詩と真実・・・マーケット三国志 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/ ja 2006-11-21T07:22:42+09:00 「冬場」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/11/post_61.html ある証券が無期限信用取引の手数料ゼロを撤回しました。
実はホッとしています。
理由は二つ。
手数料をゼロにするということは、証券会社としての立場を放棄し、貸金業に徹するということ。
ならば、証券会社の看板は必要ありません。
もう一つは、無期限信用取引を利用する投資家が少なかったということ。
信用取引は、本来数日から数週間の利用にするべきもの。
未来永劫、借金で株式取引をするのであれば、オプションや先物の方が気が利いています。
そして・・・。
手数料の下げ競走も、ようやく終焉を迎えるかとの予感。
証券会社が本来の立場に戻ってくるのかもしれません。
もっとも、従来型の「売り手の論理」での大量販売ではなく、「投資家の相談」に乗るという意味においてです・・・。
世の中の投資家は、相談相手がいないことで、寂しさを感じているのも事実。
類推するに、これは手数料の高さや低さの問題ではないと思われる。
「貯蓄から投資」へが国策ならば、「自己責任原則」を踏まえた相談システムを完備することが必要。
でも・・・。
上期の個人投資家の発注の91%はネットというのも現実ですが。

新興の業績懸念が燻っています。
そして・・・。
豚肉脱税問題の企業から安倍首相への献金問題。
逮捕された和歌山県知事の談合献金問題。
あるいは、ベンチャー投資会社の脱税問題。
いつもダーティな問題は冬場に発生するような気がしてなりません。
昨年は1月でした。
それよりも・・・。
JASDAQの信用取引評価損率は20%超。
加えて、売り出し公募のラッシュ。
「セカンダリーまでの余裕はない」というのが本音でしょうか。

香港ではハンセン指数が19000ポイントを突破。
背景は「超強気」。
11月16日付香港経済日報は「市場は潤沢な資金に牽引された強気相場であり、年末から来年初めにはハンセン指数が20000まで上昇する可能性もある報じています。
まさに東京の対極。
225の年内18000ポイント説はどこへ行ってしまったのでしょう。

野村證券が大規模のセミナーを開催するそうです。
時期は12月4~7日。
このセミナーには昨年、2700人が参加。
日本企業の参加も53社。
「今年も海外投資家の参加が見込まれ、日本株上昇の好材料となるかもしれない」とは市場関係者の見方。

怖いのはある評論家氏の強気。
11月16日付レポートは「来年2万円に向け年末ラリー、ハイテク株に注目」。
気持ちはわかりますが、個人的には「何も語らないで」といいたいところ。
おかげで週初は、完全なネガとなってしましました。


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ichiba 2006-11-21T07:22:42+09:00
エネルギー http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/11/post_60.html どうも世界はエネルギー問題をフォーカスしているように思えてなりません。
まずは原発。
GEの原発部門は、お古の押し付けという見方があります。
アメリカは、原発を推進しようとしているが、従来型ではなく、新方式の開発が主眼。
だから、必要なくなったというのが解説。
ありそうな話です。
一方で原油。
争奪戦は、ますます激化。
パイプラインの敷設が、地政学となっているが、現状は停滞。
シームレスパイプで圧倒的強さを誇る住金の株価がそれを物語っているとはマーケッターの見方。
自動車にしても、エタノールが主眼となっていますが、実はその先があるというのはある教授氏。
アメリカが苦々しいのはハイブリッド。
となると・・・。
数年後のトヨタの姿が、かつての地所とだぶってなりません。

フィリピンでは、発電所の買収に東京電力、三菱商事など日本の電力・商社が名乗りを上げました。
金額は2~3000億円。
ルソン島のイリハン・ガス火力など3発電所の権益について、今月中旬に入札が実施される予定です。
約300万キロワットの総発電能力のうち米電力大手ミラントが一括売却する200万キロワット分が対象。
発電規模は四国電力や北陸電力の約3割に相当するそうです。
アジアの発電事業拡大も課題となります。

