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2014年05月25日

サスティナブル成長率

今日はあまり時間がないので…簡単に済ませようと思っています。基本的に皆さんの一般認識は間違っていると…と言うカタルの経験をはなします。よく株式の教科書には良い会社の条件が色々と書かれています。好業績で財務内容も申し分がない会社が上がると思われていますが、これは間違いですね。一番株価が反応する時期は赤字から黒字に転換する時です。二番目は業績が良くなってきて復配をする時ですね。株式投資を試みる時期はこの二つに限定されます。勿論、日本のようにドラスティックな構造改革の時もあります。2003年5月のみずほの相場は10万円割れから100万円へ、10倍以上の変化をしています。当時はみずほの倒産が指摘されていました。カタルは10万円割れを安いと思い、買い進み苦労したものです。その前から買っていますからね。

同じような環境下なのに…2012年からの上昇はいくつかの点で相違点がありました。一つは仕掛け人の存在。海外金融の力がひどく弱っています。もう一つは自己資本増強から発行済み株式総数が大きく増えましたね。この辺りが…2003年の相場と今回は違う所でしょうが…需給バランスは、時間はかかりますが改善されるものです。三菱UFJの妥当株価をカタルは2000円と述べていますが、みずほも大きく上がる余地がありますから心配はいりません。今度は年間7円配当をするのですね。株価が200円で7円ですから、定期預金よりずっと良いですね。最近はあまり財務内容をみていないのですが優先株などの在庫がまだあるのかな?

話しは飛びましたね。そうです。良い内容の会社の株が上がる訳ではないのです。一つのポイントは変化率ですね。この会社が変化する時が株式投資のポイントなのですね。赤字から黒字に転換するのも、配当を再開するのも…大きな変化ですね。例えばソニーです。赤字に陥りリストラの最中で、変化するチャンスですから…投資家はその変化を狙いますが…この変化がV字型の回復なら良いのですが…カタルにはサッパリ、ソニーの良さが見えません。だから最近はどちらかと言えば批判的な表現が多いと思います。同じ赤字から黒字に転換し、収益を上げているケネディクスは間もなく復配をします。先ずは黒字を買った2012年4月の相場、そうしてステージアップして間もなくこの復配を買う相場に入ります。

J・TECは(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)は現在赤字ですが…売り上げが伸び始め、黒字が見えてきています。売り上げ規模が、倍々と…増える会社はなかなかありません。計画では平成28年に黒字化ですから2016年3月になります。しかし、前倒しで達成される可能性は非常に高いですね。内服薬とは違い手術の際に利用する人間の部品ですから…内服薬とは違い、上昇カーブは鈍いですが、確実に広がっていくでしょうし、何れ人工臓器の時代が来ますから夢もありますね。この会社は確実に黒字が見込めます。何しろヒアルロン酸注射など対外排泄されるばかりで効く訳がなく、人工関節に置き換えるのはかなり抵抗がありますからね。やはり自分の軟骨を培養し入れることを多くの患者は望むでしょう。つまり現在の人工関節患者6万5千人の内、30%程度はこのジャックを利用すると考えるのが妥当です。つまり約年間で2万人です。200万円の商品なので400億円程度の売り上げはピークに簡単に読めますね。現在の売り上げが20億ですからおよそ20倍です。カタルが1万円を目標としている株価は妥当でしょう。世の中の企業で、売り上げが倍々で推移する企業があったら教えてくださいね。赤字で見えない利益の内が華なのですね。潜在成長率はかなり高いのです。

もう一つのカタル銘柄のユビキタスこと007ですが…QBの存在は絶対ですね。IVIと呼ばれる車載情報機器は車に欠かせません。車はバッテリーで動いており常に待機状態で電源を流し続ける必要はないですね。エンジンをスタートして直ぐに立ち上がるコンピュータは必要です。おそらくここにSQLなどの技術も絡むと思うのですが…007の素晴らしさは…ユビキタス時代に特化している点で、何かヒットが出ると収益が一変します。既に始まっているかもしれないし…このワクワク感は残りますね。最新の開発に常に携わっている魅力は人々を惹きつけますね。「ソラテナ」などはお金になりませんが夢がありますよね。気象情報を農業に使ったり、007の遠隔操作技術はハイテク農業に応用できますからね。この魔女のような魅力はなかなか他の会社では持っていませんね。人間は未知のものに大きく惹かれるのです。カタルはすっかり「とりこ」なのです。

現時点で業績の裏付けがある訳ではなく、本来は買えませんが…この魅力に魅せられるのです。株で最も大切な要素は「潜在力」なのですね。サスティナブル成長率と言うのは株式評価に於いて最も大切なものです。要するに「子供」なのですよ。子供には無限の可能性があります。日立や重工のように完成された大人と違い、無限の可能性が存在するから、3000円も相場だし、5000円も1万円も相場のですね。時代がユビキタスに追い付き始め何処かで大きく変身する可能性を秘めているから…カタルは魅了されているのですね。勿論、眉唾かもしれない。でも騙されてみたいのです。そんな素敵な女性に…最近はあったことがありませんね。せめて株の世界で…出会ってみたい。その007は最近の動向は異常なのです。その動向を此方のグラフからみてください。カタルが開発した「σ出来高」の異常値は一体、何を暗示しているのでしょう。

