« 2013年12月 | メイン | 2014年02月 »
2014年01月26日
アルゼンチンの混乱
実は本日の原稿は「ケネディクス」の株価が4000円を目指す理由を書こうと考えていましたが、どうも318ドル安のNY市場の下げを見て、現状の市場解説を優先した方がよさそうなので、予定を変更して、こちらを中心に話を展開します。
新興国経済の混乱は利用されているのですが、一般の人には分かりにくいですからね。市場経済と言うのは、常に実体経済の動向を踏まえ市場価格を修正します。ダボス会議の安倍首相の「ドリル発言」は、ある意味で国際公約です。非常に重要なのですよ。この真意は法人税引き下げにあるのでしょう。米国も財政難ですが、アップルのアイルランドを巡る税金逃れの議会証言を、ティム・クック氏が求められたのは昨年の5月の話です。アイルランドは法人税率が12.5%なのだそうです。だから欧州で活動する法人は本社機能をアイルランドに置く訳です。アップルは多額の利益を上げている米国法人なのに…税金逃れの行為はおかしいと批判をされ、米国で政治問題に発展し、議会証言を求められたのです。
世界には様々な会計基準があり、これを統一しようとして国際会計基準が創られました。ようやく合意し米国基準もIASと言う国際会計基準に移行する過程下にあります。日本でも同様ですね。その為に板硝子は、買収資金ののれん代を変更したために、四季報で利益余剰金とされている項目は大幅赤字になっています。所謂、企業買収のプラミアム部分ですね。この価格認定は難しいのです。カタルもよく知りません。売り手と買い手のある話で、実際は高く買ったのに…その実際の価格は「のれん代」として経費扱いされる訳ですね。この辺りの感覚はIASの会議においても、議論の対象になり揉めた経緯があります。ただ言えることは、銀行を管理するBIS基準にしてもそうですが、現状は国際ルールを一本化しようと試みられている訳です。カタルが批判している、使いにくい「XBRL」なども、その流れにあります。
最近ではG8などのサミットの議題にも上がるようになっています。TPP交渉もこういう背景があるのですね。所謂、地球連邦化運動の一環です。その過渡期に我々は生きている訳です。イランやシリアの問題も、この延長線に位置しています。問題とされるアルゼンチンは2002年にデフォルト宣言をしました。当時の未解決問題は、13億ドルの債権の内9割の債権放棄を債権者に迫りましたが、債権者の内、7割は同意しましたがヘッジファンドなのが反対したために、未だに米国で係争中なのですね。傷を抱えたアルゼンチンでは通貨安の物価高や、金利高になり経済が混乱しているのです。
此処でアルゼンチンの経済のお勉強です。ジェトロのホームページは便利ですからね。あとは外務省かな? 此処では外務省の数字を用いましょう。GDPは4749億ドルと言いますから、およそ50兆円弱で日本の1/10と覚えておきましょう。一人あたりのGNIは11576ドルなので年収は120万円ほどですね。日本の1/3程度かな?人口は4100万人ほどで日本の国土の7.5倍だそうです。意外にも、貿易収支は黒字ですね。ただギリギリの状態で、経常収支は若干の赤字のようです。日本との取引は日本が銅やとうもろこしを輸入し、自動車部品などを輸出しています。金額は僅かで1000億円に満たない輸出入額です。基本的に政情の問題から、資本取引が不安定なのでしょう。ブラジルの輸入規制なども影響しているのでしょうね。2012年のGDPは、それまでの8%前後から1.9%と落ち込んでいます。昨年11月末の外貨準備高は307億ドルと言いますからね。
事の発端は2002年の債務問題で、米国の最高裁がアルゼンチンの上告を拒否したことに端を発しているようです。2013年10月7日に上訴の審理拒否をして、13億3000万ドルのもめごとが尾を引いていますね。ヘッジファンドへの僅かな支払いを渋ったのでアルゼンチン国債の信用が下がったのですね。外貨準備が307億ドルもあるのだから…、一時的に返済するか預託して裁判をすれば、全体の信用問題に波及するように見えませんね。問題の根は、物価高から起こる庶民の反乱ですね。政策に一度不信感を抱くと国内資金は海外逃避が加速します。一度、このようになると手が付けられません。現状は車などの資産物へ換金するために、ペソを売る動揺が起っているのでしょう。カタルが懸念する日本のガラガラポンのリスクと同じ構図です。日本も危ういのですよ。そうですね、金融庁さん。頭のいい高級官僚なら容易に理解できる背景ですね。「流動性の罠」などを長引かせると…最後は爆発しますよ。地下にはエネルギーが貯まっているのですね。この発想が理解されないと「ケネディクス」を、何故、カタルが薦めているか? 理解されないと思います。
まぁ、アルゼンチンのお勉強は、この辺で良いですね。あっ、大切なことを忘れていました。対外債務問題ですね。この残高は2011年の数字で1293億ドルとなっています。現状の外界準備が307億ドルですから3年近い猶予がありますね。GDPは4749億ドルで27%ですから、やはり高いですね。20%程度が妥当な水準なのでしょう。日本は200%を、超えているのかな? ただ個人の金融資産が1600兆円で1000兆円程度の公的債務は消化されています。でも教育により大きく変化しますよ。資本収支はあっという間に変化します。三菱商事の金属部門の本社移転は非常に大きな事なのです。2012年12月に発表しています。だから安倍首相のダボスでのドリル発言に繋がっているのですね。カタルが何度も日産自動車のマーチの生産移転を語った2010年の変化と同様に、大きなポイントです。