「マーケットは『たそがれ清兵衛』だ」とはベテラン氏の弁。
そして・・・。
「ザクザクといいものがあるのに」と。
問題は、企業業績。
半期決算は増額修正されるものの通期は変わらず。
必然的に下期は実質下方修正と見做されてしまいます。
これは悪循環。
上期増額、通期変わらずの場合は、下期下方修正を迫ったらどうか、ともベテラン氏の弁。

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ichiba 2006-11-13T19:09:48+09:00
「高齢化」 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/11/post_59.html 土曜日の日経夕刊。
滅多に読むことはありませんが・・。
最終面の「文学周辺」では佐藤春夫の「田園の憂鬱」についてのコメント。
・・・青葉台で下車して30分ほど歩いた。
緩やかな丘に、住宅街が続く。すれちがう人はなく、垣根の向こうには庭木の手入れをする年配者しか見えない。
かつておしゃれな主婦たちが話題になったこの町で、今流行しているのはシニア向けの住宅リフォームだという。

確かに、20年前は、新鮮な街でしたが、今はくすんだ街の気配。
渋沢栄一翁の描いた田園都市構想は明らかに高齢化を迎えました。
日経では「65歳以上の労働力人口増加基調」の報。
高齢化はますます進展。
ゴルフの会員権を調べていて気がついたのは、ゴルフをするメンバーの減少。
アクティブメンバーの増加策に躍起なゴルフコースが結構多いもの。

香港の新世紀集団香港有限公司の労明智・執行董事が来日。
主力事業を不動産からクルーズ船のリース事業に展開。
2002年には「アミューズメント・ワールド」「レジャー・ワールド」という2隻のクルーズ船を所有。
それをリースすることにより着実に収益を上げていくというビジネスモデルを確立したといいます。
「レジャー・ワールド」は海上の高級ホテル。
宿泊施設だけでなく、ホールやレストラン、更にカジノもあるそうです。
一方で、国内ではクリスマスに欧州に行くツアーが人気。
団塊を睨めば、旅行は外せないの感。

それにしても・・・。
「ハロウィーン天井、彼岸底」。
大納会まで、まだまだ長いの感。

アメリカの不動産王トランプ氏が来日。
トランプタワーワイキキの販売を日米同時に行うと発表しました。
そして・・・。
日本での不動産投資を始めると言います。
忘れていた人物の復活。
東京はファンド経済と不動産王の戦いに巻き込まれはじめたかの感。
マーケットではDSのトランプ(7974大証)の方がよさげとの声も・・・

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ichiba 2006-11-06T16:22:14+09:00
「ハロウィーン」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/10/post_58.html 負け組代表のソニー。
11月11日発売のプレステ3の予約が瞬時にして、満杯。
背景は部品生産の遅れとされますが、品不足感は人気に繋がる気配も。
任天堂のDSのような品不足は継続しそうです。
金融機関では10万円以上の送金に本人確認が必要になるとの報。
こちらも窓口に人が殺到することは容易に想定されますが・・・。
OECDが始めた世界の流れには逆らえません。

一方で上昇の気配。
リコーの純利益は21%増加。
東急の純利益は3倍。
日本電産は営業益28%増。
住友商事の純利益34%増。
住友鉱の純利益は2.6倍。
そして、減益予想のファナックの純利益は14%増。
元気な日本がいくらか感じられます。

ただ・・・。
上がって困るものは株式の売却益課税、。
民主党の菅代表代行は「場合によっては、30%ぐらいに上げるべき」との発言。
理由は「格差是正の政策の柱」との発言。
これでは、いつまでたっても支持は得られそうもありません。
「場が読めない」典型。

日曜日のよみうりホール。
定員1100名のところ、立ち見も出るほどの超満員。
行われたのは「個人投資家イベント、『株リッチ頂(サミット)』」。
ラジオNIKKEIとリテラ・クレア証券のイベント。
パネラーはDAIBOUTYOU氏、石田高聖氏、うり坊氏。
それぞれ、カリスマデイトレとして燦燦たる成果を上げた投資家たち。
プロデューサーは株式評論家の北浜流一郎氏。
出席者は、通常の株式セミナーとは異なり20~40歳台が中心。
それも、女性投資家の多さが目立ちました。
感じたのは、世代交代。
投資家の世代交代は着実に進展。
デイトレ氏の言葉は「迷ったら買い」。
にもかかわらず、「値動きだけではなく、勉強も必要」とのコメントも。
特に「人に聞くよりは、考える」のコメントは大賛成。
まさに、必要なこと。
ひょっとすると、人に聞くだけの投資家はマーケットでの少数派になっていくかもしれないとの予感。
これは、市場の成熟に必要でもありそうです。
市場関係者のキーワードは「団塊世代の取り込み」。
だが、現実はさらにその先へ進んでいるようです。

