Take IT Easy! http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/ 株好き父さんのための ja 2006-04-16T22:28:45+09:00 数字のマジック - 言葉に惑わされてはいけない http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2006/04/post_17.html ある会社が社員を雇う時に次のような提案をしたとします。
基本給は20万円 です。そして次の2つの選択肢から1つを選んでください、と。

1.無条件で10万円を給料に追加する。
2.社長とのじゃんけんに勝ったら20万円を給料に追加する、負けたら0円を追加する(つまり追加はなし)。


さて、どちらを選びますか?まずはどちらを選ぶか決めてください。

では、次の提案の場合はどうでしょうか?

基本給は40万円 とします。そして次の2つの選択肢から1つを選んでください。

1.無条件で10万円を給料から減らす。
2.社長とのじゃんけんに勝ったら0円を給料から減らす(つまり減額なし)、負けたら20万円 を給料から減らす。

この場合にも、どちらを選ぶか決めてください。
両方の場合ともどちらかを選択しましたね。

さて、予測される結果を分析し、目標値を設定して行動する人は、どちらも同じ数字の方を選んでいるはずです。最初の条件で1.を選んだら、次の条件のときにも、1.を選ばないとその行動ポリシーに矛盾が生じるからです。

なぜなら、それぞれ提示された条件は文章は違うけれども、両方とも結果は同じことを言っているのですから。
確実にもらえる額は、両方とも30万円で同じであるし、5割の確率で40万円になるか20万円になるかという選択をしているのも両方とも同じなのです。どちらも40万円、30万円、20万円 の選択をさせているのです。
なので、最初に提示された20万円と40万円の額にはあまり意味がないと分析し、確実に30万を手にすると決めた人は、両方とも1.を選ぶし、40万円か20万円かどちらかに賭けてみようとする人は両方とも2.を選んでいるはずです。

上の条件では1.を、下の条件では2.を選んだ人は、チャンスの時(上の場合)には堅実な行動をとり、ピンチの時(下の場合)には、損失を0(ゼロ)にしようとする行動をする人です。しかし実際には損失を最大にするという危険な行動でもあります。

上の条件では2.を、下の条件では1.を選んだ人は、チャンスの時にはチャレンジをし、ピンチの時には、被害を最小にしようとするタイプで、たぶんもっとも投資で儲かる人なのでしょう。

デンの今日のTake IT Easy:数字や予測される結果が同じでも、人間は言葉によってその行動が首尾一貫しないことがあります。♪よーく考えよ~、お金は大事だよぅ...
レイジーの今日のおとぼけ:私だったら基本給40万円で、無条件に10万円を給料に追加する交渉をするわ、色気でも何でも使って。貴金属のためですもの。

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den 2006-04-16T22:28:45+09:00
フィボナッチ数列と黄金比 http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2006/04/post_16.html 先週の株式教室の「エリオットの波動論」の中でフィボナッチ数列という数の並びがでてきました。数列というとある規則にしたがって並んだ数字のことで、はるか昔の中学校の数学で習いましたね。

等差数列:2 5 8 11 14 17 20 23 26 29 32 35 ・・・
等比数列:2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024 2048 ・・・

くらいは憶えているでしょう。等差数列は、隣り合う数字の差が一定(上の場合は3)の数の並び、等比数列は、隣り合う数字の比率が一定(上の場合は2) の数の並びです。

フィボナッチ数列というのは、もう少し複雑で、ある順番の数は、前の2つの数の和になる数列のことです。

フィボナッチ数列:1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 ・・・

6番目の8は、その前の5と、そのまた前の3の和ですね。
この一見単純な規則の数列が、世の中のいろいろなものを表すのに適しているらしいのです。

ウサギの数の問題
例えば、株式教室でもでてきたウサギの数の問題。
最初、生後1ヶ月の1組のウサギのつがいがいるとして、

(1)産まれたウサギのつがいは、2ヶ月後にウサギのつがいを産む
(2)2ヶ月後以降は、毎月1組のウサギのつがいを産む

という条件の場合(この際、ウサギの近親相姦については目をつぶります)
1年後には何組のウサギのつがいになっているでしょうか?という問題で、ウサギのつがいの増え方の規則をフィボナッチ数列で表すことができます。(右図)
1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 と増えていき、12ヶ月後には377組のウサギのつがいに増えています。
今月、子供を産むのは、2ヶ月前にいたウサギのつがいのすべてですので、1ヶ月前のウサギのつがいの数に、2ヶ月前のウサギのつがいの数(今月子供を産むつがいの数)を足したものが、今月のウサギのつがいの総数になるという理屈ですね。

その他にも、松ぼっくりやひまわりの螺旋状に並ぶ各周回のつぶつぶの数の増え方とか木の枝の増え方もフィボナッチ数列の規則の性質を持つそうです。そしてこ自然界に潜むルールであるフィボナッチがエリオットの波動論の価格の目標値などを求める上で用いられているのです。

フィボナッチ数列は、ある順番の数値をその前の数値で割った値を並べていくと面白いことに気付きます。
3/2 = 1.5、5/3=1.6666...、8/5=1.6、13/8=1.625、21/13=1.61538...、34/21=1.61904...、55/34=1.61764...、89/55=1.61818...、144/89=1.61797...、233/144=1.61805...、377/233=1.618025...
数が大きくなるにしたがい、一般に黄金比と言われている数字、1.6180339887...、数学では、Φ(ファイ)と呼ばれる数値にどんどん近づいていきます。Φ(ファイ)は、π(パイ)の親戚みたいなもので、πと同じく、決して同じ数字が繰り返し現れない無理数のひとつです。

黄金比とは、一本の線を2つに分割したとき、長い方の線と短い方の線の長さの比率が、元の線と長さと長い方の線の長さの比率と同じになるとき、その比率を黄金比といいます。長い方の線÷短い方の線=1.6180339887...(=Φ)なるのが黄金比ですね。
長い方の線と短い方の線でできた長方形のことを黄金方形といい、人間が見て最も美しく感じる形になります。

トランプ、テレホンカード、クレジットカード、名刺、タバコの箱、マンガ本、パリの凱旋門、ギリシャのパルテノン神殿などみな黄金方形になっています。ミロのヴィーナスの各部位の比率も黄金比になっているそうです。

さて、この黄金比の値はどこかで見たことありませんか? 1.61805... という数値です。株の目標価格によく使われる係数として使われていますね。
エリオットの波動論だと、第二波の下値の目安は第一波の高値の0.618倍、第三波の目標値は第一波の1.618倍、第四波の調整は第三波の0.618 とかのに使われています。日本語でも3分の2押し(つまり0.666)などで使われてるのは黄金比に近い値です。

0.618 というのは黄金比(1.618)と違う値ではないかと思いますが、そこが黄金比の不思議なところで、黄金比の逆数(1をそれ自身の値で割った値)を計算すると、黄金比の少数点以下と全く同じ数値になるのです。電卓で計算してみて確かめてみて下さい。

1.61803... = 1 + 1/1.61803...

