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2008年09月28日

中山大臣の辞任

中山成彬国交相が辞任されました。
しかし私には、何故、辞任しなければならないのか理由が分かりません。一部のマスコミの偏った報道により、さも悪いことをしたような報道の仕方はおかしいと思っています。私は彼が官僚の出身だそうですが、考え方は似ていると思います。

成田闘争の時間を考えれば、明らかに北原さん達(空港反対同盟)の行動は異常です。確かに成田空港の設立に際し、強引な役人のやり方があったのでしょう。もし普通の対応ならば普通のお百姓さんが、あそこまで意固地にならないでしょう。話の経緯は分かりませんが、国家利益を考えれば強制収用して問題を解決すべきでしょう。日本国民、誰もがそう思っているはずです。だって、あの土地の為に滑走路が出来ずに非効率になっているのです。非効率な空港のツケを利用税の形で、利用者全員が負担しているのです。
発言の仕方は悪いかもしれませんが、何故、あの発言が失言なのでしょう。

日教組への発言が、辞任に追い込まれたと言います。
日教組の職員が起こした事件を考えてみて下さい。卒業式や入学式に国旗を掲揚せずに、国家も唱和しない異常な反日本国民生産主義者です。学校の荒廃は日教組の職員の影響が大きいのでしょう。常識人なら日本を荒廃させたのは、日教組が癌の中核だと思っているはずです。実は日教組に対しそれほど調べたことはありません。しかしこれまでの事件を考え、私の信頼すべき常識人が、挙って日教組の批判をしている現実を考えれば、たぶん相当、根が深いのでしょう。

発言の趣旨より、問題だと思うのが大臣の失言を叩くマスコミの報道姿勢です。世論ではありませんね。一部のマスコミが歪んだ思想を持ち、自分たちの意見が正しいと主張するのは、おかしいのではないかと考えます。これでは日本の国はいつまで経っても良くなりません。ちゃんとした意見を述べ合い討論し、互いに問題の本質を見つめ直し、日本の将来を考えねばなりません。それを馬鹿なマスコミは…、売れればいい。視聴率が上がればいい。そんな基準でしか世論を誘導できない連中に、国の世論作りの根幹を任せていれば、この国は本当に駄目になりますね。

私のIRNETの「今日の市況」も私の本来の意図と違い、ビスタへの移管に追い込まれました。「株式市場 日本を考える」、IRNETは一貫して、この主旨を保っています。しかし現実は違う見方をする人が大勢いて…くだらない、当たり前の自己責任を確認させる方法を取らさねばならなかったのです。本当は有料にしようかも思いました。そうすれば、もっと自己責任が確立されますからね。しかしそれでは…何故、10年も続けたか?

皆さんは私の気持ちを考えた事があるでしょうか?
一つは勉強の気持ちがあります。こうやって毎日書く事により、自分で調べ考えますからおそらく飛躍的に自分の投資技術はあがっているのでしょう。毎日、公開すれば間違ったことを書くと必ず指摘を受けます。公開する事によって逃げることが出来ませんね。だから真剣に考えますからね。この自分へのメリットがあります。

しかしそれ以上に、分かって欲しかったのです。何故、日本の株価が右肩下がりになるのか? 何故、国民生活が徐々に悪くなるのか? このままでは残念ながら、日本の行く末は悲劇シナリオしか考えられないのです。悲しいですね。自国の国の企業を育てることが出来ないなんて…日本人が日本企業の株を買わずに、グローバルソブリンなどと言う形を通じて、外国に資金を流さなくてはならないのか? グローバル化になり、資金を簡単に移動できるようになりました。英語が一般的になり日本に住まなくても良いようになりましたね。時間がないのです。国民一人ひとりが、株の上下を通じて問題を見つめないと…