世間はハロウィーン。
幽霊、魔女、コウモリ、黒猫、ゴブリン、バンシー、ゾンビ、魔神、それにドラキュラやフランケンシュタインなどが乱舞。
余りの下落に「コツン」との声も聞かれますが・・・。

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ichiba 2006-10-30T18:35:38+09:00
「ロシアとインド」 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/10/post_57.html どうもロシアの動きが目立ちます。
一つは周辺のグルジアやモルトバなどへの圧力。
東ヨーロッパでのパワーを拡大している姿がアリアリ。
先日の外貨準備に円を採用の報道も、この一貫。
ロシアの西側が東欧なら、ロシアの東南は、まさしく日本。
このパワーポリティクスは、それこそ地政学リスクの一部となるのでしょうか。

アメリカに対しては、ロシアの有力資産家オレグ・デリバスカ氏がGM株10%以上取得の報。
政治的・軍事的冷戦は終焉を迎えましたが、経済冷戦が拡大の感。
そんな中、新日鉄は韓国ポスコとの提携を拡大。
持ち合いになりますが、新日鉄はポスコ株を2%、ポスコは新日鉄を3%程度買い増す方向。
新日鉄株1%が概ね340億円。
計算上は1000億円の買いということになる。
もっとも既に取得済かどうかは明らかではありませんが・・

ゴールドマンサックスは関西アーバン銀行を「買い」でカバレッジのレポート。
コメントは「成長余地の乏しい地銀セクターの中で際立つ独自の成長戦略」。
というよりも・・・。
先週木曜の日経朝刊の講談社インターナショナルの広告。
『宇宙が味方する経営』・・・関西アーバン銀行頭取伊藤忠彦著。
サブタイトルは「本当に必要なものは、目の前に存在するものではなくその背後にあるものだ!」。
そして「幸運が必然的に起こる成功の奥義」。
加えて、推薦者が目立ちます
「伊藤頭取にお会いすると、かならずいいことが起こります。本書でその秘密がわかりました」。
これはAPAグループの元谷外志雄会長。
先日、アパマンと間違えられた話題になった「安晋会」の重鎮。
この関係は面白いです。

インドの鉄鋼大手タタは、ヨーロッパの大手コーラスを買収するといいます。
買収額は、約1兆1000億円。
一方、新日鉄が発表した増資の額は3000億円。
それに、もしも新日鉄とポスコとJFEが一緒になったとしても、生産量は9300万トン。
ミタル・アルセノールの1億1000万トンには及びません。
まだまだスケールが小さい。
逆に・・・。
インドは英国の元植民地。
その企業が英蘭の企業を買収するということは大きいこと。

加えて・・・。
情報各社はインドでのソフト開発を拡充するそうです。
富士通は2000人雇用。
日立は要因を15%増加。
堀田善衛氏が「インドで考えたこと」を書いたのは50年前。
人種のるつぼと言われたインドの50年は、それこそドッグイヤーとなったの感。
そういえば、数年前有名なったサイババもインドの人でした。

七五三までは祝祭の予感です。

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ichiba 2006-10-23T16:16:53+09:00
「実は・・・」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/10/post_56.html 「日経平均、5ヶ月ぶりの高値。北朝鮮より円安、米株高」は土曜日日経朝刊の見出し。
そして、「インド株最高値。5ヶ月ぶり、調整局面抜け出す」とも。
確かに、指数だけが上昇。
でも・・・。
実感は「森だけが成長し、木は倒れそう」な状態です。
週末、業界の先輩の一言。
「間違ってはいかん。
指数だけは高い。
だけど・・・。
東証1部の単純平均は2月7日の579.88を天井にして、7月19日の432.56がボトム。
10月12日が443.83ポイント、13日が449.90ポイント。
2月から150ポイント近く下がっていることになる。
この下落幅は、2003年に日経平均が7609ポイントを記録した時の下落幅とほぼ一緒。
株式分割などがあったとはいえ、実は大暴落。
これを誰も伝えていない」。
中島敦の「山月記」の李徴の言葉のようでした。

