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2014年08月31日
失われた時代の出口
昨日は「希望」をテーマに原稿を書きました。デフレ社会の失われた時代である「日本化現象」、それを生んだのは生産移転による空洞化ですが…。これは2008年から始まる円高推移で峠を超えます。これまで110円から120円前後で推移していた相場が2008年に100円を割れ、2011年8月には75円台に入ります。この過程で行き過ぎた生産移転が起こっていますね。この事は、なかなか戻らない国内生産回帰と貿易赤字をみれば明らかです。

2009年1月に日産のマーチの生産移転が報道されています。常識で考えて…僅かな利幅しか生まれない量産車までもが、タイから日本へ輸送費をかけて逆輸入しても採算に合うと言うのですね。この動きからタイは一気に自動車の下請け体制が整い、各社が入り乱れて生産移転をします。カタルはこの動きをみて…日本の長い構造調整が、完全に終わったと思ったのです。グローバル価格への転換、所謂、失われた時代の終了ですね。
同時に…カタルは2010年から中国の自動車生産に絡み、国内生産に依存しているマツダに、この時期から注目し始めます。当時の株価は200円台だったと思います。でも間違いでしたね。やはり為替の転換なくして、マツダの回復はなく、結局、異次元緩和実現までの2年以上も、本格的な上昇相場を待たされたのです。相場の素質の芽はあるが、条件が整うかどうか…の選択ミスです。あまり早くに、先回りして待つのもどうかと言う実例ですね。日揮の時もそうでしたね。石油価格上昇を見て、日揮のリストラからの一連の行動は成功すると読んだのですが、あの時は1年間、待たされました。
今日の原稿は、昨日からの続きを書いていますが、既に日本は完全に新しい時代へ突入していると思っています。ただ今回、指摘されている様に、消費増税による反動減から生まれるデフレマインドの復活(アベマゲドンリスク)ですが、これはおそらく消費税の3%と言う、いきなりの引上げへの選択が、きっと間違っていたのでしょう。あの時、カタルは1%ずつ、毎年、引き上げる、段階的な引き上げを主張していました。もしその選択なら…と、今では思います。(まだ、結果は分かりませんが…)菅政権が原発事故の責任を、自然災害によるものと処理し、東電には1兆~2兆円程度の有限責任にして、あとは国家責任と…位置づけなかった選択と、同じような間違いをしたのかも知れません。政策の選択も、なかなか難しいものです。
日本は大丈夫なのですが…。カタルが一番恐れているのは、皆さんは意外に思うでしょうが米国ですね。未だに金融界に制裁を科し、課徴金を巻き上げています。今の回復は「見せかけの回復」なのですね。仮にFRBが正常化を急ぐと…日本と同じ間違いを犯すことになります。日本はマネタリベースを、一気に前年度でマイナス圏まで絞ったのですね。通常の金融界の体力なら耐えられたと思いますが、ユトリがない時に間違った選択をすると二番底を叩くのですね。2003年に一度立ち上がったのに…、再び日本経済は2012年の異次元緩和まで、待たされました。カタルが投資で一本立ちしようと…証券マンを辞めたのは、2010年11月です。2010年10月の包括的金融政策の採用で…相場は立ち上がると思っていたのですが…、翌年3月の大震災、続く欧州危機…などの動きを読み間違いましたね。
今こそ、何らかの政策支援が必要ですね。一番効果があるのは、当座預金に対する付利金利0.1%の撤廃と、ETFの買い入れ額の増額でしょう。特にETFの買い入れ増額はかなりインパクトがあります。安倍政権の生命線は、株価ですからね。ここで一気に消費税の反動減からデフレマインドが復活すると、折角、無理して賃金の引き上げに動いた行動などが無駄になりますね。天候不順など…明らかにマイナス要因が見えている訳で、組閣後すぐに、日銀と共に動く対策が、何かしら必要に感じます。でも…ね。もう既に景気は浮上しているのです。それはPDPや雅叙園などの動きが証明しています。おそらく資産価格の実態は、2006年から2007年のピーク当時の相場に戻っているのでしょうね。
さてお約束のケネディクスの説明会ですが…基本的な収益構造が説明されていますから、良く見ておいてくださいね。基本的にケネディクスの収益は、二本立てです。受託資産(AUM)管理で得られる安定的な管理手数料が、AUMの0.5%と説明されていますが…もう少し高いのでしょうね。仮に今期末の1兆4000億円が達成されると、およそ70億円がこの安定収益になります。実効税率40%とすれば、42億円が最終利益として計上され、一株利益は15.8円です。