数って不思議ですね。しかも黄金比などというお金に関係する名前のついた数学の値を株式でも使っているなんて神秘でさえもあります。

デンの今日のTake IT Easy:フィボナッチ数列と黄金比は関連性があり、黄金比の値は、株価の目標値や調整率の目安に使われています。
レイジーの今日のおとぼけ:前々回買った貴金属の値段と前回買った貴金属の値段の合計したものが、次回買う貴金属の値段です。これが私の黄金比。散財万歳!

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den 2006-04-09T22:04:03+09:00
数字のマジック - 千円はどこにもいっていない http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2006/04/post_15.html 昨日の答えは、「千円はどこにもいっていない」です。最初の間違った金額である3万円を基準にして考えると騙されてしまいます。

金額として有効なのは2万5千円であって、3万円ではないのです。ひとり9千円ずつ、計2万7千円払ったうちから、A君がネコババした2千円を引けば、2万5千円になり、ちょうどお店の売上と一致します。
人はこんな単純なトリックで騙されてしまいます。もし、昨日の問題が、次のようになっていたら、恐らくだれも千円はどこにいったとは考えないでしょう。

3人の仲間があるレストランで食事をしました。料金は2万5千円でしたが、お客さんはお釣りの5千円を受け取るのを忘れて店を出ていってしまいました。

その後すぐ、店のオーナーが、お釣りの5千円を今出て行ったお客さんに返して来いとアルバイトのA君に命じました。

A君は5千円を持って、お客の後を追いかけながら、この5千円をどうやって3人で割るんだろうと考えました。そして、3人に千円ずつ返して、あとの2千円はネコババしても、誰も気がつかないなと考え、3人のお客さんには、千円ずつ返し、2千円は自分のポケットにしまってしまいました。

A君はお店に戻る途中で、ふと考えました。お客さんは、結局一人9千円ずつ払ったことになり、9千円 x 3人分 = 2万7千円。そして、自分のポケット中には、ネコババした2千円があり、それを引くとちょうど 2万5千円になります。よしよし、誰にもばれないぞ。

ね、どこにも千円なんて消えていなのがわかりますね。寸借詐欺の手口なんて、だいたいこんな単純なもんです。

デンの今日のTake IT Easy:単純な加減算でさえ、数字の後ろに円がつくだけで、人間は間違った計算をしてしまいます。
レイジーの今日のおとぼけ:あー、良かった。私の王子さまの消えていないということね。しかし、最初から王子さまがいたのかどうかが心配になってきたわ。

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den 2006-04-02T01:40:05+09:00
数字のマジック - 千円はどこにいった? http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2006/04/post_13.html 今日は、お金と数字の話です。

3人の仲間があるレストランで食事をしました。料金はちょうど3万円。ひとり1万円ずつレジで払って店を出ました。

その後すぐ、レジで精算をした店のオーナーが、実は料金は2万5千円だったことに気付き、余計にもらった5千円を今出て行ったお客さんに返して来いとアルバイトのA君に命じました。

A君は5千円を持って、お客の後を追いかけながら、この5千円をどうやって3人で割るんだろうと考えました。そして、3人に千円ずつ返して、あとの2千円はネコババしても、誰も気がつかないなと考え、3人のお客さんには、千円ずつ返し、2千円は自分のポケットにしまってしまいました。

A君はお店に戻る途中で、ふと考えました。お客さんは、結局一人9千円ずつ払ったことになり、9千円 x 3人分 = 2万7千円。そして、自分のポケット中には、ネコババした2千円があり、合計すると 2万9千円。後の千円はいったいどこにいったんだろう? どこに消えたんだ と。

千円はいったいどこに消えたのでしょうか?ちょっと一日考えてみてください。答えは明日書きます。
この答えがわからない人は、お金に惑わされるか、お金で騙される人ですヨ。

デンの今日のTake IT Easy:基準にする正しい値は何かをよく考えないと、間違った結果が導き出されてしまいます。
レイジーの今日のおとぼけ:消えた千円より、私の結婚相手はどこに消えたの?出てこ~い、王子さま。

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den 2006-04-01T00:10:16+09:00
Winny(ウィニー)はインフルエンザ http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2006/03/post_14.html 春になったので、そろそろ冬眠から醒めて復活するか ということで久々のTake IT Easy です。また夏までがんばります。

最近の機密情報漏洩事件のほとんどがWinny(ウィニー)がらみです。私も数年前まで、Winnyを自宅のPCに導入していましたが、なんか便利だけど危険だなと感じてアンインストール(PCから削除)していました。

では、これだけ世間を騒がせているWinny(ウィニー)とはいったいなんなのでしょうか?
一般的なIT用語でいうと、「ファイル共用ソフト」あるいは「ファイル交換ソフト」という類のソフトウェアになります。もう少し修飾子を付けると、「Winnyを起動しているパソコン同士がそれぞれの持っているファイルをインターネット上で交換することができるソフトウェア」ということになります。まだわかりにくいですね。

たぶん、皆さんはダウンロードという行為はしたことがあるでしょう。ダウンロードは、画像とか音楽とかのコンテンツをサーバーと呼ばれているWebサイトから、一方的に自分のパソコンの中に取り込む行為です。サーバー(情報提供者)とクライアント(情報要求者)の役割が完全に分離していて、しかもその関係が、1:n になっています。

一方、Winnyは、Winnyを起動しているパソコン同士がそれぞれ他のパソコンのファイルを自分のパソコンに取り込むことができる、またその逆で自分のファイルを他のパソコンに提供できるというソフトウェアで、他人の物は自分の物、自分の物は他人の物 とするための、P2P(Peer to Peer)といわれるインターネット技術を応用した、Give and Take のソフトウェアです。サーバーとクライアントの関係と違い、Winnyのユーザーは全員同列で、サーバー(情報提供者)でもありクライアント(情報要求者)にもなるため、その関係はn:nになります。

たとえば、あなたが愛犬の写真をたくさん撮って、それらの写真を自分のパソコンのあるディレクトリ(例えばMy Picture)に保存してあり、それらがあまりにかわいいので、他の人にも見てもらいたいと思ったとします。そしてWinnyを起動し、このMy Picture というディレクトリをWinnyを起動している他の人も見てもいいですよ とWinnyに対して設定します。そうすると、あなたの愛犬の写真集はWinny上に公開され、Winnyを起動している人は誰でもその写真集を自分のパソコン内に持ってこられるのです。