先日来訪された出版社の重役氏。
「株関係の本はまったく売れません」との一言。
奇妙に現実に一致している。

加えて、日経では・・・。
「株価乱高下、不信の連鎖」。
オックスHDやインデックスを例として、積極的情報開示の重要性を指摘しています。
プリヴェ・チューリッヒやJブリッジなど、新興市場での株価大幅下落銘柄は数多い。
この治療は?
やはり、収益性の裏づけのある新興市場銘柄ということでしょうか。
どうせ上がらないのならば「損切り、乗り換え」。
「株の損は株で取り返す」。
かつての証券セールスマンの常套トークでしたが・・・。
新興市場は、どうやら、そこまで来たような気配
「いいものはいい」の裏返しはやはり「ダメはダメ」なのでしょうか。

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ichiba 2006-10-16T19:13:36+09:00
「もう傘はいらない」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/10/post_53.html マーケットのキーワードは「パフォーマンスチェース」と指摘したのは、ある外資。
世界の株式市場の主要買い手は、商品、エネルギー関連を売ったヘッジファンドやグローバルな資金。
大きな資金を株式市場に移しているため、物色対象は優良株、大型主体になるとの見方。
いい銘柄はとことん追いかけるのが現在の米国株の主流で、パフォーマンスチェースという言葉がクローズアップされはじめたといいます。
「いいものはいい」の復活。
あるいは「雨・曇り・晴れ。もう傘はいらない」となりそうな気配。

先週、訪問したベスト電器。
以前の店舗のビルを使っているという本社はシンプル。
顧客部門に金をかけ、本社は小さくてもいいという社長のポリシー。
面白かった点は多々。
一つは家電商品修理サービス。
9月からスタートしたが実績は想定外の良さだったそうです。
今後の展開が楽しみと・・・。
海外展開を拡大しており、インドネシアや香港での大型出店も期待アリ。
そして・・・。
ビクターのリアプロが余りに素晴らしいので、即注文したといいます。
海外で有力な「JVC」ブランドの復活に繋がる話。

福岡のゼミナー終了後に杖をついて目の前に現われた高齢の女性。
「ソフトバンクはどうでしょうか。
1000円よりも下がると言われて、心配で、心配で」と。
「ここから内容は変わります。
いずれ格上げもあるでしょう」と申し上げると、「ヨカッタ!」との一言。
誰にも相談できず、困っていたという。
これは多分全国的にこうなのだと思われます。

日経では「仏大統領、日本への投資へ『税制で措置を』」の記事。
海外からの日本の投資に税制面で問題があると聞いていると経団連の御手洗会長を恫喝した格好。
三角合併に伴う株式譲渡益など税制上の措置が必要になろうとのコメント。
少し、目が離せません。

ある会計士から四国電力がケーブルテレビの会社を買い続けていると聞きました。
そのココロを類推すると「地デジ」。
突然テレビが映らなくなったときの受け皿としての準備とすると、納得できる話。
もし、そうだとすると、数年にわたる壮大な計画なのですが・・・。

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ichiba 2006-10-10T18:03:22+09:00
「神無月」 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/10/post_55.html 神様は出雲に集まるから神無月。
日本全国の神様が、年に1回支店長会議に集まるようなものなので、10月のパフォーマンスはあまり良くありません。
今年こそ・・・の期待感。
今日は、香港・シドニーがお休み。
中国は秋のゴールデンウィーク。
お休みモードが支配的ですが・・・。

「宴の前のお化粧」という疑心暗鬼もありますが、NYは超ブルマインド。
そのココロは、「10月は暴落」の月。
2000年以降、9月と10月は日経平均の前年末比騰落率でワーストトップ。
10月は-3.9%で最も悪く、続いて9月が-3.0%。
暗黒の木曜日もブラックマンデーも10月。
収穫の時期だけに、「物が出回り価格は下がる」というのは市場の通説。
でも結構説得力があります。
もっとも、元気な市場では、かき消されてしまうが・・・。

