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2012年02月26日

注目はECBの供給額

あまり情報を集め精査している時間がなく、最近の悩みがこの時間の確保かな? 何れ落ち着くのだろうが、要領を得るまで時間がかかるらしい。さて今の焦点はいくつかありますね。その中で、やはり最大の注目点は、29日に迫っているECBの資金供給額の行方ですね。日経新聞によれば100兆円規模に膨らむとの予測があります。本当かな?…と疑問に思えますね。前回の供給(50兆円)で、翌日物に回ったお金は、かなりあったと言われており、当面のキャッシュは相当量が確保され余っているのでしょう。加えてイタリア国債の事例を見れば、今年の春こそ高水準ですが、償還された資金もある訳で、だぶつく資金が何処に向かいのでしょう。

こんな環境下でイラン問題もあり、原油価格は高騰してきました。しかし米国はシェールガスが豊富にあり開発技術も進化しガソリンも転用できると言います。どうもこの辺りの一連の流れは仕掛けに見えますね。長引く原油高の高原状態は中国などの参入によりますが、一番、原料高が困るのは上がったとはいえGDP水準に低い新興国でしょう。物価高は先進国の取って痛みはありますが新興国ほどではないでしょう。どうも米国にとっては全て自国の利益の構図に見えます。世界の政府は財政難を抱え、インフレは歓迎でしょう。インフレは実質的に借金をする人を助けます。

日本では1989年のバブル崩壊から資産価格は下落を続けており、地方の土地などは二束三文の価値しかありません。試にお持ちの土地を地方自治体へ寄付してみれば分かりますね。多くの地方は拒絶しますね。このように資産価格は歪められ日本の土地本位制が崩れ日本は金融制度が崩壊し、資金の循環が上手く回らなくなったのです。何も終身雇用、年功序列だけではなく、金融制度の骨幹を歪める政策を採用しました。この間違いに気付いたのは一昨年の10月ですね。日銀は自ら資産価格の買い入れを通じてメッセージを発していますが、残念ながら金融当局の姿勢は変化しません。

一時、規制から育成へ金融庁は方向転換するとの報道がありましたが、結果は変わっていませんね。今回のAIJ投資顧問の失点は規制強化に繋がる話です。この29日のECBの資金供給額が50兆円規模まで膨らむようなら確実に資源高は加速されAOCなどの相場の追い風になります。市場の本命は国際帝石や資源開発の大手ですよ。商社の株価も賑わうでしょう。円安、資源高で更に法人税や労働費用など国内産業は厳しい環境におかれますね。ここで混乱する政局が考えられますから、あまり強気になれない理由もあります。

まぁ、皆さんはどの道を、選ぶかどうか?
相場なんか、時間とお金があれば、後は大きな流れが非常に重要なのです。世界の底流に流れる動きをしっかり捉えておれば、儲かる筈なのですが…未だに3流では仕方ありませんね。偉そうに解説する立場ではない。

投稿者 kataru : 14:29

2012年02月19日

円安から…

あぁ、やはり市場経済は生きているんだなぁ~。と感じています。一つは最近の円安傾向です。あれだけ円高で困っていると輸出企業は言っていました。ところが日本は安易な道を選択せずに国内生産に拘り続けました。本来はアップルが生産を諦め台湾の鴻海精密工業を使っているようにファブレス企業の道もあったはずです。

ところが…パナソニックもソニーも自社生産に拘り膨大な赤字を計上しました。日本では「ものづくり」と言うが…既に労務費から社会管理費(税金や電力など)などが高く競争に勝てません。土壌が違います。この僅かな差しか生み出さない利潤の分野に、何故、拘るのか、僕には分かりませんでした。トヨタの300万台生産宣言は、その代表的な事例です。テレビでは連日、大田区の下町工場が話題になります。

決して自国生産を否定するわけではありませんが、経営者である以上、儲かりやすい環境を利用するのが使命だろうと考えます。だからアップルのような道を歩めばいいと考えていました。だからこそテレビではなく、ネット・テレビのソフト戦略なのですね。NHKを始め、日本のテレビ局には豊富なソフト資産があります。ソニーに期待していましたが、出井さんは有機ELに拘り、技術認識の時間観を間違えました。後任のストリンガーは、成果はゼロばかりか、時間だけを失いましたね。ゲーム出身の平井氏が新社長に選ばれ、果たしてソフト資産を生かすことが出来るかが、ソニーの見所でしょう。シャープでは手がかりがありませんね。やはりソニーは経営戦略次第で、アップルに近づける存在でしょう。どうにもできない壁を、きっと出井さんは感じていたのでしょう。ようやく今年、有機ELの時代になりましたね。