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投稿者 kataru : 09:33

2014年05月18日

ケネディクスの決算をみて…

先ずは補足から…。007の決算の解説で見るものはないと述べましたが、目に見える成果がないからです。期待した村田のWiFiモジュールは、契約内容が個別数量ではなく総体契約なのかもしれません。昨日、カタルが契約と共に資本参加を述べたのは、村田型が正しいと思うからです。主要納入先に選ぶときに、資本参加も同時にしてもらえば、任天堂のように、簡単に契約を切られる可能性が減るからです。

一つ、この会社が眉唾ではないと言う支援材料に、前期に、開発で失敗したソフト資産の減損処理を行っています。パナソニックとソニーの違いを連想すると良いのでしょう。立て直しには、先ずは膿を出す事です。悪戯に利益を作るべきではありませんね。この辺りをみると、決算を発表したことで「あく抜け」している可能性も非常に高いですね。日産自動車は特損計上と共に、株価が上昇しました。二度も三度も計画を見直すソニーは、サラリーマン経営者の保身でしょう。まぁ、パナソニックは吸収した松電工の好調さが後押しになっていますが…。基本的に悪い面に堂々と向き合い、対処するのが正しい経営です。この点、ソニーは非常に危ういですね。既に手持ち資産を売却し始めているのです。

もう一つ、IVIの話ですが…。決算短信にQBの解説のところで、ルネサスエレクと共にフリースケールの社名が挙がっています。自動車用のマイコンの世界トップシェアはルネサスエレクですが、二番手がフリースケールなのです。これなら、世界で売られる大半の車のIVIに、QBの採用が決まったのではないかと推察しています。一方、アットマーク社の動向は非常に注目されます。車以外の分野に広がるからですね。カタルが007に惹かれた理由の一つは、QBの成長性です。世界の銀行で稼働するCD機、世界のオフィスビルで稼働するコピー機などへの応用は、充分に連想できるからです。

さて今日は「ケネディクス」です。何故、これほど市場評価が低いのか、理解に苦しむのですが…多くの市場参加者の勉強度が低いのでしょう。バックボーンは何度も解説していますが、日本経済は1997年に、一度、資産価格は底入れしたのです。低迷後、立ち上がり始めた2003年から2006年は順調でしたが、福井さんは急騰しはじめた不動産に対し、バブルの失敗に怯えたのでしょう。二度とバブルを発生させないと、2006年にマネタリベースを絞り始めました。マイナスまで転じていますね。此処に米国発の金融危機が重なったために、日本の資産価格(土地など)が二番底を入れたのですね。この揺り戻しで、倒産したと言うか上場廃止になったのがダヴィンチです。ケネディクスは伊藤忠などとの関係があり、辛うじて資産を疎開させることができ、金融庁の査定を逃れたのです。このような歴史的な背景を良く知ってないと、ケネディクスの正しい評価が出来ません。日本の土地はしばらく、上がることはあっても下がりません。追い風が5年から10年は続くのでしょう。現在は流動性の罠を抜け切っておらず、スタートがなだらかなのです。このような基本的な知識が必要です。

さてケネディクスの収益構造の話です。今回の決算説明会資料をみてください。4ページにアセットマネジメントフィー、アクイジションフィー、ディスポジションフィー、インセンティブフィーなどの解説がなされています。つまり、この意味は管理手数料も取るし、成功した場合は特別な利益も貰うと述べています。皆さんがオフィスリートを買ったとしましょう。利回りは4%だとしますね。地価が上がりリートが持っているオフィスビルが20%値上がりし売却したとすると…10%程度はファンドへ利益還元されますが、超過分はケネディクスが搾取するような仕組みになっています。この残高、受託資産残高は(AUM)1兆2710億円あります。現在、日本の地価は底値から、およそ2割から3割程度上昇し、高止まりしているのでしょう。金融庁が厳格な査定を強要したので減損処理がなされています。

昨年末、ケネディクスは含み損失が、およそ71億円あると発表しています。含み利益は41億となっていましたね。1Qでは27億61百万円の特別利益と共に、945百万円の特別損失を計上しています。つまり71億円の内、10億円が消えたのでしょう。おそらく今期中に、この含み損失は消えると思われます。故に通期の予想を引き上げなかったのでしょう。でもおそらく、このペースで行くのでしょう。だから30億円の4倍と評価するのが普通でしょうね。120億です。つまり最終的な一株利益は45円前後なのでしょう。この数字は余裕を持って達成できるのでしょう。だって1兆2710億円もありますからね。