ところで、10月2日からノーベル賞の発表。
今年は日本人の候補も結構います。
高脂血症治療薬の遠藤彰氏。関連は第一三共(4568)。
オレフィン系重合触媒の藤田照典氏。関連は三井化学(4183)。
炭素ナノチューブの飯島澄男氏。関連はNEC(6701)。
ゲノム研究の神原秀記氏。関連は日立(6501)。
光ファイバー増幅器の中沢正隆氏。関連はNTT(9432)。

週末のNHK土曜ドラマは「クライマーズ・ハイ」の再放送。
地方新聞記者を演じる佐藤浩市のセリフ。
「大きな相手に取材すればスクープ。
小さな相手に取材すれば小さなニュース。
小新聞でも、天気ネタだけでは終わらせない」。
格好良かった。
でも、これってどんな商売にもあてはまりそうな言葉。
証券マンも銀行マンも商社マンも・・・。

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ichiba 2006-10-02T16:46:27+09:00
「健康」 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/08/post_54.html 私募投信の残高がほぼ30兆円に及ぶとの報。
公募投信の46兆円を抜く勢いで伸びているそうです
背景は地銀など機関投資家の運用拡大と個人富裕層の変額年金など。
コメントはされていませんが、特に225連動型の運用が多いと思われます。
数年前は仕組み債、今は私募投信。
昔のように投信は再び「池の中の鯨」となってくるような予感がしてきます。

因みに、国の債務超過は265兆円との報告。
まだまだ対策は必要ということです。
これだけを見ると道のりは遠いもの。
でも・・・。
トレンドが右肩上がりである限りは、ある程度、時間が解決してくれる部分もありそうに思えます。
昨日のTVでの麻生氏。
「日本には実力がある。公共投資もするべきところはする」。
いずれにしても・・・。
政治が高邁でなくなった変わりに、わかりやすくなってきました。

ところで・・・。
マーケットでは「健康」が話題になりそうな気配。
背景は、国民医療費が32兆円にもなったこと。
高齢化と高度化が影響しているとのコメントでした。
JTBとNTTデータは、企業向けの健康管理支援事業で提携。
キャノンや石川島などは高度医療機器に進出。
「医療と健康」は、M&Aやキャッシュリッチ企業を含め目を離せなくなってきました。
確かに、国策はバイオとITであることに変わりはありません。
目先の一喜一憂からもっと大きな視点を持ちたいところです。

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ichiba 2006-08-28T18:33:19+09:00
「兜町」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/08/post_52.html 証券取引のメッカは兜町。
今は、機械的な雰囲気に支配された取引所。
閑散とした人の流れ。
場の活況など感じられることもなく、ただ普通の東京の街となってしまっています。
大手証券の株式取引の6割がネット取引となってしまったというのも現実。
しかし…。
株の町であることに変わりはありません。
半世紀前の兜町の繁栄の姿を描いた逸品に清水一行氏の「小説兜町」があります。
証券史に名高い神武相場と岩戸相場が中心。
神武相場のスタートとなった平和不動産(ボロ)の動きなどは迫真に迫るもの。
そして仕手株であったホンダ、中小型であったリコーが「光と影」の銘柄として登場。
兜町の歴史の一端でもあります。
合間合間に語られる相場の言葉が印象に残ります。
「相場ほど、“同じ過ち”を繰り返させるものはなかった。
下がるだろうとか、上がるだろうという予測は、理論的にはある程度まで分析することが出来る。
その時期についても、先行指標はさまざまな変化を示す始めるもの。
ただ、そういう大局観も、相場の実戦場裡では『もう一文』という、相場が言わせる煩悩によって惑わされる」。
あるいは…。
「相場はナゾナゾです。
提灯の明かり一つをたよりに闇夜を行くようなものだ。
せいぜい自分の足元しか照らせない。
が、冷静な第三者が見ると、提灯の明かりで歩いている人の位置がわかる」。
興味深いのは登場する銘柄。
値嵩品薄株としてのソニー(当時1450円)、ホンダ(同1350円)、資生堂(同1190円)、花王(同700円)、NEC(同700円)など。
国際株としての三井物産(同525円)。
そして水産株としての日水、ホウスイなど。
アツギも登場します。
現在の新日鉄や石川島も主役。
最後は日立で終焉。
「歴史は繰り消す」はけだし名言ですが、株の世界には色濃く現れるような気がしてなりません。