さて問題は不動産の値上がり益なのですが…。2007年から始まった不動産の下落による減損分が…どの程度あるのでしょう。細かく分析せねばなりませんが…概算で見る為に営業利益と最終利益の差を見てみましょう。2008年の営業利益は162億67百万円ですが、最終利益は108億50百万円の赤字です。つまりこの合計額271億17百万円が、減損処理で蓄積された見えない利益ですね。このように集計していくと…2009年は268億71百万円、2010年は98億73百万円、2011年は56億18百万円、2012年は159億65百万円…と続きます。
勿論、この計算は金融費用などを考えておらずに、あくまでも一つの目安です。カタルは異次元緩和により、日本経済は一気にバブル崩壊後のピークに資産価格が戻り、暫くするとそのピークを抜いて、本格的な日本経済の発展に繋がると考えています。だからこの減損会計分の利益が、ここ数年で回復すると思っていますね。事実、東京駅隣のPCPの売却価格や目黒の雅叙園、軍艦ビルなど…不良債権処理が、ここ1年程で一気に進みました。
ざっと…見えない利益は854億円ですね。実効税率が40%として512億円ですから一株利益が192円分になります。これを3年で消化するとして1年平均が64円です。だからAUMが一気に増加するポイントである年末年始から、商業リート、介護リートの上場が控える来年前半に、一株利益は急上昇すると考えています。最近の投資案件を見てください。ブリッジファンドとオポチュニスティック投資(値上がり期待)が、中心ですね。このような神業がなされるのは…1兆円を大きく超える受託資産残高がある為ですね。通常、高採算の不動産の外部調達などは…出来ませんね。豊富な不動産の蓄積がある為に、継続的に利益を計上し続けることが可能なのですね。

ケネディクスの収益拡大は、AUMが拡大する時期と一致するわけです。だからカタルは何度も…疑問を呈しているのです。6月末のAUMは1兆2527億円ですが…12月に1兆4000億円に…一気に1473億円も増やすと言っているのです。確かに…この半年で464億円と、受託資産を伸ばしました。ピーク時利益を掲げた2007年の146億円の最終利益は、2006年末の5444億円から2007年末に7349億円と…1905億円増える過程で、利益が生まれています。今回は、これを超える1937億円を増やすと言っているのですね。在庫不動産があるから可能とも言えますが…本当かな?と疑心暗鬼な見方も一部に残っています。でも外部環境は、一気に改善しているようですね。
今期は未だに減損会計処理が残り、利益が圧縮されますが…来期はこの減損分がなくなり、更に大型リートの上場を、二つも控えていますね。だから今年の年末年始、来春のリート上場時、更に数字が確定する再来年の2月まで、ケネディクスにとって…バラ色相場が予想されます。ここで投資家心理を考えてみましょう。カタルも良くメールを貰いますが…ケネディクスの株主は、相当イライラしている様子が窺えます。おそらく株価が500円から600円に上昇する過程で、多くの人がヤレヤレの戻り売りを実行するでしょう。そうして800円を超えた辺りから、こんな筈はない…と、信用による空売りが増えると思われます。ここからが、株式相場として面白い場面です。今年の日本通信が500円を超えてから、株価が加速したように…ケネディクスも4ケタを超えた所から、株価は一気に加速するでしょうね。この辺りまで…、カタルは予測しています。
問題は…政策の選択なのですね。デフレマインドが復活すると…折角、起きている投資期待が萎みます。間延びするケースもありますね。この辺りの見極めがヘッジファンドもおそらく出来ないのでしょうね。だから飛びそうで、飛ばない展開が続き、イライラ感がどんどん蓄積されるのです。このイライラ感は溜まり、高まるほど爆発力が高まります。未来の相場のエネルギーなのです。分かるかな? だからカタルは、このモタツキは大歓迎です。一気にオルガスムスを達成させては面白くない。夜は長いのです。少し表現が卑猥かな…。この辺りの事を…、今日の日経新聞の3面で、「景気にまさかの下振れ」と滝田さんがコラムを書いているのですね。それでは、また明日。
投稿者 kataru : 12:38
2014年08月24日
相場の焦点