厳格な見方では、アセットマネジメントフィー66億円と、総資産規模2033億円の運用利益10%の203億円を合わせた269億円を、基に利益を計算すると、実効税率を40%として161億が純利益ですから…一株利益が約60円ですね。この10倍程度がケネディクスの現在の妥当な株価水準とも言えます。つまり600円です。しかし現状の地価は上がり続けており、ここ数年はウハウハ状態になる筈ですね。異次元緩和の効果が時間を追うごとに増します。「流動性の罠」から日本経済が抜け出すからですね。この流動性の罠の意味を、良く調べなくてはなりません。長い間、日本はバブル期の清算と、構造改革を同時進行させてきました。これが失われた時代の正体です。後半は竹中改革により清貧思想が生まれました。過剰な恐怖心が蔓延しましたね。だから経済が過剰に委縮しました。この氷河期が包括的な金融政策の採用で緩み、異次元緩和で融け始めています。だからソフトバンクの孫社長が、自らの個人資金で銀座中央通のティファニービルを買ったのです。

つまり一株利益60円の妥当評価は、現在の経済情勢ではPER30倍で1800円程度が正しい経済評価なのでしょう。福井さんがバブルの幻想に怯え、行った引き締めと米国の金融危機が日本の経済に2番底を迫ったのです。その為にダヴィンチは市場から消え、ケネディクスも倒産の危機に陥りました。しかし今の財務状況をみてください。自己資本比率は36.6%で、少数株主分をひいて745億43百万円ですが、有利子負債は1099億28百万円ありますが、ノンリコースが699億7百万もありますから…実質の負担は400億21百万円です。現預金は180億円もありますね。どう見ても健全ですね。ノンリコースの現実を考えれば、一部でアベマゲドンリスクから、資産価格の下落の幻想に怯え、間違った一株利益評価の10円を基に、PER10倍説の株価100円が、あり得ない幻想だと言う事が分かります。

実際に利益を計上してから、相場を立ち上げても仕手化しませんが、今なら一株利益10円との認識を持つ人が居るから、株価は仕手化し、空売りが高値で僕らの売る玉を買ってくれる可能性があるのですね。今、4ケタの株価実現から、2000円、3000円と持って行くと…一大仕手戦相場になりますね。これが「1300兆円の逆襲」の一部です。日本の土地が上がり続け、政策次第で1兆2710億円のAUMは、2000億円も、3000億円も利益を生む卵なのですね。だから株価1万円は妥当な評価とも言えます。後は仕掛け人の実力次第ですよ。ヘッジファンドが、この勝機を見逃す筈がありませんね。故に最近は、1tickあたりの売買高が増えているのです。ステートストリートが500円台で買った評価は、正しかったのだと思いますよ。でも現実はカタルと同じ間違いを彼らも冒しました。

今期の一株利益は45円前後なのでしょが…間もなく減損処理する物件がなくなります。そうすると利益の調整が出来なくなり、一気に100円台の利益計上になりますね。その事は既に確定しています。よく2003年からの利益変化をみておくと良いのです。2003年の利益は8億71百万、04年16億33百万、05年47億57百万、06年90億15百万、2007年には146億62百万と膨らみ続けています。一株利益12円が36円、91円、158円、248円と…大きく伸びるマジックは、これから始まります。全ての利益の源は、AUM残高推移にあるのです。

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投稿者 kataru : 10:16

2014年05月11日

J・TECの決算をみて…

どんな世界もスターが誕生しないと、場が盛り上がりませんね。株式市場にもスターが望まれますが…、少し株価が上がると、直ぐに規制を掛ける清貧思想は、人間心理を委縮させます。記録が掛かれば、最後まで投げさせるのが監督で、一本打たれ、記憶が断たれると交代させるテキサス・レンジャーズのロン・ワトソン監督の采配には人情を感じています。昨年も同じような場面がありました。一方、理研は小保方さんの再審査は止めになり関係者の処分に動くとか…。これだけ世間を騒がせたので、懲戒解雇は仕方ないのでしょうが…、どうも納得できません。医学界と同じで、おそらく研究者の世界も様々な業界の「しきたり」があるのでしょう。何故、完全でない論文を発表したのか? ここに問題があると思っています。通常、対外発表は、組織のチェク機能が働くはずです。トヨタが不良製品の車を、世に送り出しませんね。何度もの試験を経てから製品として販売されますからね。やはり理研と言う組織に、なんらかの問題があるのでしょう。

そう考えていたら、9日の日経夕刊に「特定国立研究開発法人」に関する法案の今国会提出の断念との記事が載っていました。なるほど…これだな。と、勘ぐりました。この法案を後押しするために、なんらかの成果が欲しく、課員に暗黙のノルマ意識が掛かり、功を焦ったのでしょう。カタルの推測ですが…この推測は充分に考えられます。可哀そうに…また若い才能が…、これでまた海外に流れるのでしょう。

新日鉄が最高益だそうですが、あれは2006年前後の話しでしょう。当時はライブドアがフジテレビの買収に動き、その資金元が海外資本でした。ソフトバンクがボーダフォンから日本法人を買収した資金も、海外金融に頼っていましたからね。当時、新日鉄の三村さんは買収の影に怯え、一旦解消したのにも拘らず、再び、銀行筋との株式の保ち合いに動きます。トップの誤りは甘く許され、下っ端は切られるのでしょう。日本と言う国は上に甘く、出る杭を打つ習性がありますからね。できれば山中教授の所へ、彼女を迎えてあげることが出来ないのかな…。同じ業界だから、やはり日本では無理かな…。