さて話が飛ぶと、ややこしくなりますから…あまり関連付けないで現状を分析しないとなりません。NY市場が下がったのは背景があります。FRBの金融緩和縮小懸念が現実化していると…市場関係者が演出している訳です。複合的な懸念として、米国の財政問題やシリアやイランなどにみられるように、米国の覇権力低下があります。勿論、中国のシャドー・バンキング問題からタイやウクライナのデモなどまで…トルコもそうですね。様々な国で、政情が不安定な状態が続いていますね。理由は米国金融危機ですね。その後遺症です。基本的に経済が弱くなると不満が生まれます。日本も同じなのですよ。マルハ・ニチロの社長が引責辞任を発表しましたが、あの農薬混入事件の背景には、きっと生活感の不満があるのでしょう。最近はブラック企業がメディアで取り上げられ、問題化していますね。カタルが何故、ガラガラポンと言う表現でリスクを説いて、日銀の黒田さんや金融庁の麻生さんを批判しているか? 正しい政策を実現すれば、今なら簡単に健全化の道を歩めるのですね。三菱UFJの株価が純資産以下に放置されている原因は、フジテレビの買収で頭にきた日本村の権力者が、ライブドアを地検逮捕に追い込んだ背景があるのです。みんな繋がっているのですね。
市場経済の今日の混乱は、みんな背景が存在します。アルゼンチンの問題も2002年のデフォルト問題で揉めている係争が切っ掛けになっているのですね。このようなものが底流に流れており、何かの切っ掛けで再熱し、表面化するのですね。日本にはブラック企業問題などが存在します。中国のシャドー・バンキングと同じようなリスクですよ。日本の場合は厄介ですよ。個人の金融資産により公的債務が支えられています。共産党の言う金持ちと大企業から税金を取り、弱者救済など出来る訳がありません。消費税の引き上げは、ある意味で個人から政府に資産を移動させるので健全化の動きなのですね。1600兆円の資産を1000兆円の赤字に移動させるわけです。毎年、すこしずつ…。
問題は、頭の良い官僚が消費税の引き上げにより、時間が稼げたことにあります。だからカタルは清貧思想を何度も批判しています。みずほのやくざ融資で、親会社の頭取が、たかが総額2億で…厳密に言えば100万円程度の事で引責させられる強権発動が、「流動性の罠」を増長させるのですね。お金が動いてバブル期のように、タガが外れているときに強権発動により、権力を行使して引き締めるなら分かるのです。それを…。証券マンが悔し涙に暮れる毎日が分かりますか? 働きたくても…無駄な人生を歩む悔しさが、金融庁などの幹部職員に分かるのでしょうか? 何故、正しい選択が出来ないのでしょう。日本株が長年、低迷しているのは、政策の選択が悪いからですね。
NY株は僕が入社した時は800ドルで日本株は8000円だったのです。富士通は500円でした。ところが今は完全に並んでおり、富士通の価格は30年経っても、株価は変わりませんね。この馬鹿げた政策に呆れて…日産はマーチまで海外に生産を移転させたのです。利幅が低いマーチを移転させ、タイから移送し日本で販売するという事は…かなり日本の労働生産効率が悪化しています。今度は、あの三菱商事がシンガポールに本社を移転させるのです。金属部門は、商社の稼ぎ頭ですね。みんな右に倣いです。かたるは何度も時間がないと…言っている意味を理解して欲しいものです。
少し日本の現状を交えた為に、長くなってきました。読む方も大変でしょう。
結論を書きますね。みんな、大したことがなく、すでに予行練習を終えています。FRBの金融緩和縮小も…昨年5月からで練習済です。市場経済の中では、織り込み済みの問題で予想される事態だったのですね。つまりこの下げは演出なのですよ。そうです。買うための演出が、行われているのですね。市場経済の中で、一番のリスクは予期せぬ事態の発生です。3.11のような大震災とか、9.11のテロとか…ですね。その為のパラダイム・ショック(枠組みの変更)が一番怖いのです。日本は歴史的な構造変化に直面しています。しかし日本は伸び盛りである人口の多い、有望な市場近くに位置し地理的優位にあります。欧州や米国と比較になりませんね。そうして米国よりも金融機関は健全です。過剰な清貧思想を、金融庁が行ってきたおかげです。この清貧思想の目に見えないマグマが市場に貯まっています。だから「ケネディクス」なのですね。この辺りの解説は、次回にしましょう。要するに…演出による下げなので、あまり心配はなく、むしろチャンスなのです。カタルは何度も述べていました。カタルなら一度、株価を下に振ると…。資金があるなら、歴史的なチャンスになるでしょう。でもカタルの原稿を読んでいる人は、かたると五十歩百歩の資金力でしょう。故に619円を抜いてから参戦すれば良いと、前から述べています。でも…。カタルは変化が見られたら公言しますから、余裕のある人はその時から参戦しても良いでしょう。
問題は時間猶予を与えられた官僚様ですね。金融庁の強権発動は、通常、誰かが歯止めをかけないと、どんどんエスカレートしますね。UFjが餌食になり、今度はみずほですね。被害の規模は違うけれど、根底に流れている概念は一緒です。清貧思想など…大嫌いです。