ここまでだったらなんの問題もないですね。Winnyはとても便利なツールですねえ、で終わってしまいます。ホームページで写真を公開するより、よっぽど効率的に多くの人にすばやく情報を提供できます。だけども、公開するものが、愛犬の写真ではなく、愛人の裸の写真だったり、音楽CDから作成したMP3ファイルや市販のソフトウェアやアイドルの写真集をスキャンした画像だったりして、それらを不特定多数の人が入手可能な状態にするから問題になったのです。Winnyという技術が問題なのではなく、Winnyで共有して交換するファイルの中身が問題なのです。

ここまででWinnyはどんなものなのか、おおよそわかったと思いますが、ではなぜWinnyで機密情報が洩れて、そして大騒ぎになるかがまだわかりませんね。

Winnyに対して、このディレクトリの中のファイルだけを公開すると指定しているので、自分の意図しないファイルは、他のWinnyユーザーからは見えないはずなんですが、Winnyのウィルスにやられると、公開しようしているデイレクトリ以外のファイルも公開された状態になってしまうのです。それで見せるはずじゃなかった重要なデータがインターネット上に流出してしまうのです。

もうひとつ、Winnyの最大の特徴でもあり、やっかいなのは、例えば、AさんがあるファイルをWinnyで入手したとすると、AさんのWinnyは、次からはそのファイルの提供者にもなるということです。もう少し具体的にいうと、AさんがWinny上に、ある会社の顧客情報があるのを見つけ、それを自分のパソコンに取り込んだとします。そうすると、AさんのWinnyは、せっかくAさんのところにもファイルがきたんだから、Aさんはそのファイルを入手した見返りとして、Aさんもそのファイルを他の人に公開するようにとAさんをそのファイルの提供者にしてしまうのです。吸血鬼に血を吸われると吸血鬼になる というのと同じです。情報取得者が次の瞬間には情報提供者になってしまうのです。まさにインフルエンザ並みの伝染力です。最初は一人だったファイルの提供者が、そのファイルを入手した人が皆、そのファイルの提供者になってしまいます。つまり、Winnyを介して情報が漏洩すると、それを根絶することはほぼ不可能だということになります。
そのため、企業は社員のパソコンのWinnyのチェックを特に厳しくしているのです。

Winnyの持つ技術はとても優れたもので、その作者は神様のような存在だったのですが、こういった著作権違反の幇助をしたということで京都府警に逮捕されてしまいました。

決して技術が悪いわけではなく、使い方が悪いだけで、それを技術を開発した人を逮捕するって、やっぱりどう考えても国や公僕の横暴だと思います。車で人を撥ねて死亡させてしまった場合、車を開発した人、あるいは車を販売した人を危険な物を製造した、危険なものを販売した という罪で逮捕するのと同じことになります。

それにしても、その横暴をした警察がWinnyを使っていて、機密情報を漏らしたのですから、許されないのはむしろそちらの方ですよね。

デンの今日のTake IT Easy:Winnyは情報取得者が情報提供者にもなるソフトで、Winnyを介して情報が漏洩すると、その根絶はほぼ不可能です。
レイジーの今日のおとぼけ:Winnyは「勝ち組」って意味かしら?憧れるわあ、その言葉。

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den 2006-03-26T23:29:57+09:00
数の単位 http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/07/post_12.html 石原都知事が「フランス語は数を数えられない...国際語失格」と発言して物議をかもしていますが、「数を数えれられない」というのは言い過ぎかもしれませんが、数の表現の仕方がとっても複雑である というのは本当のようです。
日本語の場合は、1(イチ)から10(ジュウ) まで言えれば、あとはその応用で99まで言えます。
11は10+1 で「ジュウイチ」、12は10+2で「ジュウニ」、... 19は10+9で「ジュウキュウ」
21は2x10+1で「ニジュウイチ」、22は2x10+2で「ニジュウニ」、... 29は2x10+9で「ニジュウキュウ」

91は9x10+1で「キュウジュウイチ」、92は9x10+2で「キュウジュウニ」、...99は9x10+9で「キュウジュウキュウ」
とてもすっきりした10進法の世界です。

英語も11(イレブン)、12(ッエルブ)などの10の台はやや変則ですが、基本的には10進数の世界です。
フランス語は勉強したことはありませんが、例えば、99は'quatre-vingt-dix-neuf' で 20が4個に10足してさらに9足す になるそうです。日本語で言えば、「ヨン・ニジュウ・ジュウ・キュウ」という感じでしょうか。なんやらヨン様の曽祖父の名前のようになっています。99 は、20x4+10+9 って表現するということになります。71は60+11、77は60+10+7、85は20x4+5 のように70以上の数の表現が複雑なんだそうです。なんでまた20を基底の数字にしてるんだろね。

石原都知事の言い方も悪いっていや悪いんだけど、フランス語教師たちがわざわざ訴訟を起こすほどのことでもないと思うんですけどね。
フランスだって過去に、日本人のことを「黄色いチビ」(クレッソン女性首相)、「ウサギ小屋にすむ仕事中毒者」(ECのフランス官僚)という暴言を吐いているんだからお相子だあね。

ITの世界では、数の読み方はそれぞれの国の文化で違うでしょうけど、その単位は、1より大きい数と1より小さい数の3桁おきに単位の呼び方が決まっていますから、非常に明確です。

まずは1より大きい数は、
1,000(103)K(キロ)
1,000,000(106)M(メガ)百万
1,000,000,000(109)G(ギガ)十億
1,000,000,000,000(1012)T(テラ)
1,000,000,000,000,000(1015)P(ペタ)千兆

反対に1より小さい数は、
0.001(10-3)m(ミリ)千分の一
0.000001(10-6)μ(マイクロ)百万分の一
0.000000001(10-9)n(ナノ)十億分の一
0.000000000001(10-12)p(ピコ)一兆分の一

このくらいまで知っておけば通常は困りません。これらの数の単位が現在のITの世界では、だいたいどんな装置やサービスに該当するかというのが下の表になります。
単位速度系容量系
pピコ10-12CPU 
nナノ10-9CPU、メモリー 
μマイクロ10-6メモリー 
mミリ10-3ハードディスク 
Kキロ103ダイアルアップ回線

ISDN

PHS、携帯電話
フロッピーディスク
Mメガ106携帯電話

ADSL

LAN、無線LAN

USB 2.0
メモリー(PC)

USBメモリー

CD-ROM
Gギガ109FTTH(光)

LAN

メモリー(サーバー)

DVD

ハードディスク
Tテラ1012スーパーコンピュータ性能値大規模システムのデータ総容量

単位とそれに該当するものの組合せを知っておくのは、以前にも書きましたが「ITの数値感覚」を養うにはとっても大切です。

デンの今日のTake IT Easy:ピコ、ナノ、マイクロ、ミリ、キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ のそれぞれの世界(装置)を知りましょう。
レイジーの今日のおとぼけ:Piko(ピコ)っていうハワイのサーフブランドは知ってるわ。ペタは巨人にいたペタジーニのことね。