さて今日はお約束通り、J・TECの決算を見てのカタルの感想です。この会社の焦点は、二つの製品の伸びが…どの程度か? 一つは火傷を負った人工皮膚への需要です。この市場は限定的ですね。しかも皮膚の培養に3週間もかかります。だから火傷により生死を彷徨っている患者に、応用しようとしても直ぐに効果を発揮することは出来ず、皮膚細胞を培養している最中に、患者が死亡するケースもあり、きっと無駄も多いことは容易に想像が出来ます。人工皮膚(ジェイス)の薬価は314000円ですが、厳しい適用基準があり、収益を期待するのは無理がありましたが、それでもかなり伸びています。

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カタルが期待するのは、ひざ軟骨の(ジャック)です。昨年4月から薬価収載されました。こちらのネックは、リハビリ施設が必要なために条件に合う病院が限られることでしょう。それに加え医師の研修が義務付けられているようであり、条件も厳しいですね。その為に新聞を読むと、現状は全国160か所の適性病院の内、現在は80程度の適用と、報道(3月頃の話)されていました。この報道は日経産業新聞のものです。この記事のなかで膝関節の市場規模が数百億円となっていました。これと富士フイルムがワラントを引き受けた行使価格が38万円との発表をみて…株価366000円の時点で、2012年秋の7万円台からの、再度のカタル推奨になりました。38万円ですから、親会社が過半数を握る為に、今の株価では1900円の価値があると、みた訳でしょう。我々は現在、それより安く株主になる事が出来ます。

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この記事通りの市場規模なら、確実に株価は、この水準から10倍程度になるでしょう。理由を述べますね。現在、J・TECは愛知県蒲郡市にある生産施設の空きスペースに新たな設備を5億円程度かけて新設していると言います。この設備で年間5千個の膝関節が培養できると言います。5千個で薬価が208万円ですから、売り上げ規模は104億円になりますね。ここで、この会社の損益分岐点を探ってみましょう。業績推移をみると、およそ20億円だと言うのが分かります。原材料費は微々たるものでしょう。つまり100億円の売り上げに対し、諸経費と固定費込みで30億円として70億円の粗利です。税金等で40%が引かれ、最終利益が60%としたら42億円ですから、一株利益は114円ですね。年間適用患者5000人が正しい数字かどうか…。人工関節に置き換えている患者数は、年間6万5千人規模だと言います。この数字より最終的には多くなると感がるのが、一般常識に見えます。早晩、培養施設の増築は決定的なのでしょう。日経産業新聞の観測記事である数百億円規模の市場だと言う推測を、カタルは支持しています。仮に500億円だとすると売上最終利益率が40%程度と過小評価すると…利益が200億円ですから、一株利益は543円ですね。やはり株価は1万円前後まで…最大評価はあるのでしょう。

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此処に夢である細胞培養の工場に変身する想像は、容易に成り立ちます。富士フイルムが開発したIPS細胞の培養経費を1/10にする技術ですね。つまりJ・TECは世界の臓器製造工場に変身する可能性を秘めています。あの記事をみて、カタルは台湾のTSMCを連想したのです。TSMCはキルビー特許を保有するテキサス・インスツルメンツなどから、半導体の生産を受託生産する会社です。基本的な設計は親会社がして、その指示通りに半導体を造る会社です。IPS細胞などで臓器を作る基本技術は、各大学や研究機関が行い、J・TECはその製造を行う。臓器の製造受託会社のイメージです。親会社のフイルムの会社風土から見て、この発想は充分に成り立ちます。世界の臓器製造会社のハシリですね。カタルはフイルムからの技術移転を見て、直ぐにこの発想を思いつきました。果たしてここまで発展するかどうか…。ホラ、魅力的に思えて来たでしょう。単なるひざ軟骨だけではないと言う「夢」が生まれました。勿論、ひざ軟骨だけでも、世界に向けて飛び出れば株価価値は大きくなります。ただ当面は3000円から新高値を目指す辺りが目処になるのでしょう。後は業績推移を追うことになります。

目先の予想ですね。カタルは売り上げが倍々のペースで増える構想を、支持しています。今期予想の21億円はジェイスの8億円プラスαとジャックの売り上げですね。昨年4月に薬価収載になりましたが、実際は整形外科医の研修などの手間が掛かり、実稼働していません。故に売り上げが52百万円なのでしょう。10億円の売り上げと言う事は、症例数は500件です。研修医が3月時点で80人ですから、一人あたり6.25件になります。2か月で1件の手術になりますね。この研修は進んでおり、今年は160人規模になります。つまり来年はこの160人体制でフル稼働になっていきますね。一か月に1件以上はこなすでしょう。だから2016年も売り上げが倍増以上の40億円以上になるのでしょう。この数字が見えるのが、今年後半以降ですね。