私は人生で一番いい時期が、苦難の時代に埋もれました。その悔しさからでしょうか? 日本の問題点に気付いたのが1996年頃でしょうか? あるいは1997年ですね。 しかし人生をやり直す手段が見つかりませんでした。今、日本の若者は可哀想に…時代を理解してない国民の犠牲になっています。正社員で朝から夜まで働いても食えない現実です。厚生労働省の職員は本当に世界の現状を理解しているのでしょうか? 世界競争の現実を…私は通産官僚の北畑さんを批判しましたが、株式をやっていれば、日本の現実を理解できる筈です。政策官僚が、株をしないから政策を理解できないのです。

何とか、乗り越えて頑張って欲しいものです。
既にかなり残された時間を使い切りました。まぁ、土壇場に追い込まれれば大丈夫だと思います。中山大臣の辞任を生かしたいものですね。

投稿者 kataru : 10:58

2008年09月23日

基準やモラルとは…

小さな横綱で偉大な記録を残した朝青龍が追い込まれています。ある意味で身から出た錆と言う評価もあるでしょうが、私には日本社会の恥部のように感じます。何故、あれほどの偉業を成し遂げた人間がこれほど叩かれるのでしょう。彼に非があるのも事実でしょうが、それ以上の実績を残している筈です。相撲協会にしても恩恵の部分が大きいと思います。異国の地に来て業界のトップまで登った彼はどんな心境なのか…頑張って欲しいものです。

日和見主義の日本。
株式市場でも値動きだけを追う動きが盛んです。しかし年老いた投資家の中には、私が証券株をお薦めした時「わしゃ、証券株は嫌いだ」で一喝されたお客様がいらっしゃいます。同じように同僚が東芝を売りましょうと声を掛けると、ある投資家は「わしゃ、東芝が好きだ。だから売らん」と言われたそうです。こうなると理屈じゃないですからね。仕方がありません。そのお客様には以後、その手のはなしはタブーになります。最近の市場を見ていると、いくらグローバル化の世界でもNY市場と同じように上下する市場には飽きがきますね。

今でも不思議に思うのですが、グローバル化と言う割りには、現実は違うのですね。アーバンと言う会社は素晴らしい経営者だと思うのです。(客観的な数字だけの判断でみれば…)だって、あの数字の伸びをみれば、素晴らしい経営者ですね。しかも赤字でない黒字企業がいきなり資金繰りで倒産するという前代未聞の現象が現実となりました。この事例は、今の日本を物語っています。金融に人がいませんね。役人に縛られていると言うか…仕組みがおかしいなら文句を役人に言えば良いのです。ところがUFJの現実を見て萎縮したのでしょうね。これでは国が良くなりませんね。現場が指導者に現実を伝えることが出来ない。政治家もだらしがないし…落ちぶれる日本。働く若者を痛めつける日本。ライブドアとIHIの違いを説明して欲しいですね。悲しい国ですよ。

アメリカがダブル・スタンダードの疑いで叩かれています。確かにリーマンとAIGは何が違うのか? 謎です。リーマンは儲けに対し、なりふり構わず…節度がないと言われていました。確かにお金を貸して、その会社を応援すると思ったのですが、違いました。内情を知った彼らは、増資で得た株券を売り更にカラ売りを掛けます。トコトン搾り取るのです。だからグリード(貪欲)と呼ばれるのでしょう。効率主義のアメリカでも儲け方に注文をつけるのです。市場主義のアメリカも二重基準の疑いがもたれると信用が失われます。日本の場合はケース・バイ・ケースでどうなるのかサッパリ分からない始末です。日本人の私が分からないのだから、海外から見れば奇異に移るでしょう。きっと大きな価値観の変遷が背景にあるのでしょう。江戸時代から明治に移ったような…だから混乱をしているのでしょうね。

最近、思うのです。些細な現象が大きな現象になり、本来は間違っている筈なのに、それが市場に反映されるのですね。ネット社会について、よく考えるようになりました。どうやって僕等は、ネットを利用するか? 利用する側に節度が必要だと考えるのです。そうして儲けに対しても節度があるのかもしれないと…。行動の価値観や基準は人によりマチマチです。社会起業家と言う言葉がはやり、その精神を根底に社会が変化すれば素晴らしいなとも考えますね。しかし現実は三笠フーズに、中国の牛乳問題。企業のCS(Customer Satisfaction)活動が重要な価値観の一つになるかもしれません。

