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2008年07月27日

政策は大切

嘆いてばかりいても仕方ありませんが、市場主義の国、アメリカと、修正社会主義国家の日本との株価の違いを見てください。米国の株価は2753ドルから11370ドルへ4.13倍になり、日本は38915円から13334円と0.34倍と、1989年から低迷しています。その動きの推移を見てください。政策が如何に重要か分かりますね。

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投稿者 kataru : 15:06

2008年07月21日

国策逮捕(長銀のケース)

一匹狼の歩合セールスとなって、まもなく20年になります。この間、日本経済の司令塔は不在で何処に国家目標があったのでしょうか? 本来の政治の使命はより良い国民の安全と豊かさを高める為にあると思うのですが…1985年辺りから怪しくなってきました。IRNETの前身であるホームページ「株式市場 日本を考える」のタイトルで始めたネット活動はまもなく10年を迎えますが、辛うじて墜落しない程度で燃料切れが迫っている日本国のイメージに感じられます。日本には江戸時代の鎖国時代から外部に刺激され、改革意識が芽生え明治維新が起こりました。バブル崩壊から、そろそろ20年を越え戦後レジームも脱却を図るべきだと思いますが、なかなか新しい時代に入れません。まだ産みの苦しみは続くわけです。

先日、旧日本長期信用銀行の粉飾決算事件で、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)と旧商法違反(違法配当)の罪に問われた元頭取ら3人に対し、最高裁は1、2審の有罪判決を覆し無罪を言い渡しました。バブル崩壊の幕引きを図った検察当局の国策逮捕(国策捜査)と言われる事件ですね。日本国の政策は大蔵省が作り、背後を固めているのは、国税や検察の組織的な援護射撃のように感じます。だから政治家も役人様に配慮するわけです。このような国策逮捕にはロッキード事件などが過去にあるわけです。

日本の金融機関は長い間、護送船団方式で大蔵省の言いなりの経営をしてきました。その行政指導の政策の失敗が1989年からのバブル崩壊です。残念ながら、失敗元が国の為に延命処置が働き、なかなか後遺症から脱することが出来ないのです。当時の責任者は澄田智、三重野康、宮沢喜一、橋本龍太郎などを筆頭に多くの人間が関与しています。まだ生きている人も多くなかなか政策責任が明らかになっていません。本来なら米国のようにペコラ委員会が設立され実態を解明して厳格な処罰をすることが後世のためになったのでしょうが…何故か、日本は長銀への国策捜査が決定され犠牲者を作る事によって、幕引きを図ろうとしますからね。スケープゴートを求める手法がこれまでのやり方でした。元頭取大野木克信氏も責任はあるでしょうが、明らかに裁かれるべき被告は全てを指揮した大蔵省の幹部の筈です。2006年のライブドアも村上ファンドも似たようなものでしょう。

ここで嘗ての大蔵省事務次官の名前と在任期間を列挙しておきます。全員が戦犯と言うわけではありませんが、金融行政に携わっている人もいますからね。もともと日本の汚職の源を作った財政投融資は理財局が主導権を握ってきたし、無駄な公共事業投資に予算を配分した責任は重いでしょう。

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今回の長銀の無罪判決は、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)が下した判決ですが、最近、私は裁判長の考え方により判決は大きく変わるのでは?との疑念を持っています。ブルドックソースは今井功と言う人でしたね。この人は京大出の裁判官あがりです。今回の国策逮捕に無罪判決を下した中川さんは異色ですね。金沢大学の出身で弁護士あがりです。この裁判が検察官あがりなら間違いなく有罪だったのでしょうか? 調べてみるとこの枠組みが決まっており裁判官から6人、弁護士から4人、検察官から2人、あとは行政官、外交官、大学教授から各1人の合計15人で構成されています。僕らが選挙で信認できるのです。この人たちは内閣が選ぶのです。


国策とは何か?
巨大な組織を動かす法律の立案など確かに難しいですが、誤魔化すやり方に国民はウンザリしているわけで今回の長銀の話など、ほんの一例でしかありません。バブル崩壊の最終処理はまだまだ進んでないのです。大手銀行の「みずほ」さえ、1兆円増資の後始末がついてないのですから…、りそなに至っては話になりませんね。いずれ外銀の傘下になるかどうか…