このワクワク感が増幅するイメージが理解できますか? 今までは決算発表の時に、数字の推進力がなく、株価にインパクトがなかったのですが、今度は株価が高値になった所に、実際の数字が株価を支援しますね。だから高値を買う投資家が増えてきます。おそらく来年は公募増資をして、また新規施設の増築でしょう。更に時代の流れが追い付き、IPSの実用化が早まれば、臓器受託製造会社の地位を確保するかもしれません。なんだか、株価が1万円になっても、また買いたくなるような心境になりますね。あとは自分自身で判断する事です。株式投資はあくまでの自己責任であり自己判断なのです。カタルは最初から全力投球はしません。株式市場は経験上、何が起こるか分からないからですね。だから最初は最低投資単位の100株でも、500株でも、1000株でも、投資家それぞれの器の範囲で、無理がない程度の打診買いをしておくことでしょう。やがて数字の裏付けが取れるようになれば、また買えばいいのです。当面は買い場が続くのでしょう。ただ人気が沸騰し、ストップ高になるようなら…持ち株を外すリスクオフは常識ですね。株式投資で難しいのは、銘柄を当てることではなく、自分の力量を自らが知り、自己制御できるかどうかなのでしょう。

投稿者 kataru : 12:07

2014年05月06日

時間軸のズレ

最近のニュースの中で注目されるのは世界銀行が発表した2011年における購買力平価をベースにすると、中国が2014年にはGDPで米国を抜き世界一になるというものです。この見方では既に日本はインドに抜かれ第4位だと言います。

確かに…米国の自動車販売の2013年は1560万台で、中国は2198万台ですからね。中国での日本車販売のシェアは16.4%で、ドイツの18.8%に負けています。日産は126万台でトヨタが91万台、早くに中国進出を果たしたホンダは75万台です。中国政府は大気汚染の観点からHV化に乗り出しておりトヨタの巻き返しがこれから注目されます。ただ現状はマツダも健闘していますね。マツダが投入したSUVは好調で4月の販売は19%増の1万4694台だとか…累計の1―4月期も21.1%増の6万9722台だったそうです。驚いたのは2013年度の日本からの輸出台数はマツダがトヨタに次いで第二位なのですね。表を掲げておきましょう。これも官僚様の天下り団体で、一般社団法人日本自動車工業会の数字です。

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マツダはフォードと提携し中国進出を果たしましたが、フォードとの提携を解消し独立しています。カタルがマツダに熱を入れたのは2010年春の話です。しかし結局、相場になったのは2012年の異次元緩和で円安に転換した時でしたね。結局、この銘柄はカタルが注目してから、2年半も低迷期を過ごしたのです。このタイムラグさえ解消されれば…どんなにお金持ちになれるのでしょう。ケネディクスの読み違いから、最近は日揮を連想し、その時間と言う概念の考え方を捉えようとしています。マツダは2年半も離れており完全に敗北です。カタルがあの時に注目したのは…この中国販売でしたね。ところがフォードとの提携解消から工場の移転と言う時間的な空白が生じました。更にマツダは資金がなくリストラに追われていたので海外展開を他社のように追随できなかったのですね。スバルも同じ環境下にありました。だから今回の異次元緩和での恩恵度が他社に比べ高かったのです。この輸出自動車の推移をみてもご理解いただけると思います。今度はマツダは儲かっていますから、メキシコに新工場を建設しましたから輸出は減るでしょう。

ただTPPの行方から関税が撤廃され、日本政府の動きは鈍いですね。メーカーの動きとチグハグに見えます。今、やることは加工食品の輸出でしょう。日清食品は既に大きく評価されており高値圏です。味の素は上昇途上のようで、ニチレイが一番、出遅れているかな? カタルは何度か述べていますが、日本の食文化と冷凍技術の進化が、新しい時代を築くと考えています。最近の冷凍技術は素晴らしく、正月のおせち料理などは3カ月以上前から製造するとか…。賞味期限が3か月から6か月、1年もあれば食文化を輸出できますね。問題は販路の拡大と流通網の整備です。カタルが味の素の役員なら確実に、日本のおせちのような食文化を海外に輸出します。おせちはパティー食材に最適ですね。最近、日清食品の『ごろっと…グラノーラ』を食べたのですが…昔と違いシリアルも進化し美味しくなりましたね。日清食品の株価が上がる訳です。

先日、ダルビッシュのレポート番組を見たのです。彼はプロらしく食事制限をしており栄養面の視点からしか食べ物を見てないのです。良くSF番組でカプセルだけ飲んで必要なエネルギーを補う場面があります。サプリメントが進化するとそうなるかもしれません。昨日のWBSでは「ロコモ」を採り上げていました。運動能力の低下によって介護が必要になるリスクの高い状態を「ロコモティブシンドローム」と言うのだそうですが、医療費の増加から国は確実の予防対策をしてきますからね。だから日本人の食文化も変化する可能性があります。ダルビッシュはスポーツ選手なので特別かもしれませんが…健康志向の高まりは日本人の性格からいって大きく伸びる分野でしょう。

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さてテクニカル分析ですね。冒頭に登場させたマツダです。カタルが営業マン時代の2010年春に取り上げた銘柄です。マツダは昔から仕手性がある銘柄で、カタル好みの動きをします。2010年、たぶん米国の金融危機で落ち込んだ自動車販売の反動が訪れると考えていたのです。そうして中国販売の伸びを見込んで2010年春に推奨を始めたのです。しかし実際の株価上昇は、それから2年半後の日銀の異次元緩和の実施からでした。2010年の春の段階では、既にマツダに株価上昇の素質は備わっていたのです。ただその後、フォードとの中国展開のゴタゴタがあり、米国の金融危機の立ち上がりと為替がマッチしませんでした。株価上昇の切っ掛けは、為替の推移でしたね。