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den 2005-07-24T13:32:22+09:00
セキュリティ・ガイドライン花盛り http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/06/post_11.html 今週の情報漏洩、栄えあるチャンピオンは... ♪ジャガジャガジャーン

米国クレジット会社のカード4000万枚情報流出 に決まりました

今週のチャンピオンどころか、年間チャンピオンもほぼ決まり。

なんて言ってる場合ではなく、日本にもカード不正使用の被害が出ています。大変だ。
大変だって何が大変かというと、この事件を対岸の火事とは見なせない日本の銀行業界、証券業界、信販業界、カード業界 などの個人情報をたっぷり持っている業界のセキュリティ対応です。

4000万枚分のクレジットカードのデータを流出させてしまった米国のカードシステムズ・ソリューションズ社は、米国カード業界のセキュリティー業界基準の適合認定を受けていたにもかかわらず、実はその基準を遵守していなかったようです。ウイルス対策を十分に実施していなかったばっかりに、トロイの木馬型の不正プログラムに感染し、昨年9月から今年6月まで延々と情報を流出し続けていたのです。

日本の金融業界にもそういうセキュリティ基準があるのかというと、あるんですね、これが。

金融庁が、金融分野における個人情報保護について といういわゆる「金融庁ガイドライン」 というものを出しています。興味のある方は読んで見てください。憲法みたいなものですね。文章も憲法みたいです。だから読む人によっていろいろと解釈できちゃうわけで、銀行業界はこれを受け、その解釈版として
全国銀行協会(通称:全銀協)個人情報の保護と利用に関する自主ルール といういわゆる「全銀協ガイドライン」を出しています。これは、憲法に基づいた銀行業界の法律ですね。

憲法と法律では、具体的にどうすりゃいんだかわからないので、FISC(金融情報システムセンター) というところが、金融のシステムの安全対策基準を設備的対策、運用的対策、技術的対策の具体的な実施方法などをまとめた 「FISC安全対策基準・解説書(FISCガイドライン)」 というものを出しています。こちらは、ホームページで公開されていませんが、一般価格¥40,000で購入することは出来ます。FISCは、FISCのホームページで紹介されている言葉を借りると、「昭和59年11月、当時の大蔵省の許可を得て、金融機関、保険会社、証券会社、コンピュータメーカー、情報処理会社等の出捐によって設立された財団で、金融機関等における金融情報システムの活用や安全性確保等に関する諸問題について調査・研究を行うとともに、必要に応じて指針の提示及び提言を行っている機関」ということになります。FISCは、第三者機関ですが、金融庁が監査の基準としてFISCのガイドラインを使用しますので、事実上の強制力を持ちます。基本的には、銀行、証券会社は、このFISCの出すガイドラインに従わなければなりません。

では信販会社やカード会社はというと、信販会社、カード会社の監督官庁は金融庁ではなく、経済産業省なんですね、これが。なんでですかね。それぞれ譲れない縄張りなんでしょうか。なので、信販会社、カード会社は、金融庁ガイドラインFISCガイドラインではなく、経済産業省の出すセキュリティのガイドラインに対応しなければならないことになります。

経済産業省個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン というものを作っていて、信販会社、カード会社にとっては、こちらがセキュリティ基準になります。

銀行も証券も信販もカードもお金を扱うことには同じなのに、ややこしいですよね。
それぞれ、セキュリティ基準が異なるとはいえ、セキュリティ対策は避けては通れなくなっている状況です。米国のこんな大規模な情報漏洩事件が起きたら、金融庁の監査が厳しくなるのは目に見えています。

とはいえ、セキュリティ対策には金がかかります。安全性とコストは相反するもので、そのバランスをどう取るかです。金融庁の監査に通るための最低限のセキュリティ対策をするのか、それとも金融業としてあるべきセキュリティ対策を徹底するのか という企業の姿勢が問われるところです。セキュリティへの投資は、その投資が売上げや利益に直接結び使いないため、渋くなりがちです。

先日、飲んで帰る電車の中で、網棚に乗せた鞄を紛失してしまった人がいました。鞄の中には銀行のキャッシュカード、クレジットカード、そして、一緒になくした手帳にはご丁寧に、それらのパスワードがメモされていたそうです。当人は、あわてて各銀行やクレジット会社に電話したそうですが、会社によってカードを停止できるタイミングがまちまちだったそうです。直後に停止できた会社、停止までに数時間かかってしまった会社、そして翌日にならないと停止できない会社。最近はお金の引き出しも24時間できますから、翌日にならないと停止できないカードからはまんまとお金が引き出されてしまったそうです。

このように表に表れない緊急時のサービスの優劣も比較して、銀行を選び、カードを作らないといけませんね。金融業界も他行、他社より優れた安全対策、セキュリティ対策をもっと前面にアピールして顧客確保に役立てれば良いのです。そうすれば、セキュリティ対策に投資する価値や理由が明確になってきますよね。

今日はちょっと硬かったかな。

デンの今日のTake IT Easy:銀行、証券業界は、FISC という第三者機関のセキュリティ・ガイドラインに沿った安全対策を迫られています。
レイジーの今日のおとぼけ:私にも守らなければいけない食事基準があります。間食しない、偏食しない、そして、おかわりしない 非満3原則です。

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den 2005-06-23T23:24:36+09:00
BCC:(ビーシーシー) http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/06/post_10.html いやいや、またレイジーにトップページに書かれてしもうた。Take IT Easy じゃなく Take IT Heavy かって。それでは久々に一筆。
前回、個人情報保護法のお話をしましたが、実はこの法律の対策で最近忙しいんですよね。ITの世界にはいろいろな分野がありますが、今もっとも注目され、そして必要とされているのはセキュリティの分野ですね。そういう意味で、日本ベリサイン-3722 という会社に注目しているんですが、株価の方はさっぱりですね。

さて、相変わらず情報漏洩の事件が毎日のように発生していますが、個人情報は不正アクセスで盗まれてしまうというよりも、実は自らばら撒いてしまうことの方が多いんです。その代表格がメールの送信です。例えば、メールを複数のお客様に送る時、宛先の欄に全員のメールアドレスを入れてませんか? これはもう立派な情報漏洩になるんです。

社内の人や同一の会社の複数人にメールする場合は問題ありませんが、それぞれ違う会社の複数の人にメールを出すときに、宛先の欄にメールアドレスを並べると、受け取った人が他の人のメールアドレスを知ることになります。メールアドレスは「特定の個人を識別できる情報」という意味で個人情報です。メールに慣れている人でも、よくやっちゃうんですよ、この失敗。そして最もよく苦情がくるのもこれです。
ではどうすれば良いかというと、