おかしな話ですね。ニュースを見ていると…内閣府は23日に「国民生活に関する世論調査」の結果を発表した…と、日経新聞やNHKでは述べています。カタルは報道の実態はどうかと…自分で内閣府のホームページに行きましたが…、情報が更新されていませんでした。23日は土曜日なので、月曜日に更新されるのでしょうか? それにしても怠慢ですね。基本的に、情報の公開は時間差を置かずに、公平に公開されるのが一般的です。この世論調査は、6月19日から7月6日にかけて行われたと報道されています。この中で1年前と比較した生活ぶりが向上したかどうか…を問う項目があり、6.0%の人が向上していると答え、昨年の調査より1.1%の上昇だそうです。一方、消費税の引き上げなどの影響もあるでしょうが、20.9%の人が、低下していると答えたと言います。此方は昨年より4.1%も悪化しています。この数字は、GDP統計とも一致しますね。
一方、黒田日銀総裁は「経済見通しを見直す必要はない」と述べ、「輸出回復に向かう」と述べた…と、WSJでは報道されています。最近は、米国経済の好調さから利上げ観測の前倒し報道が多く、為替がドル高気味に推移しています。この黒田総裁の発言を裏付けるような経済的現象もあります。小さな芽ですがソフトバンクはシャープ製の携帯電話を日米同時に売り出す…と、宣伝していますね。この携帯電話は日本で作られるのでしょう。携帯電話は、これまでは中国製が幅を利かせています。アップルの製品ですね。我が国の金融機関も、依然、外債投資を活発化させるでしょうから…基本的には円安方向に向かうから、このような小さな報道を合わせると、黒田発言は、的を外しているとは言えませんね。問題は自動車ですが…既にマツダまでもが、メキシコに新工場を建設しており、TPP交渉が、貿易収支に影響を与えるかどうか…分かりませんが、可能性としては海外投資一辺倒から、国内回帰に向かう動きは、一つの注目点でもあります。
一見株価に関係ないと思われるかもしれませんが…カタルは、ここでシャープの株価、マツダの株価、更にはアークの株価に、注目していることを示唆しているのですよ。上記の内閣府調査は、日銀の更なる追加緩和があるのかどうか…を示してもいるのですね。株価は微妙で、今はアベノミクスの真価が問われています。綱渡りが続いているのでしょう。3%の消費税の引き上げは、必要なのですが…。カタルは、1%ずつ、毎年、実行しろと述べていましたが…、安倍政権の選択は、3%の一気の引上げでしたね。この落ち込み分からのダメージが、やはり効いている様子が、今回のGDP統計です。しかし…今日の新聞に、正社員の残業増加が報じられていました。この報道は、経済は、順調に回復している様子を示しています。
既に建設需要は回復し、人材不足が指摘されるようになり、選別受注が進んでいます。以前、カタルは自治体の入札のやり直し報道を、何度かレポートにも載せましたね。採算に合わないから、自治体も大幅にコストを引き上げ、再入札を実施しています。ようやく建設業も、正常な名目成長パターンに入ったのですね。この背景から、鉄建などの銘柄が人気になっているのです。ゲームが買われている背景は、スマフォ人口の世界的な増加ですね。株が上がる背景が、必ず、ある訳です。世の中の動きをみていれば…狙う銘柄が見えてきます。
最近の注目点は、アベノミクスの成果です。非常に難しい踊り場にあります。カタルは安倍政権の選択は、満点ではないですが…歴代の政策担当者の選択に比べれば、天と地の違いは明白で、既に合格点の域に達しています。ここに来て、組閣を巡り自民党内の勢力争いが加速しています。石破幹事長の処遇を巡る動きですね。地方選挙では、石破氏が第一位でしたが、自民党内の勢力図で、安倍氏が総裁になった背景があります。先日、どうしても負けられない、滋賀県知事選で自民党は敗れました。通常は幹事長の責任です。しかし、この敗因分析をすれば…明らかに、集団的自衛権が、選挙の焦点になっていました。経済回復が言われますが…残念ながら、地価動向をみても分かるように、都市部だけの影響です。
そこで来年4月に行われる統一選挙に向け、安倍政権が、地方経済中心に予算のばら撒きが実行されます。消費税引き上げの布石と、景気対策を兼ねた政策ですね。ここで党内対立が深刻化すると…選挙や株価にも響きます。だから内閣改造に絡む問題も、株価に影響があるのです。異次元緩和の2段上げの相場に向け、着々と布石が打たれていますが…非常に脆い砂上の楼閣のようなイメージです。多くの人は、バンカメやゴールドマンサックなどへの制裁金の動きを軽視しています。ドイツ銀行も、パリバもそうですね。更には中国もそうなのです。黒田さんは、順調に世界経済が拡大していると言いますが…順調という見方には、疑問符が付きます。だからジョージ・ソロス・ファンドは、ヘッジも掛けているのです。あの報道は、あくまでも保険ですよ、