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この銘柄も昨日の日揮と同様に業績推移とカタルの独自チャートを掲載しておきましょう。
基本的に業績面から見て分かるように…、一度、黒転し始めて再び落とされていますね。二段下げのパターンです。実はこのケースはよくあるのです。007もこの口かも知れません。カタルの読みが時間的にずれるのです。でも、本当に2010年の段階で可能性はあったのですね。日銀の政策やフォードとのゴタゴタが影響し時間軸が伸びたのでしょう。結果論は誰にでも言えます。やはり未来予測は難しいですね。でもたかが2年や3年の違いです。バフェットの投資期間軸は非常に長いですね。でも彼はいつも底値を拾っています。確かに底這いする期間はありますが、買ってからカタルのように半値になることはないようですね。

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投稿者 kataru : 10:34

2014年05月05日

証券マンの資質

今日はテクニカル分析の前に、二つの日経新聞の記事の解説を…。一つは18面の景気指標の解説で、お金の面から企業が海外投資を優先させている一面が描かれています。昨日の大塚さんのレポートは3流域と批判しましたが、今日の滝田さんのこの着眼点は、良い記事でしたね。この裏に、たくさんのヒントがあります。皆さんは、そのヒントが新聞を読んで感じましたか?

ここでヒントです。この記事と合わせて…3面の『「高齢」設備、成長の足かせ』を読むと時代を感じることが出来ますね。とくに松尾さんのレポートの中で、黒田日銀総裁の「需給ギャップは、ほとんどゼロに近い」とのコメントを紹介しています。実は近年、我が国の石油コンビナートなどで、事故が多発しており、原因の一つが老朽化なのですね。死亡者も出ています。メンテナンスを繰り返し、使い続けるのも限度があります。

さて証券マンの人は、カタルがこの二つの事象から、真っ先に恩恵を受ける銘柄を思いついたのが、何か分かるでしょうか? 証券マンは、先ずは新聞や雑誌、テレビのニュースなどから時代の流れを感じることです。そうしてその流れの中で、一番、恩恵を受ける銘柄を選択しなくてはなりません。問題は、関連銘柄は幾つも上がってきます。何を選ぶかですね。これが「キャリア」なのでしょう。

カタルは「三菱化工機」6331を連想しています。現状は赤字で、株価は低迷していますからね。この水準から株を集めれば確実に儲かります。年金基金の運用担当者向きの銘柄です。保守的な投資家にも向いていますね。ただ化工機は大型株の部類で、個人向きではありません。だからカタルは、別の視点で○○製作所を選ぶかもしれませんね。今日は証券マンの人なら、常識程度の知識を持っているかどうかの話しなのです。自分の給料に見合う仕事をして下さいね。まさか管理職の人で、カタルの問題が理解できないレベルの人は居ませんよね。もし居るとしたら、もっと勉強しないとなりません。

このように、一つの記事から発想はどんどん広がります。問題はカタルがいつも述べている清貧思想の広がりで、ここから原発廃止論が生まれ割高な電力料金になっています。雇用制度の混迷も同じですね。経営者は常識的な選択をします。だから海外投資が増え、国内投資が減っているのです。滝田さんの記事は、2009年から2010年の円高の環境下で日本政府は対策を足らずに、自然に任せました。日産自動車のマーチの生産移転が代表的な事例なのですね。その事を資金面で解説しているに過ぎません。でも未来予測は此処に書かれていませんね。基本的にメディアがこのような記事を報じると言う事は、時代の流れが、反転する兆しなのです。だから三菱化工機を買えばいいのですよ。

他にも事例を示しましょうか…。2012年10月8日に、山中教授がIPS細胞の研究でノーベル賞の受賞が決まりました。しかしバイオ関連株は当時、まったく動きませんでしたね。ナノキャリアなどは…実に魅力的な会社です。それにも拘わらず、年々も低迷していました。プロが狙っていたところに、話題と量的緩和の二つの流れが生まれ、ナノキャリアは相場になりました。時代が選別される銘柄を決めているのです。市場原理主義では、お金は限られるもので…そのお金は高利回りに流れるのです。日本国債よりイタリア国債へ、だから利回りギャップが、埋まりました。乖離が生じているときは、当然、リスクが存在します。だからギャップが生まれますね。1300兆円の逆襲は、1989年から25年も土地が下げ続け、その間、世界は成長を続け、米国の不動産も中国の不動産も上げ続けて来たのです。このギャップが拡大し続けていることは、容易に想像がつきます。だってダヴィンチは1997年に創設されたのです。そこから17年も経っています。おかしいですね。ケネディクスの株が上がる筈です。

金融取引の基本は、時代を感じ、ギャップを探す事です。老朽化する生産設備で死亡事故が日本で起きている現象は、きっと限界点に来ていますね。経済産業省のレポートで、平成25年3月に産業構造審議会保安分科会が、「産業事故の撲滅に向けて…」のレポートを出しています。これを読むと、平成13年から平成22年までに化学工業と石油精製等において11件の事故が発生し、2名が死亡しているとなっています。原因に人的な要因もありますが、設備が老朽化していることも事実です。改善ばかりを繰り返していると、だんだんと、こんがらがってきます。