1. ひとりひとりにそれぞれメールを送る
でも100人もいたら100回もメールを出さなきゃいけないし面倒ですよね。

2. 宛先ではなく、BCC: にメールアドレスを入れる
BCC は、Blind Carbon Copy の略で、メールの受信者は、自分以外の誰にメールが送られたのかわからない。

3. 複数メールアドレスをグループに登録して、宛先にはそのグループ名を指定する
Notesメールなどは、この方法が有効(ただし、メールアドレスが展開されない というオプションにしておかなければならない)ですが、Outlook Express では、グループに登録したメールアドレスが宛先に展開された状態で送信されてしまうので、意味がありません。
t20050617a.jpg
最も安心な方法は、2.のBCC: にメールアドレスを書く です。

皆さんがよく使っているであろう Outlook Express ですが、BCC: という欄がありませんよね。BCC:の欄を表示させるには、
表示(V) → すべてのヘッダー(A) をクリックしてみてください。
t20050617b.jpg



ほら、BCC:の欄が表示されたでしょ。

















もうひとつ、アドレス帳から宛先を指定した場合は、登録した名前も相手に届きますから注意してください。あんまりうるさいお客さんなので、佐藤傲慢部長 とかで名前を登録すると、受け取った側のメールの宛先に「佐藤傲慢部長」って表示されますから、名前はちゃんと入れましょうね。

デンの今日のTake IT Easy:複数の人に同じメールを出す時は、BCC: にメールアドレスを書けば、受け取った人には他の人のメールアドレスが知らされません。
レイジーの今日のおとぼけ:100人にそれぞれメールを出したら、メールアドレスの間違いで50通は戻ってくるね。打率5割ってとこかな by Miss.Lazy

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den 2005-06-17T01:23:26+09:00
個人情報保護法 http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/06/post_8.html 2005年4月1日に個人情報保護法が全面施行されました。簡単に言えば、「個人情報を適切に取り扱いなさい。これは義務です。義務に従わない場合は、罰します」という法律です。これがまたやっかいな法律なんです。ほとんどの企業がこの個人情報保護法の対応に追われていると思います。もう少し正確に言うと、
「個人情報取扱事業者は、個人情報の適切な取り扱いの義務があります。違反した場合は、監督官庁からの業務改善勧告などのきつーい行政指導が行われ、指導に従わない場合は刑事罰(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が課せられる」というものです。

個人情報取扱事業者? これは名簿業者のことではありません。5000人以上の個人情報を持っていて、それを事業で使用している者 という意味ですから、上場しているような企業でしたらほぼ全てが個人情報取扱事業者 ということになります。

では、個人情報って何か というと「特定の個人を識別できる情報」のことです。つまり、氏名、住所、生年月日、性別、電話番号、メールアドレス、免許証番号、パスポート番号、会員証番号、取引履歴、勤務先、部門 などの個人データが集まったものになります。名前だけのリストは個人を特定できませんから個人情報ではありませんが、名前と住所と生年月日が並んだデータは個人情報になります。お客様から頂いた名刺も個人情報ですから、これからはうかつに名刺入れも紛失できません。個人情報はなにも顧客のデータばかりではなく、社員の情報に関しても個人情報の扱いになります。年賀状用に筆まめで作った社員住所録も個人情報です。

つい先日もNTTデータ-9613の社員が、自社の全社員1万2千人分の個人情報を入れていたUSBメモリーを帰宅途中の電車で紛失してしまい、新聞、テレビで大きく報じられていましたね。きっと重たい処分が下るんでしょうね。かわいそうに。飲んだら乗るな じゃなく、飲んだら寝るな です。

これらの個人情報を適切に取り扱う というのは、
1.個人情報は、使用目的を特定かつ明示して収集しなければならない。
2.個人情報を、使用目的以外で使ってはならない。使用目的以外で使用する場合は、本人の同意が必要
3.個人情報の漏洩を防ぐ安全管理措置をしなければならない
4.個人情報を取り扱う従業員(社員、派遣、アルバイト)、委託先(取引先、ビジネスパートナー) を適切に監督しなければならない

あー、もう面倒くさいったらありゃしない ですね。特に大変なのは、個人情報の漏洩対策でしょう。まずは、
個人情報を紛失したり、盗まれたりしないようない仕組みや運用ルールを作ること。
万が一個人情報を紛失した場合、その被害の範囲がわかるように個人情報の棚卸ができていること。
そして、個人情報が流失しても漏洩しないようパスワードや暗号化で保護しておくこと。

この3つを実施するには多くの時間と費用がかかりますね。それに引き換え、

罰金がたったの30万円と思っている人がいると思いますが、これは表のお金ですからね。もし実際に個人情報の漏洩を引き起こしたら、被害者からの損害賠償請求やお詫び金などで十数億円の費用が発生する場合がありますし、社会的信用の失墜、営業自粛などで 裏のお金の損害は、表の何百倍にもありますから、そりゃも企業は必死になって、個人情報保護法の対策をとっています。従業員教育、個人情報の洗い出し、ファイル類のパスワード保護、データの暗号化、アクセス履歴の取得と分析。これから、この法律のための特需が発生しますね。いったい儲かる企業はどこでしょうか。

次回は、個人情報紛失の当事者にならないための対策 についてお話しましょう。

デンの今日のTake IT Easy:企業は特定の個人を識別できる個人情報を適切に取り扱う義務があります。これが個人情報保護法です。
レイジーの今日のおとぼけ:私の体重が少しずつ増えているというマル秘情報は保護されないのかしらね。

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den 2005-06-07T00:24:47+09:00
カカクコム http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/05/post_7.html カカクコム-2371 という会社をご存知でしょうか。価格の比較ページ 価格.com( http://kakaku.com ) を運営している会社です。最近では、サーバーテロにサイトを改竄されて、一週間閉鎖を余儀なくされたサイトです。当初はPC関連の価格情報だけを掲載していたのですが、現在はPC関連はもちろんのこと、家電、車、ゲーム、ブランド品、保険、葬儀、旅行、不動産とありとあらゆる分野の価格比較を取り扱っています。価格情報だけでなく、製品の口コミ情報も数多く掲載されていますから、何かを購入する時にその製品の最安値や評判を調べたりするだけでなく、購入後に製品の使用法やトラブル情報を知るのにも良く利用されているサイトです。IT関連の人たちが最も利用しているサイトのひとつであると言っても過言ではありません。