揺れ動く市場を考えると、株価の位置を決めるのは大変なことです。

投稿者 kataru : 08:57

2008年09月21日

株が上がらない

かたるの失敗を踏まえ幾つかの仮説をたてて、これからの行動の決めようと考えています。
株価上昇を拒む原因です。

仮説1(妬みの精神構造)
相場の転機は明らかに2006年1月です。折角、日本が新しいステージに入ることを拒んだのはライブドア事件だと思います。その後の世間の対応を見れば明らかですね。特にひどい事例がIHIの粉飾決算を前提とした公募増資はどう考えてもライブドアより悪質だと私は考えますが石川島から経団連会長を出すなど「日本村社会の癒着」は完璧なのでしょう。実はライブドアと同様の事件が20年前にもありました。江副さんがリクルートと言う会社を興すのですが新規公開株譲渡が賄賂に認定され江副さんは抹殺されました。彼も東大出身でしたね。奇妙に共通点はかなりあります。日本村が市場経済の促進を拒んでいるという仮説です。所謂、妬みの構造です。日本人誰もが持つ心ですね。

仮説2(加工貿易限界論)
交易利得の話しが発端です。既に技術革新から遅れた日本人は労働意欲も精神構造も全ての面で優位性が消えたと言うことなのでしょう。最初は労働コストの問題かと思いましたが、日本人の資質が落ちたのですね。三笠フーズの汚染米事故など異常な精神構造の人間が多く存在します。クレイマーを初め、学校に異常な要求をする保護者、犯罪の検挙率の低下、国民保険の納付率など数え上げればキリがありません。残念ながら日本は完全に下降局面なのですね。米国が見捨てるのは分かりますね。イージス艦の漏洩問題だけでなくF22の次期主力戦闘機の投入が実現しないのは道理でしょう。値上げが出来ない加工品。競争力が落ちて製品の優位性が失われたのでしょう。故に貿易赤字にいずれなるかも…

仮説3
実はこの原稿、夜、寝ながら思ったのです。朝起きたら、3つ目の仮設を忘れていました。上の二つは直ぐに思い出したのですが…3つ目が…その内、思い出すでしょう。かたる君は薔薇色の相場がスタートすると考えていましたが、本質的な何かが日本には欠けていますね。あまり期待できないからカラ売りも手段に選ぶべきかもしれませんね。シンガポールに逃げないと…日本には何れ食えない人間だけが集まり劣化するのかな?残念ですが…だんだんこのような考えが広がっています。

投稿者 kataru : 15:37

2008年09月14日

かたるの失敗3

かたるの失敗を綴り皆さんに意義があるのか分かりませんが、株屋としてはいろいろ考えるわけですね。ネット上の「未来かたる」と実在する「かたる君」は同一人物で、やはりそれぞれ影響を受けるわけです。日本経済が右肩上がりの時は「かたる君」投資は正しかったのでしょう。しかし市場主義のアメリカ株を知るにつれアメリカの市場原理が正しいのか? 多少、疑問を覚えます。しかし日本の市場は外人投資家に支配され否応なくアメリカ的な動きになっているようです。今日の新聞では経済産業省の法人税率の話しが載っていました。上場企業の日本逃避が現実になっているからでしょう。