ところで、今の日本国の目標ってなんなのでしょう? 
サッパリ分かりません。通常は内閣総理大臣が国策の方針を決めるのでしょうが、池田隼人の所得倍増論などの明確な目標が、いつから消えたのでしょうか? いつまで対処療法的な政策を実行するのでしょうか? 考えてみれば、日本にはいつしか「夢」とか、「希望」と言う言葉が消えたように思います。

投稿者 kataru : 10:45

2008年07月20日

失敗の原因

私はこれまで企業業績が赤字から黒字に転換する瞬間の株価が一番良く上がることから、業績が赤字から黒字に転換する企業を狙い続けてきました。以前にも解説したことがある景気循環と株価の特徴を掴んで売り買いをする方法を応用したものです。具体的には金融相場には銀行、証券、不動産と言う業種の銘柄を、そうして業績相場には素材から製造業を…そうして消費関連などに繋がるはずだったのですが…近年はグローバル化により別な力が大きく影響し完全に相場観を読み間違った結果、大きな損失を受けました。その原因を探っていたのですが…最近、明らかになった交易損失などの影響も相場観を読み間違った原因の一因と考えています。本来の景気の循環パターンでは、金融政策、財政政策により景気が持ち直し、設備投資が始まり景気が良くなると労働分配率が上がり消費が盛り上がる筈だったのですが、今回は設備投資まで火がついたのに、一番、金額の大きなパイである消費が空振りのうちにインフレが始まりました。この理由の一つがグローバル化により日本の税率が高い為に企業が利益を海外にプールしたこと。そうして交易損失が膨らんだので労働分配率の上昇に繋がらなかったのでしょう。

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この失敗の反省を見るグラフが日銀短観や鉱工業生産指数はかなり良いのに、街角景気は下向いています。既に街角景気は最低水準になりますね。まるで日経平均株価と単純平均株価の差異を見ているようです。我々は国内で生活しているわけで、海外で生活しているわけじゃないですからね。悔しいけれど、完全に相場の読み違いが続いていたわけです。もう一つ、下のグラフは景気の実態により株価と業績の関係がずれるのですね。景気の上昇期には株価の動きは先取りしますが、景気の下降期には株価は弱くなり遅れるのです。此方は当たり前の現象ですが、ディフェンシブストックが活躍する現象と同じです。更に大型株が小型株より有利になるのが景気後退期ですね。投資家は損失を抱え慎重になるわけです。この二つの現象を基本に捉えこらからの相場観を組み立てねばなりません。

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投稿者 kataru : 08:25

2008年07月13日

峠は越えた

負け組みの心理と勝ち組の心理を考えてみると、微妙な投資心理が垣間見られます。人間と言う動物は不思議なものです。NY市場は完全に弱き相場に傾いたようにみられます。一度、投資心理が逆転するとなかなか反転させるのは至難の業です。NY市場が2割の下落を持って弱き相場入りしたのは、やはり意味があるのでしょう。

しかし…私はいつも強き相場をイメージしています。少数派に転落した強気派は日本では少なくなりましたね。既に私が証券界に入り強気を演じていた時期より、ずっと、弱気相場の時期が長くなっています。日本には戦後、色んな時期がありました。昭和30年代は希望に満ちた時代です。そうして高度成長時代に入り『JAPAN AS NO1』と言う時代があったのです。この本が出版されたのは1979年です。その後、1989年にバブルが形成され崩壊へ…この10年が私の証券マン時代でした。「ベルリンの壁崩壊」を受けて、日経平均株価10万円へと歩合セールスになってレポートを書いたことがあります。グローバル化の推進は加工貿易立国の活躍時代を迎えると考えたのでした。

事実、あれから19年、共産圏国家の市場経済化により世界貿易は増え続け市場経済は栄えてきました。しかし…日本はバブルの崩壊の処理が上手く行かずに未だに処理に苦しんでいます。19年ですよ。簡単なことなのに…誰も主導力発揮せずに、なるがままに身を任せる政策が続いています。GDPはどんどん衰退し国力は落ちていますがマスコミはこの現実を直視せずに国民を欺いた報道を繰り返しています。インターネットの登場によりかなり真実が伝わるようになり国民にも潜在的な知識が身についてきたように感じます。舞台は整っているのでしょうが、なかなか役者が登場しませんね。