今から7,8年前、初めて価格.com を知ったときは感動的でした。世の中にこんな便利がサイトがあるのかと。
PC製品を買うときには例えば、秋葉原に行ってあっちの店、こっちの店と渡り歩いて、一番安かった店で買う ということを皆していました。
それが、価格.com で製品の最安値とそのお店がわかるのですから、こんなに効率的なことはありません。
カカクコムは、創始者で現在のCEOの穐田さんが、自分の足で集めた価格情報を公開したのが始まりです。個人のページから会社組織に変わり、集めていた価格情報も、販売者側から提供するようになり、いまや東証一部上場の会社にまでなっています。

価格.comがもたらした影響は決して小さなものではありません。何しろ誰もが製品の最安値を知っているという世の中になり、小売業者からしてみれば、非常にやっかいな時代になってしまったのです。価格競争力がない製品やショップは、売れなくなるのです。他のお店ではいくらで売っているのかという価格情報に敏感でないと生き残れなくなってるのです。

大型家電店の中で、販売主要製品を家電からPCへともっともスムーズに転換できたラオックス-8202の売上高がジリ貧になっているのも、価格情報の流通と無関係ではない気がします。2000年度には2100億円あった売上高が2004年度は1300億円に落ちているのは、価格に敏感になった消費者に対して価格に鈍感な商売をしてきたことが原因のひとつだと思います。

秋葉原が家電の街からPCの街への変貌していた時代、ラオックスは秋葉原の顔的存在だったのです。それがいつしかラオックス=高い というイメージが定着してしまい、価格情報を手に入れたお客はより安い店へ流れていってしまったのです。ラオックスが価格の情報を把握していなかったのか、それとも価格の情報を知らない人をターゲットにしていたのかわかりませんが、ラオックスの表示価格は高かったのです。品揃えの良かったラオックスは、より安い店やネットショップで製品を買う前に品物をチェックするPC展示場みたいになってしまったのです。

一方、2000年度4700億円の売上高を2004年度には1兆1000億円にしたヤマダ電機-9831は、価格情報に敏感な会社ですね。行ったことがある人ならわかると思いますが、製品ひとつひとつに、コジマ-7513ではいくら、PCデポ-7618ではいくら と展示しそれよりも安い価格設定をしています。他のお店の情報を把握した商売をしているのです。
価格.com がもたらした情報に敏感だったヤマダ電機と鈍感だったラオックスの2000年からの成長率の差がここにあります。
2000年以降というのは、インターネットの利用者が爆発的に伸びた年でもあります。

デンの今日のTake IT Easy:価格.comは、世の中の普通の情報(この場合は価格)が工夫次第でお金になり会社にもなる というお手本です。
レイジーの今日のおとぼけ:どこかにいい男の情報を集めた、お得な男.com みたいなサイトはないですかねぇ。

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den 2005-05-31T01:21:29+09:00
電子レンジと無線LAN http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/05/lan.html レイジーが変なこと言ってきました。
「電子レンジを使うと無線LANが使えなくなって、インターネットの接続が切れちゃうんですけど」
レイジーが遭遇するトラブルは、調べていくと大抵の場合「ごめんなさい、原因は自分にありましたぁ~。えへへ」という結論に達するのですが、今回の質問はまともでしたね。実際、電子レンジと無線LANは相性がよくありません。
無線LANには、IEEE(米国電気電子学会、アイトリプルイーと読みます) が定めた3つの規格があります。

1. IEEE 802.11b
最初に普及した無線LANの規格。2.4GHz周波数帯を使った無線で約11Mbpsの伝送速度。

2. IEEE 802.11g
802.11bと同じ2.4GHz周波数帯を使った無線で約54Mbpsの伝送速度。IEEE 802.11bとの互換性がある。

3. IEEE 802.11a
5.4GHz周波数帯を使った無線で約54Mbpsの伝送速度。IEEE 802.11bとの互換性はない。

普及度合いは、上から1. 2. 3. の順になります。レイジーの使っている無線LANは、1.のIEEE 802.11b というものらしいです。
「電子レンジを使うと無線LANが使えなくなる」というのは、IEEE 802.b や IEEE 802.g で使っている2.4GHz周波数帯 というのが原因です。この2.4GHz周波数帯は、小出力(10mW以下)だったら無線免許なしで自由に使える周波数帯ですので、無線LAN以外にも電子レンジや医療用機器などの電磁波を使う電子機器もこの2.4GHz帯を使用しています。同じ周波数帯を使っているので、電子レンジを使うと電波干渉を起こし、通信速度が低下したり、場合によっては通信が切断されたりすることが発生するわけです。

一方 IEEE 802.11a が使っている 5.2Ghz帯は、無線LAN以外に使っていませんから、そういうことが発生しません。IEEE 802.11g と IEEE 802.11a はどちらも約54Mbsの伝送速度の規格ですが、実効速度は電波干渉がない分、IEEE 802.11aの方が速くなっています。

周波数でひとつ憶えておくと良いのは、低い周波数の電波は遠くまで届くが、高い周波数の電波は遠くまで届かないということです。高い周波数の電波ほどたくさんの情報が送れる反面、性質は光に似てきて直線的になり、ビルや山にぶつかるとその向こうに廻り込めなくなります。
携帯電話が使っている周波数帯は、800MHz、1.5GHz、2GHz と3つの帯域があるのに、携帯電話に参入しようとしているソフトバンク-9984が800MHz帯にこだわっていた理由がわかりますね。

3つの中で一番周波数が低い800MHzが一番遠くまで電波が届くからです。つまり基地局の数が少なくてすみ、設備投資の上で有利だからです。

デンの今日のTake IT Easy:周波数が高い電波ほど大容量の通信に有利だが電波の届く距離は短くなる。
レイジーの今日のおとぼけ:いやあ、電子レンジで靴下乾かしているのがいけないのかと思ったよ。

誰が靴下乾かすんですか、も~勘弁してよデンさんっ!

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den 2005-05-22T01:14:18+09:00
数値感覚 http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/05/post_6.html 性別:男性、身長:160cm、体重:90Kg という数値を見てどう思いますか?
背が低くて太ってる人 という想像がつきますよね。
男子100mを11.2秒で走る はどうでしょう?
オリンピック級じゃないけど、かなり足が速い人 だと感じるでしょう。
土地100坪、建坪50坪の5LDKというと、これはもうかなりの大邸宅で、もし東京都内だったら数億円は下らないな と思うでしょう。

なんでこんなこと書いているかというと、人間はある数値を基準にして思考しているということを言いたかったのです。
身長、体重、年齢、住居の広さ、駅までの距離、家賃、給料、運賃、たまご、コーヒー、牛丼の値段 など生活上の数値だけでなく、世の中あらゆる分野で基準となる数値があります。株の世界なんて、その顕著な例ですね。株価、出来高、時価総額、信用倍率、株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)、一株当たり利益(EPS)、移動平均乖離率、騰落レシオ などなど挙げたらきりがないくらい数値のオンパレードです。