ひとつの現象を知る為には、かなり長い時間が掛かります。
投資の世界では様々な変動は10年単位の波で起こることは良くあります。例えば原油価格の高騰は私が証券界に入った第二次オイルショック以来の現象ですから1979年の話しですね。実に30年ぶりの現象です。投資の世界は経験が、かなり需要な要素を占めます。同じように会社を理解する為には10年単位の企業の観察が重要です。企業風土があり決算発表にもそれぞれ特徴があります。双日への投資の失敗は日商岩井とニチメンのカラーの違いなのかもしれません。西村氏は日商岩井で土橋氏はニチメンの出身です。前社長が公約した期間利益で優先株償却をするという公約を土橋氏は守らずにMSCBを発行したわけです。その為に、折角、会社は良くなったのに株価は上がりませんでした。同じ事例がオリコと日本信販でした。資本不足に陥った時の対応がその後の株価の明暗を分けました。三洋電機や三菱自動車も会社はよくなっても株価は上がらないのでしょう。この資本政策は非常に重要です。

みずほが1兆円増資を実行し株価の希薄化懸念が生じています。前田さんは自社株買いを実施していますが社長が変われば分かりませんね。実力では日本でNO1だと思いますが株価では3位の位置で甘んじているのは資本政策によるものでしょう。最近、りそなが公的資金返済もせずに自社株買いを始めたのは評価される事実です。通常、オーナー経営者は自社株に関心が高くあるものです。僕らサラリーマンの通信簿が年収だとすれば、株価は企業経営者の通信簿ですからね。

双日の選択は同じ商社でもハイリスク・ハイリターン狙いだったのです。つまり再生相場の一環だったのですね。しかし株式併合を実施しこの評価なので選択は間違いだったのでしょう。あの時に丸紅だったら同じ再生相場の狙いですが天と地の違いですね。
当時、三菱商事も手掛けていましたが、やはり大型株は好みに合いませんね。しかし金融資産と見た場合、いつもそうですが、やはりトップ企業での投資だけでも充分なのでしょう。この時期に景気は立ち上がり消費が盛り上がると思っていました。土地も上がっておりダイエーは資産を抱えるので、いい選択だと思っていました。事実、1回目のダイエーの取り組みはかなりの利益をあげ好成績でした。2回目が失敗でした。本格的に消費回復と思ったのですが…継承した丸紅に再生意欲はなくイオンへ会社を譲渡し、資産売却をし始めたのです。ついでに消費は盛り上がりを欠いてきました。これは設備投資から消費と言うエンジンに点火せずに外需に頼った日本経済が失速した為でしょう。ここの見誤りに全ての間違いがあったのですが、当時は気付きませんでした。

先回も述べましたが消費が盛り上がらなければ国内産業は全滅です。
ベンチャーリンクへの投資はそれまでの再生相場への取り組みとは違うものでした。双日、ダイエーはもともと実力があり、経営者が変われば変化できるものでした。しかしベンチャーリンクは初めての成長株投資への狙いでしかもゼロからの挑戦だったのです。双日の株価が絶望的だと思ったのは野村證券の対応を見ての評価でした。野村證券は既存株主利益を無視し目先の利益に走ったのですね。あの時に、野村の実力があれば高値での転換も出来たはずなのです。700円、800円で転換すれば発行株式総数は減り1株利益は上がりますからね。それを安値で叩き売る戦略は証券マンとしては信じられない思いでした。

その失敗を取り戻す為に、きっと、心の中で焦りがあったのでしょう。
当初、ベンチャーリンクは博打株のイメージでした。FC店の脱退は分かっていましたから、それを上回る新規のFC事業を開発しなくてはなりません。当時は無借金でした。市場から資本調達した資金で借入金を返済したのですね。もともと教育問題が日本の問題点で誰かが変える必要があります。詰め込み式の教育スタイルでは駄目なのですね。藤原正彦先生も仰っているように、修身教育(道徳教育)は大切なことです。
現在の様々な問題、例えば三笠フーズの汚染米販売など、通常、考えられない事件です。「七つの習慣」と言う基本的な人格教育は新鮮で素晴らしい響きがありました。ただ会社の実情はお粗末なものでした。赤字から黒字に脱却できるかどうか微妙でした。そんな時に始まったのがカーブスの存在です。