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ichiba 2006-08-21T15:48:17+09:00
「停電」 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/08/post_51.html 楽天はヒルズから品川へ移動の報。
ヤフーも六本木の他のビルへ移動するといいます。
ヒルズ効果が喧伝されたのは、2年前。
今では昔日の面影。
先日あった水道橋のIT関連企業の社長の言が甦ってきます。
「うちは所在地が六本木ではありませんし・・・」。
強烈なアンチテーゼでした。

ある会計の専門家の指摘。
「不動産が値上がり傾向にある現在、日本企業の収益は特別利益によって急拡大するのではなかろうか」。
厳密な確認はしていないが、確かに、減損会計は簿価を低くしており、含み益拡大しているに違いありません。
ある不動産コンサルティングの宗匠からのレター。
「『可愛い』という情愛の源は日々育児につぎ込む『手間』の量に比例する。
・・・惜しげもなくかける『手間』。
そこにふつふつと愛情の泉が湧き出てくる」。
これは、子供だけではなく、不動産にも、そして株式にも言えるようです。

先週末の罫線コメント。
「チャートは『不発花火(迷い星)タスキ線」」。
「戻りの高値圏にさしかかり、強弱感が対立。
下値には執拗な押し目買いが入るものの、上値にも強力な抵抗帯があり、膠着感を示す。
前日は短小陽線、当日は短小陰線がタスキとなって連なる高値揉みの形。
上でも、下でも市場人気の反対に急激に移行する、『陰陽逆向かいの変化線』。
予断は禁物ながら、切り返せば大きい」。
この「切り返せば大きい」が現実化してきたようです。

それにしても停電騒動。
東証は電気もつかず、エレベーターは動かず、日経平均は13時25分から算出できず。
それでも9時から商いが始まり3時に終了。
ここに東京市場のたくましさを感じた投資家は多いのではないでしょうか。

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ichiba 2006-08-14T18:04:39+09:00
「元気」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/08/post_50.html あまり評価されていませんが「厚生年金2年ぶりに黒字」の見出し。
サブタイトルは「株高で8兆9500億円。国民年金も赤字抜け出す」。
「今後も好調な資産運用が続けば、保険料引き上げ幅の圧縮など制度改革に影響を与える可能性」とのコメントでした。
この「運用」の部分が年金論議に欠落しているということが意外と議論されません。
少子化や高齢化ばかりがクローズアップされますが。年金の資金運用は軽視され過ぎの感。
受託者責任が問われなければ、それこそ埼玉・ふじみ野市の市民プールのように「無責任」となってしまいます。

非鉄の専門家の指摘。
「生産者のヘッジ売りが劇的に減っていること。
逆にヘッジ売りポジションの買い戻しが増加していること。
これがブルマーケットつの要因の一つと見られる」。
株式市場に生産者はいませんが、「先高心理は売りを消す」というのは古今東西の歴史的事実。
エクイティに欲しいのはこの心理。
そして、こう付け加えられています。
「相場が上がるうちは生産者も売らない。安くなると売る。奇妙な行動である」と。

日本がまだバブルの余韻に浸っていた頃のNY。
ソーホーのアパートでボンドディーラーとエンパイアステートビルを眺めながら飲んだことが甦ります。
頃は秋口。
ボントレ氏は「年末にはレイオフだ」と真剣に悩んでいました。
そして・・・。
年末に確かに彼は職を失いました。
でも・・・。
その後まもなくのクリントン政権誕生以来、NY市場は殆ど明るい展開。
そして、へこみ続けた東京市場。
シニカルに考えれば、米国経済の繁栄が日本経済の疲弊の延長線上にあるともいえます。
ならば・・・。
米経済の適度な失速は逆に東京にプラスであるとも言えます。

