている訳です。投資活動が活発になれば、資金需要が増し、金利が上昇します。現状の国債金利は0.52%前後ですが…2%台になるのが正常な形だと考えています。問題は…政策のアクセルの踏み方次第なのです。

国会質疑で、実質賃金と名目賃金が話題になり、アベノミクスの是非を問う論争が繰り広げられていますが、これは初期段階では、当たり前なのですね。物価高に庶民は苦しむのです。日本の過去の高度成長を見て御覧なさい。貰う給料は1万円台だったのですね。毎年引き上がり、とうとう20万円になりましたが…ここでストップです。わが国のGDP成長も、長く横ばいのままです。量的緩和とは…何か? 資金を安全資産から追い出すわけです。仕方なく国債運用が出来ないので、融資先がない地銀などはリートを購入したりします。そうすると…リートの利回りは下がり4%台になりましたね。都心では運用利回りを確保するのが難しいから、最近は、地方都市への物色が始まりました。それが先頃の不動産統計です。新幹線開発に沸き、金沢の西口周辺の商業地が、全国で1位の値上がりで…15.8%の上昇でしたね。この背景は日銀の量的緩和が起点になっているのですね。

このような事例が増えると…、お金に対する需要が増えどんどん加速しますね。今はこの進展度合いと…空洞化の揺り戻しの速度計算ですね。ファナックは栃木県の壬生町に70万平米の土地を取得しました。そうして2016年秋の稼働を目指します。東京ドームは4万4755平米なので…約15個分の敷地面積です。如何に大型投資か…その規模がお分かり頂けると思います。だから今回は…本物の株価上昇だと述べているのです。ファナックの国内投資は、ほんの一例ですよ。昨日は、重工を批判しましたがMRJがこれから本格生産を迎え、設備投資に入りますね。こんな事例はザラにあります。

日銀の量的緩和は、確実に効いているのです。だから黒田さんがほくそ笑むわけです。日銀は、やろうと思えば、なんでも出来るのですね。ただ問題があります。国会審議などでアベノミクスの失敗論が盛んになると…日銀の量的緩和政策が、変更されるかもしれませんね。もしそのようになっても、結局最後は、無駄なのですね。ガラガラポンが待ち構えているのです。既に、日銀はかなりの規模の国債を買い入れていますからね。だから上がる株は、もう決まっていると言っているのですが…ただスピードの問題が残るのですね。途中の振幅で、信用取引をしている追証に遭います。これが問題なのですね。だから金持ちは羨ましいのですね。株が下がるほど嬉しい訳です。

日銀が量的緩和を続けても…それを上回る資金需要が生まれ、金利が上昇し始めるようなら…アベノミクスは大成功になります。ただ同時に、ガラガラポンもあるのですね。一気に円が200円とか…の水準になり、超インフレのコントロールできない世界になるリスクもあるのです。これが最も恐いのですが…。その時は、日本の不動産も暴騰します。円は劣化しますが…不動産や株は上がり続けますね。つまり、どっちに転んでも既にルビコン川を渡ったわけです。どうせ、最後の賭けをする政策しか…日本に蔓延した清貧思想を一掃することは出来ないのです。だって、借金はGDPの2倍だものね。日本郵政の売却は、嘗てのNTT上場に繋がるのですね。

ケネディクスは、必ずその動きに先行し、株価が大幅に上昇します。5年や10年、どうってことはありません。売り買いのバランスを上手く利用すれば、その期間に資産規模は100倍程度に、なるかもしれませんね。1億なら100億円です。10万円の人は1000万ですね。1300兆円の逆襲は、始まったばかりなのです。

投稿者 kataru : 13:33