かたるが本格的にベンチャーリンクを買い始めたのは170円前後だったと思います。その後、カーブスの成長過程を見て熱くなっていきました。2000店舗が1000店舗増え3000店舗へ。次々にFC事業が開発され積み重ねの利益が計上できると考えたからです。事実、会社の中期計画もかたるが買い始めた後で発表され、1株利益60円程度の予想でした。2006年ライブドア事件が勃発し、新興株式が総崩れでベンチャーリンクの株価が下がるのは仕方ないと考えていました。流動性リスクの為です。この会社の収益構造が新規の加盟店契約に依存していたリスクの見落としに気付いたのは、2007年の末でしょう。景況感が悪化し中小企業相手では仕方ないと思っていましたが、落ち込みは予想以上でした。今から思えば会社側にも焦りがあったのでしょうね。次々に新規のFC事業を開発しますが、なかなかいいものが出てきません。ライフサロンなどの開発は成果が乏しいものなのでしょう。ベンチャーリンクの爆発力は素晴らしいものがあります。残念ながらカーブスのテレビコマーシャルが、今から思えば分岐点だったのでしょう。加盟店開発の第二エンジンに火が付かなかったのです。牛角のときは成功したのですが…ついてない会社です。折角、良い物を持っているのに時流に乗れないのです。

NECのPC9800でしたかね?
あの事例も…流れを読み違った例ですね。折角、いい物を持っているのに…NECもマイクロソフトにしてやれます。優れた技術だと言う評価でしたが…。景況感の読み違いが、小さな会社では命のやり取りに発展します。ベンチャーリンクの現状は、ゴーイングコンサーンが付くような内容なのでしょう。ベンチャーリンクをかたる銘柄に据え置いているのは、双日やダイエーは株主を完全に自らが裏切ったのです。しかしベンチャーリンクは自ら一所懸命に努力しての失敗です。株屋としてハイリスク銘柄に固執した投資は明らかに失敗です。しかし私は今でも復活して信じ願っていますね。私自身は買えますが、ゴーイングコンサーンが付いている以上、お客様にお薦めするわけに行きません。来年、再び景況感は改善し始めます。黒字化への道筋がなかなか見えないものでしたが、今回のリストラ効果で今までは無理だと思っていましたが、可能性としては、会社の主張どおり、ほのかながら再建が感じられるのかもしれません。

あまり長く、かたる投資の失敗を書いても仕方ありません。
今回の様々な失敗は景況感の読み違いが一番大きな要因だと思われます。企業収益は連続増益なのに給料が上がらないのは様々な理由があると言われています。世界の輸出産業の労働者は中国を中心に激増しており競争が激しくなったこと。国際通貨基金(IMF)の推計では、05年の世界の輸出産業に携わる労働者は89年より5億人増の8億人に達したそうです。安価な輸入品により先進国では生産と雇用が失われ、職を失った人が新たな職を求めたために労働市場で競争が起こり、輸入品と競合しない産業でも賃金抑制は進んだのです。大企業の総人件費は労働分配率の低下に伴って2000年以降、一貫して減少を続けています。しかしこの総人件費を人員数と一人当たり人件費に分解すると人員数はリストラにより毎年減少していますが、一人当たり人件費は00年と05年を除いてむしろ増加傾向にあるのだそうです。つまり社会保障費の増大が原因の一因と考えられます。他には派遣の問題やアウトソーシングの話しですね。

失敗の原因を考えるとマクロ的な視点が大切だと思うのです。まさか交易利得の問題が背景にあり、様々な理由から景気に影響を与えたとは…。また今回は税制の違いから企業利益が海外に滞在する問題もあります。特に小さな会社ほど景気動向の影響を受けます。先日から考えている加工貿易国家の限界説は、日本の産業界の構造に大きな転換を強いているようにも感じます。日本の様々な問題が(基本的には社会保障費の増大)加工貿易国のスタイルを維持できない可能性があるのですね。そう考えると日本企業はこれまで以上に海外へ生産活動を移すのでしょう。