米国発で、ゲームの進攻からソニーが注目されてもいますが…、これはヘッジファンドの博打ですね。ソニーの経営者は、与えられた経営資源を有効活用していません。ですが…魅力はあるのですね。パナソニックは電池事業に力を入れ、三洋買収効果を活かそうとしています。明らかにROE経営に、目覚め始めています。重工は注目されますね。東レと共にMRJは、軌道に乗り始めます。IHIと重工は防衛産業としての一面も注目されてきました。次世代戦闘機の国産化は、試作機開発の予算が付いたようです。

ダラダラと事象を並べていますが…、秋風が感じられるようになり、新しい動きが出始めています。統計データを取っていると、その動きが感じられるのです。相場も、先日、カタルが指摘したように…、75日移動平均線が200日移動平均線を上回る変化日から、上昇し始めてきましたね。ただ、見た目ほど米国経済は強くないのですね。日本の2006年から2007年の動きに似ています。日銀は、あの時期にマネタリーベースを削ったのですね。なんと…前年比でマイナス状態まで、実質的に引き締めたのです。この事はあまり知られていませんが…。この事象と米国の金融危機が重なり…株価の急激な下落が始まったのです。カタルはサブプライムローンからCDSへの動きを、あの時は見逃していたのですが、マネタリーベースの動きを、もっと見て置けば…あの40億円の損失は、いくらか軽減していたかもしれないのです。

8月下旬は、非常に重要なのですよ。今日は、幾つかの現象について問題を提起し考えてみました。相場観とは…、このような時代的背景の動きから、練られていくのですね。「流動性の罠」から抜け出せるかどうか…。自民党が、何故、ノルマ問題を取り上げるか? 預貸率をみれば、銀行は銀行としての機能を成していないのです。ここまで…清貧思想を広めたのですね。だからカタルは「流動性の罠」に陥っている現状を作った、金融庁の検査姿勢を非難しているのです。この正常化を支えるのは「信用創造への信頼感の回復」と言う時代背景が、必要なのです。分かりますね。故に、カタルはケネディクスに執着とも言える闘志を、むき出しにしています。信用創造の復活は、株価を上げる原動力なのですね。さて、あなたは、どちらを選択するか? アベノミクスの成功から生まれる異次元緩和二段上げ、それともアベマゲドンから、生まれる失われた時代の継続か? 選択は、人、それぞれ自由ですね。
さて、そろそろテレビ観戦の時間です。今年は、母校の新潟明訓は予選敗退でしたが、新潟が準決勝まで残り、今年は、ずいぶん楽しませてもらいました。ありがとう。でも三重なんかに負けるなよ。頑張れ!日本文理。

投稿者 kataru : 10:59
2014年08月17日
失敗の研究
8月は戦争もの番組が増え…それなりに楽しめます。ヒットラーの生い立ちなどをみると面白いですね。日本では戦争の実体験者も減り、正確な情報も得られなくなっています。カタルが学生の頃、アルバイト先のおじいちゃんが、兵隊の戦争体験があると言うので、話を聞き出そうとすると、「思い出したくない」…と一蹴されました。先日、五木寛之のラジオ番組を聴いていると、彼も調べたことがあるらしいのですが…。やはり、多くの人は口をつむぐと言っていました。カタルが実際に戦争をして、戦地で略奪や暴行をはたらいたとしたら…やはり罪の意識から、決して他言はしないだろうと思います。戦闘状態は、ある種の狂った世界ですからね。人間は欲望に身を任せるのでしょう。
ドイツと日本の戦後のあり方を考えると…、日本は、やはり真摯に韓国や中国との争いに対応すべきなのでしょう。朝日新聞の報道がどうあろうと…隣国との関係改善を優先すべきでしょうね。メディアが世論を作る訳で、プロデューサーなどの製作担当者は、よく背景を考えるべきなのでしょう。貿易統計をみれば…明らかです。既に中国が米国を抜き去り、一番、日本と関係が深いのです。
失敗の研究は、重要ですね。最近、カタルは小型現物株から、貸借銘柄へボリュームのアップを図るべきだ…との相場のシナリオ予測をしていました。その中心銘柄が「アイフル」と「ケネディクス」です。しかし両銘柄とも、大きく育たず、夏枯れ相場に沈みました。
ケネディクスは業績好調から下落せずに堪えていますが、問題はアイフルですね。もともと消費者金融の発想は、最高裁の今井判事のやり過ぎの判例に反発したものです。確かに低金利なのに暴利を貪っていたので…制裁は当然です。新しい法令が施行された後なら仕方ないと思いますが…。過払いに対する金利を含め、新法令以前まで遡る判例は、法治国家として許されないと考えていました。話は違いますが、最高裁の今井判事はブルドックの裁判にも拘わっており、米国のスティール・パートナーズの株主権利を認めませんでした。彼らをグリーンメラーと決めつけ、同じ株主なのに、新株予約権の権利が与えられなかったのです。株主の差別を生んだのですね。このような事例が重なり、日本は村論理に傾いていると…カタルは述べているのですね。本来、法律は、皆に平等で公平であるべきです。