私が新興株派なのは、新しい世代交代が興らないと歴史は変わらないと考えているからです。ビスタニュースで昨年の年初に産業革命と明治維新と比較し株式市場を考えました。しかし所詮は権力者には敵いません。ブルドックソースの最高裁の判決で今井判事は会社の主張を認めました。株式の持ち合いを支持する判決です。しかし今年、アデランスの経営者が交代します。市場経済化が勢力を増している構図です。スティールが大株主になりサッポロビールにTOBを仕掛けましたが、しかし市場は会社側に味方しました。そのサッポロビールは、今年、なんとサントリーに業界3位の地位を抜かれました。

このままの市場軽視の動きはやがて日本の国力を奪い、やがて国民負担率はどんどん上がります。重税に苦しむのですね。後期高齢者医療制度の顛末を見ると、日本の未来が見えます。社会保険庁もしかり…日本の改革ムードは再び訪れるのでしょうか?
市場は常に警告を発しています。54年ぶりの連続安記録は昭和20年代の話です。この現実を真剣に議論しなくてはならないのに…マスコミは視聴率争いの馬鹿番組を報道しています。その結果、景気は悪化し広告収入は減っています。収入のパイを増やすべきなのに、分配の話ししか政治の議論にのぼらない。サミットに日本政府は600億円もかけたそうですが、成果はあったのでしょうか?

議論は既に終ったのです。あとは実効ある政策の実現なのですが、何故か、この段階になると人がいなくなります。投資家はこのような環境の中で米国を憂いでいますが、本質を考えれば米国は峠を越えている筈です。サブプライム問題の金利の改定残は既に峠を越えて少なくなっています。下のグラフを見てよく考えてみてください。

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投稿者 kataru : 19:21

2008年07月06日

軽井沢

急遽、軽井沢に行く事になり、準備もそこそこに、兎に角、新幹線に乗りました。考えてみると友達の別荘に行くのは3年ぶりです。彼の別荘は軽井沢銀座から歩いて10分ほどです。旧軽井沢は地価も高いそうです。鹿島の森が一番高く、およそ坪80万~100万円もするのだそうです。鳩山一族からロッテの重光さん、東レなどの企業の保養所が数多くあります。雲場池のほとりを散策したり自然の空気を満喫してきました。

何故、この時期に急に行く事になったのかといえば、蛍です。軽井沢には蛍の里と言う場所があり、この時期に蛍が見られるのです。友達の話では来週ぐらいまでがピークだそうで…残念ながら来週は予定があり行けないのです。前から行きたかった軽井沢の蛍をみるチャンスがないのです。だから慌てて行く事になりました。

田んぼの近くを小川が流れているのでしょう。三日月の新月に近い上弦の月です。小高い山を背景に月が幻想的な色を漂わせ…せせらぎの音、遠くにカミナリがひかり…ピカピカと…蛍がひかりを消したり、つけたり…。田んぼの香りがします。とっても、のどかな場所で農道をブラブラと月明かりを頼りに歩くのです。

やはり、証券マンの性です。気になるのは軽井沢の別荘の価格です。彼は1億円ほどで、その別荘地を買ったそうですがピークから1/5になったので、そろそろ良いと思って買ったのだそうです。所がその後、価格は更に下落し半分になります。つまりピーク時から1/10になったのですね。そうして昨年、2億円で買い手があったのだそうですが売らなかったそうです。

景気が良い時は旧軽井沢では、土地を探すのは難しくなる場所です。勿論、軽井沢でも色々あり北や南ではもっと価格の安い物件がゴロゴロしています。しかし昔からの場所に限定すると、なかなか売り手がないのが現実です。しかし相続税も高く大変らしく最近では表札に二人の名前が出るケースも結構あります。兄弟の共有名義で所有するのでしょう。しかし問題は維持管理費です。定住すれば税金は安くなりますが、別荘地での使用は贅沢品の価格になり高くなるそうです。庭の手入れも大変です。

最近は混んでいる軽井沢。気温は21度くらいで…下界の30度を越える気温と10度近くも違うのです。やはり頑張って相場で儲けて、一流の別荘地がいいかな? 基本的に1000坪で100万と言うことは10億円ですね。トホホ…。株式相場が活況を呈せば何とかなりそうですが…12連敗ではどうもこうも…

投稿者 kataru : 23:23