ITも数値の世界です。
Windows XP、Celeron 1.2GHz、128MB Memory、40GB HDD という数値も見てどう感じるでしょうか。
「XPを動かすには少しCPUがパワー不足だし、メモリーは少なすぎるね。ハードディスクも動画とか写真とかをたくさん扱うには小さすぎるかな。」
と思えたら合格です。
大特売 HDD-IDE 160GB SATA 7200回転 特価 \23,000 はどうでしょう。
高いと感じますか。それともえらい安いなと思いますか。正解は「えらい高いな、何が特価じゃ」です。市場価格より1万円前後高いですね。

このように、株の世界でも、ITの世界でも、ある分野に精通するには、その分野の中で使われている数値の感覚を養うことがとても重要になってきます。
ある数値に対して、高い-低い、速い-遅い、重い-軽い、長い-短い、高い-安い という感覚です。

では、どうやってIT分野の数値感覚を養うかというと、残念ながら王道なんてないんです。皆さんの得意な株の世界でもそうだったでしょう。毎日、株価や出来高、たくさんの株式指標や業績を調査して、かたるの「今日の市況」読んで、ここだ という自分なりのタイミングで売買を繰り返して、株の世界の数値感覚を養ってきたはずです。ITの世界も同じです。パソコンやインターネットに興味を持ち、お店でパソコンを買って、ADSLを契約して、インターネットに繋げて、ショッピングをしたり、メールを送ったり、ホームページを作ったりして、少しずつ感覚を養っていくしかないのです。あえてIT分野の数値感覚を養う一番良い方法を挙げるとすれば、それはパソコンを1台自作してみる事です。マザーボード、CPU、メモリー、ハードディスク、DVD、ディスプレイ、キーボード、マウス、グラフィックカード、スピーカー といったパソコン部品を、秋葉原やインターネットでひとつずつ、メーカーやスペック、価格、そしてユーザーの評価を調べて買い、組み立てていくのです。組み立て終わったら、Windows XP を買って導入して、インターネットに繋げてみるのです。この過程でいろいろなIT企業と出会えるし、どのメーカーがどの部品の分野で市場から評価されているかもわかるでしょう。パソコン教室なんかに通うより、ずっと実践的で身になると思います。しかも世界で一台の自分のパソコンも手に入りますしね。お父さん、株で10数万儲かったら、是非チャレンジしてみてください。

デンの今日のTake IT Easy:IT分野に精通するには、ITの数値感覚を養うことです。そのためにパソコンを1台自作してみましょう。
レイジーの今日のおとぼけ:数値感覚より、美的感覚や味覚ですよ。きれい、いけてる、おいしい の方が重要です。

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den 2005-05-17T01:47:36+09:00
生き残るのは誰? http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/05/post_5.html 中国のレノボ(Lenovo)社のIBM PC事業の買収が完了しました。売上高 1兆2600億円、年間販売台数 1200万台、社員数 約2万人の巨大PCメーカーの誕生です。これで、レノボは、デル(Dell)HP(Hewlett-Packard) についで世界第3位のPCメーカーになりました。
レノボは、IBM PC事業を約1800億円で買収しました。この金額が高いのか安いのか意見の分かれるところですが、IBM PC事業は、年間 1兆円の売上があったのですから、デル並みの利益率5%が実現できる体制を作ることができれば、年間約500億円の利益をあげ約4年で投資を回収できることになります。しかしIBMはPCでは利益を上げるのが難しくなったと判断して売却したわけですから、レノボデルのように勝ち組になるのはそう簡単ではないでしょう。

PCは薄利多売の世界に入っています。ですから世界規模のPCメーカーでないと生き残れないのです。低いコストと少ない経費で良い製品を大量に売らなければ利益は上がらないのです。PCほどインターネット販売に向いている商品はありません。試着も試乗も必要なく、重要なのはスペックと言われるCPUの性能値やハードディスクの容量などのデータだけです。画面に表示されるそれらの値と製品の全体写真を見て購入したって、そうは失敗はしないのがPC製品です。秋葉原やコジマ電機-7513ヤマダ電機-9831ウォルマートで売っていない製品のメーカーであるデルがPC市場で唯一の勝ち組なのです。

NEC-6701富士通-6702ソニー-6758東芝-6502日立-6501三菱-6503シャープ-6753松下-6752ソーテック-6829 という日本のPCメーカーはどれも世界的に見れば皆負け組。年間出荷台数1300万台(2004年)の日本の市場を主戦場としている限り生き残れません。世界のPC出荷台数は約1億9000万台(2004年)もあるのです。デル1社で年間3000万台以上も出荷しているのです。日本の市場は、世界からみればわずか7%に過ぎません。

日本のPCメーカーで生き残れるのはどこでしょうか。正直言ってわかりません。だだ生き残る条件はわかります。

1.世界を市場とし世界シェア10%以上を取る
1位のデルだってシェア17%です。2位のHPが14%。3位になったレノボはわずか5%。シェア3%以下のメーカーが全体の60%近くを占めています。烏合の衆同士の合併によって頂点に立てる世界です。

2.販売チャネルを変える
PCは売れる商品です。いかに販売コストを下げて利益率を高くするかが課題なのです。店頭販売を中心としている限り利益率は上がりません。インターネット販売にうまく切り替えることができるメーカーが生き残れるのです。

さあ、生き残るのは誰でしょう。そう遠くない将来に答えが出るはずです。

デンの今日のTake IT Easy:日本のPC市場は世界のたったの7%。日本のPCメーカーの吸収合併合戦は開演間近。
レイジーの今日のおとぼけ:生き残るのはワタシ! いや、私のかーちゃんかな。

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den 2005-05-09T00:55:00+09:00
バスターするものが違いますって http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/04/post_1.html トレンドマイクロ-4704 がやっちまいました。ウィルス対策ソフト「ウィルスバスター」のウィルスパターンファイル といわれる新しいウィルスに対応するための更新データを取り込んだパソコンやサーバーのCPU負荷が異常に高まり(CPU使用率100%の状態)、動作が極端に遅くなったり、起動できなくなったりした問題です。ソフトウェアにバグ(不具合)はつきものですが、今回の場合、コンピュータを守るべき役割のウィルス対策ソフトが、そのコンピュータを動かなくしてしまった というところに問題が大きく報じられてしまったようです。ウィルスをバスター(退治)する前に、コンピュータをバスター(退治)してしまったわけです。川で溺れている人に、浮き輪じゃなくて間違えてマンホールの蓋を投げ込んじゃったようなもんですかね。