投稿者 kataru : 11:00
2014年01月19日
周りを見よう
いったい創造性が豊かな米国と日本の違いは何なのでしょう。今でもグーグルマップを最初に見た時の驚きは…鮮明です。最近では、アマゾンが提言し開発している無人配達機のカブトムシと言うか…テントウムシと言うか、あのアイディアはすごいですね。何れ、空中でも自由に飛び回る時代が来て、空の仮想道路が出来るのでしょうね。ところが日本で何かしようとすると…直ぐに前例がないと却下され、新しい事をするときは、なかなか進みませんね。
今では一般的になった「IR」はカタルが、パソコンを始めた当初は一般化していませんでした。実はカタルは、これからは企業の情報公開が必要だと思い、IR活動を支援するホームページを創ろうと奔走したことがあります。日本を代表する企業を30社ほど回ったのです。その当時、IRと言っても…電話の交換手は分からずに、広報課や財務と言う部署の担当者を相手に説明して回りました。これは実話ですからね。ソニーに最初に行き説明したら「趣旨は分かるが…他社の動向はどうですか?」と部長さんが、私に聞くのです。私はソニーと言う会社が、日本で一番、先進的だから最初に訪問したのです。そのソニーの部長が、他社の動向を気にする有様ですね。日立などはひどいものでした。社長秘書室長に会ったのですが、うちは変わらないのが、日立イズムと公言されていましたからね。駄目になる訳ですよ。あれから20年近い歳月が流れますが、今ではIR情報は、一般的なサービスになりましたね。カタルは日経新聞と組もうとしたら、IR協議会と言う子飼いの組織があるから、そちらへという事で…事務局長の段階ではOKだったのですが、相手内部の調整で却下ですね。現場に主導権がない訳です。もともとIRNETは、その為に作った会社だったのです。今では株式情報みたいになっていますが…。正しい姿を知って欲しいだけなのです。
こんな原稿を書いたのは、昨日の日経新聞の私の履歴書に、NHKと小澤征爾さんのもめごとが書かれていたからです。N響は長く聴いていましたから、よく知っているつもり、日本を代表するオーケストラですが…あんな一面もあるんですね。今でも日本の多くは新参者を見下しますね。自分達に本物を見分ける力がないからです。多くは海外で有名になり日本に戻ってくる形ですね。日本と言う国は、面白い国ですね。このホームページを長く読んで頂いている読者の中にも「未来かたる」?得体のしれないやつだな…、という印象でしょうね。でも、みんなそうですよ。有名なバフェットだって、間違う事がよくあります。未来の時代の選択は、分かりませんからね。正しい成長の道にも、いくつかの選択肢があり、どれを選択するかは見えません。先ほどのアマゾンの配送ロボットの話しですが、カタルは情報と物流は欠かせなく、成長分野だと述べました。でもこの無人配送ロボットが一般化したら…ヤマト運輸の社員は失業しますね。付加価値があるかないか…非常に重要なことですね。昨日、カタルはグラフにコメントを入れる作業をしていて、上手く行かずに3時間ぐらい、時間を浪費しました。しかしテキスト分を選ぶ時に「@を冒頭に入れると縦書きで、外すと横書き」と言う知識があれば、この3時間は節約できたわけです。つまり基礎知識があれば効率的になるのです。
株の世界も同じです。多くの人が三菱UFJの現状の株価評価が正しいと思って誤認しています。この認識はここ10年程かな? BIS規制によるグローバル化の意味を知らないからですね。IASの流れを知らないからです。金融庁が主導し財務データなどをXBRLと言う国際標準に変更していますが、変換ツールが必要で非常に使いにくいですね。今でも官のよる壁があり、利権が存在するのでしょう。財団を作り天下り、協議会やら協会やら…全ての産業には天下りの仕組みが定着しています。そうして、その産業は毎年10万とか…協賛金を求められるわけです。産業の利益団体が参入障壁を高めています。小澤さんとN響のような関係は、何処にでもあるのです。もしそのような壁をなくせば…自由な発想が活きるかもしれません。
原発の後処理が出来ずに…何故、ロボットの活用が出来ないのでしょう。ホンダのアシモはどうしたの…改良できないのかな?日本がロボット先進国だと思っていたのに…後進国じゃないか…と思いますね。10億円の賞金を与え、民間から知恵を出してもらえば…原発の後処理も進むんじゃないか…とも考えるわけですね。安全性など、色んな弊害はあるでしょうが、もっとチャレンジ精神を活かしても、良いと思うのです。カタルは試行錯誤の毎日でした。証券マン時代に30年を超えて基礎を創ったつもりですが…なかなか資金難で知識が活かせませんね。あと一歩なのですが…歯痒い壁があります。
例えばケネディクスの株価を客観的に考えると、1兆2000億円の受託資産と言えば、これを運用する投資信託なら、間違いなく運用するだけで毎年1%~3%は抜きますね。つまり120億円から360億円で、PER10倍として1200億から3600億円ですね。現状の時価総額は1365億円ですね。つまり会社の価値でみて最低ラインに位置しています。現状はマネタリベースが増大しているのでPER30倍が妥当だとすれば、3600億から108000億円まで論理的に容認でき、しかも毎年、この受託資産は増えます。事実、あの不動産ミニバブル時の株価評価は4000円台でしたが、今より受託資産が半分以下だったはずです。その後の増資分を含めてもやはり安いと考えています。これが本質、日本と言うのは面白いもので、本質を見抜けない人が上に多く居ます。N響と小澤さんの話を持ち出すまでもありません。