週末からの日経1面の見出し。
土曜「上場企業15%経常増益」。
日曜「日経国際版バンコクで印刷」。
今朝「景気拡大1年以上続く」
そして社長100人アンケートの結果は「人出不足4割」。
企業は儲かっている。
アジアへの日本企業進出効果は顕著。
国内景気も良い。
ならば・・・。
見えない影には覚える必要はないとも言えます。

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ichiba 2006-08-07T18:18:33+09:00
「梅雨明け」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/07/post_49.html 暑さとともに政治の季節が到来したようです。
谷垣財務相の「報道2001」での発言。
「ワンフレーズで徒に危機感を煽りポピュリズムで行くのではなく、“もっと自信を持ちましょう”」。
忘れかけていた言葉が政治の世界から出てきたことは新鮮でした。
これは、海外からも言われ続けたこと。
「ものつくり能力」「不良債権処理完了」そして「デフレ脱却」。
アメリカの凋落と日本の復活。
あり得ないシナリオではありません。
しかも防衛庁はテポドンは完全に失敗とのコメント。
地政学リスクは、それこそ減少しました。

ダイエーの処理が進展し、産業再生機構は1年前倒しで解散の報。
おまけに35社の処理で300億円の利益になるとの試算。
「発足時に利益は誰も予測していなかったことから利益配分ルールがない」というのは今では笑い話。
ここにも日本経済の変身があります。
だがこれを評価するマーケッターは見られません。
あまりにも近視眼・・。
外から見れば、立派な材料だと思うのですが・・・。

総裁選出馬せずの福田氏の「年齢のこともあるし」の真意についてのマーケット関係者の見方。
「年齢だから無理」ではなく、「その次でも出来る年齢だから」との解釈。
参議院選挙での短命に終わるくらいなら、その次でも出来るというのは、意外と自然な見方。
あるいは次期政権が相当に短命との見方も・・・。

「日本はデフレ脱却」とはIMFの報告書でした。
2006年度の実質成長率見通しを2.9%に上方修正。
なかなか宣言に踏み切れない政府に決断を促すような格好です。
一方でアメリカは4~6月のGDP速報値が2.5%と大幅減速。
8月8日FOMCでの利上げなし・・・となると世界同時株高の見出しもあながち荒唐無稽ではなくなってきます。
加えて、マネロン摘発へ米中は協力強化の方針。
マネーの流れは、やや変化の兆しともなるでしょうか。
以外に好調な企業業績や8月1日に発表の路線価。
天気の「梅雨明け宣言」とともにサマーラリーの足音は聞こえ始めたようです。
8月こそは「月足陽線」に期待といったところでしょうか。

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ichiba 2006-07-31T15:45:20+09:00
「疑問」(いちば) http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/07/post_48.html 7月20日の日経朝刊スクープ。
なぜ今頃「昭和天皇メモ」が?
8月15日に靖国ではなく、中国へ行って胡錦濤主席と電撃的会談を行おうと目論む小泉氏が黒幕という荒唐無稽なシナリオも聞かれます。
もう一つのシナリオ。
「後継を安倍氏にしたい小泉氏。安倍氏が靖国へ行かなくても済むようにという配慮」との声。
もっとも小泉談話は「参拝判断影響せず」となっていますが・・・。
諸説渦巻きます。
そして当日の408円高。
いずれにしてもなぜ経済新聞が?の疑問だけは去りません。

ところで・・・。
アメリカはサウジアラビアに7200億円分の武器を販売するといいます。
種類は軍用ヘリコプター「ブラック・ホーク」や装甲車、軍用長距離無線など。
「サウジアラビアが中東地域の安定を維持または回復する上で、米軍兵力への依存を減らすことができる」ことが背景。
アメリカにしてみれば、7200億円程度ということですが、武器によるオイルマネーの取り込みという見方になってきます。