私はこの20年間、待ちに待ったのに日本のトップがぼんくらで…悔しい思いをしてきました。日本の一方的な流れは、まるで戦争に突入する戦前の日本を連想させます。今の所、官僚組織相手や反対勢力に善戦をしているように感じます。野田内閣は、この春の難局を乗り切れるかどうか…。岡田さんの原理主義を取り入れ、正論で立ち向かえば良いと考えています。政治家や官僚への折衝ではなく、国民相手に赤裸々に語ればいいのです。もっと世論を揺さぶればいいのに…広報活動が下手ですね。

十字屋証券の安さんが廃業しました。僕が証券界を去った理由の一つが書かれていました。証券業は難しい。そもそも能力差が余りありません。単なるご用達の丁稚で商売ができる環境ではありませんね。手数料ビジネスは過去の遺物です。しかし日本人は情報の価値観が乏しいですね。新聞代もケチる人が何と多い事か…どうやって情報を集めるのでしょう。ネットも一つですが、情報とは角度を変えて、様々な角度から見ないと駄目ですね。ネットで流れる情報など二束三文、自分の回りの人脈が一番ですが、限られますから色んなツールが必要になります。役所が流す膨大な統計データを読む力が必要になります。ただ時代に合わせ統計方法を変える為に、やはり経験が必要になります。このキャリアはお金では買えず、時間を経た検証が必要になります。僕がテクニカルデータを集め始めたように…時間的な検証をしながら手法は確立されるのでしょう。

推奨した銘柄が当たるとか…そんな次元の低い話ではありませんね。そんな未来は誰にでも変動要因が大きく分からないのです。だから考え方のプロセスが理解できればいいのです。円安はどうして起こったのでしょう? 考えられる理由は二つかな? 一つは怯えたからですね。例の覆面介入ですね。日本は気付き始めたのかな? 日本の金利は1%、イタリアは先日まで7%でしたね。何故、この金利差を利用しないのでしょう。アメリカのTボンドは3%、Tノートでも2%弱です。30年は無理だとしても同じ10年で1%の金利差があります。もう一つが企業のアジア侵略でしょう。

基本的にGDPの成長率が高い勤勉な国なら、資産は上がり通貨も強くなります。だから日本でお金を使うより成長率の高い国に投じた方が有利ですね。ただし政治基盤や社会的な混乱がなく勤勉でないとなりません。ベトナムは候補地の一つでしょうが、経済運営が下手で高インフレなので政権の基盤が怪しいかな? 具体例の一つはこんなイメージですね。最近の注目はミャンマーでしょう。米国の対中国戦略が背景にあるのでしょう。アフリカも候補地の一つですね。ケニアは開発ラッシュのようです。

このように通貨を利用する市場原理が日本で生まれ、むやみに円高に向かう危険を市場は関知しているのでしょう。だからマツダの初動は強く注目される候補銘柄の一つに選ばれるのです。何故なら、ヘッジファンドの玉が残っているからです。素質はあっても、実際に業績が上向いても人気化しなければ意味はありません。所詮、成長株が生まれる確率は非常に低いのですね。だから仕掛け人の存在が重要なのです。自分で演出が出来るほど資金があれば簡単ですが…最低100億円以上は必要になりますね。だからしばらくは力を蓄える為に他人の力を利用することになります。そうすると、寄らば大樹の影です。環境を考え、力のある仕掛け人に付くしかありません。相場環境を常に考え、仕掛け人の力量を見るのがテクニカルなのでしょう。

今は円安の動向、米国の大統領選はこのままでは、清貧思想のオバマに軍配が集まります。しかし民主党のオバマはばら撒き政策で、財政問題が何処で発火点を迎えるか? いつまでドルの基軸通貨体制が続くのでしょう。SDRに移行するのは何時なのでしょう。だから欧州危機に揺れるユーロの実験は価値があります。ギリシャなどモルモットみたいな存在ですね。言葉の語弊があればお許しを…。中国の2度目の緩和でムードが更に向上します。しかし所詮は預金準備率の話しで、まだ2回目ですね。今年の中国株は注目されます。ざっと雑感を述べました。