頭でわかっていても…実際には、行動が出来ずにいるのですね。偉そうに…年金ファンドの運用者は、年収1000万の給料を貰っていてもソニーの部長と同じで、みんな横並びなのですね。0.7%の国債は買えるが…、3.0%の伊藤忠の配当を見過ごし、2%にも回る配当り利回りの三菱UFJを買えないのですね。こんな連中に、僕らは大切な年金の運用を任せているのです。正しい裁定概念があるなら、子供でもどちらが有利か分かります。あまりに日本国全体が安心・安全を求めすぎていませんか? 一度、じっくりと周りを見回して欲しいと思います。
投稿者 kataru : 08:49
2014年01月13日
調整の違い
今日は薄煕来や周永康などの中国の汚職に関する問題から中国経済の展望を考えてみたいと考えていました。基本的に北朝鮮もそうですが、対立する敵を潰す行動は、経済に打撃を与えることに結びつくことが多いからですね。この辺りの考え方も相場に影響を与える材料なので、自分なりに、一度、考え方を整理する必要性があると考えていますが…この事は次に機会にして、今日は、もう一つの「株の調整」と言う話題を採り上げましょう。調整には二種類あると言います。一つは株価が下がる「値幅調整」、もう一つが株価は下がらない横ばいが続く「時間調整」ですね。どうして、そのような現象が生じるかは興味深い現象でもあります。故にその事を考えてみたいと考えています。


実は先日、スクリーニングで挙がってくるリストを見ていたら…「ワコム」6727がリストアップされていたのです。記憶によればタッチペンが好調で、外資系ファンドが買っていた筈の銘柄です。そうして株価が急騰していたのです。この株価の動きを見てみましょう。切っ掛けは2012年初めのようです。つまりアベノミクスが始まる前に有望と判定され、複数のファンドが相乗りして買われ始めたのでしょう。2012年の春から秋にかけ高値での揉み合いが続いており、おそらくこの時期に、企業業績の変化が生まれているのでしょう。ところが株価は四季報数字で見る限り、好調が続いているのに…大きく下げ始めており、未だに下げが止まりませんね。業績は右肩上がりなのに…株価は下落を続けている。52週線を維持しても良いように感じるのに…未だに止まってないのは、どうしてなのでしょう。ケネディクスの株価と比較して下さい。

不思議さを感じませんか? 介入したファンドの狙い通り企業業績は大きく改善しているのに…何故か、ワコムは株価の下落が始まり止まりません。考えられるのは、この後の推移の伸びが見込めず、現状の数字が一杯いっぱいで、これ以上の進展が見込めないケース、それとも介入したファンドが玉を売り続けており、手替わりする買い手が現れないか? そこで過去の四季報の名簿と現在のものを比較してみました。2012年春に買ったファンドの多くの玉は売り切っていませんが減っています。自社株買いにも熱心な会社だったので、その持ち分をサムソンに5%程度、昨年は639円弱で渡しています。でも業績数字を見ると、売り上げの伸びの割に利益が大きく膨らんでなく、製品の粗利が悪いのでしょうか? 通常は損益分岐点を上回ると利益率はぐーんと上がる筈です。でも悪くない数字に見え良い伸び率ですね。この時期に株価が下落するのは、なにか不自然です。株価が落ちておりサムソンの買いコストの近辺でもあり、そろそろ下げ止まり反発するのでしょうか? 年末に自社株買いを実施していましたね。
問題は既存の整理しているファンドの玉が残っており、この人達は売り姿勢を継続するという問題でしょう。何社も売り姿勢のファンドがまだ存在するとすれば、株価が大きく反発するのは難しいかもしれませんね。でもこの業績数字に文句はないですね。詳しく調べてないから判断は難しいのですが…、ざっと見た感じでは、そろそろ一度、反発があっても不思議ではないですね。

さてこのような株価の動きの違いは、何処で生まれるのでしょう。ケネディクスは多くの外資系ファンドが完全の玉を外したようで…、個人の信用買いや日本トラスティ―信託は買い増しを続け、GSなどの新たなファンドか顧客も買っておるようですね。新規のファンドの名前も見られますから完全に手替わりしている様子です。しかしワコムは新たな買い手があまり見られないようです。おそらく、この違いなのでしょうね。この違いは何処から生まれるか? 今度は時間軸を引き延ばしたチャートを見比べると、企業の本来持っている価値観と言うものが見えてきます。カタルがよくチャートの時間軸を引き伸ばして銘柄を見るのは…長い時間が判断した企業の価値観が時間軸を伸ばす事で見えて来るからですね。


何故、多くの不動産株からケネディクスを、カタル銘柄に採用しているかという理由もこの辺りにも存在します。今日、触れた株主構成に理由の一端があるのですが、いずれ又、この事を解説することもあるでしょう。相場と言うのは「理外の利」と言うものが必ず存在するのです。2014年は、昨年、後半に抱えたジレンマを解消させる年でもあります。あの銀座のティファニービルはソフトバンクが買ったのではなく、孫正義個人が320億円で買ったものなのですね。如何にも、彼らしい発想ですね。期待利回りは2.6%とか言われているものですね。でも銀座中央通りの物件は少なく、賃貸料もブランド価格で多くの店は赤字の筈、所謂、アンテナショップとして、中央通りは広告宣伝の価値があるのでしょう。