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さて、問題はテクニカルです。株式教室で使ったグラフを、もう少し手を加え見やすくしました。問題も1年も、あの時は待たされたのです。何故でしょうね。実際の企業業績の推移を掲げておきましょう。企業は、きっと最初は損失を隠そうと努力するのですね。ソニーが儲かる資産を売却している構図と似ています。何とかして黒字を演出しようとしていますね。パナソニックはテレビの損失を認め、一気に膿を出したのにソニーの対応は違いました。そうして黒字化した後も、内部に溜まった負の遺産を整理するのに、1年から2年程度はかかるのでしょう。此処にマジックがあります。JVCケンウッドは一旦黒字転換したのに…再び赤字転落ですね。

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あまり色んな事例を出すと頭が混沌としますから、ケネディクスにしましょう。ケネディクスの今期の一株利益は、2006年から2007年に掛け高値掴みで取得した不動産の損失を抱き合わせで売却して、利益を調整していますね。いつまでも含み損失を抱える物件は続きませんね。おそらく今期には、なくなるのでしょう。このタガは黒田日銀緩和のスピード感に大きな影響を受けます。しかし仮にスピードが上がらなくても、異次元緩和の継続から不動産開発投資は、容積率緩和の追い風もあり進みます。オリンピックもあります。問題は「変化率」なのです。

ここで「1300兆円の逆襲」が登場します。非常に魅力的です。欧州危機時に野村の仕事が出来る社員は、イタリア国債投資を進言しましたが、役員に一蹴されました。その社員は辞めて、外資に移ったそうですが…野村も当時は、自己資本比率の関係で苦しかったので、仕方がないかも知れませんが、サムライが居なくなりましたね。でも今の日本の不動産は、当時のイタリア国債に似ています。2年程度、待てばいいのです。この1300兆円の損失がなければ、ケネディクスの変化率は知れており、カタルは惹かれなかったでしょうね。ダヴィンチの金子さんの弔い合戦です。武富士の弔いでJトラストを掲げておきながら…熱を入れませんでした。ついでにケネディクスの最近の5AB率の変化も見ておきましょう。あとは出来高の増加を待つだけなのでしょう。

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投稿者 kataru : 12:33

2014年05月04日

異次元緩和の効果

今日の日経新聞は「追加緩和に足かせ」となっていますね。大塚さんの発想は実に貧困ですね。この程度のレポートはレベルが低く見えます。例えば…日銀の当座預金には、2010年10月の包括的金融政策採用時の残高は17兆円でしたが、黒田さんの異次元緩和の実施で、それまで40兆円程度だったものが、毎月、大幅に増え続けています。2014年4月現在で、当座預金残には128兆円の資金が眠り、これに0.1%の付利金利が付いています。これを撤廃すると、銀行は市中での運用を余儀なくされると思いますが…どうでしょう。他にもETFの買い入れ増額など…日銀は国債買い入れ以外でも、何でも出来るのです。カタルは以前、述べたメザニンローンの投入構想を述べたことがあります。100兆円規模のファンドで、スマート都市のモデル建設ですね。エクイティーは無理ですがメザニンなら…常識が通るでしょう。黒田さんが物価目標だけに「拘り」を抱いているように見えるので、金融関係者は不安を感じ、海外のヘッジファンドは、スタグフレーションを懸念するわけです。アベマゲドンの主要論です。

現状は官が民を食べている姿が、垣間に観られます。日本は民間の活性力を無視していますね。誰が書いた小説だったか…。官僚が国家の戦略を練って予算を決めていく姿に憧れ、多くの人間が正義感に燃え、官僚組織を築いていきましたが、いつしか弊害の素に成り下がりました。僕の知り合いに高級官僚が一人おり、彼は地方政府に出向く期間がありました。この時期に人脈が形成されるので、官僚出身の政治家が誕生するのでしょう。毎年、多くのお中元やお歳暮が彼の元に届いていました。(官官接待)その理由は、中央に戻ると地方の予算を左右する立場になるからですね。よく国家予算を貰いに地方から、政治家に陳情に行きます。ついでに過去出向してきた官僚にも、根回しをしますね。所詮、最後の裁量は、人間が決めるのです。

関連団体もみんな同じ仕組みです。民間企業に協賛金を求め、○○協会とか作りますね。今では資格を持たないと仕事も出来ません。昔は国家資格なんか…必要なかったのです。でも今は、資格基準が、どの業界にもあります。この制度を維持する事で、何人かの役人様が食えるようになります。ユニセフの理事長に、元日銀総裁の澄田さんが長く居られたので、僕はあの団体に、一度、10万円を寄付したことがありましたが、翌年から寄付先を変えました。澄田さんはバブルを創った罪悪人ですからね。僕の寄付金が、彼の給料になると思うと…反吐が出ます。