一方で「大手銀、海外融資3割増」の報道。
三菱UFJ、みずほ、三井住友の三大フィナンシャルグループの3月末の貸出金の合計残高は前期比3割増の約21兆円。
「アジアに進出した日系企業向け融資が好調なうえ、大型買収案件が多い欧州や資金需要が旺盛な中南米の資源国で非日系企業向けの貸し出しが増えている」とのコメント。
ドメプレイヤーから国際プレイヤーへと再び変化できたメガバンクの動向は喜ぶべき点。
でも・・・。
この融資増大が回りまわって、日本企業へのM&A資金となる可能性を考えると手放しでは歓迎できないことになりませんかね。

先週末のチャートコメント。
「安値には用心深い買い方の押し目待ちの買い物が入り、勢力は膠着状態。買い安心が出来ない状況が続いていることだけは確かながら、底堅い展開に、売り方は買い戻しに不自由を感じ始めている形」。
決算発表に対する期待感のなさが逆に元気を呼び込む格好になるような気がしてなりません。

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ichiba 2006-07-25T07:38:36+09:00
「明けてみれば」 http://www.irnet.co.jp/sangokushi/archives/2006/07/post_47.html 久々の3連休終了。
休み前の週末には、ゼロ金利解除が大きな話題でした。
明けてみれば、国連の北朝鮮制裁決議とサミットが終了。
そして・・・。
日経225Miniがスタート。
マーケットはそれこそ「行く川の流れは絶えずして・・・」であると実感。

面白かったのはロシアの「晴天維持作戦」。
周囲の雨雲に化学物質を散布してサンクトペテルブルグ上空に雨雲が来る前に雨を降らせてしまおうという計画。
空軍機11機を投入し、総額8億円をかけたといいます。
でも・・・。
結局は激しい雷雨。
元気なロシアもさすがに天気は支配できないようでした。

マーケットでは「相場環境が良ければ先週末は3日間の信用期日が到来し、一つの節目となるところ。
2月高値、3月高値、4月高値銘柄の順番に物色することが寛容。
4月高値が多いので5ヶ月目の9月が全体整理の完了時期と判断するのが妥当。
ゼロ金利解除を言い続けて相場は下げ続けてきたのだから需給さえ改善すれば上昇に転じる順番」の見方も。

一方でベテラン編集者のコメント。
「全般相場を、TOPIXで見ると、さすがにコツンの場面が来週にも来そうな可能性。
コツンと来て戻り、そして又下がる。
8月のどこかで『あぁ、あそこが最後の底だったか』という局面が到来するに違いない。
『そろそろ、ソロスが買い戻すらしい』と、市場関係者が言ったとか言わないとか・・・。
ともあれ、株式市場は依然、病み上がり」。
日経225Miniがスタートということは、経験則からは暫しの上昇を示唆しているのですが・・・。
しかし、制度の変更や創設は、個人投資家を裏切ってきたことは歴史に詳しいところ。

マーケットは土砂降り。
外の天気同様にアジアモンスーン状態。
キャシュリッチから堅調だったキャノンも、米デルよる半額プリンター直販の報道からネガティブに。
タンス預金の25兆円が動き始めたとはいえ、まだまだ途半ばの感。

外資は、「ゼロ金利解除後もマネーの増大が円安を招来する」のレポート。
・・・量的緩和解除後における準備預金残高の大幅な削減は、銀行による信用創造に何ら抑制的な影響は与えなかった。
従って、量的緩和の解除がマネーの収縮を通じて円高をもたらすとの議論は誤り。
だから・・・。
世界のマネーの流動性を減少させ、世界同時株安の誘因となったとの説も妄想となる・・・との見方。
銀行はさらなる信用拡大に走る、との説。
因みに3ヵ月後の円ドル見通しは118円。

ところで・・・。
価格の一方通行は、金に顕著。
休み中の値動きは・・・。
週末のNYでは667ドル。
月曜日は、極東時間に676ドルと高値。
700ドルが目の前と思われた瞬間にロンドン・NYでファンドの一角が激しく売り浴びせ。
結局650ドルを割り込んだところでストップロスの売りから下げが加速。
めまぐるしい一方通行の動き。
専門家は「流動性の現象とプライベートディーラーの増加が背景」と指摘します。
これは、エクイティにも言えることになるのでしょうか。

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ichiba 2006-07-18T19:11:02+09:00