また話が逸れるから…この程度にして、この低金利下で消費者金融は、確実に利益を上げられるはずですが…おそらく貸し出しに対する金融庁規制があるのでしょう。過剰な多重者債務をなくすために…。故に、アイフルなどの貸出債権が減っているのでしょうね。おそらく、他の消費者金融も同じなのでしょう。それとも再建下にあるアイフルだけが特殊なのでしょうか…。アコムは微増ですが、ほぼ横ばいですね。プロミスは三井住友に吸収されましたからね。カタルの感覚は、やはり、やり過ぎだと思っていますね。
以前、カタルは、子供の学資を融資してもらおうと思い、国民金融公庫に行ったことがあります。その時は所得が低く、最低基準をクリアしてなかったために、貸し出しを断られました。その後、高額納税者になった時も、税金の手配などがあり、学費融資の申し込みに行ったら、今度は所得が多過ぎて…融資基準に外れると言う事で、やはり融資を断られました。その実体験から、カタルは日本と言う国の体制をつくづく考えさせられました。国民のロボット化なのですね。型破りの所得の上下は、この国では認められないのです。しかし米国では税金を多額に納めていると…7年前まで遡って、税金の還付を受けられる制度があるのだそうです。米国版なら敗者復活が可能ですね。この時にカタルは、結局、サラ金から800万円を借りて…国庫に納税したのです。予定納税をしているのですが…トホホ。何から何まで…この国では、与えられた枠組みから、はみ出さないように…規制が生まれているのですね。
何故、一見すると関係ない、こんな話を持ち出したかと言えば…アイフルの株価を考えるためです。金曜日には、前回550円処で、感じていたような意図的な売買が450円処で見られました。前場は450円の50万程度の売り物だったかな…が、意図的に出ており、後場は、この売り物を買い切り、100万程度の玉が450円で、売買が成立していましたね。もしカタルが…自民党筋に近いなら、この株価シナリオを採用しますね。本来なら決算数字からは見れば、離れるべきなのでしょうが…。何故、カタルを惹きつけるのでしょう。
カタルは、過払い請求の為の積立金を一番多く積んでいた武富士を、以前、推奨していた経過があります。その敵討ちでJトラストやアイフルを、一時期、推奨していました。世の中、短期の資金が必要なことは、良くある事ですね。しかし…銀行は厳格な融資姿勢でなかなか応じてくれません。そこで登場するのが、サラ金ですね。10日後に入金が確実にあるが、今は手形を決済する手段がないと言う…資金繰りの為の短期資金ですね。中小企業の親父さんなら、誰でもが経験している体験でしょう。いい加減に規制を緩和すべきでしょうね。貸し出し規制基準を緩和すればいいのです。

こう考えると…アイフルが一度、壁を取り払った株価経過も納得できます。もし下値ボックスの株価の壁を取り払ってなければ…、カタルをこんなに魅了しなかったでしょう。今日は失敗したと思われるアイフルを再考しています。やはり魅力ですね。なぜか?
それは…長期チャートにありますね。どう見ても…この長期チャートは、上昇途上のステップの一環に見えるのです。僕の考え方はこうですね。業績推移をみる時は、過去最高利益を基準に、現在、置かれた時代背景を考えます。だから時代背景に恵まれた時の過去最高株価は、一つの基準になります。そう考えると…やはりアイフルも、リベンジのシナリオが存在するのではないか…と考えているのです。やはり相場観としては、依然、注目は怠れないような気がしています。今日は失敗の研究でした。
小型現物株から、空売りが出来る貸借銘柄から人気株が生まれる筈と言うカタルの予想はやはり捨てきれませんね。

投稿者 kataru : 11:18
2014年08月10日
ケネディクスの決算
今月は義理があり、聖教新聞を取っているのですが、あまり読むところのない新聞ですが、なかなかカタルの視点とは、違う言葉使いが載っています。「平和とは人間性の開花」と言う今日の一面は、心惹かれました。「平和とは、絶望を希望に変える間断なき闘争である。人間への信頼を断じて手放さない不屈の根性である。…弱き善は、常に強き悪に敗れてきた。…その為には強き善、悪とは徹底して戦い、勝つ善の勢力と連帯を広げていく以外にはない」と書かれていました。