まだマクロ的な影響と株価の関係を考えた時間が少ないので経験事例が少なく影響が分かりませんが人間の気持ちなど些細なものなのでしょう。株式で何千万円も何億円も損をしたかたる君でも、パチンコで10連続フィバーすれば、やはりうれしいのと変わりません。人間心理など、ほんの僅かな違いなのですね。最近、思うのです。マクロ的な僅かな影響は、時間の経過と共に大きなうねりに変化するのですね。だから時代背景をよく見て相場の動きを考えないとならないと…。なかなか株式投資は奥が深いと思っています。

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投稿者 kataru : 16:06

2008年09月07日

かたるの失敗2

かたる投資の失敗を分析しています。
非常に大切なことなので、恥ずかしいけれど、あえて自己分析をしています。投資家それぞれが今後の投資に役立ててくれればと願っています。
かたるが、何故、相場観を間違い、銘柄選択を誤り、損失を被っているか?
大きな原因の一つに、私の性格があるのだと思います。常に前向きに希望的な観測を元に行動する性格ですね。これはかたる君の信条だから仕方がない。もともと、かたる君は父の死を切っ掛けに、人間の生き方のあるべき姿を考えました。人間、一度はいずれ死が訪れます。故に死ぬ時に悔いが残らないように、精一杯、一生懸命に生きようと心に決めたのです。だから、多少、背伸びをして生きているのですね。

更に、景況感の読み違いに大きな見誤りがありました。長いトンネルを抜けたので、今度は明るい未来が待っていると言う希望的な観測を元に相場観を組み立てていたことです。しかし現実は…いつも語っている通りの失政が続いています。この原因はマスコミの責任が大きいですね。常に視聴率などを意識する為に、間違った方向の報道をし続けています。社会現象を漫才化するので、選挙を意識する政治家や官僚は理想の政策を実施できない有様です。まぁ、これは兎も角…

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通常は景気が低迷すると金融政策と財政政策が実施され景気の浮揚を図ります。金融政策の代表例は金利の引き下げなどです。そうして減税や公共事業投資などの財政出動で需要が喚起され景気が浮揚します。忙しくなった産業界は需要に応える為に増産に走り設備投資をします。そうなると益々需要が大きくなり人材が不足します。人材の不足から賃金が上がり、人々は可処分所得が増えるので消費に走ります。基本的にはこの三つがGDPの主力エンジンですが、これに貿易を加えた外需が影響するわけですね。今回の景気回復はBRICs景気の外需によるものが大きいわけです。ピジョンなどが新高値の現象は日本がグローバル経済の中で生きていることを示しています。他にも沢山ありますね。

かたる君の失敗は設備投資まで火がついた景気から消費と言う主力のGDPのエンジンに火がつくと考えていたことです。ハイリスクを信条としているかたる君は常に株価効率が高い銘柄を選んできました。つまり潜在的な株価成長率が非常に高い会社です。会社の業績の成長率ではありません。株価の変化率の高い会社と言う意味です。
ところが交易利得や企業の海外利益プール、外債投資などの為に、日本に資金還流が起こらずに消費に火が付きませんでした。功を焦った厚生労働省は派遣事業の見直しに着手しました。キャノンの派遣社員論争は経団連会長を輩出する企業として非常に面白い現象でした。企業の税負担はグローバル基準では重く、今日の日経ヴェリタスの報道にあるように「スミダ」と言う企業が日本を脱出する話は興味深いものですね。前から述べているようにHOYAもそうなのです。既にグローバル化が加速している以上、日本独自の基準は意味がありません。国際会計基準の設定などはそのような時代の流れの一環なのです。