インターネットが普及していない時代、ソフトウェアの修正は、コンピュータ雑誌の付録のCDに入っている修正プログラムを適用することで行っていたため、何千台、何万台のコンピュータが一斉に動かなくなるなんてことはまずありませんでした。けれども、ブロードバンドによる常時接続の時代になった今、ソフトウェアの修正は、インターネット経由でしかも自動更新なんてしてるもんだから、ひとたび問題が発生するとあっという間にその被害が広範囲に広がってしまうという危険をはらんでいます。長い年月をかけて脈々と築き上げてきた信頼や信用が、一瞬のうちに失われてしまうこともある恐~い時代なのです。あなたの不用意なネットへの書き込みから第三次世界大戦が勃発したり、網棚に置き忘れたノートパソコンに入っている情報から数千億円のビジネスがぶっ飛んだりすることもありえる世の中なのです。

そもそもこういう問題が発生したのも、コンピュータウィルスという厄介者が世の中に蔓延ってしまったことに根本原因があります。コンピュータウィルスには、いろいろと分類がありますが、一般には「コンピュータの中で不正を働くプログラム」のことを総称しています。ウィルスという名前のとおり、感染したコンピュータからネットワークを通じて、他のコンピュータにウィルスを送り込むということをして自己増殖をはかり、あっという間に世の中に感染者(感染したコンピュータ)を増やしてしまいます。

コンピュータウィルスってどのくらい種類があるのかなと思って、自分のPCに導入しているシマンテックのアンチウィルス(Symantec AntiVirus) というソフトの対応できるコンピュータウィルスの数を数えてみたら、なんと約7万種類もあるんですね。しかも毎日10種類ずつくらいの割合で増えているそうです。今回、ウィルスバスターがこんなことを起こしてしまいましたが、やっぱりネットワークに繋げるパソコンには、ウィルス対策ソフトは必要ですね。

株好きのお父さんの中には、トレンドマイクロは大丈夫かいな と思っている人もいると思いますが、おそらく大丈夫でしょう。確かに今回の件で信用は失墜してしまいましたが、かえってこれから品質は良くなっていくでしょう。2回目をやったら、それこそ終わりですからね。
それにパソコンを買ってから一切追加のソフトウェアを買わないような人でも、ウィルス対策ソフトは買ったりしますしね。ソフトウェアの売れ筋ソフトの常に上位にいるのもウィルス対策ソフトです。しかも新しいウィルスに対応するため、毎年毎年更新しなければならないし、ソフトウェアのビジネスで言えばいちばんおいしいアセットビジネスに近いものがあります。それになんと言っても、この業界はトレンドマイクロシマンテックマカフィーの3社の寡占状態です。マイクロソフトがウィルス対策ソフトを発売するという噂が噂のままでいる限り安泰でしょう。

ところで、今回問題を引き起こしたウィルスパターンファイルの番号が、2.594.00(通称 594) という事から、トレンドマイクロエバ・チェンCEOは全マシンが復旧するまで、自分の報酬を594円にすると発表しましたが、なかなかおもしろいことしますね。
それなら、こちらは、5月1日の天皇賞(GI)で3連単 5-9-4 を買って、来週のナンバーズ3で594を買ってみようかな。こちらも当たる?かな。

デンの今日のTake IT Easy :コンピュータウィルスは約7万種類もあって、毎日10種類ずつくらい増えています。ウィルス対策ソフトは必須です。車の自賠責保険と同じです。
レイジーの今日のおとぼけ:ある意味私はウィルスより恐いかも。何回か大事なシステムをぶち壊しそうになったことがあります。

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den 2005-04-30T01:03:13+09:00
IT用語は南蛮渡来 http://www.irnet.co.jp/takeiteasy/archives/2005/04/post_3.html 家族からITってどういう意味? 何の略? InterneT(インターネット)? て聞かれました。Internetってあーた、普通は先頭文字と最後の文字を組み合わせたりはしませんよ。ITは、Information Technology(インフォメーション テクノロジー) の略で、日本語で言うと「情報技術」ということになります。ITという言葉は比較的新しい言葉で、だいたい1998年くらいから使われていたように思います。ちょうど、インターネットが一般に普及し始めたころですね。
ではそれまでは何と言っていたかというと、コンピュータ技術 とか 通信技術またはネットワーク技術 とか 個別の技術名で言っていました。それが、インターネットの普及でコンピュータとネットワークが融合したことにより、この2つの技術を総称して情報技術、ITと呼ぶようになったようです。
素直に日本語で「情報技術」って言えばいいような気がしますが、なにせ、情報通信の世界は、アメリカ主導ですからアメリカがITと言ったら日本もITなんです。ITの世界で日本が主導になって世界標準を作るなんてほとんどないのが現状です。DVDの規格くらいかな、思いつくのは。ゲームやアニメのように日本発信というものが欲しいですね。そういうわけで、IT用語は英語を使うか、それをカタカナにした用語が使われています。

コンピュータ、パーソナルコンピュータ、CPU、メモリ、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、マウス、ネットワーク、インターネット、ブロードバンド、ルータ、CD,DVD、プリンタ、メール、プロバイダ、ソフトウェア、アプリケーション、データベース、クリック、ドラッグ ...

あーきりがないね。これでは、年配の人には難しいですよね。でもこれを無理やり日本語にするとさらにわかりにくいので、やっぱりこのまま憶えるしかないですね。

「個人用電子計算機を買って、さっそく相互接続通信網に接続したよ。まだ、入力鍵盤器や鼠の使い方に慣れなれてないんだ。適用業務が少し遅いのは、やぱり内部記憶装置が256MBだからかな。固定磁気記憶装置は160GBついているからまだまだ余裕だよ」

ね、かえってわかりにくいでしょ。

このように、IT用語はほとんどずべてが英語のせいか、IT業界には、やたらと発表や会話の中に英語を交えて話をする人が多いです。

「われわれのセクションのファースト・クオーターのレベニューをマキシマイズするためには、これまで以上にカスタマーのリクワイヤメントに対してクイックなレスポンスが重要になってきます。シビアなターゲットがセットされていますが、皆さん個々人のベスト・パフォーマンスに期待をしております。そして一丸となってカスタマーをドライブしていきましょう。」

なんていう説明を聞いたことがありますが、もうこうなると病気ですね。国籍不明の異星人です。せめて、英語はIT用語だけにして、他は日本語を話しましょうね。念のため、さきほどの文章を翻訳しておきましょう。

「われわれの部門の第一四半期の売上を最大限伸ばすには、これまで以上にお客様の要求に対して迅速に応えることが重要になってきます。高い目標が設定されていますが、皆様個々人のすばらしい業績に期待をしております。そして一丸となってお客様を引っぱっていきましょう。」

デンの今日のTake IT Easy :IT用語はほとんどが英語ですが、そのまま憶えましょう
レイジーの今日のおとぼけ:私がカスタマーをドライブしていったらみんな死んじまいます。

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den 2005-04-24T00:35:30+09:00