文中の端を折りましたが、人間性の開花なんて…言葉が洒落ていますね。強い悪には勝てないが、心を強くして人間性を信じて、悪に臨むのだそうです。人間は堕落の動物ですからね。きっと、広宣流布の事を述べているのでしょうが…、もう死んでいると思っていた池田会長は、まだ存命なのでしょうか? この辺りがインチキ臭くも感じます。だって元気な姿の写真掲載が多く、今日なんか1982年の写真が掲載されていますね。
8月は終戦記念日で、昨日の長崎の原爆の日のイベントで、集団的自衛権に抗議していましたね。NHKの戦争ものの特集番組等を見る機会が増え、侵略戦争に進んだ日本人の歴史を考えると、時代の流れと言うのは、面白いものです。確かに欧米の覇権主義と日本の侵略戦争は、紙一重です。「八紘一宇」なんて言葉も、素敵な響きを感じますものね。蒙古襲来の「かみかぜ」神話も、同じ響きです。やはり歴史は面白いですね。中国の文革時代と同じように、日本にも特高警察時代がありました。結局、基本的に貧乏をすると、心も疲弊するのでしょう。
さて昨日、日本の土地が収益還元法価格(借り入れを起こし不動産を買っても、その不動産からの収益が、金利を払っても充分に利益が上がる不動産価格の事)になっても、尚、厳格な減損会計を求めていると…金融庁批判を書きましたが、本日のWSJの記事によれば、その方針が一部緩和されたようです。赤字企業にも銀行の裁量権で融資が実行されつつあるようですね。でも、まだまだですね。三井住友クラスで20社程度と言いますし、三菱UFJは、昨年から赤字でも融資対象になったと言う段階らしいです。昨年、ケネディクスが公募増資を実施した理由が、このような金融界の背景を知れば…良く理解できます。
その厳しい減損会計を求める処理により、ダヴィンチの金子さんは、米国の金融危機の煽りを受け、二番底に沈む地価動向に消えたのです。この過酷な条件闘争にケネディクスは生き延びました。この残骸がレガシー・アセットです。でも「遺産」との表現はおかしいですね。この決算説明会で使われているレガシー・アセットは、含み損失を抱える資産の事を示します。説明会によると…今期(2014/12)で含み損失は、一掃されると言います。今期、計上分は46億円の予想です。さて、一般の人は分かり辛いマジックの一つです。今期の通期経常利益は、55億しかないのに…46億円もの含み損失の計上により利益が圧縮されます。
実際には、当然、含み利益の物件もありますから、同時に40億円の特別利益を計上し、6億の実質的な損失です。しかし来期からは、この利益圧縮をしたくても出来なくなります。手持ち不動産は、全て利益になります。これまでも、ケネディクスは2007年当時に仕入れた不動産を中心に、膨大な値下がり損を処理してきました。ざっと2008年には161億円、2009年には186億円、2010年は47億円。そうして2012年に124億円など大きなものを取り出しましたが…、きっちり、金融庁様の指導の下で、簿価を下げてきたのです。この減損処理が、未来の利益になります。

今度は含み利益ばかりですよ。だから、いくらでも数字が作れます。ケネディクスは私募債の組成を得意にしています。海外の石油王が300億、500億と…不動産を買いたいと言えば、ケネディクスに依頼します。そうするとケネディクスは、傘下にあるリートや私募債などの中から、適当な物件を選び、ファンドとして組成して渡します。この過程で様々なフィーを抜きます。アクイジションフィーは、不動産取得にかかる手数料です。アセットマネジメントフィーは、不動産の管理手数料ですね。インセンティブフィーは、予想を超えた収益に対する成功報酬、そうしてディスポジションフィーは、不動産の売却時の報酬です。他にもコンサルタント料など…兎に角、いろんな項目を並べ、10%程度を超える収益に対し、投資家から利益を搾取する仕組みなのです。

…と言う事は、ファンドが増えるたびに、利益が増大する収益構造になります。故に2003年から2007年に掛けて、利益が10倍にも、20倍にも膨らんだのです。今回は外資系の参入もありますが、行き場を失った地方銀行などの国債資金の受け皿になっています。イワシ民族は横並び意識が非常に強いのです。AUM(受託資産残高)の推移をみてください。…この説明会資料だけでは分かり辛いですが…、カタルは事前に調べてありますから…期間の長いAUMの変化を見てください。如何ですか? 2003年から2007年に掛け、実際に2010年まで資産を拡大させていますが…2007年から2010年に掛けて増えたAUMは、含み損失を抱えている場合もあるでしょう。この分がレガシー・アセットになります。

何故、年末年始にケネディクスの株価が急上昇するか?