投稿者 kataru : 14:11

2012年02月12日

中央銀行と相場解説

市場の事は市場に聞け」と昔からよく言われます。
私は世界の中央銀行の協調姿勢やECBのクリスマスプレゼントを見て流動性が充分に供給され、ギリシャに端を発する欧州危機は峠を越えたと判断していましたが、なかなか市場は明確に転換せず1月12日頃が一般認識の転換点だったようです。しかし私が東京エレクトロンを指標銘柄として掲げている様にこの銘柄は独自転換しましたね。エレクは半導体の製造装置を作り世界的な競争力も保持していますから、ファナックと同様に世界景気のリード役の会社です。世界景気のバロメーターとして海運もそうなのですが、過剰船舶問題からふるいませんが商船三井もよく引き合いに出されます。世界の構造を考えれば其々の業種のなかでリーディングカンパニーは存在します。

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先ほど述べた事例の様に、認知を受けなかった過剰流動性が市場に認識され始め、相場は上がってきましたが、当然、乖離調整はどんな局面でも避けられません。乖離調整とは下値で買った人が利食いを入れる場面で投資層が変化する時間ですね。新たな買い参加者が事態の変化で現れるかどうか…。市場が強ければどんどん新規の参加者が相場に参加し押しが小さく、調整期間も短く上に行きますね。短期調整で直ぐに再び上昇を開始するわけです。2000年のITバブル時は押し目買いに押し目なし、一気に連騰に次ぐ連騰でソフトバンクが急騰して行ったのは記憶に新しいところです。既に12年前の話しですが…。

ギリシャ危機のクライマックス、株価上昇を受け相場は休みを欲する局面。どの程度休み、どの程度、下押すのか? 様々に流れる市場ニュースと需給バランスです。当初の読みはもっと早く一旦相場が上がり、調整を迎え再び上がると言う認識でした。でも現実は1月12日でしたね。そうして一巡したのが先週だったようです。ここ1週間以上200日線に絡む動きを多くの銘柄は続けています。なかには過剰な期待感がはく落し東京エレクの様に下押しました。しかし…今回の長引く欧州危機の調整で強気の人も投げを入れさせられています。つまり参加者が少ないから、当然、調整も短いと考えるべきでしょう。やはり月末に予定されるECBの2回目のオペの総額は興味のあるイベントですね。

もう一つが米国の流動性供給の記事「2011年末の米国世帯の借入残高が大幅に増加した。信用の凍結状態がいわば雪解けの兆しをみせている表れだ」とWSJでは報じています。この記事の意味はFRBのQE2がようやく金融機関から市場に流れ始めていることを物語っています。つまり中央銀行から一時的に金融機関に資金が供給されましたが、あまりの痛みに銀行はリスクを取れず、貸し出しが伸びなかったので、折角のFRBの資金供給が空回りし絵に描いた餅になっていましたが、ようやく雪解けだと言う兆候と見ているのでしょう。でも当然、逆の見方もありますよ。民間の借入余裕は乏しく再び消費が落ち込む可能性もありますね。そうすると景気回復の循環が動きません。個人消費が拡大し続けるほど、個人に余裕はないことは統計上分かっています。未だに諸刃の剣の上を歩いている状況ですが、ここは好意的に考えておきましょう。FRBの時間的な対応が早かったので経済の循環回復が動き始めているようです。

ところが日本は政策の失敗を民間銀行に背負わせ、明治以来の蓄積を吐き出させ強烈に痛めつけたところに、強烈なコンプライアンス規制を引いた清貧思想の為にいくら日銀が緩和政策を取り続けても、市場に資金が流れないのですね。それが貸し出しのグラフです。しかし最近はようやく改善し始めているようです。今、ECBはいくら資金を供給しても翌日物に銀行は資金をプールし、市場になかなか還流させませんね。この状態が「流動性の罠」の状態です。

本当に久しぶり昨年辺りから、私は雪解けを感じ始めています。なかなか僕の感覚と市場の動きは一致しませんが…震災以降、企業が目覚め積極的にアジア展開を図り始めています。日本、FRB、ECBと世界の中央銀行が流動性を投じ、まもなく人民銀行も参加しそうですね。その割に三菱UFJの上げ方はゆっくりでしたが…でも3割も短期間に上がったのだからソコソコのラインかも知れません。ギリシャ危機は流動性の罠を増長させる材料ですが、中央銀行の政策との綱引きですね。世界の流れを理解できれば多少買った株がひかされても…そのリスクに耐えることが出来ますね。

ただ個人の場合は現物ならともかく、信用の場合は追証と時間があります。この点のテクニカルが難しい問題ですね。

投稿者 kataru : 14:34

2012年02月05日

底入れのタイミング

今日はホンダを取り上げ、チャートの見方の解説をします。基本的に株価の転換は前の二つの山を抜くことから始まります。ホンダの場合は2508円と2511円の山ですね。多くの人はAの出来高が膨らむところで株を買い始めます。しかし下がってきた当初の出来高増加で買うのは余程の資金がある人でないとなりません。自分の資金に見合う投資が必要な訳です。私は証券マンだったので無尽蔵にお金がありました。多くのお客様が居りましたからタイミングより株数を増やし、いずれ上がる株を入れておけばいい訳です。だからAのタイミングで買えば良いのです。最初の高値2570円でも過去のトレンドから見て何れ抜けるからですね。ただこの段階は買いやすいのですが危険ですね。