投稿者 kataru : 12:14
2014年01月12日
市場に流れている川
昨日は鏡開きで15日までが松の内と言うので、今週は名実とも2014年、平成26年が始まる週なのでしょう。そこで市場にある様々な流れを整理しておきたいと考えています。世界の四大文明はチグリス・ユーフラテス川周辺で発生したメソポタミア文明、ナイル川に栄えたエジプト文明、インダス川(ガッガル・ハークラー川)周辺のインダス文明に、中国の黄河の黄河文明と…何れも川の周辺で人々の文化が栄えたとされています。食の恵みと物流の機能が文明を支えたのでしょう。我々は上がる株を見つけて投資することで利益を得ようとしている訳で、栄える会社を探すのが、このホームページの目的の一つであります。会社が栄えるとは…時代の流れをよく知り、その流れに沿った銘柄を探す事ですね。市場には様々な可能性がある未来が示されており、その流れに乗った会社の株を買う事で時代を進め応援し、その果実を利益として受け取る訳ですね。だから市場で生まれている川の流れを読むことは非常に重要です。市場には様々な「未来の川」が存在し、その流れを確りと見極めねばなりません。
そこで今日は、昨年後半に生まれたカタルのアイディアを整理しようと考えています。先ずは予てから主張している信用創造とスマート・コミュニティーの流れのなかで、カタルはケネディクスと007を参考銘柄に掲げています。この2銘柄を主軸にカタルは選んでいますが、今は株主構成の移行期で株価は横這いを続けています。しかし昨日の日経新聞夕刊には、リートへの資金流入が書かれており、ケネディクスは3月に新たに300億円規模のファンドを創設するとか…。カタルが消費税の引き上げを前に利益を計上するのでは…と、読んでいる背景の裏付けが、記事となって新たに生まれていました。予想通りの展開のようです。このように時代背景は、銘柄選別において非常に重要です。時代の流れが新たな利益を生むからですね。現状は2003年から2006年に生まれた経済環境に近づいていますね。参考としてケネディクスが掲げているレポートを読めばいいでしょう。
さて昨年9月の終わりに、上昇を続けるソフトバンクを見て…、あの時は、ヤフーも出来高が増えていましたが…。この動きに加え米国では、ダウもSP500も新高値を更新し続けているのに、ナスダックだけが、未だに新高値を付けてなく奇異に感じたので、カタルは米国のナスダックも、2000年に付けた高値を更新するんじゃないか? その時に日本でもITバブル時に活躍した企業の株価が大きく上昇するのでは…との発想で、6000円前後をウロウロしていた「光通信」を、参考銘柄として紹介したのですね。ITバブルの再開と言うか…時代的な効率化へのクラウドサービスを背景にする産業が開花すると考えている訳です。既に株価は上昇し始めていますが、この発想の延長でクラウドの「富士通」も紹介しています。この銘柄は現在乖離が高いので注意が必要でしょうが…中長期的には、大きなトレンドへと変わって行くのでしょう。
更に12月の初旬に、同じくソフトバンクやファーストリテイリングの活躍などを見て、グローバル展開を加速する銘柄として、嘗てのM&Aで失敗した「日本板ガラス」や「古河電工」を参考銘柄として紹介しましたね。この背景にはLIXILグループや少し視野を広げ、花王に味の素、ニチレイなども視野に入れています。更に年初に貿易統計から見て、欧州関係の銘柄として、最近は「キャノン」や「スミダ」を参考銘柄に打ち出したところです。時代の流れには、様々な展開が存在し、どれを選択して取り上げるかなのでしょう。
しかし基本構想として、日本株は依然として、非常に割安なのです。三菱UFJの株価はどう考えても安過ぎます。2014年が終ると、配当を払っても内部の蓄積は膨らみ一株純資産は、また50円ほど膨らみ今度は900円台に乗りますね。かたるは確実に4ケタ以上になると豪語しています。しかしこの発想はずいぶん昔のもので…2008年からのものです。株価が800円を割れ始めた時から買い始めていたように記憶し、500円台の株価は、喜んで買っていたのです。…がしかし、なんと実際の株価はその後300円台まで落ちるわけです。現在、三菱UFJもケネディクスの株価同様に、三角フラッグを放れる寸前の株価位置に見えますね。5月の高値750円を抜けてから、株価の動きは加速し、一気に4ケタどころか…もっと上に位置しても、おかしくない株でしょう。1200円台に若干の壁があり、その後、直ぐに1500円なのでしょう。チャートはケネディクスと同じ形をしていますね。

要するに、市場には様々な流れが背景に流れており、その時代的な背景の変化率が高い銘柄を探し、投資をしておけば儲かる訳です。問題はタイミングなのですね。ファンドの投資家は時間的な制約がありますが…我々は時間に縛られている訳ではありません。知識のギャップはファンドの連中に敵いませんが、我々は絶対に負けない時間を手にしている訳です。グリーの時間誤差は11か月です。しかしカタルの決定的な読み違いもありカタル銘柄から除外しました。それでも相場環境が良いので戻っていますね。あと外れているのはJVCケンウッドだけですね。まぁ、何れ300円を超えると思いますが…。基本的に株は下がっても良いのです。また買えば良いからですね。問題は時代の流れに外れる事です。これが一番怖いのです。