本当に達成できるか疑わしくもありますが…予定では1兆2527億円から、この半年で一気に1473億円も、AUMを増やすと言います。既にブリッジファンドなどを通じて物件は手配してあります。昨年末から6月末に掛け、有利子負債残高が急増していますね。660億円から971億円に増えています。(この物件は未来への投資です。)ファンドやリートの上場に備え、事前に不動産の手当てをしています。残りの不動産は手持ちのAUMから調達するわけです。何故、カタルがこの受託資産残高の推移に拘るかと言えば…全ての利益の源泉は、此処から生まれます。AUMの1%程度は安定利益でしょう。これから空前のブームが来ると考えると…利益はAUMの5%程度まで膨らむ可能性は、充分にありますね。だから株価は10倍の可能性もあります。
実際にケネディクスが不動産を持っていなくても、持っているようなものなのです。三井不動や地所などは、自己資本により不動産開発をしています。多くは自社保有ですね。しかし…ケネディクスのリートなどは他人資本でも、自己資本と同じ効果があります。言葉の選択は悪いですが、リスクは他人が持ち、うまい汁は自分達が吸い上げる吸血鬼のようなものです。ユダヤ人が嫌われるのは、このような金融の仕組みに精通しているからです。このやり方をダヴィンチの金子さんは、米国で学び日本に導入しましたが…失敗したわけです。新興国が金融デリバティブ機能を利用し、発展したのも同じ仕組みです。中国をみれば分かります。適切なリスク管理をすれば、金融は大儲けが出来ます。
此処で不思議なのは…前回の説明会資料では、年内に介護リートの上場となっていましたが、今回の説明会資料には来年前半となっています。これで本当に、あと半年足らずで、1473億円も、AUMを増やす事が出来るのでしょうか? ここが疑問点ですね。ただここに来て、ようやくイワシ民族の本領発揮で…地銀などは挙ってリートや私募債ファンドの購入を、先を争って行っているようです。ようやく異次元緩和効果が、実社会に影響を与えています。このタイムラグが、日経平均株価の乖離調整になって表面化している訳です。だんだん難しくなって来ましたか? もし会社説明会の社長談話のように…ほんとにリートなどの上場なくして、あと半年で1473億円もAUMを増やせるなら、たいしたものです。株価は一気に超人気株になりますね。でも疑わしいと…カタルは思っています。
今回の説明会をみると、この介護リートや商業リートの上場は来年前半となっています。だから来年は一株利益が、含み損失処理も消えていますから、一気に利益が膨らみますね。今回の説明会で、社長はROEと自社株買いにも触れています。来年の何処かで…人気が沸騰しますね。ケネディクスの山場を、来春に観ているカタルの見方の裏付けです。簡単に解説しました。日本でこのような1兆円を大きく超える不動産の在庫を抱える会社はありませんから、「信用創造機能」復活の恩恵を一番、受ける会社になります。カタルは最低で、4桁から2000円を見込んでおり、環境次第で上場来高値更新の4000円台、更に「リートはPFI」とのイメージが、一般化すれば…株価は1万円だと述べています。だから株数勝負なのですね。
今の日本は、明治維新のイメージなのです。歴史的なパラダイムショックの時に、三菱のような新しい財閥は誕生します。ソフトバンクやファーストリテイリングは、その候補でもあります。僕らも一緒に、この恩恵にあやかりたいものです。
投稿者 kataru : 10:22
2014年08月03日
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J・TEC)
昨日は一緒にNY株安の事を、考えて頂きましたでしょうか? カタルの現在の考え方のヒントを昨日は述べましたが、結論らしきものは提示しませんでした。皆さんに一緒に考えて欲しかった…からです。確かに、金融緩和出口論を切っ掛けに、NY市場は本格的な調整場面を迎えるかもしれませんが、NYダウとSP500の2007年の違いをみて、カタルはナスダックが新高値を付けない限り、本格的な調整は始まらないと…現在は考えています。
先進国のスマート・シティー化を、相場が反映するのが自然だと考えています。2000年のITバブルは、その前兆だったのでしょう。ここで重要なのは、治験臨床データのように、現状は試行錯誤の手探りで非常に長い時間が掛かります。しかしスパコンなどの利用が進めば、一気に治験などを省くことが出来るようになるのでしょう。現在のオーダーメイド治療などは…その走りですね。医療分野だけでなく情報の活用により、人類は一気に進化を遂げることになります。今はその前段階ですね。ロボットの活用もそうです。だからナスダック市場がITバブル時の高値を抜くのは自然の流れ、その前に本格的な調整が起こるとは…少し無理があります。