話がそれ始めましたが、日本は様々な規制が人間の行動を縛り閉塞感を生んでいます。このような現象の中で日本逃避の動きが続く以上、株価の成長を望むことはかなり難しいわけです。エルピーダをみれば分かります。税負担が小さく優遇処置のある国に工場を作り利益の追求をしていますね。日本の空洞化を防ぐ手段が請負や派遣だったのですが、世論からの批判が厚生労働省の態度を変えさせたのでしょう。時代の逆行は政策だけでなく新日鐵の株式持合いなどに色濃く反映され始めました。少し景気が良くなったので、自分たちが更なる苦労である構造改革を放棄して、楽な選択をし始めたのがライブドアの国策捜査なのでしょう。このような現象を時代の逆転と、当時は読めなかったのですね。日本からの資金流出や政策の転換が行われた為に株は悲鳴をあげはじめます。

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しかし私はそれらの現象は一時的だと考えていたのです。見落としもありました。交易利得や企業の海外資金プールなど…ひどかったのは不動産への総量規制です。地方では今年の4月から始まりました。東京は昨年の夏ですね。株価が新安値に向っているのは海外動向もさることながら国内の固有問題が非常に大きいのでしょう。総務省が発信している街角景気は非常に景況感を上手く捉えています。統計としては意味がありますが、日銀短観は硬直化しているように感じますね。自己主張に固守するあまり相場観の修正が遅れました。ご存知のように「今日の市況」では常にかたる君は強気を堅持しており、トロ君はどちらかと言えば弱気を主張しています。両者は常に対立しているわけです。現実の世界でも、かたる君はある意味で役者なので…演技に染まったように感じますね。有言実行をモットーとして行動していますから現在のかたる君は苦境に陥っているわけです。

しかしIRNETでは株式投資の本来の投資の意味を伝えたいと思っていました。そうして私は現在でもその投資行動が正しいと信じています。育てたい企業を応援するのが株式投資のはずです。世の中に必要な企業が伸びるのが道理でしょう。故にかたる君は企業が裏切らない限り応援するのですね。双日は悲惨でした。企業経営者に株主は裏切られ、証券会社にも裏切られるのです。悲しい事に今の証券界には企業を育てようとする本来の使命感が欠けています。同じことが銀行にも言えますね。悲しいことです。ある意味で社会的使命などの正義感より利益追求に走っている日本の構造はどこか間違っています。別に否定するわけではありませんが、ジェイコム君がもてはやされる現実は何か味気ないものを感じます。負け犬の遠吠えですけれど…私は心が豊かになる生き方をしたいと願っているのです。社会起業家の精神ですね。よくもまぁ、自己弁護していますね。恥ずかしい限りです。敗者には敗者の弁があるのでしょうか?

景況感の読み違いは銘柄選択に影響されます。時間軸がずれるのです。
株価は市場要因と個別株要因に影響を受けていますが、昨今のような流動性不足に陥ると、まともな株価は時価総額30社ぐらいの銘柄でしか付かないのでしょう。後は人気株だけ…その他大勢の株式は残念ながらゴミですね。故に新安値銘柄が430も出るのでしょう。1株純資産を割れる会社が東証一部上場だけで972銘柄(1720銘柄が上場)もあるのは、明らかに異常現象なのでしょうね。景況感の悪化は業績の変動を招きます。日本の景気後退は2006年の失政から始まり、サブプライム問題の影響で加速し始めました。まぁ、三つの課題であるサブプライム問題や中国問題より日本固有の問題の方が厄介ですね。この解決には時間の変遷が不可欠で世代が交代しないと実現しません。明治維新からの日本人の苦労は時代のギャップに苦労したでしょうね。

私は古い世代に近い考え方です。新しい時代はもう少し割り切らないとなりませんね。
かたる君の投資活動を成功させる為に有言実行などの「武士に二言はない」などと言う精神は邪魔になります。「情け」などの武士道の美学を捨てねばならないのでしょうか?
昨日はNHKのBS2で黒澤明監督の「七人の侍」と言う白黒の番組を放映していましたが、見返りを求めずに百姓を助ける為に命を投げ出す武士か…馬鹿な生き方ですね。しかし、何故か好きですね。

投稿者 kataru : 10:18