割安株ほど怖いものはありません。しかし割高株は恐くはありません。例えば007ですが、このような株は、まったく恐くないのです。素質があるから割高な株価なので、市場がその評価をしているのです。それも52週と言う時間評価を既に得ていますね。アドウェイズとは…時間評価が全然違いますよ。割安株は全く魅力がないのです。カタルは何度か挑戦しましたが、少し人気になっても直ぐに冷めますね。みんなが割安だと思っている株は、なかなか上がらないものですよ。商社株などは良い事例ですね。しかし今年は年金基金の態度の変化で注目株に掲げています。GPIFの変化は非常に注目されますね。しかし割安株は、本来は基本的に全体相場が大きく上がり、買うものがなくなれば、多少は水準訂正をするでしょうが…その程度なのです。
今日は余分な点も書いていますから、焦点がぼけていますが、ナスダックの思惑から光通信を…グローバル観点から日本板硝子に古河電工を…そうして今年初めに欧州関連としてキャノンやスミダを掲げています。ただ貿易統計の流れが鮮明になるかどうか…今の所は疑問ですが…、欧州景気は改善していますね。銘柄などは本当は一つでも充分なのです。要するにどうやって売り買いをするか…、どうやって自分の力量を推し量れるかの問題に尽きるのです。銘柄などより自分自身との戦いだと…何度もカタルは述べています。株が下がってくると我慢が効かずに売る訳ですね。追証などの懸念が生まれるためです。カタルの昨年の成績が振るわなかったのは…この資金力の問題でした。自分の力量以上に投資額を増やしても、上手く行かない場合があります。勿論、予想通りの展開になればいいのですが…人生と同じで、株も未来を予測し行動するので、何が起こるか分からないのです。だから何が起こっても対処できれば、問題はないのです。信用で買うなら最悪、全ての建玉を現物に置き換えられるようにするとか…更に最初に買った株価の半値になったら、当初、買った株数が1000株なら2倍の2000株を買い3000株にするのです。更に下がれば、今度は、また2倍の6000株と…ドル平均法を用いて買い下がりを続ければ、倒産しない限り、株価は上下しますから必ず儲かる筈です。この位の覚悟で投資に臨めば勝てる確率がグーンと上がりますね。5年、10年は、あっという間に過ぎますからね。
基本的な割安感が日本株には漂っており、1989年からの下落に対する本格的な修正相場が始まった序盤に過ぎないと考えています。2003年から2006年はその修正相場の予行練習だったのでしょう。やはりケネディクスは4090円を超える可能性は非常に高いですね。何しろマネタリベースは、既にGDPの40%の水準なのです。我々は高度成長時代の貨幣感覚を忘れていますね。すっかりデフレ社会に洗脳されています。お金は紙くずなのです。あの時代は毎年、給料が2割ぐらいずつ上がり続けたのです。所得倍増論の池田隼人時代を想い出してください。1960年の話です。11%の経済成長率の世界ですね。
007のスマート・コミュニティーが、何故、必要なのか? 効率化投資をすれば、時代が大きく進みます。電子カルテの整備はビッグデータの蓄積になり、無駄な医療が省けます。今でも制癌剤の投与は、試行錯誤の世界ですよ。遺伝子解析と電子カルテが整備されれば、その活用で医療費の膨大な無駄が省けますね。カタルが先進国の飛躍化を想像し、ITバブルの再来が起こるとしている背景には、先進国への大きな揺り戻し投資が起ると考えているのですね。IVI(車載情報機器)の確立は、物流の無駄を省きます。渋滞がなくなった社会で、我々は余った時間を活用できます。カタルの頭の中のイメージが、皆さんにうまく伝わると良いのですが…分かりますね。スパコンが臨床試験をやがて省くのですね。臨床試験には5年、10年のデータの蓄積が、試行錯誤で必要だったのです。しかし現代においてスパコンは飛躍的に進化し、実社会の活用が広がっています。個人レベルではスマフォの登場が生活を変え始めています。ナスダックが新高値を更新するという事は、人類の進歩が新時代に対応し始めている訳です。
投稿者 kataru : 09:31
2014年01月05日
営業キャッシュフロー
さて新春第二弾のレポートです。昨日は企業理念の重要性を考えました。通常、PERなどの企業業績向上の視点から、株価を観察することが多いのですが、実際の株価は様々な評価が入り混じっています。目に見えづらい企業理念は利益の継続性の観点から見ても重要で、社内モチベーションの増大は企業家として、もっとも重視しなくてはならない発想です。M&Aなどの成否を握るのは、この理念でしょう。日本板硝子のようにM&Aをしてからのリストラ着手はいただけません。JVCケンウッドが苦戦しているのも、この辺りが影響しているのでしょう。単に合理性を追求しても人間は感情のある動物ですからね。人間一人一人の力が増大して競争に向かうのか? それとも減退するかは非常に重要です。株価を見ていれば分かります。楽天の三木谷氏を、あまり評価しなかったのは「押し付け」が強すぎますね。例えば社内英語の採用ですが…通常はTOEICの向上に奨励金を出すとか、部長職以上の管理職には750点以上が必要だとか…と、言うようなものでしょう。この辺りの考え方は難しいのですが、カタルはそう考えます。