今回のケースの解決の兆しが見えるのは、11月末の世界各国の中央銀行による協調姿勢です。更にECBの3年物オペは決定的でした。だからドラギのクリスマス・プレゼントと述べました。しかしNHKや日経新聞はその後も懐疑的な報道を連日流していました。ところが…本日の日経新聞は流動性供給による過剰流動性相場を匂わせ、尚且つ、抜本解決が済んでないと逃げを打っており、実に巧妙な記事でした。確かに記事の中身通りなのですが、景気回復は資金量なのですよ。ジャブジャブにしておけば、市場は安心感を抱きやがてリスクを追うようになります。先駆した成功者が消費を拡大させ、輪が広がるのです。欧州危機も実体景気が回復すれば、やがて税収が増えて問題を問う人は居なくなります。まだ世界景気は確実に回復するとは言えませんが、世界の市場経済のリード役である米国がインフレターゲット論を導入したので、恐いことは何もありません。この考え方が基本認識です。

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さて今日はテクニカル論ですから、Bの地点のRSIは30を割り込んでおりますが、先行するMACDは大きくマイナスになっていませんね。Bの出来高が増え始めた時点ではMACDは上向き始めているようです。しかし2511円までで、前の二つの山2508は抜きましたが、2570は抜いていませんね。注目はRSIの急落で、Dの様に再び30割れに近づきましたが、株価の位置は前回より上で止まり、しかも出来高がCのように極端に減っているように見えます。その後、MACDも上向きRSIも上昇し始めます。しかも今度は出来高が増えて株価が騰がっており、とうとう2511と2508の二つの山を抜きました。現在はセオリー通り200日線上で抵抗しています。この事は需給バランスが完全に改善していることを示しています。

先ほどの過剰流動性の環境を考えれば、この休みは何れ抜けるでしょうね。どのような形になるかは分かりませんが、早晩一段高すると言う予測は容易です。大切なことは、A~Bの変化のない時の行動は慎めと言う事でしょう。投資のベストなタイミングはCでしょうね。出来高が減っているタイミングから増え始めた位置が、狙い目でしたね。今、BかCのタイミングと思われるのがDENAです。2500円台に一気に入るか? それともホンダの様にもう一度下げてからくるのか? これは一概に言えません。ただ考慮すべきタイミングだと言うことは間違いないのでしょう。動意づいてから買っても遅くない…と何度も申し上げてきました。

グリーの決算を見ると、いくつかの疑問が浮かびます。海外会員数の比率が80%を大きく超えているのに…どうして売り上げのセグメントを発表しないのでしょう。決算説明会が注目されますね。課金制度が日本と欧米は大きく違うのでしょうか? この辺の見極めが株価判断を大きく変えるポイントです。会社資料には引き続き欧米アジアの海外部門の売り上げは織り込まず、保守的に想定していると述べているだけで全く説明されていません。事業展開を見ていると、これから整備するような意味合いも含まれていますね。DENAは既に3年ほど前から準備しているのですが、どうなっているのでしょうかね。

仮にこの時期に新高値を一気に抜いて来ても、買い増しあるのみで空売りなど厳禁ですね。一気に高値を抜くと多くの人が下値を見ているから売りたくなりますが、収益構造がガラリと変わる可能性を秘めているのです。今は200円程度の一株利益ですが、1000円、2000円になる素質があるから、安易な行動は控えねばなりません。グリーの出来高などをみると、ひょっとすると有力なヘッジファンドが玉を拾っているかもしれませんね。

私が今回DENAに拘っている背景は、前回、見過ごしたからです。分割前でしたが20万円台まで下がったDENAの株価が2倍になっても衰えず、どんどん上がり続けていき大きく戻ったので、多少の損切りで売ったら…さらに株価は急騰し、後で収益が急激に改善したのです。今度は世界が相手で、1億人の70倍ですからね。だから1万円説を前から述べています。果たして、どうでしょうね。久々のヒットになるか、それとも社会規制が引かれ、一気に急落するのか…。ハイリスク・ハイリターンの銘柄でカタル銘柄らしい動きが今後も期待されます。

投稿者 kataru : 15:39