韓国の修学旅行の生徒が多く亡くなり、船長の過失が問われています。澄田さんに悪意はなかったのでしょうが…あの金融政策の結果、日本はバブルを抱え、その後処理の影響から25年近くも沈んでいます。もう多くの失政した罪悪人は亡くなっているので…、一度、過去を検証し、間違いを正した方が良いと思います。当然、要因は一つだけではありません。でも現場で生活し、考え続けたおかげで、誰が悪いのか? 色んなことを考えるようになりましたね。人間の根性が曲がりましたね。こんな経験はしたくなかったのです。カタルは、良く単純平均株価を話題にします。僕が上京した時は1579円だったのです。今の単純平均株価は283円です。デフレ社会の現実ですね。カタルが上京してから、一度も、上昇波動に移ったことがありません。2006年の時は、579円だったのです。その前は1999年7月のITバブル時の724円ですね。その前は1996年4月の991円です。たまにチャートを載せないと…認識がぶれるので、再び掲げておきます。

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時代に責任を転嫁するのは、負け組のやることですが…ようやく、日本は転換期に入ったと思っています。異次元緩和は間違いなく効きますね。地方銀行はリートを買い始めています。一度、具合的な資金移動の動きを数字で捉えないとなりませんね。残念ながら日銀のデータも金融庁のデータも調べましたが、良いものが見つかりませんでした。そこで先ほど批判した一般社団法人不動産証券化協会の出している資料から、抜粋すると今の金融界の構図が見えるので、こちらを代用します。資料の元は此方から…

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グラフは二つですね。解説するまでもありませんが、国債を売り不動産投信を買うと緑のスプレッドが得られます。0.6%で運用する彼らにとって、この3%の違いは大きいのです。ここに国債を売った地方銀行の資金の何割かが流れますから、当然、その需要を賄うために、リートの運営会社は物件の開発をします。底地を買って建物を造ったり、全体の建設需要が膨らむ訳です。需給関係が長いデフレ低迷で、固く引き締まっているので、僅かな量でも、市場全体に大きな影響を与えます。これが、カタルが述べている1300兆円の逆襲です。バブル期より非常に長い時間をかけて、大幅な地価下落が定着していたのです。

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カタルが述べているダヴィンチの創設が1997年ですから、この時分に不動産の投資に対し採算利回りが均等化したのでしょう。つまり調達した金利で、そのお金を不動産に投じると、収益が得られる状態になったわけです。ところが…カタルがよく批判する日銀のマネタリベースを絞る金融政策(2006年)や、厳格な金融庁の融資先査定が原因で、ダヴィンチが上場廃止に追い込まれた行動が、「行き過ぎ」だとカタルは言っているのです。日本の出口戦略を遅らせた、原因の一つです。利回り採算に合い、いつか借入返済が出来る取引を、米国発の金融危機と言う一時的な原因なのに、厳格な減損会計を強いた行動が、日本を更に叩いたのですね。それを証明するデータがありましたから、そのグラフを見てください。

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確かに金融庁様の主張のように、トータルリターンはマイナスなのです。このグラフでは2009年3月がボトムになっていますね。当たり前ですね。世界中の金融機関が持ち高の圧縮に動き、資産を絞りキャッシュに変えたのです。この最後の叩きが反動に繋がると考えているのです。1300兆円の逆襲ですね。実に25年ぶりの反転です。おそらく「流動性の罠」と言う理屈が働ない世界が長く続いたので、その修正期間は相当長く、目指す山の頂上は、非常に高いと考えています。富士山も超えてエベレストかな? だって世界は、1989年の時点から成長を続け、日本だけが…東西冷戦崩壊の後遺症に苦しみ、1997年に実質的に正常化になったのに…。尚且つ、その後も清貧思想を強いられたのです。理屈上、相当規模の復元力が、生まれると考えていますね。東北の大震災規模ですね。何百年に一度の噴火するマグマが、水面下に貯まっているのでしょう。300円のケネディクスが1万円になる仕組みは、いろんな点からも推察できるわけです。

カタルは政策には、裁量が必要だと述べているのです。ライブドアの堀江さんやダヴィンチの金子さんらは雪山をラッセルする先駆者です。ソフトバンクの孫さんやファーストリテイリングの柳内さんなども、そうですね。彼らの背中を見て多くの人が追随するのです。多少のやんちゃぶりを、許容できる社会構造が必要だと考えています。大岡裁きがあるから日本村論理が成り立ち、村社会の協調性などの良い面が浮かび上がるのでしょう。厳格な清貧思想を貫くなら、もっとフェアな基準にすべきですね。石川島やオリンパスを上場廃止にすべきなのです。この辺りのさじ加減は、人により価値観が違います。今日はテクニカル分析の続きを書く予定でしたが、新聞を見て違う話題になりました。まぁ、良いでしょう。日銀の異次元緩和が効いている構造を、お分かり頂けると思います。先駆者は慎重に行動し、最初は打診程度を繰り返すのです。やがて、その行動が成功体験を経て、大胆になってきます。そうなると…その動きを見て、それまでの観戦者が、参加者に変化しますね。これが自然の法則です。今の日本経済は、最初にラッセルする人が、打診を繰り返している段階なのでしょう。

投稿者 kataru : 11:20