さてカタルが思うに、皆さんの多くが、「株」と言うものを知りませんね。それは知識がないからでしょう。だから株価が下がると、不安になるので安値を買えないのです。通常、売り出されている本だけでは、なかなか、本質が書かれていません。何故、カタルが自分で資料を集め、それを独自に検証するのか? 昔は資料集めが大変でした。例えば興銀に、晩年招かれた浦上さんは、専属の女性秘書を常に移籍するたびに引き連れていました。日興から移る時もそうです。おそらく彼女に頼むと…必要な資料を作成してくれるからです。昔は資料集めが大変だったのです。今のようにインターネットが普及していませんから、官報など集める為に、わざわざ各省庁に出向いたのでしょう。カタルも、むかし一度、大手町だったかな? 官報などを取りそろえた本屋さんのようなところがあり、行ったことがあります。今ではインターネットで大概の資料は手に入ります。そうすると…メディアの眉唾報道に気付きます。
例えば日経新聞の昨日の夕刊では、米国の新車販売が、2013年は7.6%増との見出しが躍っています。今日の朝刊は一面に世界販売8300万台の文字が躍っており、如何にも有望な産業のような印象を持つでしょうが…実際は米国の12月は、伸びが1%未満だったとか…。11月の販売奨励金の反動があると解説されていましたが、GMは前年同期比で6.3%減、トヨタは1.7%減と言う有様ですね。ただ日経新聞も印象度の低い5面には「米国の鈍化」の話を持ってきています。因みにホンダは1.9%増で、日産はなんと10.5%増となっていました。カタルがマツダに対して上昇確度が鈍ると指摘したのは、この辺りの背景も考慮されています。北米で一番影響を受けるのは、恩恵が強かったスバル(富士重工)ですが…。しかし今では最も重要なのは中国なのです。年末に来て、安倍さんの靖国参拝は、春節とぶつかり、どういう影響を与えるでしょう。加えて消費税引き上げで駆け込み需要はあるので、最初の数字は良いでしょうが…春以降の懸念は、やはり拭えません。
グラフの描き方もそうですよ。採用する期間のより読者の印象は大きく変わるものです。昨日も、貿易統計を理解するために、比較的、期間を長く採用しています。全体論を把握するためには、時間軸を伸ばすのですね。株価チャートの分析でも同じことです。時間軸の短いものを、普段は多くの人が採用していると思いますが、基本的に企業業績は、3年、5年と言うスパンで動きます。一度、改善し動き出せば最低3年ぐらいは続くものです。問題は企業のターニングポイントと、株価の動きが一致しないことがあるのですね。だから時間軸が伸びたり縮んだりします。株と言うのは、会社それぞれで浮動株比率が違い、安定株主の度合いも違うので、株価の動きが銘柄により違います。「仕手性」と言葉に表すと簡単ですが、実に様々な要素が、その「仕手性」の中に盛り込まれています。株価の癖があるのですね。こればかりは経験がものをいう世界です。年初ですから、いくつかのエキスを盛り込んでいます。株価チャートで未来の予測に迷ったら、時間軸を引き伸ばし日足から週足へ、週足から月足へ変化させ検討するのです。更に1年を3年に、3年を5年、10年へと時間軸を伸ばしてみることは、全体の動きを把握することで非常に大切ですね。
さて利益の質も、そうなのですね。ネクシィーズと言う会社が、後半には株価が上がっていました。この会社の株価は軽く良く動きます。仕手性があると言うか…浮動株比率が低いと言うか、カタルも好きな株です。実はカタルも少し関係があり10月だったかな?経営幹部に会う機会がありました。彼はようやく改善してきた業績に喜んでいましたね。特に最近始めたLEDの事業が儲かるようで…後半は伸びると言っていました。でもカタルは、この利益は参入障壁が低く、利益の継続性に疑いを持ちました。誰でも参入できる分野で、営業力がものをいう世界ですからね。誰もが真似を出来る利益と、独占的な利益では「利益の質」が違います。だから特許と言うものがあり、利権が守られるのですね。ホトニクスの利益とトヨタの利益では、同じ利益でも利益の質が違います。
景気循環による循環型の利益と、景気循環に関係なく安定的に得られる利益と、どちらの質が良いかと言えば、継続性がある食品や薬品などの利益の方が、工作機械などの一時的な利益より、やはり質は高いのでしょう。ただ工作機械は変化率が高いから人気になりやすいですね。同じ継続性でも、電力や通信の利益は大きく伸ばすと、儲け過ぎの批判を浴び料金を引き下げられます。公共的な利益の質は、民間企業より割り引いて考えるのが妥当でしょう。カタルは、日本の携帯料金体制に批判的です。設備投資負担は一巡しており、料金を引き下げる指導を政府はするべきでしょう。此処に昨日話した内外価格差の二重価格制度問題があります。ガラパゴスと言われる日本基準が存在しますね。この内外障壁を長い時間をかけ解消してきたのです。その為に空洞化が生まれました。丁度、農業の政策に似ていますね。携帯料金も国際比較がされ、何れ統一されるべきです。今回の買収に成功したら、孫さんは、是非、世界で一番安い通信料金へのチャレンジをして欲しいと願っています。
さて前文が、今日も長くなりましたね。「利益の質」を考えています。昨日の企業理念も実はその話ですね。継続性の利益で、しかも独創的な利益、未来を切り開く利益は、一般化された参入障壁が低い、誰もが真似が出来る利益より、評価を高くすべきなのですね。人類の生活に豊かさをもたらす利益は、同じ利益でも評価を高くすべきですね。007に高評価を与えている理由も、この点が理解されれば背景が分かるかと思います。皆さんの多くが、株が下がると動揺されるのは、時代背景をしっかり掴んでない為です。時代背景や知識のバックボーンがないと自分の行動に自信が持てませんからね。