もう一つの雇用統計と失業率のグラフですが…。日経新聞は2008年からのデータの掲載でした。これでは、前回のピークが見えませんね。金融危機は異常な現象だったのです。金融デリバティブの清算が出来ないと言う、金融システムそのものの破たんです。ポルトガルのエスピリト・サント銀行が、破たん危機にある問題とはスケールが全然、違いますね。世界中の決済システムの問題ですからね。今回はこの後始末からの正常化ですね。通常の正常化の基準が何処にあるか? 長いデータをみないと分かりません。本当はITバブル時ではなく、もっと長いデータをみた方が、より正しい判断が出来る筈です。
金融危機前のピークの失業率は、2003年6月の6.3%なのですね。大幅に改善しているとは言え、現状の6.2%は、やはりまだ高い水準失業率の位置です。賃金の上昇率が低いままなのも、分かる気がします。つまり本格的な調整を迎える山を付けた印象はないと言う事です。2000年のITバブルや2007年の金融危機前の高揚感は、今の米国にはありません。よって、単純な需給バランスの調整なのだろうと考えており、長くて2か月程度、通常は1か月程度の調整で、再び高値を目指すのでしょう。これがカタルの現在の考え方です。こんなものは何度も変わるのですが…現状ではそう考えています。
さてカタル銘柄のJ・TECの決算が発表されたので…これまであまり調べたことがなかったので、データを作成してみようと考えています。理由はようやく、期待される膝関節軟骨「ジャック」の収益化が見込まれるからです。会社説明会資料によれば、前期のジャックの売り上げは僅かに52百万円です。一方、人工皮膚のジェイスは、歩留まりが良くなり前期の売上は3億83百万円から8億1百万円と倍以上になりました。今期の会社予想はジェイスの売り上げが昨年の8億1百万円より減り7億円予想、一方、昨年52百万円しかなかったジャックの売り上げを、ジェイスを大きく上回る8億42百万円に設定しています。残念ながら1Qの決算短信にも会社説明会資料にもジェイスやジャックのセグメントコメントは見られず、1Qの部門別進捗率は分かりません。おそらく株価の反応が鈍いのは前期に比べ売り上げの伸び率が33.9%しか伸びておらず会社側予想を下回るとの読みが生まれた為かと思われます。

新工場の立ち上げもそうですが、新薬の立ち上がりも浸透率が当初は低いですからね。最初の1年や2年はなかなか軌道に乗らないものです。しかしジャックの受診機関は大幅に増える予定で急カーブの立ち上がりになっていくのでしょう。J・TECは今後角膜培養を手掛けており、再生医療の本命に違いなく、非常に期待されますね。何しろ会社側が、売り上げ予想を2倍に弾いているのです。ジャックの推移からみれば10億、20億、30億と言ううなぎ登りの売り上げ推移は容易に予想され、発行済み株式総数は現状では3681万株ですから、36億円の利益計上が出来ると一株利益は100円に乗りますね。
ジェイスの適用拡大も控えており、前回は一人20枚の規制が設けられていましたが、平成24年4月から40枚に広がりました。これから混合診療の拡大が実施されますから…おそらく利用患者は大きく増えるのでしょう。このような最先端医療の適用は当初、厳格な利用条件が定められていますが…だんだん適用が広がるものです。IPS細胞培養などの夢の人工臓器製造も絡み人気株の条件は揃っています。株式相場は赤字から黒字に転換する時に一番大きな変化率を示すのは経験則で実感しています。J・TECは、当面期待が続くカタル銘柄です。安い時に打診を入れて置き、いくらか揃えておくと良いのでしょう。早ければ今期黒字転換も期待できます。遅くても来期でしょうが…。

今回取得したデータの中で、このような研究開発型の赤字企業の目安として、利益余剰金推移は非常に重要になります。基本的には営業利益で、この利益余剰金のマイナスを埋めないと配当は出来ません。しかし他にも増資など色んなマジックで、一気に配当に進めることも出来ます。問題は本業で儲かるかどうかなのですが…。このグラフが一番会社の変化を捉えている様なので…一応、掲載しておきます。変化を感じ取れるはずです。毎年、赤字の垂れ流しから…明らかに変化が生まれていますね。
ジャックの適用範囲や受診機関の数の変化など…J・TECにはいくつかの見所があります。読む方も大変ですからね。いずれ又詳しく解説する事もあるでしょう。心配いりませんよ。J・TECは大幅高が期待できるカタル銘柄なのです。ここで注意ですが…確かにカタルは三菱化工機やNSWを推奨しましたが…カタル銘柄として推奨したわけではありませんね。カタル銘柄に類似すると言うだけの話です。こんな銘柄はこれまでも幾つも掲げていますが、現状のカタル銘柄はケネディクス、007、そうしてこのJ・TECの3銘柄だけです。誤解がないようにしてくださいね。J・TECは1万円に向けて…人工臓器製造の第一人者としての株価地位は動かないでしょう。
投稿者 kataru : 11:44