いよいよ今日の本題です。営業キャッシュフロー(営業CF)を見て、株価を読むと言う方法もあります。企業業績に先行して営業CFが先行して改善するのが、通常のパターンです。設備投資などの減価償却費がプラスされ、自由に使えるお金が未来の企業活動にプラスに働くからですね。営業キャッシュフローが悪く企業業績が良い時は、売上が伸びていても売掛金などの増加による見せかけの業績改善のケースもあり注意が必要です。本来、強い企業は売掛金の回収期間を短くして、強い企業体質を作ります。売り上げを重視する目標ばかり追うと掛け売りなどが増え、入ってくる筈の現金が入らずに損失に繋がるリスクも生まれます。故に企業業績と営業キャッシュフローの推移は、重要なのでしょう。この発想を発展させ、現預金残だけの推移を見て、株価の将来を予測すると言う方法もあるかもしれませんね。ただこのアイディアにも問題がありますね。季節性の問題や経営陣の意図的な変更があり、単に数字を比較するだけでは、簡単に使えない可能性もあります。

今日のテーマでもある営業キャッシュフローの改善度を調べたリストを掲げておきます。時価総額を検索条件に加えましたが、なかなかの成果ですね。チャートとリストを比べてみると分かります。(◎などの印はチャートの動きが良かったもので、チャートの違いを表しています。)◎が多いですね。28銘柄中13銘柄もあります。×や△は少なく、このリストは使えそうですね。まぁ株全体が上がり、当たり前なのですが…。今年、カタルが注目する伊藤忠もキャノンも花王は…昨年は、あまり芳しい成績ではないようです。このリストは3月決算に合わせており、12月決算銘柄は本来、出てこない筈ですが、キャノンや花王は12月決算にも拘らず登場しています。リストは第二四半期と第一四半期の営業CFを比較しています。日産は株主構成が悪いから、毎年、不人気なのです。日本村の影響なのでしょう。ハイブリッド開発に遅れましたが、その分、新興国開発では先行していますね。だから中国でのシェアは他の日本車に比べ、マズマズなのです。物産に、商事も印が悪いですね。利益の質が問題にされたからでしょう。資源価格の変動は大きく、いつも不人気です。しかし今年辺り、企業経営者の視点が変わり大量の自社株買いをしても不思議ではありません。これは株主も要求すべきですね。
昨日、本日と…この二日間は少し高度な話題で皆さんには難しかったでしょうか?
カタルが同じ銘柄を追い続けるのは、確りしたバックボーンが存在し、推奨銘柄には、それぞれの「狙い」が存在するからですね。007しかり、ケネディクスもそうなのです。ベースマネーの増大が、マネーサプライに影響を及ぼし、銀行貸し出しが増え始めるまで「タイムラグ」があります。それから不動産価格などが上昇していくのですが…、上昇初期は、これまでストックされた物件があり、それが消化される時間がありますね。軍艦ビルを話題に出すのは…不良債権物件の象徴的な物件であり、しかもアラブ系のファンドがエクイティーを出し、メザニンローンが使われている点ですね。何が言いたいか分かりますか?
株でもそうですよ。最初は浮動株の吸い上げが起こるのです。しかし市場に売り買いされている浮動株を、ある程度吸い上げると…、浮動株比率は減り続け、株価の動きがあるポイントを超えると、加速度的に変わるのですね。ケネディクスの話をしているのです。この瞬間と人間の感情のミスマッチが、「空売り」になるのです。強弱感の対立が、何故、相場を大きくするために必要か? 007もそうですね。今年は、その変化ポイントがやってくるのでしょう。今日はヒントだけに留めましたが、勘のいい人は、カタルの狙いが分かるでしょう。

今年は、「年金基金」であるGPIFの動きが焦点にもなります。このリストを見ると分かりますが、配当利回りも重要な要素で…例えば商社ですね。商社は利益の半数は海外子会社からの配当収入です。つまり円安はプラス要因になりますね。資本収支が増えるのですね。円安は当初、Jカーブ効果などもあり貿易収支はマイナス要因になりますが、海外で稼ぐ資本収支はプラス要因に働きます。しかしFRBが資金の削減を急ぎ過ぎると、新興国の開発に影響を与え、商社の収益源である資源会社の利益、鉄鉱石から石炭など…の子会社群の利益が大きく減ります。この辺りは中国経済が大きく影響を与えますね。此処でバルチック海運指数の問題も浮上してきます。年末には商船三井なども買われていました。中国のシャドーバンキング問題なども影響を与えますが、いくらなんでも商社は割安過ぎますね。竹田さんが商社株を買う理由は良く分かります。一度、改善されれば、その後の上昇に割安だから妙味はなくなりますが、今年は年金ファンドの担当者が、商社株を買いに動く可能性は高いですね。伊藤忠などはチャートも素晴らしいね。今日も長くなりました。すべてを理解される必要もないですが…なんとなく、方向性を感じて貰えれば良いのでしょう。いよいよ2014年が、明日から始まります。今年は何倍に、お金を増やせるのでしょう。楽しみな年ですね。安倍さんの手腕に期待する次第です。
投稿者 kataru : 13:36